『叫びと祈り』 梓崎優 > 「このミス」完全読破 No.326
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.326
『叫びと祈り』 梓崎優
「このミス」2011年版 : 3位
受賞(候補) : 「ミステリーズ! 新人賞」受賞作
『砂漠を走る船の道』 収録
総合ランキング : 「2001-2010新世紀「本格短編」ミステリオールベスト」
3位作品 『砂漠を走る船の道』 収録
10位作品 『凍れるルーシー』 収録
「短編ミステリ・オールタイムベスト(国内編)」
3位作品 『砂漠を走る船の道』 収録
15位作品 『凍れるルーシー』 収録
「本格ミステリ・ベスト・オブ・ベスト10(1997-2016)」 20位
「本格ミステリ・オールタイムベストアンケート」 41位
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 2位
「週刊文春ミステリーベスト10」 2位
「ミステリが読みたい!」 5位
「本屋大賞」 6位
読始:2010.5.19 ~ 読終:2010.5.20
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2010年2月>
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“第五回ミステリーズ!新人賞”を受賞した短編「砂漠を走る船の道」を収録した連作集です。
“受賞短編を巻頭に据えて続きを書き加え連作集として完成”といった形式や、発売直後からデビュー作とは思えないほどの評価を受けているところなど、映画化などで今話題のNo.127「告白」(湊かなえ)との共通点がいくつか見受けられます。
ただ、その内容というか作風は、正反対といってもいいほどに違うのですけどね。
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雑誌記者である主人公が、取材先である世界各地で出会った謎・事件について語られていきます。
ミステリーというのは、ボタンを掛け違えたようなギャップやズレ・認識の違いなどを作ることで生み出されると思うのですが、本作の場合は、日本と“舞台となる外国の地それぞれ”との文化・習慣・生き方などの違いやギャップによってミステリ的な謎が生み出されていたようになんとなく感じました。
受賞作「砂漠を走る船の道」を始め本格ミステリとしてもかなり読ませてくれるのですが、それ以上に素晴らしく思うのは、派手さはないけれどじっくりと濃厚に語られていく文章です。
訪れる外国の地ごとにそのイメージする色彩を自在に変えていくかのようですし、幻想的な雰囲気を作品世界に溶け込ませているので、ミステリ要素が入っていなかったとしても、この文章を味わうだけでもかなり楽しむことができたでしょうね。
そして最終章は、それまでの4篇を一つに繋げるような話なのですが、この章に対しては“ない方がよかったのでは.....”といった意見も多くあるようです。
ただ自分的には、この章があったために★評価が2つくらい上がったくらいに、この作品には絶対に欠かせない重要な章だと感じましたね。
ちなみに、東京創元社のサイトで“ここだけのあとがき”を読むことができます。→ 「Webミステリーズ!」
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★★☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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