週刊少年ジャンプ新連載! 「メタリカメタルカ」 水野輝昭
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2010年5月に投入された新連載第1弾が、24号から始まった「メタリカメタルカ」です。
作者の水野輝昭(みずの・てるあき)は、手塚賞(2001年上半期)の佳作を「E.M friend!」で受賞し、同年に発売された赤マルジャンプ2001SUMMERに「DINOSOUL」が掲載されてデビューとなりました。
その後は、赤マルジャンプ2006WINTERに「ジュウオウムジン」、赤マルジャンプ2008SUMMERに「メタリカメタルカ」を掲載。
そして、2009年夏に行われた“第5回 金未来杯”のエントリー作品として40号に「メタリカメタルカ」が掲載されて本誌デビューを飾り(週刊少年ジャンプ読切! 「メタリカメタルカ」 水野輝昭参照)、見事に金未来杯を受賞して今回初の連載となりました。
それで内容の方ですが、少年・ルカが鋼探索士を目指す、異世界ファンタジー・アドベンチャーです。
舞台はメタル(鉄鋼石)が生活に欠かせない世界で、レアメタル(希少価値の高い金属種)を求めて危険な区域へ足を踏み入れる鋼探索士(ミネア)という憧れの職業が存在しています。
主人公であるルカは、ある人物との約束(第1話のラストで判明)を果たすために鋼探索士を目指しているのですが、そんな中で偶然立ち寄ることになったエルザ村でのエピソードが第1話の内容となっています。
主人公のキャラクターや大まかな設定などは読切版とは変わりないのですが、ストーリー的には、この連載第1話がメタルシティーを目指す旅の途中であるのに対し、読切版ではいきなりメタルシティーの金属管理協会本部に着いて鋼探索士のテストを受けているので、この物語の中でのスタート位置のズレというのが、1話で完結する読切作品と何話にも渡って続く連載作品との大きな違いとなっていますね。
ちなみに、読切版のヒロインだった協会役員のシノはこの第1話には登場しませんでしたが、扉絵には主人公の次に大きく描かれていたので、近いうちに登場するのでしょうね(後日追記:シノは第2話に登場しましたが、肩書きが“金属管理協会役員”から“トレジャーハンター”に変更されていました)。
それでこういった異世界ファンタジー・アドベンチャー(&バトル)というジャンルは、「ONE PIECE」や「HUNTER×HUNTER」など当たれば看板クラスになるほどの大ヒットとなりますが、志し半ばで早期打ち切りとなる作品の方が圧倒的に多いのが現状です。
ヒットする作品と早期打ち切りとなる作品との違いというのは、舞台設定や主人公の特殊能力、ストーリーや演出など、細かく上げれば数え切れないほど出てくると思うのですが、その中でも一番の違いとなれば、それらの要素を全てひっくるめた“作者の(生まれ持つ)センス”だと思うのですよね。
そしてその“作者のセンス”は、連載第1話だけ読んだだけでは判明しないものの、5話くらいまで読めば目に見えるほどに明らかになってしまうものなのです。
それでこの「メタリカメタルカ」ですが、読切版で“金未来杯受賞”という実績をすでに作っていますし、絵柄も見やすく万人受けしそうな展開&演出だったので、客観的に見るとツカミとしては及第点な第1話だったのではないでしょうか。
なので、2話目以降にどのようなストーリー展開や演出で“作者のセンス”を出していくのか、というところが、この作品の今後における大きな分かれ目となりそうなので、そういった目線においても2話目以降を読むのが楽しみですね。
ちなみに、過去の例からすると、「出し惜しみせずにサクサクとストーリーを進める」「難しい設定などの説明は後回しにして最初の方は単純明快に」といったところが、(このジャンルにおける)ヒット作にあって打ち切り作品に欠けていたわかりやすい要素でしょうか.....。
投票受付期間:2010.5.17~5.31
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