『増大派に告ぐ』 小田雅久仁 > 「このミス」完全読破 No.320
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.320
『増大派に告ぐ』 小田雅久仁
「このミス」2011年版 : 投票数0
受賞(候補) : 「日本ファンタジーノベル大賞」受賞
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2010.4.22 ~ 読終:2010.4.23
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2009年11月>
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昨年の日本ファンタジーノベル大賞を受賞した作品です。
簡単なあらすじを読んでみたら、“増大派”と“減少派”の争いが描かれているようだったので、ファンタジーということもあって、現実社会のパラレル的世界を舞台にした、「図書館戦争」(有川浩)みたいなタイプの内容なのかな~と漠然と思っていました。
でも実際に読んでみましたら、一般的にイメージする“ファンタジー”とはかけ離れた、文学的な作品だったので驚きました。
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語り手は浮浪者の男と男子中学生の二人で、それぞれの話が交互に語られていきます。
その一方の人物が狂気を身にまとっていて、もう一方の人物は狂気の芽を心に眠らせているのですが、この二人が関わりを持っていくにつれて、二人の狂気が連鎖するかのように、物語は歪みと刺激が溢れる世界へと進んでいくのです。
現代社会が抱える闇や毒が根底に流れた物語が、荒々しさと繊細さを併せ持つような迫力ある文章でもって描かれているので、とにかく刺激と衝撃が強い作品でした。
まあ好き嫌いがはっきりと分かれるような作風なのですが、この作品を楽しむと共に、これから先にとんでもない化物小説を書いてしまうのではないかというゾクゾク感を味わうことが出来るかもしれないので、問題作好きの方にはオススメですね。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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