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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.375
『小さいおうち』 中島京子
「このミス」2011年版 : 投票数0
受賞(候補) : 「直木三十五賞」受賞
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2010.10.4 ~ 読終:2010.10.4
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2010年5月>
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第143回直木賞(2010年春)を受賞した作品です。
作者の中島京子は、これまで文学的な作品を発表してきたそうで、本作も噂というか情報を見聞きした感じでは、やはり文学的な作品のようでした。
となると、「このミス」の対象とはならなそうなのですが、ただあらすじなどを読んでみると、少しミステリ的な演出もあるかもしれないようにも思えたので、試しに読んでみたのです。
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主人公は若い女中で、この主人公の目を通して、戦前~戦後における日本の姿が描かれていきます。
女中とはいっても、大きな屋敷で働いているのではなくて、親子3人が暮らす一軒家で家族の一員のように働いているので、この主人公を含めた一つの家族の物語でもあります。
そして、戦争が題材とはなっているものの、生々しい戦争体験が描かれるわけではなくて、あくまで一般人が普段の生活の中で体感した戦争へと向かっていく日本&戦争中の日本が描かれていて、しかもほのぼのとした雰囲気があるほどなのですね。
家族物語としても、戦争物語としても、そして時代物語や恋愛物語としても、ほのぼのとしながらも心に染み入るドラマ性がさわやかに胸を打つので、女性により好まれそうな作風に感じました。
そんな感じで終わるのかと思いきや、現代編となる最終章において、ミステリ的な展開によっていくつもの真実が明らかになっていくのですねェ。
とはいってもそんなにミステリ度が高いわけではないのですが、新たに提示される真相によって、それまでの主人公の物語がまた一段と深みと感動を生み出しているので、物語全体からみても見事な仕掛けとなっているように思いました。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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