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2010年3月

2010年3月30日 (火)

『モノクロームの13手』 柄刀一 > 「このミス」完全読破 No.304

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.304

 『モノクロームの13手』 柄刀一

   「このミス」2011年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.3.11 ~ 読終:2010.3.12

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年2月>

モノクロームの13手モノクロームの13手

祥伝社 2010-02-09
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 主人公が目覚めると、見知らぬ人間が集まった、とても奇妙な光景が広がっていました。

 その異様な世界を調べていくうちに、そこはあるボードゲームを模して作られている世界で、自分たちの生死もこのゲームの結果如何によって決まる、ということがわかってきます。

 というわけで、本作はSFデスゲーム小説なのです。

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 そのゲームというのは、日本人であればほとんどの人が一度はやったことがあるのではないかと思われるほどにポピュラーなもので、そのゲームが何なのかは簡単なあらすじなどでも明かされています。

 なのでここでも隠す必要はないのですが、ただ知っているとこのゲームについて判明するまでのやり取りがカッタルく感じてしまうため、知らずに読んだ方がその場面も緊張感を持って楽しめると思うのですよね。

 それで自分たちの生命を賭けたゲームが繰り広げられていくわけですが、一手ごとに状況がガラリと変わることで緊張感が生まれますし、それにより強制的に参加させられることになった人々それぞれの人生が浮かび上がってくるので、ゲームが進むにつれて数々の人間ドラマが沸き起こってくるかのようでした。

 ただ、このゲーム自体が結構単純で意外性を出しにくいこともあって、ある程度の経験者ならば先の展開がだいたい読めてしまうし、人間ドラマの面でも壮絶さや狂気の感情が蠢くほどのものではないので、デスゲーム特有の知略戦や壮絶なる人間ドラマはあまり期待せずに読んだ方がよいかもしれませんね。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “柄刀一” 関連記事 】

  > No.1082 「或るエジプト十字架の謎」
  > No.0304 「モノクロームの13手」
  > No.0074 「密室キングダム」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「天地明察」 冲方丁

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月29日 (月)

『空色メモリ』 越谷オサム > 「このミス」完全読破 No.303

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.303

 『空色メモリ』 越谷オサム

   「このミス」2011年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.3.11 ~ 読終:2010.3.11

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年11月>

空色メモリ (創元推理文庫)空色メモリ (創元推理文庫)
越谷 オサム

東京創元社 2012-06-21
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 青春学園ミステリ作品です。

 友情や恋愛などが絡んだ青春ドラマが繰り広げられる中で、日常の謎系の事件が起きて、その謎を解決せんと行動を始める、といった感じで、とてもストレートな青春ミステリです。

 捻りが加えられているところがあるとするならば、主人公である男子高校生コンビは、イケメンモテ男でも大人びて陰のある秀才男でもなく、どこにでもいるような冴えない高校生なのですね。

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 そして話は主に高校の文芸部を舞台としていまして、その主人公2人が所属する(まあ一人は入り浸っているだけですが)文芸部に新入生の女子高生が入部してきたことから、2人の生活に大きな変化をもたらします。

 まあそれまで無縁だった”恋”が身近な存在となったということで、そのウブなやり取りなどとても微笑ましいのですが、そんな中でその新入生に関する謎がいくつも顔を見せてきたことから、その謎を探るべく2人は動き出すのです。

 ミステリ的には、それほど大掛かりなトリックや驚きなどはないシンプルなものなのですが、ただ青春物語がとても爽やかで楽しくて面白いので、ミステリ部分はその青春物語に対する絶妙なスパイスとなっていたのではないでしょうか。

 そして、唐突な感のあるラストにより、ゾクゾクするほどの余韻が作られていたので、この終わり方は正解だと思いましたね。

 あと、山田悠介ネタなどのちょっとした小ネタもなかなか面白かったのですが、この山田悠介ネタなんかはただのネタで終わらなかった(終わらせなかった)ところに結構驚いてしまいました。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “越谷オサム” 関連記事 】

  > No.315 「蝦蟇倉市事件 2」
  > No.303 「空色メモリ」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「モノクロームの13手」 柄刀一

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

週刊少年ジャンプ読切! 「アラタのツクモガミ」 片山陽介

週刊少年ジャンプ №17週刊少年ジャンプ№17 2010年4月12日号
佐々木尚

集英社 2010
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 2号連続とびっきりの新人読切第2弾として、週刊少年ジャンプの2010年17号に掲載された読切作品が、この「アラタのツクモガミ」です。

 作者の片山陽介(かたやま・ようすけ)は、トレジャー新人漫画賞(2007年9月期)の佳作を「STANDARD」で受賞してWeb掲載という形でデビュー(この作品は現在でもウェブ上で読むことが出来ます→集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト)。

 そして赤マルジャンプ2008SPRINGに「マジコロ~Magic Colosseum~」が掲載されて誌面でのデビューを果たし、本作にてジャンプ本誌初登場となりました。

 なお、扉絵の隣のページの「担当編集からのメッセージ」に“過去に2度、赤マル掲載を果たしながらも....”と書かれているので、赤マルに掲載された作品が「マジコロ~Magic Colosseum~」以外にあと1作品あるようですね。


 内容の方は、憑依バトルアクション漫画です。

 男子高校生・朝倉新太は、幼なじみ・麻生千春の家の蔵掃除を手伝うことになったのですが、蔵の中にあったつづらの蓋を開けたところ、そこから魔物のようなものが飛び出てきました。

 それは百年の年月を経ると器物が命を宿し動き始めるという“ツクモガミ(憑喪神)”で、つづらは人間に対し憎しみを抱くツクモガミを封印したものだったのです。

 封印が解かれたツクモガミは千春を捕らえ逃げたことから、新太は印籠に命が宿ったツクモガミ・五百蔵カブトと共に、千春を助けるために立ち上がるのでした.....。

 ツクモガミは物が命を宿した存在ということで、その種類もタイプも豊富なために多くのツクモガミを生み出せそうなので、読切用というよりは連載を意識した設定のように感じました。

 あと、バトルアクションがメインなのですが、新太とカブトの喧嘩しつつも協力し合うという関係によって、コミカルな演出となっていましたね。


 ちなみに、扉絵に付けられている煽り文は、

解かれた封印、囚われた姫、
      ……そして男達の煩悩!?

☆惚れた女のためならば、たとえ火の中水の中!!
       野郎と野郎のチグハグダッグバトル読切45P!!

というものでした。


 

  投票受付期間:2010.3.29~4.19

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 【「2010年前半の読切」関連記事】

 < 超待望の新作読切祭 >
  > 「魔境旅行師グラム」 西義之 (10.6.14)
  > 「マインズ」 村田雄介 (10.6.21)
  > 「KIBA&KIBA」 稲垣理一郎 彭傑 (10.6.28)

  > 「ボクのアイドル」 河下水希 (10.4.26)

  > 「メルヘン王子グリム(2010年19号版)」 渡邉築 (10.4.12)

 < とびっきりの新人読切 >
  > 「デビル☆クラッチ」 青戸成 (10.3.20)
  > 「アラタのツクモガミ」 片山陽介 (10.3.29)

 < ウィンタースペシャル新人読切 >
  > 「戦国ARMORS」 榊ショウタ (10.2.1)
  > 「HACO」 斎藤修 (10.2.8)
  > 「死にかけ戦士!! 痩身マン」 根田啓史 (10.2.15)

 < X'mas&お年玉超豪華読切プレゼント >
  > 「逢魔ヶ刻動物園」 堀越耕平 (09.12.14)
  > 「宇宙のSPARROW」 高橋一郎 (09.12.21)
  > 「フタガミ☆ダブル」 矢吹健太朗 (10.1.4)


 その他のジャンプ作品の当ブログ記事は、こちらからどうぞ!
               ↓↓↓
 >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2010年3月28日 (日)

『天網 TOKAGE2 特殊遊撃捜査隊』 今野敏 > 「このミス」完全読破 No.302

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.302

 『天網 TOKAGE2 特殊遊撃捜査隊』 今野敏

   「このミス」2011年版 : 109位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.3.10 ~ 読終:2010.3.11

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年2月>

天網 TOKAGE2 特殊遊撃捜査隊 (朝日文庫)天網 TOKAGE2 特殊遊撃捜査隊 (朝日文庫)
今野 敏

朝日新聞出版 2012-09-07
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 この作品は、「TOKAGE 特殊遊撃捜査隊」に続くシリーズ第2作目です。

 警視庁には、捜査一課特殊犯捜査係(SIT)という、誘拐事件などで犯人との交渉を行ったりする知能担当的な部署があります。

 その中には覆面バイク捜査部隊がありまして、その捜査部隊のことを通称「TOKGE(トカゲ)」と呼ぶのです。

 「トカゲ」と呼ばれる理由などについては、作品内で説明がなされているので、そちらでご確認ください。

 なお、1作目から引き続き登場する人物だらけなので、1作目を読んでいた方が楽しめるのはもちろんですが、事件自体は別物ですし、主要人物に対しても分かりやすく説明されているので、いきなりこの2作目から読んでも問題ないのではないかと思います。

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 前作では誘拐事件がメインとなっていましたが、本作で起きるのはバスジャック事件です。

 しかもただのバスジャックではなくて、かなり特殊な状況となる前代未聞のバスジャック事件なのです。

 どう特殊かというのは簡単なあらすじにも書いてあるので(帯にも書いてあるかも?)ここで隠す必要はないのですが、知らずに読んだ方がより盛り上がることができるのは間違いないでしょう。

 そんな異常な事件に対する特殊犯捜査係の面々の活躍が描かれているのですが、隠密行動バイク部隊の活躍だけでなく、事件の先を推理しつつ捜査を行う警察官や事件の詳細を探る新聞記者にもスポットが当てられているので(どちらかといえばこちらの方がメイン?)、様々な立場におけるこの事件への関わりを楽しむことができます。

 それに、それぞれの話の中に、ベタでその後の展開も読めるんだけど、わかっていても感動させられてしまうという小憎いエピソードが組み込まれているので、そこはなんとも今野敏らしかったですねェ。

 というわけで、警察小説としても捜査ミステリとしても、それほど大作でもA級作品でもないのですが、結構軽いノリで楽しむことができる良作だと思いますね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★          人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “今野敏” 関連記事 】

  > No.1003 「棲月 隠蔽捜査7」
  > No.0914 「去就 隠蔽捜査6」
  > No.0796 「自覚 隠蔽捜査5.5」

  > No.0661 「宰領 隠蔽捜査5」
  > No.0626 「欠落」
  > No.0587 「確証」
  > No.0486 「転迷 隠蔽捜査4」
  > No.0346 「初陣 隠蔽捜査3.5」

  > No.0302 「天網 TOKAGE2 特殊遊撃捜査隊」
  > No.0232 「同期」
  > No.0188 「疑心 隠蔽捜査3」
  > No.0072 「果断 隠蔽捜査2」
  > No.0057 「隠蔽捜査」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「空色メモリ」 越谷オサム

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

「警察!!セレクション」 > 「このミス」完全読破・300冊突破記念企画

「このミス」完全読破 300冊突破記念企画 第2弾

   >> 「 警察!!セレクション」 <<


 “「このミス」完全読破・100冊突破ごとの記念企画”のリストは、「このミス」完全読破 説明&読破本リストをご覧ください。

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 ”「このミス」完全読破”で感想を書いた作品がとうとう300冊を突破したということで、100&200冊を突破した時と同様に、記念企画を実施していきたいと思います。

 そして今回は、「○○!!セレクション」と題しまして、項目ごとに個人的な好みで10作以内選んで、ランキングではなく順不同で紹介してみましょう。

 なお、対象となるのは、“「このミス」完全読破”のNo.1~300の300作品です(その300冊の内訳に関しては、「このミス」完全読破 説明&読破本リストをご覧ください)。


 第2弾は、警察小説を対象とした「警察!!セレクション」です。

 今や「このミス」には欠かせないジャンルとなった警察小説ですが、その中からオススメな作品を10作紹介してみましょう。

 ただ、警察小説3巨頭の作品だけでその7割を占めてしまったのですけどね。

 なお、シリーズものに関しては、一シリーズで1枠としています。


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  マークスの山 / 髙村薫  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 あまり警察小説に分類されるような作品ではないのですが、警察内部における人間ドラマや刑事の“魂と魂の闘い”がじっくりと描かれていますし、その後に「レディ・ジョーカー」(1999年版 1位)などにも登場する人気の合田刑事の活躍もあるので、警察小説としても読みごたえがありますからね。

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  動 機 / 横山秀夫  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 この作品は短編集なのですが、それぞれが長編作品かと思うくらいの濃密さで、無駄を削ぎ落としたまさしく“短編小説”といった作品揃いですからね。

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  新宿鮫 / 大沢在昌  <<当ブログ感想記事はこちら!>>
  毒猿 新宿鮫Ⅱ / 大沢在昌  <<当ブログ感想記事はこちら!>>
  屍蘭 新宿鮫Ⅲ / 大沢在昌  <<当ブログ感想記事はこちら!>>
  無間人形 新宿鮫Ⅳ / 大沢在昌  <<当ブログ感想記事はこちら!>>
  炎蛹 新宿鮫Ⅴ / 大沢在昌  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 「このミス」と共に歴史を歩んでいる、といっても過言ではない“新宿鮫シリーズ”です。

 どちらかといえば刑事小説といった印象があるのですが、それでもキャリアとノンキャリアとの軋轢など現在の警察小説でも描かれるような人間ドラマが根本にあるので、警察小説としても楽しむことができるのではないかと思います。

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  制服捜査 / 佐々木譲  <<当ブログ感想記事はこちら!>>
  暴雪圏 / 佐々木譲  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 2作品共に「このミス」で10位以内にランクインしている“駐在警官川久保篤シリーズ”です。

 シリーズものとはいえ作品のタイプは少々異なるのですが、捜査権限のない駐在警官があくまで職務の範囲内で事件に迫っていく感動ドラマの部分は共通しているので、どちらもオススメな作品ですね。

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  隠蔽捜査 / 今野敏  <<当ブログ感想記事はこちら!>>
  果断 隠蔽捜査2 / 今野敏  <<当ブログ感想記事はこちら!>>
  疑心 隠蔽捜査3 / 今野敏  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 今野敏を一躍警察小説の名手へと導いた“隠蔽捜査シリーズ”です。

 とにかく竜崎という主人公のキャラクターが秀逸ですし、感動を誘うエピソードがベタなんだけど素直に心に沁み入ってくるので、警察小説という枠を超えても薦めたくようなシリーズ作品ですね。

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  悪 果 / 黒川博行  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 警察小説といえば“正義の行動”のイメージがありますが、この作品の場合はアウトロー刑事のあくどい行動がねっちりと描かれていますし、それでいて捜査ミステリ的な展開にもなるので、他の警察小説とは少し違った魅力を味わうことができるのではないでしょうか。

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  第三の時効 / 横山秀夫  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 刑事以外の警察官を主役に据えることで警察小説の新たな領域を開拓したのが横山秀夫なわけですが、そんな作者が直球の刑事物語を描いたのが本作です。

 連作集的な構成なのですが、それぞれで主役を務めるキャラクターがいずれも個性的&魅力的で、そんな登場人物たちが繰り広げる人間ドラマがとんでもない迫力で押し寄せてくるので、この作品を読まずして警察小説を語れない!と言ってしまってもいいような傑作です。

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  うたう警官 (笑う警官) / 佐々木譲  <<当ブログ感想記事はこちら!>>
  警察庁から来た男 / 佐々木譲  <<当ブログ感想記事はこちら!>>
  警官の紋章 / 佐々木譲  <<当ブログ感想記事はこちら!>>
  巡査の休日 / 佐々木譲  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 佐々木譲のライフワークとなるのではないかと思うくらいに人気と面白さを兼ね備えた“道警シリーズ”です。

 結構短い期間ですでに4作も発表されているのですが、10作目まで書く予定と語っているようですし、話が進むにつれ主要キャラクターたちの魅力も増してきているので、早いうちにこのシリーズのファンになっておいた方が良いと思いますけどね。

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  警官の血 / 佐々木譲  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 「このミス」2008年版の1位に輝いた作品です。

 警察官の親子3代を描いた大河小説なのですが、それぞれが警察小説の違った魅力を持ち合わせているので、それまでの佐々木譲の警察小説の集大成的な超大作ですね。内容の方もとにかく圧巻です。

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  同 期 / 今野敏  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 “隠蔽捜査シリーズ”と比べると、主人公が若い刑事ということもあって成長物語的な魅力がありますし、派手な展開や盛り上げ方などエンタメ度では本作の方がよりパワーアップしているので、“隠蔽捜査シリーズ”のファンの方も、そうでない方も、読み逃しのないように.....。

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  【 “300冊突破記念企画” 関連記事 】

  > 驚いた!!セレクション (10.3.24)
  > 警察!!セレクション (10.3.28)
  > 青春!!セレクション (10.4.11)
  > 探偵!!セレクション (10.4.21)
  > とんでもねぇ!!セレクション Part.1 (10.5.21)
  > とんでもねぇ!!セレクション Part.2 (10.5.26)

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月26日 (金)

『越境捜査』 笹本稜平 > 「このミス」完全読破 No.301

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.301

 『越境捜査』 笹本稜平

   「このミス」2008年版 : 25位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.3.5 ~ 読終:2010.3.9

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2007年8月>

越境捜査(上) (双葉文庫)越境捜査(上) (双葉文庫)
笹本 稜平

双葉社 2010-11-10
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 2008年版で25位とわずかな差で「このミス」ランクインを逃した作品ですが、シリーズ2作目となるNo.308「挑発 越境捜査2」が発売されたこともあり、ランク外とはいえまずはこのシリーズ第1作から読んでみました。

 タイトルからもわかるように警察小説なのですが、テーマはずばり“警視庁 vs 神奈川県警”です。

 神奈川県警は文字通りですが、警視庁というのは東京都を管轄する警察本部のことで、わかりやすく言えば東京都警といったところでしょうか。

 ちなみに、警視庁を含む都道府県警の上に存在するのが、警察庁なのですね。

 それで警視庁と神奈川県警というのはかなり仲が悪いことで有名でして、他の警察小説でもそういった描写をよく見かけるほどです。

 そんな犬猿の仲である両者の関係性をメインに据えたのが本作なのです。

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 主人公は警視庁の刑事なのですが、取り扱うこととなった過去の事件が神奈川県警の管轄だったことから、管轄の境を越えて捜査を行っていきます。

 そこから両者の仲の悪さがにじみ出た出来事が起きつつ事件の渦中へと突き進んでいくのですが、ただ話が進んでいくにつれて、いつしか“警視庁 vs 神奈川県警”というメインテーマから離れていくのですね。

 いわば新たなる境を越えるような展開でして、それによって謎に迫る捜査ミステリと手に汗握るサスペンスが見事に融合して、迫力ある物語となっているように感じました。

 それ以外にも、主要人物たちの掛け合いがコミカルでなかなか楽しいですし、ちょっと現実離れしたようなド派手な演出があったりと、エンタメ性も抜群なので、ランクインしなかったのが不思議なくらいの面白さでした。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★★    主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★          人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “笹本稜平” 関連記事 】

  > No.775 「失踪都市 所轄魂」
  > No.535 「所轄魂」
  > No.308 「挑発 越境捜査2」
  > No.301 「越境捜査」
  > No.272 「未踏峰」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「天網 TOKAGE2-特殊遊撃捜査隊」 今野敏

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月25日 (木)

『閉ざされて』 篠田真由美 > 「このミス」完全読破 No.299

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.299

 『閉ざされて』 篠田真由美

   「このミス」2011年版 : 147位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.3.2 ~ 読終:2010.3.2

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年1月>

閉ざされて (角川文庫)閉ざされて (角川文庫)
篠田 真由美 藤田 新策

角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-09-25
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 話は、主人公がある人物に書いた手紙という形で語られていきます。

 その内容というのは、館に住むほどにお金持ちではあるのだけれど、いろんな意味で少々複雑な家族関係についての物語です。

 その家族間における様々な因縁や欲望、そして主人公が抱える精神的な病みなどが、どこかゴシックな雰囲気を漂わせながら描かれていくのですね。

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 主人公の独白的な語りということもあって、主人公の目から見える範囲のみで語られるので、読者側に提示されていない重要な部分があることがなんとなく察せられるのですが、やはりクライマックスでは驚くべき事実が判明し、それまでの世界観がガラリと一変してしまいます。

 まあ、そういったタイプの作品をいくつか読んだ経験がある方ならそれほど驚かないのではないか、というくらいに、このタイプでは初級編的なトリックだと思うので、この部分にはあまり意識や期待を高めずに読んだ方がよいかもしれません。

 自分的には、その部分をかなり期待して読んでいたためちょっとガッカリしてしまったのですが、ただその事実が判明することにより過去に起きた事件の真相が浮かび上がってきたので、その鮮やかさの方でより楽しめましたね。


  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「数えずの井戸」 京極夏彦

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月24日 (水)

「驚いた!!セレクション」 > 「このミス」完全読破・300冊突破記念企画

「このミス」完全読破 300冊突破記念企画 第1弾

   >> 「 驚いた!!セレクション」 <<


 “「このミス」完全読破・100冊突破ごとの記念企画”のリストは、「このミス」完全読破 説明&読破本リストをご覧ください。

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 ”「このミス」完全読破”で感想を書いた作品がとうとう300冊を突破したということで、100&200冊を突破した時と同様に、記念企画を実施していきたいと思います。

 そして今回は、「○○!!セレクション」と題しまして、項目ごとに個人的な好みで10作以内選んで、ランキングではなく順不同で紹介してみましょう。

 なお、対象となるのは、“「このミス」完全読破”のNo.1~300の300作品です(その300冊の内訳に関しては、「このミス」完全読破 説明&読破本リストをご覧ください)。


 そしてオープニングを飾るのは、これぞミステリ!!といった要素が盛り込められている作品揃いの「驚いた!!セレクション」です。

 つまりは、読者を騙すトリックが仕掛けられた、いわゆる”叙述ミステリ”作品なのですが、ここではそれだけでなく、衝撃的な真相に驚いたりするような作品なんかも含まれています。

 なお、ここで紹介するようなタイプの作品というのは、あらかじめ”驚く仕掛けがある”ということを知らずに読んだ方が楽しめるのはもちろんですが、逆に知ってから読むとなると、仕掛けのみが気になって物語に入り込めなかったり、途中で真相に気付きやすくなってしまったりなどの、デメリットも多くあります。

 なので、”驚くようなトリックが仕掛けられている”ということを事前に知ってしまうと楽しんで読むことが出来ない!という方は、この記事には目を通さない方が良いでしょうね。

 ”驚くようなトリックが仕掛けられている”ことを事前に知っていても楽しむ自信がある!という方のみ、この記事を参考にしてみてください。


 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです

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  葉桜の季節に君を想うということ / 歌野晶午  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 “「このミス」完全読破”を始めてまず最初に読んだ作品です。

 当時は全くのミステリ初心者で、ミステリ小説なんて2時間ドラマみたいなもんなのではとしか思っていなかったので、この驚きのトリックにはカルチャーショック並みの衝撃を受けてしまいました。

 そういった当時の状況なんかも考えれば、これ以上に驚くことができる作品と今後巡り合うことはないでしょうねェ。

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  燃える地の果てに / 逢坂剛  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 この作品は内容など全く知らずに読んだので、海外を舞台としたアドベンチャーっぽい作品だとばかり思い読み進めていました。

 それだけでも充分に楽しんでいたのですが、そのまま終わるのかと思いきや、とんでもないどんでん返しが待ち受けていたので、これはホントにビックリしてしまいましたねェ。

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  ハサミ男 / 殊能将之  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 どんでん返し小説の定番作品ですが、まあ見事に騙されて驚かされてしまいました....。さすがの切れ味でしたね。

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  向日葵の咲かない夏 / 道尾秀介  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 どんでん返し系作品を発表し続けている道尾秀介ですが、その中でも一番衝撃的だったのは、やっぱり最初に読んだこの作品でしょうか.....。

 決して後味の良い結末ではないし、好き嫌いが激しく分かれるような作品ですが、自分的にはこういうとんでもない衝撃はかえって好きなタイプですからね。

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  首無の如き祟るもの / 三津田信三  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 たくさんのの謎がたった一つのピースを加えるだけで鮮やかに解けてしまったり、さらにそこから怒涛の展開が押し寄せるなど、この作品は本格ミステリ的な部分での驚きがすごかったですね。

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  イニシエーション・ラブ / 乾くるみ  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 全くミステリ的でもサスペンス的でもない内容なのですが、最後の1行でそれまでの世界が一変してしまう破壊力があるし、再読してあまりにも多くの伏線が張られていたことに驚き、さらにはマニアックすぎる仕掛けが施されていることを知った上で読んで驚くなど、読む度に衝撃が増してくるとんでもない作品でした.....。

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  造花の蜜 / 連城三紀彦  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 だいたいこういった驚きのある作品って、クライマックスにおいてどんでん返しが炸裂するのがパターンなわけですが、この作品の場合は序盤ですでにとんでもないどんでん返しが起きて、そこからも縦横無尽にどんでん返しされまくり状態が続くので、まさに芸術的ミステリ作品でしたねェ。

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  殺戮にいたる病 / 我孫子武丸  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 エログロ全開の問題作ですが、ラストのどんでん返しがもう魂を抜かれるくらいのとんでもない衝撃ですからねェ。

 なんせ、ネタバレを見てしまった後で読んだのに、それでもはんぱなく驚いてしまったほどですから、その破壊力のほどがわかるってもんです.....。

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   / 麻耶雄嵩  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 結構オーソドックスなどんでん返し作品なのですが、それと並行する形でもう一つのトリックが仕掛けられていて、こちらがもうコペルニクス的転回級の驚きなのです。

 まさにこれまでの常識を覆すようなトリックで、それでいてこのトリックを思い返すと“フフフ.....”と笑みを浮かべてしまうくらいのバカバカしさも持ち合わすので、もう自分的には最高の驚きでした。

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  丸太町ルヴォワール / 円居挽  <<当ブログ感想記事はこちら!>>


 作品内で繰り広げられる“私的裁判”において事件の様相が次々に変化していくのだけでもなかなかの驚きなのですが、そこに読者を騙すような仕掛けがこれでもかと畳み掛けられるので、このサービス満点っぷりには大満足でしたねェ。

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  【 “アッと驚くどんでん返し本” 関連記事 】

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月23日 (火)

『数えずの井戸』 京極夏彦 > 「このミス」完全読破 No.300

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.300

 『数えずの井戸』 京極夏彦

   「このミス」2011年版 : 62位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.3.2 ~ 読終:2010.3.5

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年1月>

数えずの井戸 (角川文庫)数えずの井戸 (角川文庫)
京極 夏彦

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 ”「このミス」完全読破”もとうとう300冊目を迎えることになりました!

 200冊目を迎えた時(No.200「警官の血」佐々木譲)に、100冊ごとの区切りを迎えた際には“過去の「このミス」1位作品”を読んでいこう、と書きまして、本来ならば300冊目は97年版1位の「不夜城」(馳星周)の予定でした。

 ただ、ちょうど読む本がたまりにたまっていたため、区切りだからといって特別な本を選んで読む余裕がなかったので、もう当初の予定は関係なくこの本を読むことにしたのですね。

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 本作は、「嗤う伊右衛門」「覘き小平次」に続く、“怪談シリーズ”の第3弾です。

 このシリーズは、古典怪談の元となった事件を改作したものでして、第1作が「四谷怪談」、第2作が「復讐奇談安積沼」がベースになっていました。

 そして本作は、お菊という幽霊が“1枚~、2枚~”と皿を数える場面で有名な「皿屋敷」がベースとなっています。

 シリーズ的には、共通する登場人物がいたりもしますが、事件も主要人物も別なので、前作を読んでいなくても問題ないと思います。

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 そして内容の方ですが、お菊を含めた登場人物の一人語りが次々に入れ替わりながら、事件に向けて話が進んでいきます。

 その登場人物たちはいずれも心の闇、というか空虚感のようなものを抱えているし、元となる物語からして悲劇を迎えることは明らかなので(特にお菊は)、とても哀しく空しい雰囲気が漂っていました。

 それにやはりあの有名な場面がいつ出てくるのかと思いつつ読み進めることになるため、登場人物たちと同様に、事件の渦中へと、まるで井戸の中へと吸い込まれるように導かれていくかのごとくでしたね。

 ちなみに、本作の単行本は辞書かと思うくらいに分厚いページ数なのですが、1ページ当たりの文字数は少なめなので、見た目ほど読むのに時間はかからないと思います。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “京極夏彦” 関連記事 】

  > No.716 「書楼弔堂 破暁」
  > No.354 「死ねばいいのに」
  > No.300 「数えずの井戸」
  > No.094 「魍魎の匣」
  > No.066 「姑獲獲の夏」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「越境捜査」 笹本稜平

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月20日 (土)

週刊少年ジャンプ読切! 「デビル☆クラッチ」 青戸成

 2号連続とびっきりの新人読切第1弾として、週刊少年ジャンプの2010年16号に掲載された読切作品が、この「デビル☆クラッチ」です。

 作者の青戸成(あおと・じょう)は、手塚賞(2008年上半期)の佳作&手塚治虫生誕80周年記念特別賞を「千蟲羅唄」で受賞し(当時のペンネームは“杜ト一”)、赤マルジャンプ2009WINTERに「WATER DRIVE」が掲載されてデビュー。

 そして赤マルジャンプ2010WINTERに「×AMQ×」が掲載され(週刊少年ジャンプ読切! 「赤マルジャンプ2010WINTER」 参照)、本作にてジャンプ本誌初登場となりました。

 ちなみに、手塚賞を受賞したのは17歳の時で、現在まだ10代(19歳の誕生日まであとちょっと)とのことです。


 内容の方は、(悪魔が転生した)中学生が天使と闘う、バトルアクション漫画です。

 男子中学生・出伐亜門は、体から煙が出る特異体質を持っているのですが、ある時大量の煙と共に額に第三の目が現れて、それと同時にしゃべるフクロウが突如出現したのです。

 そのフクロウが言うには、実は亜門は悪魔アモンの生まれ変わりで、フクロウはその従魔であるとのこと。

 それに対して全く無関心だった亜門ですが、片思い中の女子中学生・篠本さこが天使カマエルに襲われるのを前にして、自然と悪魔の力を目覚めさせ、天使と闘うのでした....。

 自らも気付かない秘められた力を持つ主人公が、ある窮地をきっかけにその力を発現させて、敵を倒す、という能力系バトルアクションの王道的な内容ですが、主人公や敵の攻撃時などの演出等に、とても勢いやパワーが感じられましたね。

 そういったところなどに“面白い漫画を描きたい!”という情熱がこちらにまで伝わってくるような迫力があったので、絵など若さが感じられる部分もあったものの、その若さを武器にした魅力も持ち合わせているように思いました。


 ちなみに、扉絵に付けられている煽り文は、

燃え上がる焔は 抑えきれぬ衝動の証!!

☆SAVE THE DESIRE!!
    欲を滅ぼす"悪"を討つ 救世悪魔読切45P!

というものでした。


 

  投票受付期間:2010.3.20~4.10

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【「青戸成」関連記事】

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  > 「MOMO伝記」(ジャンプNEXT! 2011 WINTER) (11.1.9)

  > 「デビル☆クラッチ」 青戸成 > 週刊少年ジャンプ読切! (10.3.20)

  > 「×AMQ×」(赤マルジャンプ 2010 WINTER) (10.1.10)


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2010年3月18日 (木)

『北帰行』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.298

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.298

 『北帰行』 佐々木譲

   「このミス」2011年版 : 15位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.2.24 ~ 読終:2010.3.1

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年1月>

北帰行 (角川文庫)北帰行 (角川文庫)
佐々木 譲

角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-09-25
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 佐々木譲といえば、“道警シリーズ” “駐在警官・川久保篤シリーズ”などの人気シリーズや、直木賞を受賞したNo.230「廃墟に乞う」など、今やすっかり警察小説の第一人者といった存在になってしまいました。

 しかし直木賞受賞第一作となる本作は、最近お得意の警察小説ではなくて、逆に犯罪者側を中心に描いたクライム・サスペンスなのです。

 なので、頭の中がもうすっかり“佐々木譲=警察小説”となってしまった自分なんかだと、佐々木譲作品を読んでいるという気がしなくてなんか変な感じだったりもしましたが、それでもやっぱり話を勢い良く読ませる迫力や読んでいて熱くなる人間ドラマなど、警察小説ではなくても佐々木譲作品の魅力が充分に詰まった作品でしたね。

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 内容の方は、ロシアの女ヒットマンと日本のやくざによる、追いつ追われつの逃亡&追跡劇が繰り広げられます。

 この説明だけで充分なくらいにシンプルなストーリーなのですが、とにかく主要人物たちが活き活きと描かれていますし、状況も展開も目まぐるしく変わっていくので、読み応えは抜群です。

 それに、そういった生命をかけた抗争に巻き込まれてしまった一般人が主人公ということもあって、先の読めないハラハラドキドキの展開が自然と生み出されていましたし、読んでいる自分もその主人公の目線で物語を追うことができました。

 そして最後に「あ~そういうことだったんだ~」とわかるミステリ的な仕掛けがあったりもするので、サービス満点のアクション・エンターテイメント作品でしたね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “佐々木譲” 関連記事 】

  > No.840 「砂の街路図」

  > No.685 「代官山コールドケース」
  > No.615 「人質」
  > No.563 「回廊封鎖」
  > No.522 「地層捜査」
  > No.505 「密売人」

  > No.485 「警官の条件」
  > No.424 「婢伝五稜郭」
  > No.423 「五稜郭残党伝」
  > No.401 「エトロフ発緊急電」
  > No.344 「ベルリン飛行指令」

  > No.298 「北帰行」
  > No.282 「巡査の休日」
  > No.230 「廃墟に乞う」
  > No.200 「警官の血」
  > No.175 「暴雪圏」

  > No.152 「警官の紋章」
  > No.151 「警察庁から来た男」
  > No.138 「うたう警官 (笑う警官)」
  > No.048 「制服捜査」
  > No.024 「ストックホルムの密使」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「閉ざされて」 篠田真由美

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月14日 (日)

『リスの窒息』 石持浅海 > 「このミス」完全読破 No.297

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.297

 『リスの窒息』 石持浅海

   「このミス」2011年版 : 109位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.2.23 ~ 読終:2010.2.23

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年2月>

リスの窒息 (朝日ノベルズ)リスの窒息 (朝日ノベルズ)
石持浅海

朝日新聞出版 2011-06-17
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 ここ最近の石持作品といえば、捻くれた設定や歪な人物描写により(特に後者)、好き嫌いが激しく分かれそうな作風が多いのですが、本作は誘拐劇というミステリ・サスペンスの定番を描いた作品なので、近作の中では最も一般向けの作風に仕上がっているのではないでしょうか。

 とはいえ、被害者とは全く関係のないところに身代金が要求されるという、石持作品らしい捻くれた設定があったりもするのですけどね。

 そんな普通ではありえないような設定に対しても、納得せざるを得ない理由付けがなされているので、やはりこういった捻くれ設定を書かせたら一級品の作家ですねェ。

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 その他にもオーソドックスな誘拐劇と比べると少々変わった部分がありまして、普通なら犯人の存在を謎にすることでサスペンス的な盛り上がりを演出するわけですが、本作の場合は、犯人はおろかその動機まで最初に書かれているのです。

 つまりは倒叙ミステリのような形をとるわけですが、そうやって犯人側の行動を描く一方で、全く無関係な誘拐事件なのに身代金を要求されてしまう側の姿も並行して描かれていくので(一応こちらがメイン)、犯人の狙いと要求される側の翻弄されっぷりを堪能することができるのですねェ。

 しかも、犯人と要求される側との社会的立場を比較すると、事件の様相が滑稽にも見えてくるのも、この設定の面白さでしょうか。

 まあ、最後にどんでん返しがあったりとか驚くようなトリックが仕掛けられているような作品ではないですが、サスペンス誘拐劇としてのスリルある展開がありますし、その中にインパクトある描写やヘンテコなやり取りなど遊び心も組み込まれているので、終盤における派手な盛り上がりを期待しつつ読んでいくよりは、一つ一つの場面を楽しみつつ読んでいく方がこの作品には合っているのではないかと思います。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★     感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “石持浅海” 関連記事 】

  > No.869 「罪人よやすらかに眠れ」
  > No.755 「二歩前を歩く」
  > No.687 「三階に止まる」
  > No.634 「フライ・バイ・ワイヤ」

  > No.558 「トラップ・ハウス」
  > No.544 「玩具店の英雄 座間味くんの推理」
  > No.509 「彼女が追ってくる」
  > No.484 「人面屋敷の惨劇」
  > No.465 「ブック・ジャングル」

  > No.389 「撹乱者」
  > No.383 「見えない復讐」
  > No.350 「この国。」
  > No.297 「リスの窒息」
  > No.293 「君がいなくても平気」

  > No.112 「耳をふさいで夜を走る」
  > No.091 「君の望む死に方」
  > No.089 「心臓と左手 座間味くんの推理」
  > No.070 「月の扉」
  > No.037 「扉は閉ざされたまま」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「北帰行」 佐々木譲

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月13日 (土)

『このどしゃぶりに日向小町は』 鳥飼否宇 > 「このミス」完全読破 No.296

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.296

 『このどしゃぶりに日向小町は』 鳥飼否宇

   「このミス」2011年版 : 55位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.2.18 ~ 読終:2010.2.19

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2010年1月>

このどしゃぶりに日向小町はこのどしゃぶりに日向小町は

早川書房 2010-01-25
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 現在(「2010年版」まで)のところ鳥飼作品の中で唯一の「このミス」ランクイン作品が、No.62「痙攣的」です。

 この「痙攣的」は短編集に近い形の連作集なのですが、その中でオープニングを飾っている「廃墟と青空」の続編にあたるのが本作なのですね。

 そして本作は内容的にも「廃墟と青空」を踏まえた上での話となっているので、まずは前作を読んでから本作を手に取るべきだと思います。

 ちなみに、この「痙攣的」を最後まで読んでしまうと、あまりのとんでもない衝撃に最初に読んだ「廃墟と青空」の記憶など吹っ飛んでしまう恐れがあるので、「廃墟と青空」だけを読んだ後で本作に移った方がよいかも。

 なお、本作も「痙攣的」も“綾鹿市シリーズ”の中の一作なのですが(他には「本格的」「太陽と戦慄」「逆説探偵(逆説的)」 No.118「官能的」 No.122「爆発的」)、このシリーズは毎回名前だけ同じ人物が出てくるのと舞台(綾鹿市)が一緒という共通点があるだけなので、シリーズを意識せずに読んでいっても問題ありません。

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 そして本作の内容ですが、最初は「廃墟と青空」の続きだとはあらかじめ情報を仕入れていなければわからないような感じで進んでいきます。

 具体的には、記憶を失い狂気を身にまとった男が謎の施設で目が覚めたところから始まって、そこから前作の内容と絡み合いつつ暴走世界へと突き進んでいくのですね。

 「廃墟と青空」の時は本格ミステリ的な見せ方だったのですが、本作の場合はどちらかというとSFサスペンス的な盛り上げ方でして、そこにエログロ系のバイオレンス&スプラッター描写やバカミス作家らしいぶっ飛んだ設定&展開で肉付けされているので、まさに鳥飼作品らしい一部の読者にのみ熱烈に支持されそうなとんでもない作品でした。

 なので、この純文学的なタイトルからは想像できないような内容となっているので、タイトル買いした鳥飼作品初心者の方がどんな反応をするのかちょっと気になりますねェ。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★★   感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★★   気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “鳥飼否宇” 関連記事 】

  > No.863 「死と砂時計」
  > No.861 「絶望的 寄生クラブ」

  > No.439 「杉下右京の事件簿」("碇卯人"名義)
  > No.296 「このどしゃぶりに日向小町は」
  > No.122 「爆発的 七つの箱の死」
  > No.118 「官能的 四つの狂気」
  > No.062 「痙攣的 モンド氏の逆説」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「リスの窒息」 石持浅海

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月12日 (金)

『罪火』 大門剛明 > 「このミス」完全読破 No.295

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.295

 『罪火』 大門剛明

   「このミス」2011年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.2.17 ~ 読終:2010.2.18

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年12月>

罪火 (角川文庫)罪火 (角川文庫)
大門 剛明

角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-04-25
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 「雪冤」で“第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞”を受賞した大門剛明の、デビュー2作目となります。

 死刑制度と冤罪をテーマとした社会派ミステリーであるデビュー作に引き続いて、今作も殺人事件の加害者と被害者の救済をテーマにした社会派ミステリー作品となっています。

 “社会派ミステリー”というと、重々しくて堅苦しいような印象があると思いますが、本作の場合はエンタメ的な見せ方でもって社会問題を鋭く切り取っているので、テーマの重さの割にはとても読みやすいと思いますね。

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 物語の中には、殺人事件の加害者と被害者が何組か登場するわけですが、その両者を直接対面させることによって両者の救済を図るという“修復的司法”が大きな役割となっています。

 その“修復的司法”を通して、殺人事件の加害者・被害者双方に関しての表に出にくい部分が提示されますし、“修復的司法”のあり方について登場人物にも読者にも深く考えさせられるような現在進行形の事件が起こったりもするので、問題意識を自然と心に植え付けることができるのではないでしょうか。

 ただ本作の場合、そういった社会派のまま行くのかと思いきや、クライマックスでは衝撃的な真相が明らかにされ、それまでの世界観が崩されてしまうという、ミステリ的な展開となるのですねェ。

 それ故に、その部分の印象が強くなって最後まで読むと社会派な部分の印象が薄らいでしまうので、真面目に社会派小説を読みたいという方は終盤の展開に拍子抜けしてしまうかもしれないし、この仕掛けには少々強引に感じられる方も多くいるのではないかと思われます。

 ただそういった意味で許容範囲の広い方ならば、社会派ドラマを堪能しつつも衝撃的などんでん返しを味わうことができるということで、サービス満点な感じで楽しむことができるのではないでしょうかね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★      おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “大門剛明” 関連記事 】

  > No.760 「この雨が上がる頃」
  > No.686 「ぞろりん がったん」
  > No.295 「罪火」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「このどしゃぶりに日向小町は」 鳥飼否宇

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月11日 (木)

『球体の蛇』 道尾秀介 > 「このミス」完全読破 No.294

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.294

 『球体の蛇』 道尾秀介

   「このミス」2011年版 : 130位

   受賞(候補) : (「直木三十五賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.2.15 ~ 読終:2010.2.17

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年11月>

球体の蛇 (角川文庫)球体の蛇 (角川文庫)
道尾 秀介

角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-12-25
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 道尾秀介といえば、改めて言うまでもなく新進気鋭のミステリ作家なわけですが、本作は作者自身が“ミステリーではない”と語っている作品なのです。

 それで実際に読んでみると、道尾作品の代名詞とでも言うべき“一瞬にして世界がガラリと変わってしまうどんでん返し”が今回はありませんでした。

 そのためにいつもの道尾作品とは違った感じで、どこか文学的な趣きがあったりもするのですが、だからといって全くミステリーではないのかと言えば、そんなことはないと思うのですよね。

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 物語は、複雑な家庭環境で暮らしている男子高校生の日常から始まるのですが、身内とのやり取りなどコミカルであるにもかかわらず、悲劇的な雰囲気をそれとなく匂わしているので、このような物語の真相がはっきりとせずにドキドキしながら読み進めていく感じは、過去の作品と似た味わいがありました。

 ただ、そういった“真相を謎のベールで包み隠す”ことによって、読者に誤認を与えてクライマックスにどんでん返しを炸裂させる、というのが目的ではないところが、これまでの作品との違いでしょう。

 それでは本作の場合はどうなのかといいますと、これはあくまで自分が感じたことなのですが、“物語に漂う謎”の真相を少しずつ明らかにしつつ、またそこから新たな謎を少しずつ漂わせていくことで、物語のドラマ性の部分をより深く濃厚なものにしていたし、読む人の心を物語世界へと誘い込む役割を果たしていたのではないでしょうかね。

 なので、“誤認を誘った上でのどんでん返し”などのわかりやすいミステリトリックはないものの、ミステリ的な仕掛けによって物語に味わい深い魂を吹き込んでいるので、タイプは違うけれどこれまでの作品に肩を並べるくらいの素晴らしいミステリ作品だと思いました。

 それに、それまでの作品は、読者に誤認を誘導する仕掛けがあったことから、作者からのベクトルが直接読者に向いているようにも感じていたのですが、本作の場合はそのベクトルが物語の中に向かっているように感じて、これまでのようにクライマックスに重きを置くのではなく物語全体を通して堪能できたので、この作風の方が“小説”的には適しているのではないでしょうか。

 最近はちょっと騙しのトリックにも慣れてしまって、高いレベルのトリックであっても平均的な驚きとなってしまいそうなので、(本作のような)“騙し”以外の作品を基本として、何作かに1作の割合でどんでん返しを炸裂させてくれた方が、その衝撃さも有り難味もより高まると思いますしね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★★    人間味ドラマ度 : ★★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★     感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★        気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “道尾秀介” 関連記事 】

  > No.0947 「いけない」
  > No.1042 「スケルトン・キー」(後日更新予定)

  > No.0983 「満月の泥枕」(後日更新予定)
  > No.0947 「サーモン・キャッチャー the Novel」
  > No.0910 「スタフ staph」(後日更新予定)
  > No.0827 「透明カメレオン」
  > No.0749 「貘の檻」

  > No.0682 「鏡の花」
  > No.0617 「笑うハーレキン」
  > No.0583 「ノエル -a story of stories-」
  > No.0546 「光」
  > No.0498 「水の柩」

  > No.0432 「カササギたちの四季」
  > No.0396 「月と蟹」
  > No.0340 「月の恋人~Moon Lovers~」
  > No.0312 「蝦蟇倉市事件 1」
  > No.0311 「光媒の花」

  > No.0294 「球体の蛇」
  > No.0233 「花と流れ星」
  > No.0186 「龍神の雨」
  > No.0169 「鬼の跫音」
  > No.0121 「ラットマン」

  > No.0117 「カラスの親指」
  > No.0097 「ソロモンの犬」
  > No.0058 「片眼の猿」
  > No.0049 「シャドウ」
  > No.0041 「向日葵の咲かない夏」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「罪火」 大門剛明

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月10日 (水)

「このミス2011年版」月別ランクイン候補作品(2010年3月)

 昨年(2010年版)から始めたこの“月別ランクイン候補作品”ですが、「このミステリーがすごい!2011年版」対象作品についても引き続き実施していこうと思います。

 この“月別ランクイン候補作品”とは、自分は日頃から“どんな作品が「このミス」にランクインしそうかな?”と色々とチェックしているので、どうせならそれを発売された月別にまとめてしまおう!ということで始めた企画です。

 ここでは、とりあえず「このミス」の対象になりそうな作品をピックアップして、“作者の過去実績”や“なんとなくの前評判”を元に、推測されるランクインの可能性ごとに3段階に分けて並べています。

 ちなみに、これを書いている時点では作品をまだ読んでいない状況になると思うので、この3段階の分類は、作品を読んだ上で決めたものではありませんので、その点ご了承ください。

 なお、読んだ上でのランクイン予想に関しましては、「このミス2011年版」上半期のランクイン作品予想の方をご覧ください。 

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 >> 2010年3月発売の最有力候補っぽい作品 <<


 【 光媒の花 / 道尾秀介 】

光媒の花光媒の花

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  > ミステリー界最注目作家が放つ、渾身の群像劇。
  > 痴呆の母を抱える中年男性、
  > ホームレス殺害に手を染めた小学生の兄妹…
  > 大切な何かを守るため、人は悲しい嘘をつく。
  > 一匹の蝶が絶望の果てに見た光景とは――
  > 人間の弱さと優しさを描く連作長編。


 2010年最初に発売される道尾作品です(2011年版対象作品としてはNo.294「球体の蛇」に続いて2作目)。

 今回は連作に近い長編で、章ごとにミステリーだったりそうじゃなかったりするそうですが、まあ道尾作品というだけで「このミス」の有力候補となりますからね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
              >> No.311 『光媒の花』 道尾秀介


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「向日葵の咲かない夏」  2007年版 17位
   > 「シャドウ」  2007年版 3位
   > 「片眼の猿」  2008年版 19位
   > 「ラットマン」  2009年版 10位
   > 「カラスの親指」  2009年版 6位
   > 「鬼の跫音」  2010年版 15位
   > 「龍神の雨」  2010年版 9位

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 >> 2010年3月発売の有力候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   オー!ファーザー / 伊坂幸太郎 (8作)  <感想記事はこちら>
   虚 国 / 香納諒一 (5作)  <感想記事はこちら>
   エデン / 近藤史恵 (1作)  <感想記事はこちら>

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 >> 2010年3月発売の候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   ブラックチェンバー / 大沢在昌 (14作)  <感想記事はこちら>
   冥 談 / 京極夏彦 (10作)
   さよならのためだけに / 我孫子武丸 (4作)
   災転(サイコロ) / 霞流一 (3作)  <感想記事はこちら>
   白戸修の狼狽 / 大倉崇裕 (3作)
   六蠱の躯 死相学探偵3 / 三津田信三 (2作)
   こぼれおちる刻の汀 / 西澤保彦 (2作)
   リミット / 五十嵐貴久 (1作)
   伽羅の橋 / 叶紙器
   狩久探偵小説選 / 狩 久  <感想記事はこちら>
   マドンナ・ヴェルデ / 海堂尊  <感想記事はこちら>
   主よ、永遠の休息を / 誉田哲也  <感想記事はこちら>
   機龍警察 / 月村了衛  <感想記事はこちら>
   逃げる / 永井するみ
   更年期少女 / 真梨幸子  <感想記事はこちら>
   100人館の殺人 / 山口芳宏  <感想記事はこちら>
   完全犯罪研究部 / 汀こるもの
   ピストルズ / 阿部和重
   乱心タウン / 山田宗樹  <感想記事はこちら>
   本日の議題は誘拐 / 木宮条太郎
   プライド / 真山仁
   オランダ宿の娘 / 葉室麟
   バイブルDX / 真藤順丈
   血戦 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京 2 / 楡周平
   越 境 / 永瀬隼介
   怨み返し / 弐藤水流
   ブギウギ / 坂東眞砂子
   自白 刑事・土門功太朗 / 乃南アサ
   銀河に口笛 / 朱川湊人
   モンスター / 百田尚樹
   野良犬の挽歌―街― / 村山賢
   暴風地帯 / 中村敦夫

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  「このミス2011年版」月別ランクイン候補作品(2010年2月) <<<

  >>> 「このミス2011年版」月別ランクイン候補作品(2010年4月)


 「月別ランクイン候補作品」の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月 9日 (火)

『君がいなくても平気』 石持浅海 > 「このミス」完全読破 No.293

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.293

 『君がいなくても平気』 石持浅海

   「このミス」2011年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.2.12 ~ 読終:2010.2.12

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : ノベルス <2009年12月>

君がいなくても平気 (光文社文庫)君がいなくても平気 (光文社文庫)
石持 浅海

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 石持作品といえば、捻くれた設定や歪な人物描写が特徴なわけですが、最近では特に後者が際立った作品が多くなってきているように感じます。

 そしてこの作品も、探偵役でもワトソン役でも犯人役でもないごく普通の主人公が“自分の彼女が殺人犯”だと知ったら?という前者的な設定もありますが、やはり後者の色が強く出ている、なんとも石持作品らしい仕上がりとなっていますね。

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 内容の方は、ミステリ&サスペンス風味で包んだラブストーリー、といった感じでしょうか。

 一般人である主人公の身近に殺人事件が起こり、自分の彼女がその犯人ではないかと疑うところから始まるストーリーで、倒叙ミステリ的な雰囲気で話が進んでいきます。

 そんな感じで、オーソドックスとは言わないけれど結構よくありそうな外観をしているわけですが、一見普通な主人公の本性や事件の提示の仕方など、とても石持作品らしい歪さで演出されているので、やはり読む人を選ぶというか、好き嫌いがはっきりと分かれるようなタイプでしょうね。

 自分的には、No.112「耳をふさいで夜を走る」の時と同じ理由でとても面白く読むことができました。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★★    人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★★   感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “石持浅海” 関連記事 】

  > No.869 「罪人よやすらかに眠れ」
  > No.755 「二歩前を歩く」
  > No.687 「三階に止まる」
  > No.634 「フライ・バイ・ワイヤ」

  > No.558 「トラップ・ハウス」
  > No.544 「玩具店の英雄 座間味くんの推理」
  > No.509 「彼女が追ってくる」
  > No.484 「人面屋敷の惨劇」
  > No.465 「ブック・ジャングル」

  > No.389 「撹乱者」
  > No.383 「見えない復讐」
  > No.350 「この国。」
  > No.297 「リスの窒息」
  > No.293 「君がいなくても平気」

  > No.112 「耳をふさいで夜を走る」
  > No.091 「君の望む死に方」
  > No.089 「心臓と左手 座間味くんの推理」
  > No.070 「月の扉」
  > No.037 「扉は閉ざされたまま」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「球体の蛇」 道尾秀介

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月 7日 (日)

『欧亜純白 ユーラシアホワイト』 大沢在昌 > 「このミス」完全読破 No.292

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.292

 『欧亜純白 ユーラシアホワイト』 大沢在昌

   「このミス」2011年版 : 38位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2010.2.8 ~ 読終:2010.2.10

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本( I ・II ) <2009年12月>

欧亜純白 ユーラシアホワイト 上 (徳間文庫)欧亜純白 ユーラシアホワイト 上 (徳間文庫)
大沢 在昌

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 これまでの大沢作品の中でも最長枚数を誇る超大作です。

 なにも超大作なのはページ数だけではありませんで、作品内の世界観がもうとにかくスケールが大きくて、内容の方もまさしく“超大作”なのですねェ。

 どれだけスケールが大きいかというのは、冒頭から世界各地で起こる事件めいた話が次々と語られていくところからも予感できるのですが、その予感を裏切らないどころか遥か上を行くような迫力あるストーリーが突き進んでいくのです。

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 物語の大きなテーマとなるのが、ヘロインを中心とした麻薬です。

 この麻薬に関わる世界規模での情勢が話を大きく左右するので、その説明が細かにされるのですが、麻薬についての専門知識がこれでもかと押し寄せてくるので、ちょっと最初はなかなかページが進みませんでしたね。

 それでもその後にストーリーが進みだすと、そういった知識を得ていたことにより物語が真に迫った勢いでなだれ込んでいきますし、そのスケール感も存分に味わうことができました。

 そして主な登場人物には、ヘロインを流通させようとする側と、取り締まろうとする側とがいるわけですが、そのどちらにも当てはまるとも言えるしどちらにも当てはまらないとも言えるという複雑な人物がいることによって、単なる善者悪者の対立にはなっていないので、このバランスにより緊張感がさらに際立っていたように思います。

 まあ、それまでの盛り上がりに比べるとラストはちょっとあっけなくも感じたし、人物が次々に登場するわりに話があまり動き出さない上巻(Ⅰ)の前半で挫折してしまう方も多くいそうですが、ただとにかく読み応えとスケール感のある大作なので、時間をかけてじっくりと読んでみてはいかがでしょうか。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★        気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “大沢在昌” 関連記事 】

  > No.1107 「暗約領域 新宿鮫XI」
  > No.1012 「俺はエージェント」

  > No.0945 「夜明けまで眠らない」
  > No.0851 「極悪専用」(後日更新予定)
  > No.0781 「雨の狩人」
  > No.0628 「冬芽の人」
  > No.0553 「鮫島の貌 新宿鮫短編集」

  > No.0456 「絆回廊 新宿鮫X」
  > No.0435 「氷の森」
  > No.0426 「狼花 新宿鮫IX」
  > No.0419 「新宿鮫 風化水脈(新宿鮫VIII)」
  > No.0417 「やぶへび」

  > No.0404 「女王陛下のアルバイト探偵(アイ)」
  > No.0400 「灰夜 新宿鮫VII」
  > No.0348 「氷舞 新宿鮫VI」
  > No.0335 「ブラックチェンバー」
  > No.0292 「欧亜純白 ユーラシアホワイト」

  > No.0262 「炎蛹 新宿鮫V」
  > No.0171 「無間人形 新宿鮫IV」
  > No.0075 「屍蘭 新宿鮫III」
  > No.0043 「毒猿 新宿鮫II」
  > No.0027 「新宿鮫」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「君がいなくても平気」 石持浅海

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月 5日 (金)

<JC1巻買い> 「ねこわっぱ!」 松本直也

ねこわっぱ!  1 (ジャンプコミックス)ねこわっぱ! 1 (ジャンプコミックス)

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 2010年3月に発売されたJC(ジャンプコミックス)1巻が、「ねこわっぱ!」です。

 2009年春に行われた“JG1読切祭”を経て連載となった作品ですが、残念ながらこの1巻が出る前に、1クールでの打ち切り(突き抜け)となってしまいました.....。

 連載としては失敗作となってしまった原因はいくつかあると思われますが、自分なりに考えたことを少し書いてみたいと思います。

 ジャンプ本誌に掲載された読切作品がそのまま連載となったことから、読切の時点である程度の人気を得ていたと考えられるので、その読切時と連載版とを比較してみましょう。

 読切版は、もちろんタマが主人公で話の中心でしたが、父・母・じじも共に行動していて、特に父がコミカル担当となっていたので、家族4人(1人+3匹)によるドタバタコメディといった感じでした。

 それに対してこの連載版では、基本的にはタマ一人に対して焦点が当てられていて、それに同年代の友達やライバルたちが絡んでくるといった感じだったのですが、タマは人間離れした実直キャラで自らボケるというタイプではないので、たたみ掛けるようなドタバタコメディにならないし、笑いのパターンもある程度決まってしまったのではないでしょうか。

 タマと似たキャラクターである「Dr.スランプ」の則巻アラレも、則巻千兵衛というキャラクターがいたことがとても重要だったと思いますし。

 なので、最初はタマ一家全体が主人公といった感じで、ほのぼのドタバタコメディとして進めていった方が、読切版と同じような魅力が出たのではないでしょうかねェ。

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 単行本ならではの特典ですが、まず帯の表は、表紙と繋がった絵の上に、「新米神さまは カワイイ猫の女の子!?」と書かれています。

 裏帯の方は、猫又の森の神さま一家の絵と共に「願いがあれば ここにおいで!!」と書かれています。

 カバーを外した部分は、カバー部分と全く一緒の絵、かと思いきや、父・母・じじは人間バージョンに変わっていますね。

 中身の方ですが、話の流れに沿った1コマ漫画(崩し絵ではなく、本編と同レベルの絵)が計2ページ。

 絵馬にキャラクターの絵が描かれてその横にキャラクターの説明が書かれたプロフィール「キャラ絵馬」が、猫森タマ・パパ上が各1ページずつ、ママ上とじじ上が2匹で1ページ。

 タマが背負うリュックが3バージョン描かれた「ママ上特製!! リュックサックシリーズ」が1ページ。

 そして最後のページには、作者による感謝のコメントなどが書かれた「あとがき」が1ページ。

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 【「松本直也」関連記事】

  > 「ポチ・クロ」(ジャンプNEXT! 2013 AUTUMN) (13.9.16)

  > 「四海演武」(ジャンプNEXT! 2012SPRING) (12.4.28)

  > 「ねこわっぱ!」 松本直也 > 週刊少年ジャンプ読切! (09.6.1)
  > 「ねこわっぱ!」 松本直也 > 週刊少年ジャンプ新連載! (09.11.9)
  > 「ねこわっぱ!」 松本直也 <JC1巻買い> (10.3.5)


 【「2010年発売の“JC1巻買い”」関連記事】

  > 「SWOT」 杉田尚 (10.12.7)
  > 「逢魔ヶ刻動物園」 堀越耕平 (10.11.9)

  > 「少年疾駆」 附田祐斗 (10.8.6)
  > 「メタリカメタルカ」 水野輝昭 (10.8.5)

  > 「詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。」 古舘春一 (10.6.9)
  > 「LOCK ON!」 土田健太 (10.6.7)

  > 「新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ」 麻生周一 (10.6.4)
  > 「ねこわっぱ!」 松本直也 (10.3.5)

  > 「賢い犬リリエンタール」 葦原大介 (10.2.5)
  > 「保健室の死神」 藍本松 (10.2.4)

  > 「わっしょい!わじマニア」 わじまさとし (10.1.31)


 その他のジャンプ作品の当ブログ記事は、こちらからどうぞ!
               ↓↓↓
 >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2010年3月 3日 (水)

『水魑の如き沈むもの』 三津田信三 > 「このミス」完全読破 No.291

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.291

 『水魑の如き沈むもの』 三津田信三

   「このミス」2011年版 : 7位

   受賞(候補) : 「本格ミステリ大賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 3位
              「ミステリが読みたい!」 5位
              「週刊文春ミステリーベスト10」 20位
              「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:2010.2.4 ~ 読終:2010.2.5

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年12月>

水魑の如き沈むもの (講談社文庫)水魑の如き沈むもの (講談社文庫)
三津田 信三

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 「厭魅の如き憑くもの」 「凶鳥の如き忌むもの」 No.55「首無の如き祟るもの」 No.102「山魔の如き嗤うもの」 No.255「密室の如き籠るもの」(中短編集)に続く“刀城言耶シリーズ”の6作目にして、長編としては5作目となります。

 シリーズものとはいえ、所々で繋がりを匂わす部分はあるものの、それぞれが独立した話となっているため、どの作品から読んでも問題ないと思います。

 ただ、1作目の「厭魅」との繋がりが結構強いので、先にこの「厭魅」を読んでおくとより楽しむことができるかもしれませんね。

 まあ、時系列的には「水魑」の方が先なので、読み終えた後で「厭魅」を読むのもでもいいのかも。

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 今回もこれまで同様、土俗的ホラーと本格ミステリが見事なまでに融合していて、終盤では驚愕のどんでん返しの連続が炸裂します。

 そして本作の一番の注目点といえるのが、シリーズ中一番の読みやすさではないでしょうかね。

 このシリーズの作品というのは、とても読みにくくて状況が掴みにくいという特徴があるわけですが、今回はその点でかなり改善されているように感じました。ホラー要素が幾分薄まっていたのが影響したのかもしれませんが。

 ただ今回は、シリーズ最長なうえに事件が起きるまでにかなり時間がかかるので、すでにこのシリーズを読んでいる方なら、この部分が伏線となって後に凄い展開となることがわかっているのですが、この作品から読み始める方だと少々じれったく感じてしまうかもしれませんねェ。

 それでも事件が起こってからは勢いと迫力がハンパない展開が繰り広げられるし、その後にはどんでん返しの連続が炸裂するので、シリーズ愛読者もシリーズ初心者もどちらも楽しめることは間違いないでしょう。

 個人的には、どんでん返しの途中までは予想出来てしまったので、結果的に単発のどんでん返しになってしまったのはちょっと残念でした。

 ただその分、語尾に「~け」と付く方言の連続に楽しませてもらいましたけどね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “三津田信三” 関連記事 】

  > No.777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
  > No.534 「幽女の如き怨むもの」

  > No.487 「生霊の如き重るもの」
  > No.291 「水魑の如き沈むもの」
  > No.255 「密室の如き籠るもの」
  > No.102 「山魔の如き嗤うもの」
  > No.055 「首無の如き祟るもの」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「欧亜純白 ユーラシアホワイト」 大沢在昌

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2010年3月 1日 (月)

週刊少年ジャンプ新連載! 「詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。」 古舘春一

週刊少年ジャンプ No..13週刊少年ジャンプ 2010年3月15日号 No..13


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 2010年2~3月に投入された新連載の第2弾が、13号から始まった「詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。(きべんがくは・よつやせんぱい・の・かいだん)です。

 作者の古舘春一(ふるだて・はるいち)は、「王様キッド」で“JUMPトレジャー新人漫画賞”(2008年8月期)の佳作を受賞してWeb掲載という形でデビューし(この作品は現在でもウェブ上で読むことが出来ます→集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト)、赤マルジャンプ2009WINTERに「アソビバ」が掲載されて誌面でのデビューを果たしました。

 そして、2009年春に行われた“JG1読切祭”のエントリー作品として28号に「詭弁学派、四ッ谷先生の怪談」が掲載されて本誌デビューを飾り(週刊少年ジャンプ読切! 「詭弁学派、四ッ谷先生の怪談」 古舘春一参照)、タイトルや設定などがリニューアルされた本作にて初の連載となりました。

 というわけで、「Webデビュー → 誌面デビュー → 本誌デビュー →連載デビュー」と、デビューの4連鎖で連載までたどり着いたことになりますね。

 ちなみに、“四ツ谷”と表記されているのを多く見かけますが、“四ッ谷”が正式名称でして、この“ッ”と“ツ”の違いによってgoogleやyahooでの検索結果が微妙に変わってきます。


 内容の方は、語り口により恐怖を演出する怪談的ホラー漫画です。

 連続女児誘拐殺人事件が起きる中、女子中学生・中島真の親友が行方不明に。

 事件との関連性に不安を感じた真は、“怪奇事件を解決してくれる”という噂を持つ幻の生徒・四ッ谷先輩に会うために、学校の屋上へと向かうのでした.....。


 読切版では“学校の先生(国語教師)”だった主人公が“先輩”に変わっていましたが(あと細かいところでは“メガネキャラ”ではなくなりましたが)、それ以外の基本部分は読切版と同じで、絵やストーリーで純粋な怖さを追求するというよりは、この独特の空気が漂う雰囲気を楽しむタイプのホラー漫画といった感じでしたね。

 そして、事件の犯人を探るのではなく犯人に対していかに恐怖を与えるかを目的としたストーリー展開や、話の中で一番の重要事項である親友失踪の謎について、第1話内ではほとんど進展しないどころか途中から全く触れられなくなったのに、最後の最後で突如本題に入ることで次週への興味を引きつけるという演出など、読ませるため&魅せるための構成がここ最近の新連載作品と比べても際立っているように思いました。

 まあ、作風的にも一般受けというよりはマニア受けを狙った作品といった感じですが、今後もこういった演出や構成で魅せることができるならば、早期の打ち切りなど軽く乗り越えられるのではないでしょうか。

 あと、読切版との違いとしては、絵の上達ぶりが目を見張りました。

 読切版では、特に動きのある絵の時にゴチャゴチャした感じで見にくかったのですが、連載版では無駄な部分を省きつつも書き込み量的には変わらないような描写になっていたので、見やすさという点では別人のようですからねェ。


【後日追記】
 この第1話には“四肢障害の方およびご家族に対して配慮に欠ける表現”があったということで、第1話掲載から3週間後の本誌16号巻末に編集長名義のお詫び文が掲載されました。

 そのため、その第1話が単行本に収録されるにあたり全面改稿もありえるのではないかとも思われましたが、気付いた範囲では、描き直されたのが3コマ、微妙に修正されたのが4コマあるだけで、絵的には基本的に変わりありませんでしたね。

 ただ、怪談に出てくる人形の設定が“三本足のミカちゃん人形”から“人間を襲うミカちゃん人形”に変わっていて、それに伴い会話文などが大幅に書き換えられ、“第1夜”のタイトルも「三本肢のミカちゃん人形」から「人間になりたいミカちゃん人形」に変更されていました。


  

  投票受付期間:2010.3.1~3.15

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