『写楽 閉じた国の幻』 島田荘司 > 「このミス」完全読破 No.357
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.357
『写楽 閉じた国の幻』 島田荘司
「このミス」2011年版 : 2位
受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 3位
「週刊文春ミステリーベスト10」 6位
「本格ミステリ・ベスト10」 7位
「黄金の本格ミステリー」 選出
読始:2010.8.17 ~ 読終:2010.8.25
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2010年6月>
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島田荘司は、現実に起きた事件や謎を題材に、独自の解釈を提示することでミステリ小説として仕上げた作品を数多く発表しています。
そして本作は、タイトルからもわかるように、江戸時代の浮世絵師・東洲斎写楽に関する謎を題材としているのです。
この写楽というのは、名前だけなら誰でも聞いたことがあると思うのですが、実はその正体に関してはかなり謎に包まれている人物なのですね。
そんな写楽の真相に、現代の主人公が迫っていくわけです。
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この主人公には、様々な不幸が雪崩のように襲ってくるのですが、そんな中で巡り合った人物をキッカケにして、写楽の謎を追及していくことになります。
その過程で、写楽の一体何が謎なのか?どうしてこれまで謎が解明されていないのか?など、写楽に関する謎について読者にも詳しすぎるほどに説明してくれるのですが、これがまたボリュームも凄いし専門的な話になるので、小説というよりもノンフィクションを読んでいるようにも感じてしまいました。
ただ、それを踏まえた上で明かされる真相というのがホントに衝撃的だし、全く関係ないかに思えていたところにも伏線が張られていたこともわかりますからね(ただそれ故に自分としては珍しく早い段階に気づいてしまったわけですが.....)。
そして、その現代編の合間に江戸編が少し挟まっているのですが、これがまた面白くて、こちらをメインで読みたいな~と思ってしまったほどでした。
ただ、これはあとがきで作者自身が言っていることなどですが、700ページ近い大作であるにもかかわらず、特に現代編の話など中途半端なまま終わってしまっているので、完成された作品といった感じではないのです。
なので、「写楽 閉じた国の幻Ⅱ」の発売はホントに実現してほしいし、今から楽しみですね。
あと、作者の制作過程がまるで主人公の生き写しのようで面白いあとがき(後日追記:単行本版のことです)も読み応え満点なのですが、写楽の真相についても言及しているので、本編を読む前に目にしないようにご注意を。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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