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2010年9月30日 (木)

『バイバイ、ブラックバード』 伊坂幸太郎 > 「このミス」完全読破 No.367

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.367

 『バイバイ、ブラックバード』 伊坂幸太郎

   「このミス」2011年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
                 (文庫ランキング) 6位

   読始:2010.9.16 ~ 読終:2010.9.16

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年6月>

バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)
伊坂 幸太郎

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 ミステリを含む小説本というのは、普通は雑誌や新聞等で連載していたものをまとめたか、書き下ろしかのどちらかなのですが、本作の場合はちょっと特殊な形態です。

 というのも、短編を一つ書き終えるごとに抽選で当たった50名の方に送られていく”ゆうびん小説”という企画から生まれた作品なのですね。

 そして本作は、太宰治の未完の遺作「グッドバイ」から想像を膨らませて創られた作品である、というもう一つの特徴もあります。

 この「グッドバイ」を読んでいなくても問題なく楽しむことができる内容ですが、でも読んでいた方が相違点などがわかってより楽しめるかもしれませんね。

 ちなみに、作者インタビューや作品解説、そして太宰治の「グッドバイ」も収録された「バイバイ、ブラックバード」をより楽しむために(Amazon.co.jp)という本も同時発売されています。

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 それで内容の方ですが、”短編を書き終えるごとに送付する”という形式だからといって短編集というわけではなく、話が一つに繋がった長編作品です。

 ただ、どの章から読み始めてもあまり問題ない連作集的な構成でして、書き下ろしの最終章が加えられることによって長編として完成した、といった感じでしょうか。

 具体的な内容については、特にストーリー的な面白さがある作品ではないので書きませんが、まあとにかく登場人物たちのキャラクターやそのやり取りがとんでもなく面白い作品なのですね。

 特に主人公と共に行動する人物が、読めばあるテレビタレントの姿が容易に思い浮かぶようなキャラクターなのですが、ただでさえ見た目も言動も強烈なタレントの、その強烈な部分のみをさらに何倍にも強烈にしてしまったような、とにかく強烈としか言えないようなキャラクターなのです。

 (後日追記:著者は本作を執筆中にはそのタレント(マツコ・デラックス)の存在を知らなかったそうで、そのために文庫版ではキャラクターの容姿が変更されています)

 この人物と主人公とが織りなす物語も必然的に強烈となるため、構成やストーリーなどシンプルであるにも関わらず、その面白さは奥行きを大いに感じるほどで、ホントに心から楽しみながら読むことができました。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★      人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★       気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  > No.627 「死神の精度」
  > No.618 「残り全部バケーション」
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  > No.384 「マリアビートル」
  > No.381 「グラスホッパー」
  > No.367 「バイバイ、ブラックバード」
  > No.312 「蝦蟇倉市事件 1」

  > No.310 「オー! ファーザー」
  > No.289 「SOSの猿」
  > No.125 「ゴールデンスランバー」
  > No.084 「アヒルと鴨のコインロッカー」
  > No.021 「重力ピエロ」


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