『ベルリン飛行指令』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.344
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.344
『ベルリン飛行指令』 佐々木譲
「このミス」1988年 : 4位
受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)
(「直木三十五賞」候補)
総合ランキング : 「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 91位
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 5位
読始:2010.7.2 ~ 読終:2010.7.13
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <1993年1月>
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佐々木譲といえば、今ではすっかり“警察小説を牽引する作家”というイメージとなっていますが、「このミス」創刊頃には冒険小説やサスペンス小説で活躍していました。
特に“第二次世界大戦秘話三部作”は、3作品全てが「このミス」で4位以内に入っていますし、文学賞をいくつも受賞するなど、まさに代表作というべき評価を受けていたのです。
それで本作は、No.401「エトロフ発緊急電」 No.24「ストックホルムの密使」へと続く“第二次世界大戦秘話三部作”の1作目です。
“三部作”といっても、話が直接的に繋がっていたり主人公が一緒ということもないので、順番通りに読まずとも大きな問題はありません。
ただ、刊行順と(話の)年代順は比例しているし、本作の後日譚的な話が次の「エトロフ発緊急電」に出てきたりもするので、特に理由がない限りは刊行順に読むことをオススメしますけどね。
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“太平洋戦争開戦直前の時期に、日本のゼロ戦がドイツの空を飛んでいた”という謎を追うところから話は進んでいきます。
まあとにかくこの第二次世界大戦における日本&各国の情勢についての話や説明が多く、小説を読んでいるというよりは歴史の勉強をしているように感じてしまいました。
しかし話が動き出してくれば、そういったバックグラウンドの効果もあって話に重厚さと濃密さが生み出され、とんでもなくドキドキワクワクとする冒険活劇となるのです(なので最初の方で読み進め辛くなったとしても、頑張って読み進めてほしいです)。
特に主人公のキャラクターがとても魅力的でして、この人がいたからこそこの物語が数倍にも面白くなったと思うし、軍人らしくない破天荒な性格がとにかくカッコ良すぎなのですよね。
一番の盛り上がりになるのではないかと思っていた場面が結構あっさりだったのはちょっと拍子抜けでしたが、でも警察小説とはまた違った読み応えがありますし、芯の部分には共通点もあると思うので、“佐々木譲の警察小説”が好きな方には特にオススメです。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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