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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.378
『ひそやかな花園』 角田光代
「このミス」2011年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2010.10.7 ~ 読終:2010.10.8
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2010年7月>
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角田光代といえば、エンタメやミステリの枠ではなく、主に女性を対象とした文学作家というイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、昨年のNo.204「森に眠る魚」は、サスペンス的な演出で女性たちのドラマを盛り上げる作品で、ランクインはしなかったものの「このミス」でも“21位以下の作品”欄に載るくらいに票が入っていました。
まあ、「このミス」は女性の投票者が少ないので、作風的にランクインするのは難しいとは思いますが、でもいずれ「このミス」的なすごい作品を発表してランクインする時が来るかもしれませんね。
そして本作ですが、ミステリ的な演出があるので、前作以上に「このミス」向けの作品といえるかもしれません。
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本作は、きっちりと分かれているわけではありませんが、全体的に見ると大きく前後半に分かれています。
前半では、毎年のように小学生の子供を持つ家族が何組か集って、夏休みの一時を別荘で過ごしていく中での出来事、そしてそこに参加していた子供たちが、大きくなってから“あの集まりは一体何だったのか”をそれぞれが考えたり探ったりしていく様子が語られていきます。
この“あの集まりは一体何だったのか”というのは読者側にも提示されていないので、この部分がミステリ的な演出となり、物語に引き込まれていくわけですね。
そして後半部分では、その真相を知った登場人物たちそれぞれの、現状における個人的な問題とその真相とが絡み合った人間ドラマが繰り広げられていくのです。
その真相というのは別に驚愕するようなものではありませんが、この真相によって後半部分の物語がとても熱く心に響くものになっていますし、テーマ性もより深く伝わってきたように思います。
読んでいてかなり考えさせられるような重いテーマではあるものの、前向きで感動的な方向へと進んでいくので、深みと重みと爽やかさを味わうことのできるとても素晴らしい作品でした。
そしてテーマ的に今回も女性に向けた内容といえそうですが、ただ男目線で見てみると、なかなか理解しにくかったりあえて触れないようにしがちな部分だと思うので、むしろ男こそ読んでおくべき作品なのかな、とも思いましたね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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