『Nのために』 湊かなえ > 「このミス」完全読破 No.306
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.306
『Nのために』 湊かなえ
「このミス」2011年版 : 109位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
(文庫ランキング) 9位
読始:2010.3.17 ~ 読終:2010.3.19
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2010年1月>
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湊かなえといえば、デビュー作No.127「告白」を始め、No.165「少女」・No.211「贖罪」と漢字二文字のタイトルが続いていました。
しかし4作目となる本作では、とうとう著者初の漢字二文字ではないタイトルとなったのです。
とはいえ、複数の登場人物の一人語りによって物語が紡がれていくという形式などの基本部分は、それまでに発表した3作品と変わらないのですけどね。
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そして本作は、ある殺人事件の真相が、当事者それぞれの語りによって次第に浮かび上がってくる、といった内容です。
ただ事件の真相が明らかになるということよりも、その事件に至るまでの各人の人間ドラマ(それも生い立ちから始まるようなもの)の方に重点がおかれている感じですかね。
なので、一人一人が語っていくごとに、その事件のドラマ的様相が徐々に立体化していくように厚みを持っていくので、この構成はなかなか面白かったです。
あと、湊作品において欠かせないワードである“イヤミス”の面でも本領を発揮していました。
今回読んでみて思ったのですが、湊作品の読んでいてイヤ~な部分って、読んでいるこっちまで落ち込むくらいに陰湿なイヤさではなくて、もしろすっきりするようなイヤさなのです。
それは、イヤな目に合う人物には秘められた狂気が潜んでいて、少々のことではへこたれないパワーを感じるので、そんな人物に感情移入することにより読んでいるこっちまで復讐心を抱いてメラメラと熱くさせられてしまうからなのかもしれませんね。
というわけで、本作は過去の作品と比べると、ミステリ的な面でも物語的な面でも少々薄めかな~とも思いますが、それでも湊作品の魅力が充分に詰まっていたので、“イヤミス”好きの方なんかは特に満足できるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.165 「少女」
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