『罪火』 大門剛明 > 「このミス」完全読破 No.295
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.295
『罪火』 大門剛明
「このミス」2011年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2010.2.17 ~ 読終:2010.2.18
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2009年12月>
罪火 (角川文庫) 大門 剛明 角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-04-25 売り上げランキング : 331515 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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「雪冤」で“第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞”を受賞した大門剛明の、デビュー2作目となります。
死刑制度と冤罪をテーマとした社会派ミステリーであるデビュー作に引き続いて、今作も殺人事件の加害者と被害者の救済をテーマにした社会派ミステリー作品となっています。
“社会派ミステリー”というと、重々しくて堅苦しいような印象があると思いますが、本作の場合はエンタメ的な見せ方でもって社会問題を鋭く切り取っているので、テーマの重さの割にはとても読みやすいと思いますね。
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物語の中には、殺人事件の加害者と被害者が何組か登場するわけですが、その両者を直接対面させることによって両者の救済を図るという“修復的司法”が大きな役割となっています。
その“修復的司法”を通して、殺人事件の加害者・被害者双方に関しての表に出にくい部分が提示されますし、“修復的司法”のあり方について登場人物にも読者にも深く考えさせられるような現在進行形の事件が起こったりもするので、問題意識を自然と心に植え付けることができるのではないでしょうか。
ただ本作の場合、そういった社会派のまま行くのかと思いきや、クライマックスでは衝撃的な真相が明らかにされ、それまでの世界観が崩されてしまうという、ミステリ的な展開となるのですねェ。
それ故に、その部分の印象が強くなって最後まで読むと社会派な部分の印象が薄らいでしまうので、真面目に社会派小説を読みたいという方は終盤の展開に拍子抜けしてしまうかもしれないし、この仕掛けには少々強引に感じられる方も多くいるのではないかと思われます。
ただそういった意味で許容範囲の広い方ならば、社会派ドラマを堪能しつつも衝撃的などんでん返しを味わうことができるということで、サービス満点な感じで楽しむことができるのではないでしょうかね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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