『このどしゃぶりに日向小町は』 鳥飼否宇 > 「このミス」完全読破 No.296
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.296
『このどしゃぶりに日向小町は』 鳥飼否宇
「このミス」2011年版 : 55位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2010.2.18 ~ 読終:2010.2.19
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2010年1月>
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現在(「2010年版」まで)のところ鳥飼作品の中で唯一の「このミス」ランクイン作品が、No.62「痙攣的」です。
この「痙攣的」は短編集に近い形の連作集なのですが、その中でオープニングを飾っている「廃墟と青空」の続編にあたるのが本作なのですね。
そして本作は内容的にも「廃墟と青空」を踏まえた上での話となっているので、まずは前作を読んでから本作を手に取るべきだと思います。
ちなみに、この「痙攣的」を最後まで読んでしまうと、あまりのとんでもない衝撃に最初に読んだ「廃墟と青空」の記憶など吹っ飛んでしまう恐れがあるので、「廃墟と青空」だけを読んだ後で本作に移った方がよいかも。
なお、本作も「痙攣的」も“綾鹿市シリーズ”の中の一作なのですが(他には「本格的」「太陽と戦慄」「逆説探偵(逆説的)」 No.118「官能的」 No.122「爆発的」)、このシリーズは毎回名前だけ同じ人物が出てくるのと舞台(綾鹿市)が一緒という共通点があるだけなので、シリーズを意識せずに読んでいっても問題ありません。
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そして本作の内容ですが、最初は「廃墟と青空」の続きだとはあらかじめ情報を仕入れていなければわからないような感じで進んでいきます。
具体的には、記憶を失い狂気を身にまとった男が謎の施設で目が覚めたところから始まって、そこから前作の内容と絡み合いつつ暴走世界へと突き進んでいくのですね。
「廃墟と青空」の時は本格ミステリ的な見せ方だったのですが、本作の場合はどちらかというとSFサスペンス的な盛り上げ方でして、そこにエログロ系のバイオレンス&スプラッター描写やバカミス作家らしいぶっ飛んだ設定&展開で肉付けされているので、まさに鳥飼作品らしい一部の読者にのみ熱烈に支持されそうなとんでもない作品でした。
なので、この純文学的なタイトルからは想像できないような内容となっているので、タイトル買いした鳥飼作品初心者の方がどんな反応をするのかちょっと気になりますねェ。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.861 「絶望的 寄生クラブ」
> No.439 「杉下右京の事件簿」("碇卯人"名義)
> No.296 「このどしゃぶりに日向小町は」
> No.122 「爆発的 七つの箱の死」
> No.118 「官能的 四つの狂気」
> No.062 「痙攣的 モンド氏の逆説」
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