『異邦の騎士』 島田荘司 > 「このミス」完全読破 No.273
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.273
『異邦の騎士』 島田荘司
「このミス」1988年 : 5位
受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)
総合ランキング : 「「このミス」が選ぶ過去10年のベスト20」 9位
「「このミス」20年のベスト・オブ・ベスト」 30位
「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 56位
「本格ミステリ・オールタイムベストアンケート」 89位
年度ランキング :
読始:2009.12.17 ~ 読終:2009.12.18
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <1998年3月>
![]() | 異邦の騎士 改訂完全版 講談社 1998-03 売り上げランキング : 26491 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
島田荘司は、この作品以前にも「占星術殺人事件」や「斜め屋敷の犯罪」などの大傑作を発表していましたが、「このミス」が創刊されたのは1988年だったこともあって、本作が最初の「このミス」ランクイン作品となります(同年にNo.276「切り裂きジャック・百年の孤独」もランクインしています)。
しかし、実は本作は、デビュー作「占星術殺人事件」より前に書かれていたもののデビュー作とはならず、それを数年経った後に改稿して発表した作品なので、実質のデビュー作ともいえるのです。
それゆえか本作は、“名探偵・御手洗潔の最初の事件”という位置付けでもあります。
デビュー作とはならなかった経緯などについては、本書のあとがきに書かれているので、そちらをご覧ください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
内容の方は、この「異邦の騎士」といったタイトルからして、中世ヨーロッパを舞台とした戦記ミステリーなのかな~と漠然と思いながら読み始めてみたのですが、それは全くの誤りでして、現代の(といっても今読めば一昔前になってしまいますが)日本を舞台とした作品でした。
主人公は、記憶喪失の状態で物語に登場し、自分が誰なのかさえわからない状況で話が進んでいくので、読んでいる自分も主人公同様にとても不安で疑心暗鬼な気持ちで読み進めていくことになります。
そして話は、記憶喪失の男の新たな生活が描かれていくのですが、男の記憶が甦っていくと同時に、衝撃的な事実が次々に明らかになり、サスペンス的な展開になっていくのですねェ。
こういった展開は読んでいて予想は出来たものの、その内容の方が予想外の連続でどんでん返しをくらったので、特に終盤は驚きの連続でしたからね。
幻のデビュー作ということもあってか、良い意味での若さやそれゆえの勢いなどが詰め込まれた作品でしたが、そんな中にも大胆で緻密で鮮やかなトリックが仕掛けられていたので、島田荘司作品初体験だった自分も、やはり“御大”と呼ばれているだけあるんだな~と(ちょっと偉そうだけど)思ってしまいました。
ただ、御大の作品を初めて手にする方は、本作から読み始めるよりも、御手洗潔シリーズの刊行順に(つまりは「占星術殺人事件」から)読んでいった方がより楽しめるようですね。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “島田荘司” 関連記事 】
> No.707 「星籠の海」
> No.588 「アルカトラズ幻想」
> No.461 「進々堂世界一周 追憶のカシュガル」
> No.420 「奇想、天を動かす」
> No.357 「写楽 閉じた国の幻」
> No.276 「切り裂きジャック・百年の孤独」
> No.273 「異邦の騎士」
NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「ビッチマグネット」 舞城王太郎
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
>>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<
« 週刊少年ジャンプ読切! 「戦国ARMORS」 榊ショウタ | トップページ | <JC1巻買い> 「保健室の死神」 藍本松 »
「01.「このミス」完全読破(ミステリ小説)」カテゴリの記事
- 「このミステリーがすごい!2022年版」ランキング(順位)予想(2021.02.03)
- 「このミス2022年版」月別ランクイン候補作品(2021年2月)(2021.01.31)
- 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2021年1月)(2021.01.21)
- 「このミス2022年版」月別ランクイン候補作品(2021年1月)(2021.01.09)
- 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2020年12月)(2020.12.20)