『私の家では何も起こらない』 恩田陸 > 「このミス」完全読破 No.317
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.317
『私の家では何も起こらない』 恩田陸
「このミス」2011年版 : 109位
受賞(候補) :
総合ランキング : 「怪談短篇オールタイムベスト(国内編)」
71位作品 『奴らは夜に這ってくる』 収録
年度ランキング :
読始:2010.4.16 ~ 読終:2010.4.16
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2010年1月>
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怪談専門誌「幽」で連載された、ホラーの連作短編集です。
ただ怪談やホラーといっても、日本的なおどろおどろしくじっとりとしたものでもなく、サイコやスプラッターなどの鬼畜系でもありません(それに近いような話もなくはないですが)。
“ゴーストストーリー”と称されているように、一昔前の欧米の幽霊話といった感じの、どこか御伽噺的な雰囲気のあるホラー作品です。
なので、ホラーは苦手だという方でも比較的読みやすいのではないでしょうか。ページ数も少ないですし。
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そして収録作は、丘の上に立つある屋敷を舞台としていて、その屋敷にまつわる様々な幽霊話(主に幽霊となるまでの過程)が語られていきます。
それぞれの話はその屋敷の代々の持ち主のエピソードといった感じなので、各話に直接的な(同時代的な)繋がりはないのですが、読んでいくうちにこの幽霊屋敷の存在が大きくなっていき、だんだんと生き物のように感じられてくるのが面白いところですね。
それにそれぞれの話のパターンがなかなかバラエティーに富んでいて、中にはミステリ的な演出で恐怖を煽る演出が施された作品があったりと、連作としても短編集としても存分に楽しむことが出来ると思います。
あと最後の方には、それまでの話の総括的な内容で、それでいてそれまでの話とは全く趣向が異なる作品が出てくるのですが、この作品の存在によって自分的にはかなりこの本自体に対するポイントがアップしましたねェ。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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