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2010年5月31日 (月)

『屍の命題』 門前典之 > 「このミス」完全読破 No.323

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.323

 『屍の命題』 門前典之

   「このミス」2011年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 24位

   読始:2010.4.30 ~ 読終:2010.5.2

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年2月>

屍(し)の命題 (ミステリー・リーグ)屍(し)の命題 (ミステリー・リーグ)

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 作者の門前典之は、1996年の鮎川哲也賞に「啞吼の輪廻」で応募するも、残念ながら最終候補止まりに(ちなみにこのときの最終候補には柄刀一がいたりします)。

 当時の鮎川賞は最終候補作でも出版される場合があったのですが、それにも選ばれなかったため、なんとこの作品を「死の命題」と改題して自費出版してしまったのですね。

 そして2001年に「建築屍材」で鮎川賞を受賞してデビューとなったわけですが、今回紹介する「屍(し)の命題」は、自費出版した「死の命題」のタイトルと中身を少し変えたリニューアル作品なのです。

 ちなみに、デビュー作「建築屍材」、2作目のNo.116「浮遊封館」、そして本作は、いずれも建築士探偵・蜘蛛手が活躍するシリーズなのですが、別に話が繋がっているわけではないので、どの作品から読んでも問題ありません。

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 内容の方は、陸の孤島と化した屋敷で連続殺人事件が起こるという、オーソドックスな設定の本格ミステリです。

 とても奇怪な謎が次々と現れていくのですが、この作品の一番の読みどころは、なんといってもこれら謎の真相でしょうね。

 まあとにかく度肝を抜かれるほどに強烈な真相というかトリックでして、No.113「翼ある闇」(麻耶雄嵩)No.149「黒い仏」(殊能将之)タイプ、といえばわかりやすいでしょうか。

 つまりは、あまりに奇天烈で常識外れすぎて、読む人によっては唖然としたり呆れたりするどころか本気で怒ってしまいそうなくらいに、とんでもないトリックが炸裂するのです。

 なのでかなり人を選ぶ作品なのですが、“兜虫の亡霊”など一度読めば一生忘れることができないようなインパクトがありますし、好きな人にはたまらないと思うので、「このミス」完全読破・300冊突破記念企画「とんでもねぇ!!セレクション」で紹介したような作品が好きな方なんかには大いにオススメですね。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★    鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★      おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★★   気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “門前典之”関連記事 】

  > No.323 「屍の命題」
  > No.116 「浮遊封館」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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