『マルドゥック・スクランブル』 冲方丁 > 「このミス」完全読破 No.336
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.336
『マルドゥック・スクランブル』 冲方丁
「このミス」2004年版 : 16位
受賞(候補) : 「日本SF大賞」受賞
総合ランキング : 「2000年代前期SFベスト30」 1位
「ゼロ年代SFベスト30」 3位
「2014オールタイム・ベストSF(国内長編部門)」 21位
「「このミス」20年のベスト・オブ・ベスト」 38位
年度ランキング : 「ベストSF2003」 1位
読始:2010.6.21 ~ 読終:2010.6.23
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本(全3巻)
<2003年5月(The First Compression 圧縮)
6月(The Second Combustion 燃焼)
7月(The Third Exhaust 排気)>
マルドゥック・スクランブル The 1st Compression 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) 冲方 丁 早川書房 2010-10-08 売り上げランキング : 693 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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冲方丁といえば、本屋大賞を受賞するなど大ヒットしているNo.305「天地明察」の影響で、“時代小説作家”として注目されています。
しかし、時代小説を書いたのはこの「天地明察」が初めてで、それまではジャンルの全く違うSF作品やライトノベル小説などで活躍していた作家なのです。
特にこの“マルドゥック・シリーズ”は、日本SF大賞を受賞しただけでなく、SF作品ながら2作共に「このミス」にランクインするなど、ジャンルを超えての評価をも得ているまさしく代表作なのですね(今では「天地明察」の方が代表作になってしまいましたが.....)。
そして本作を読んだのが「天地明察」で“本屋大賞”を受賞して間もない、というタイミングだったとはいえ、別に“話題の作家だから”というミーハー的な感じで読んだわけではありませんで、実は2年くらい前に一度中巻の途中まで読んでいたのです。
そこで中断したまま年月が過ぎてしまったわけですが、今回読む本がない空白の何日間かが出来たこともあって、せっかくだから続きを読もうと思うも、さすがに話を憶えていなかったので、改めて最初から読み直すことにしたのでした。
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というわけで本作は、バリバリのSF作品です。
出だしからSF的な世界観が全開で突き進むので、このジャンルを読んだことのない人にはついていくのが大変かもしれません。
ただそんな方でも、上巻(The First Compression-圧縮)の後半で展開する破壊力抜群のアクションシーンに到達する頃には、この作品の虜になっているのではないでしょうかね。
そしてこの作品の一番の見せ場ともいうべきなのが、中巻(The Second Combustion-燃焼)の中盤から繰り広げられる、カジノでのギャンブルシーンです。
それまでのアクションシーンが“動の闘い”だとすれば、この場面は“静の闘い”といったところなのですが、スリル満点の駆け引きやゾクゾクするような人間ドラマが読んでいるこちらまで圧倒するほどに迫ってくるので、“静の闘い”とはいえその迫力はハンパないものなのですね。
さらに下巻(The Third Exhaust-排気)ではド派手なアクションシーンが怒涛のように炸裂してクライマックスを迎えるなど、とにかくエンタメ度が高くて様々な要素が面白い作品なので、やはりSFというジャンルを超えて読まれてほしい作品でした。
あと、本作を読んでいて“もっと詳しくその時の状況を知りたいな~”と思っていた話が、ずばり続編のNo.415「マルドゥック・ヴェロシティ」の内容となっているので、この続編も早く読みたいですねェ。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “冲方丁” 関連記事 】
> No.455 「マルドゥック・フラグメンツ」
> No.415 「マルドゥック・ヴェロシティ」
> No.336 「マルドゥック・スクランブル」
> No.305 「天地明察」
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