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2010年2月 7日 (日)

『切り裂きジャック・百年の孤独』 島田荘司 > 「このミス」完全読破 No.276

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.276

 『切り裂きジャック・百年の孤独』 島田荘司

   「このミス」1988年 : 15位

   受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 10位

   読始:2009.12.23 ~ 読終:2009.12.24

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本 <2006年10月>

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 “切り裂きジャック事件”というのは、1888年にイギリスで実際に起きた猟奇事件です。

 その事件の大きさや衝撃性にもかかわらず、結局犯人が判明しなかったり、真相が闇に包まれたままだったりと、かなり謎めいていることから、全世界で一番有名な事件といっても過言ではないでしょう。

 そして本作は、その“切り裂きジャック事件”を元にした、本格ミステリ作品です。

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 この“切り裂きジャック事件”を模したような事件が、事件からちょうど100年後、つまりは1988年のベルリンで起こります。

 ちなみにこの1988年というのは、この作品が単行本で発表された年でもありますね。

 100年の時を挟むこの2つの事件が交互に描かれる形で話が進んでいくのですが、その過程で“本家・切り裂きジャック事件”に関するアウトラインを掴むことができるので、この事件について全く知らない人でも心配はいりません。

 そしてこの作品の圧巻なところが、100年後の事件を解決に導くと同時に、“切り裂きジャック事件”をも独自の解釈でもって解き明かしてしまうところにあるのですが、その発想と大胆さに驚愕してしまう一方で、“これが本当に真相なのかもしれないな”と思わされてしまうだけの説得力をも持ち合わせているのです。

 さらに100年後の事件との関連性などでも、当時のイギリスとベルリンそれぞれの社会問題が強く込められていたりもするので、それがミステリ的な部分ともあいまって深みと重みが感じられる作品でした。

 あと、ラストにはちょっとしたサプライズが用意されているのですが、これを楽しむためには、この作品以前に発表された島田作品をいくつか読んでおいた方がよいでしょうね。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “島田荘司” 関連記事 】

  > No.707 「星籠の海」
  > No.588 「アルカトラズ幻想」

  > No.461 「進々堂世界一周 追憶のカシュガル」
  > No.420 「奇想、天を動かす」
  > No.357 「写楽 閉じた国の幻」
  > No.276 「切り裂きジャック・百年の孤独」
  > No.273 「異邦の騎士」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「罪と罰の果てに」 永瀬隼介

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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