『欧亜純白 ユーラシアホワイト』 大沢在昌 > 「このミス」完全読破 No.292
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.292
『欧亜純白 ユーラシアホワイト』 大沢在昌
「このミス」2011年版 : 38位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2010.2.8 ~ 読終:2010.2.10
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本( I ・II ) <2009年12月>
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これまでの大沢作品の中でも最長枚数を誇る超大作です。
なにも超大作なのはページ数だけではありませんで、作品内の世界観がもうとにかくスケールが大きくて、内容の方もまさしく“超大作”なのですねェ。
どれだけスケールが大きいかというのは、冒頭から世界各地で起こる事件めいた話が次々と語られていくところからも予感できるのですが、その予感を裏切らないどころか遥か上を行くような迫力あるストーリーが突き進んでいくのです。
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物語の大きなテーマとなるのが、ヘロインを中心とした麻薬です。
この麻薬に関わる世界規模での情勢が話を大きく左右するので、その説明が細かにされるのですが、麻薬についての専門知識がこれでもかと押し寄せてくるので、ちょっと最初はなかなかページが進みませんでしたね。
それでもその後にストーリーが進みだすと、そういった知識を得ていたことにより物語が真に迫った勢いでなだれ込んでいきますし、そのスケール感も存分に味わうことができました。
そして主な登場人物には、ヘロインを流通させようとする側と、取り締まろうとする側とがいるわけですが、そのどちらにも当てはまるとも言えるしどちらにも当てはまらないとも言えるという複雑な人物がいることによって、単なる善者悪者の対立にはなっていないので、このバランスにより緊張感がさらに際立っていたように思います。
まあ、それまでの盛り上がりに比べるとラストはちょっとあっけなくも感じたし、人物が次々に登場するわりに話があまり動き出さない上巻(Ⅰ)の前半で挫折してしまう方も多くいそうですが、ただとにかく読み応えとスケール感のある大作なので、時間をかけてじっくりと読んでみてはいかがでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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