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2010年7月 2日 (金)

『ラガド 煉獄の教室』 両角長彦 > 「このミス」完全読破 No.330

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.330

 『ラガド 煉獄の教室』 両角長彦

   「このミス」2011年版 : 投票数0

   受賞(候補) : 「日本ミステリー文学大賞新人賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.6.1 ~ 読終:2010.6.1

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年2月>

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両角 長彦

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 第13回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した作品です。

 とある中学校の教室で起きた、侵入者による生徒殺傷事件。

 犯人はその場で捕まっているものの、事件が起きた時の状況は謎に包まれたまま。

 この謎の真相を探っていくに連れて、事件の様相が次から次へと変化していき、思いもよらぬ衝撃の事実が明らかにされていくのです.....。

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 というわけで、事件の謎を探る過程で真相が二転三転四転五転.....としていく本格ミステリなのですが、この作品の一番の特徴といえば、ページ下部に描かれている見取図でしょう(後日追記:文庫版では主に左ページ)。

 これは事件のあった教室の見取図でして、生徒や犯人が記号化されたうえで配置されていて、事件が起きた時(またはその前後)の状況の新たな真相が明らかになったり推理したりする度に、人の動きがわかるように描かれていくのです。

 この見取図が通算100枚近くも登場するのですが、“事件の様相をわかりやすくするために描かれているのかな~” “それにしてもさすがに数が多すぎるのではないかな~”と思っていると、これが次第に思わぬ効果を発揮し始め、最終的にはビックリ仰天してしまうのですねェ。

 この作品の話の軸である本格ミステリ部分は、かなりとんでも系な展開となったり、漫画的な派手な演出があったり、ラストがあまりすっきりしなかったりと、新人ならではの隙や発展途上さが感じられるし、好き嫌いもはっきり分かれる作風だと思います。

 しかし、この見取図を使った視覚的な効果とそれに挑戦した心意気が素晴らしいですし、実際にこの見取図によって魂を抜かれるほどの衝撃とゾクっとするほどの快感を受けてしまったので、個人的には本編部分も楽しめたものの、この視覚的効果に対して大いなる賞賛をおくりたくなってしまいました。

 ただまあ、この見取図はあくまで作品の主流部分ではないのだろうし、衝撃の図を見ても特に何にも感じない人も結構多くいると思うので、やはり“人を選ぶ作品”であることは変わりないのでしょうけどね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★★   気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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