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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.325
『倒錯のロンド』 折原一
「このミス」1989年 : 10位
受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)
(「江戸川乱歩賞」最終候補)
総合ランキング : 「厳選!バカミスベスト100」 選出
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 7位
読始:2010.5.12 ~ 読終:2010.5.18
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <1992年8月>
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主人公は、推理小説作家を志して5年が経つ男。
ついに傑作を書き上げたため、後は推理小説新人賞に送って受賞の知らせを待つだけ。
.....のはずが、こともあろうか送る前にその応募作が盗まれてしまいまして、それをきっかけに事態はとんでもない状況へと転がり続けていくのです.....。
といった導入の作品なのですが、実はこの作品自体も“江戸川乱歩賞”に応募された作品なのですね。
“新人賞に応募する話”で新人賞に応募するというなんとも大胆不敵なことをやってのけたわけですが、最終候補には残るも、残念ながら受賞には至りませんでした。
ただ、この作品で長編デビューとはならなかったものの、応募の翌年に単行本化され、「このミス」にもランクインすることになったのですね。
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そしてこの作品は、他にNo.153「倒錯の死角」、「倒錯の帰依」からなる“倒錯三部作”の第1作目(発表順だと第2作目)です。
このシリーズ、というかまあこの作者自体の特徴が“アッと驚くどんでん返し系”の叙述ミステリでして、本作ももちろんアッと驚くトリックが炸裂します。
ただこの人の作品は、切れ味鋭いスカッとする驚きというよりは、“力技で強引なまでに驚かせる”といった印象のトリックなので、作品に対する好き嫌いが激しく分かれてしまうのですよね。
でもそれだけに、“叙述ミステリ”とわかっていても見抜けないような、綿密でありながらかなり大胆なトリックが仕込まれているので、真相を途中で見抜いてしまう心配をすることなく安心して読むことができる作品といえるのではないでしょうか。
ちなみに自分的には、そういった“叙述ミステリ”として以上に、“新人賞に応募する話で新人賞に応募”や“作品が作品内世界の枠に留まらず現実世界まで巻き込んでいく”などの遊び心の部分がかなり楽しめました。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “折原一”関連記事 】
> No.691 「潜伏者」
> No.512 「帝王、死すべし」
> No.407 「追悼者」
> No.338 「赤い森」
> No.325 「倒錯のロンド」
> No.231 「逃亡者」
> No.153 「倒錯の死角」
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