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2010年3月 1日 (月)

週刊少年ジャンプ新連載! 「詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。」 古舘春一

週刊少年ジャンプ No..13週刊少年ジャンプ 2010年3月15日号 No..13


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 2010年2~3月に投入された新連載の第2弾が、13号から始まった「詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。(きべんがくは・よつやせんぱい・の・かいだん)です。

 作者の古舘春一(ふるだて・はるいち)は、「王様キッド」で“JUMPトレジャー新人漫画賞”(2008年8月期)の佳作を受賞してWeb掲載という形でデビューし(この作品は現在でもウェブ上で読むことが出来ます→集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト)、赤マルジャンプ2009WINTERに「アソビバ」が掲載されて誌面でのデビューを果たしました。

 そして、2009年春に行われた“JG1読切祭”のエントリー作品として28号に「詭弁学派、四ッ谷先生の怪談」が掲載されて本誌デビューを飾り(週刊少年ジャンプ読切! 「詭弁学派、四ッ谷先生の怪談」 古舘春一参照)、タイトルや設定などがリニューアルされた本作にて初の連載となりました。

 というわけで、「Webデビュー → 誌面デビュー → 本誌デビュー →連載デビュー」と、デビューの4連鎖で連載までたどり着いたことになりますね。

 ちなみに、“四ツ谷”と表記されているのを多く見かけますが、“四ッ谷”が正式名称でして、この“ッ”と“ツ”の違いによってgoogleやyahooでの検索結果が微妙に変わってきます。


 内容の方は、語り口により恐怖を演出する怪談的ホラー漫画です。

 連続女児誘拐殺人事件が起きる中、女子中学生・中島真の親友が行方不明に。

 事件との関連性に不安を感じた真は、“怪奇事件を解決してくれる”という噂を持つ幻の生徒・四ッ谷先輩に会うために、学校の屋上へと向かうのでした.....。


 読切版では“学校の先生(国語教師)”だった主人公が“先輩”に変わっていましたが(あと細かいところでは“メガネキャラ”ではなくなりましたが)、それ以外の基本部分は読切版と同じで、絵やストーリーで純粋な怖さを追求するというよりは、この独特の空気が漂う雰囲気を楽しむタイプのホラー漫画といった感じでしたね。

 そして、事件の犯人を探るのではなく犯人に対していかに恐怖を与えるかを目的としたストーリー展開や、話の中で一番の重要事項である親友失踪の謎について、第1話内ではほとんど進展しないどころか途中から全く触れられなくなったのに、最後の最後で突如本題に入ることで次週への興味を引きつけるという演出など、読ませるため&魅せるための構成がここ最近の新連載作品と比べても際立っているように思いました。

 まあ、作風的にも一般受けというよりはマニア受けを狙った作品といった感じですが、今後もこういった演出や構成で魅せることができるならば、早期の打ち切りなど軽く乗り越えられるのではないでしょうか。

 あと、読切版との違いとしては、絵の上達ぶりが目を見張りました。

 読切版では、特に動きのある絵の時にゴチャゴチャした感じで見にくかったのですが、連載版では無駄な部分を省きつつも書き込み量的には変わらないような描写になっていたので、見やすさという点では別人のようですからねェ。


【後日追記】
 この第1話には“四肢障害の方およびご家族に対して配慮に欠ける表現”があったということで、第1話掲載から3週間後の本誌16号巻末に編集長名義のお詫び文が掲載されました。

 そのため、その第1話が単行本に収録されるにあたり全面改稿もありえるのではないかとも思われましたが、気付いた範囲では、描き直されたのが3コマ、微妙に修正されたのが4コマあるだけで、絵的には基本的に変わりありませんでしたね。

 ただ、怪談に出てくる人形の設定が“三本足のミカちゃん人形”から“人間を襲うミカちゃん人形”に変わっていて、それに伴い会話文などが大幅に書き換えられ、“第1夜”のタイトルも「三本肢のミカちゃん人形」から「人間になりたいミカちゃん人形」に変更されていました。


  

  投票受付期間:2010.3.1~3.15

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