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2010年4月19日 (月)

『ナニカアル』 桐野夏生 > 「このミス」完全読破 No.313

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.313

 『ナニカアル』 桐野夏生

   「このミス」2011年版 : 147位

   受賞(候補) : 「読売文学賞」受賞
            「島清恋愛文学賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.4.6 ~ 読終:2010.4.8

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年2月>

ナニカアル (新潮文庫)ナニカアル (新潮文庫)
桐野 夏生

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 この作品は、昭和初期に活躍した女流作家・林芙美子(森光子のでんぐり返しで有名な『放浪記』や、『浮雲』『晩菊』などの著者)について描かれています。

 といっても、ノンフィクションのようにその生涯を追っているのではなく、実際に起きた出来事などを基にして桐野夏生流に膨らませ、新たな林芙美子像を生み出した小説、といった感じでしょうか。

 そして話の中心となるのは戦時中におけるアジア諸国の現地取材でして、その激動の時代・場所を生きる人々の姿、そしてなにより林芙美子自身の激情的に生きてゆく姿が、林芙美子の手記という形で綴られていくのです。

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 ただ、そういったこの時代における作家としての生き方以上に深く描かれているのが、林芙美子の女性としての恋愛ドラマなのですね。

 その内容というのが前作No.202「IN」と同様にダブル不倫でして、“実在の人物の話なのにここまで書いちゃっていいの!?”ってぐらいに、禁断の愛を濃厚に生々しく描いているのです。

 これがまた時代性もあいまって、愛に対する切実さや魂の叫びが飢えた動物のような迫力で押し寄せてくるし、林芙美子がとても個性溢れる人物像として描かれていることもあって、単なる恋愛物語に終わらず壮絶なる人間ドラマとして昇華されているので、まさに桐野夏生にしか書けない世界観がありましたね。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★         鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★★    人間味ドラマ度 : ★★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★★   感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “桐野夏生” 関連記事 】

  > No.887 「バラカ」
  > No.313 「ナニカアル」
  > No.202 「IN」
  > No.120 「東京島」
  > No.034 「OUT」


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