『悪の教典』 貴志祐介 > 「このミス」完全読破 No.361
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.361
『悪の教典』 貴志祐介
「このミス」2011年版 : 1位
受賞(候補) : 「山田風太郎賞」受賞
(「直木三十五賞」候補)
(「吉川英治文学新人賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 1位
「ミステリが読みたい!」 2位
「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
(文庫ランキング) 6位
「本屋大賞」 7位
「AXNミステリー 闘うベストテン」 9位
「キノベス」 20位
読始:2010.9.2 ~ 読終:2010.9.6
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本(上・下) <2012年8月>
悪の教典 上 (文春文庫) 貴志 祐介 文藝春秋 2012-08-03 売り上げランキング : 481 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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雑誌連載されていた貴志祐介の新作(「悪の教典」&No.428「ダークゾーン」)は、2作品とも前評判が高く、その分期待の方も高くなっていました。
この2作は同時期に発売される可能性もあったそうなのですが、まず先にこの「悪の教典」から発売に。
2年前のNo.126「新世界より」がやはり上下巻の大作で、内容は壮大なスケールのダークファンタジーだったこともあり、本作も異世界的な展開になるのかな~と無意識に感じながら読み始めてしまいました。
ところが読んでみたら現代の、それも高校を舞台に繰り広げられる物語だったので、ちょっと驚いてしまいましたね。ってまあ自分で勝手に想像していただけですが。
その高校で多くの生徒から慕われている教師を主人公に、生徒や同僚たちとの一見普通な話が進んでいくのですが、次第に貴志作品らしいダークな部分が垣間見えてくるのです。
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そういった展開は主に上巻で繰り広げられまして、最初に広がっていた日常が次第に崩れていく感じ、ある人物の本性が明らかにされていくにつれて物語がダークに変貌を遂げていく感じが、もうとてつもない迫力だしスリル満点だしで、読めばグイグイ引き込まれていくこと間違いないでしょう。
そして下巻では、その上巻を元にしてまたとんでもなくぶっ飛んだ展開に突入していくので、まあとにかく圧倒されまくりの作品なのです。
ただ個人的には、上巻は物凄く楽しめたものの、No.12「黒い家」や「新世界より」のホラー部分のような“襲われるものの迫力ある恐怖”を期待していたので、逆に“襲う側”がメインとなっていた下巻には少し“あれれ?”ってなってしまいました.....。
でも最後まで読んでみたら、これはホラー的というよりもサイコスリラー的に楽しむものなんだってことがわかったので、やはり読み方(期待し方)を誤ってしまったようです。
とはいえ、上下巻の分厚さをほとんど感じさせないくらいにのめり込んでしまいましたし、このダークなのに爽快感ある物語もかなり楽しめたこともまた事実なのですけどね。
あとこの作品には特設サイトが作られていまして(『悪の教典』 特設サイト)、ここでは第1章を全文ダウンロードできる他、クラス名簿・教員名簿を見たり、ある登場人物のTwitterを見たりフォローしたりできます。
ただ、このTwitterの内容にはネタバレが含まれているので、作品自体を読む前に見ない方がいいでしょうね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.991 「ミステリークロック」
> No.698 「雀蜂」
> No.469 「鍵のかかった部屋」
> No.466 「硝子のハンマー」
> No.428 「ダークゾーン」
> No.361 「悪の教典」
> No.126 「新世界より」
> No.012 「黒い家」
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