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2010年9月20日 (月)

『スリープ』 乾くるみ > 「このミス」完全読破 No.360

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.360

 『スリープ』 乾くるみ

   「このミス」2011年版 : 55位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 18位

   読始:2010.8.31 ~ 読終:2010.8.31

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年6月>

スリープ (ハルキ文庫 い 15-1)スリープ (ハルキ文庫 い 15-1)
乾 くるみ

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 「リピート」に続いてのSF作品です。

 その「リピート」ではタイムトラベル物でしたが、今回はタイトルから想像できるように、冷凍睡眠(コールドスリープ)物。

  これは、人体を低温状態に保つことで老化を防ぎ、眠りについた時の状態で数十年後に目覚めるということで、まあ一種のタイムトラベルなのですね。

 本作でも、この冷凍睡眠によってタイムトラベル状態となった人物の、タイトラベル前と後の物語が描かれていきます。

 そして作中には、この冷凍睡眠についてなど科学的・物理的な説明が結構入るので、表紙の感じからするとNo.68「イニシエーション・ラブ」のような軽く読める内容に見えますが、普段SF作品を読み慣れていない人だと少し小難しく感じてしまうかもしれませんね(後日追記:ここでいう表紙とは単行本版のことです)。

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 というわけで今回はSF作品なわけですが、恋愛小説でしかない内容だったものを最後の一行だけでミステリ小説に変えてしまう乾くるみですから、やっぱり本作もミステリ的な要素が次第に出てきます。

 冷凍睡眠から目覚めた後のことなのですが、なんだか状況が掴めないような展開になっていって、モヤモヤした中で話が進んでいくと、最後には全てが明らかになってスッキリとするのですね。

 このようなSFとミステリが見事に融合した作品なので、SF小説好きの人もミステリ好きの人も満足できる内容なのではないでしょうか。

 それに、読み終えた感じが感動物語のようだけど、よくよく考えてみたら.....、というブラックなスパイスが効いた所なんかも乾作品らしくて良かったですね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★      おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “ 乾くるみ” 関連記事 】

  > No.726 「北乃杜高校探偵部」
  > No.560 「カラット探偵事務所の事件簿2」
  > No.501 「嫉妬事件」
  > No.374 「セカンド・ラブ」

  > No.360 「スリープ」
  > No.185 「六つの手掛り」
  > No.168 「カラット探偵事務所の事件簿(1)」
  > No.105 「クラリネット症候群」
  > No.068 「イニシエーション・ラブ」


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