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2010年3月 3日 (水)

『水魑の如き沈むもの』 三津田信三 > 「このミス」完全読破 No.291

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.291

 『水魑の如き沈むもの』 三津田信三

   「このミス」2011年版 : 7位

   受賞(候補) : 「本格ミステリ大賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 3位
              「ミステリが読みたい!」 5位
              「週刊文春ミステリーベスト10」 20位
              「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:2010.2.4 ~ 読終:2010.2.5

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年12月>

水魑の如き沈むもの (講談社文庫)水魑の如き沈むもの (講談社文庫)
三津田 信三

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 「厭魅の如き憑くもの」 「凶鳥の如き忌むもの」 No.55「首無の如き祟るもの」 No.102「山魔の如き嗤うもの」 No.255「密室の如き籠るもの」(中短編集)に続く“刀城言耶シリーズ”の6作目にして、長編としては5作目となります。

 シリーズものとはいえ、所々で繋がりを匂わす部分はあるものの、それぞれが独立した話となっているため、どの作品から読んでも問題ないと思います。

 ただ、1作目の「厭魅」との繋がりが結構強いので、先にこの「厭魅」を読んでおくとより楽しむことができるかもしれませんね。

 まあ、時系列的には「水魑」の方が先なので、読み終えた後で「厭魅」を読むのもでもいいのかも。

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 今回もこれまで同様、土俗的ホラーと本格ミステリが見事なまでに融合していて、終盤では驚愕のどんでん返しの連続が炸裂します。

 そして本作の一番の注目点といえるのが、シリーズ中一番の読みやすさではないでしょうかね。

 このシリーズの作品というのは、とても読みにくくて状況が掴みにくいという特徴があるわけですが、今回はその点でかなり改善されているように感じました。ホラー要素が幾分薄まっていたのが影響したのかもしれませんが。

 ただ今回は、シリーズ最長なうえに事件が起きるまでにかなり時間がかかるので、すでにこのシリーズを読んでいる方なら、この部分が伏線となって後に凄い展開となることがわかっているのですが、この作品から読み始める方だと少々じれったく感じてしまうかもしれませんねェ。

 それでも事件が起こってからは勢いと迫力がハンパない展開が繰り広げられるし、その後にはどんでん返しの連続が炸裂するので、シリーズ愛読者もシリーズ初心者もどちらも楽しめることは間違いないでしょう。

 個人的には、どんでん返しの途中までは予想出来てしまったので、結果的に単発のどんでん返しになってしまったのはちょっと残念でした。

 ただその分、語尾に「~け」と付く方言の連続に楽しませてもらいましたけどね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “三津田信三” 関連記事 】

  > No.777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
  > No.534 「幽女の如き怨むもの」

  > No.487 「生霊の如き重るもの」
  > No.291 「水魑の如き沈むもの」
  > No.255 「密室の如き籠るもの」
  > No.102 「山魔の如き嗤うもの」
  > No.055 「首無の如き祟るもの」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「欧亜純白 ユーラシアホワイト」 大沢在昌

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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