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2010年8月26日 (木)

『愚か者死すべし』 原尞(りょう) > 「このミス」完全読破 No.351

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.351

 『愚か者死すべし』 原尞(りょう)

   「このミス」2006年版 : 4位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.7.29 ~ 読終:2010.7.30

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本 <2007年12月>

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原 りょう

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 No.11「そして夜は甦る」No.135「私が殺した少女」No.260「天使たちの探偵」(短編集)、No.321「さらば長き眠り」に続く、“探偵沢崎”シリーズの5作目です。

 本作も含めてこれまでのシリーズ5作品全てが「このミス」で5位以内に入っているというとんでもないシリーズなわけですが、前作でシリーズを通して語られてきた話に決着がついたため、“シリーズ第5弾”というよりは、“新シリーズ第1弾”や“第二期の1作目”と言った方がしっくりくるでしょうか。

 そしてこのシリーズ、1~3作目までは1年おきに発表されているものの、そこから4作目までは6年、そして新章突入となる本作までは9年も間隔があいてしまうのですよね。

 原尞はエッセイ集以外はこの“探偵沢崎”シリーズしか発表してないので、驚くほどの寡作なのですが、期待される新シリーズ2作目も、前作から5年が経つ2010年8月時点でいまだに発表されていないのです.....。

 2008年に発売された「もっとすごい! このミステリーがすごい!」(Amazonへのリンク)に掲載のインタビューによると、新作はほぼ完成していながら、諸般の事情で少し手間取っているのだそうです。

 なので出来るだけ早く発表してほしいのですが、でも間があいたことによってそれまでの作品を読み終え、新作が発表されたらすぐに読むことが出来る状態になったということもあるので、まあ気楽に待ちたいと思いますね。

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 というわけで内容の方ですが、“新シリーズ突入”とはいえ、基本的な部分はほとんど変わりがありません。

 今回も探偵である主人公が事件に巻き込まれていくのですが、様々な出来事が複雑に絡み合い、事件の全容が全く見えないような状況が、物語が進むにつれて霧が晴れたようにすっきりと全貌が現れてくるところなど、相変わらずの上手さですからね。

 もちろんマンネリを感じないこともないのですが、それを覆い尽くすほどの探偵・沢崎の魅力、そして魂が作品世界に吸い込まれてしまうような魔術的文章力がやはり冴えに冴えまくっているので、これまでの作品のファンなら期待を裏切られることなく安心して楽しめること間違いなしです。

 ちなみに、“シリーズを通して語られてきた話”の結末について話題になるので、“新章第1弾”だからといっていきなりこの作品から読み始めるよりも、過去のシリーズ作を読んでからの方が良いでしょうね。 


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★      主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★          人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “原尞(りょう)”関連記事 】

  > No.1009 「それまでの明日」
  > No.0777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」

  > No.0351 「愚か者死すべし」
  > No.0321 「さらば長き眠り」
  > No.0260 「天使たちの探偵」
  > No.0135 「私が殺した少女」
  > No.0011 「そして夜は甦る」


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