週刊少年ジャンプ新連載! 「LOCK ON!」 土田健太
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2010年2~3月に投入された新連載第1弾が、12号から始まった「LOCK ON!(ロック・オン)」です。
作者の土田健太(つちだ・けんた)は、、「風影」で第7回ストーリーキングの漫画部門奨励賞を受賞した後、手塚賞や十二傑新人漫画賞で最終候補が続き、赤マルジャンプ2008SUMMERに「She Saw Game」が掲載されデビューとなりました。
そして、2009年春に行われた“JG1読切祭”のエントリー作品として31号に「LOCK ON!」が掲載されて本誌デビューを飾り(週刊少年ジャンプ読切! 「LOCK ON!」 土田健太参照)、その同名リニューアル版で今回初の連載となりました。
それで内容の方ですが、主人公を含むメインの登場人物のキャラクターや設定など読切版とほぼ変わりがなかったので、読切版とこの新連載第1話とを、初めて読む人に対するアピールという部分で比較して、気になったところを少し書いてみたいと思います。
改めて読切版を読んでみましたら、これが読切作品としてはなかなか上手い作りとなっていたのですよね。
まずメインキャラクターの関係性ですが、“性格がキツくて暴力的な栗原ニコ”と“お嬢様で明るく優しい白井雪”というヒロイン2人を対称的に見せることで、メインヒロインであるニコの素直になれない性格がよく表現されていたし、主人公の真田映がそんなニコの方により強く興味を持つことで、真田の特異性(変態性)も強調されていたと思います。
そんな感じで、それぞれの性格やキャラクター・関連性などがわかりやすく提示されていたことで、作品における横軸(メインキャラのやり取りによる面白さ)が上手く表現されていたのではないでしょうか。
そして縦軸にあたるストーリー面では、表向きは人気者だけど実は悪者という同級生を配することで、その悪役とメインキャラたちが次第に深く絡んでいくという流れで興味を引かせていたし、それがクライマックスにおけるスカッとした勧善懲悪にも繋がっていました。
そのクライマックスにおいて主人公の能力も披露されていますし、“メインキャラのやり取りの軽快さ”と“悪役の非道さ”が上手く対称となっていたので、真新しさや独自の展開などはなかったものの、初めて読む人が対象となる読切作品としては非常に良く出来た構成であったと思いますね。
それを踏まえてこの連載版第1話を読んでみましたら、ニコと雪の対称性が強調されていないなど、メインキャラの特性は掴みやすいとは言えないし、作品全体を通した軸となるストーリーも特になく、“メインキャラのやり取り”と“悪役との絡み”による対称性もなかったので、読切版と比べるとどこか散漫でメリハリがなく感じてしまいました。
それに主人公の特殊能力が曖昧なまま終わってしまったりと中途半端な印象もあったのですが、でもこれらは連載の第1話と続きのない読切との違いでもあるのでしょうからね。
読切の時の記事では“個人的には、この絵柄や作風からして、悪役のどす黒さやバトルシーンよりも、コメディ要素やほのぼのとした演出などにより力を入れた方がもっと面白くなるのではないかな~なんて思いました”と書きましたが、この第1話では実際にその通りになっていましたし、第2話以降もそのような部分で魅力を演出することができるならば、早期打ち切りは回避できるのではないでしょうかねェ。
投票受付期間:2010.2.22~3.8
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