『退出ゲーム』 初野晴 > 「このミス」完全読破 No.268
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.268
『退出ゲーム』 初野晴
「このミス」2009年版 : 20位
受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞〈短編部門〉」
候補作 『退出ゲーム』 収録)
総合ランキング : 「2001-2010新世紀「本格短編」ミステリオールベスト」
11位作品 『退出ゲーム』 収録
18位作品 『エレファンツ・ブレス』 収録
年度ランキング :
読始:2009.12.9 ~ 読終:2009.12.10
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2008年10月>
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2008年の初野晴といえば、「1/2の騎士」と「退出ゲーム」という傑作を2作発表したわけですが、そのうちのこの「退出ゲーム」で「このミス」初ランクインを果たすことになりました。
表紙の感じからもわかるように、高校を舞台とした青春ミステリの連作集です。
主人公である女子高校生は吹奏楽部に入っていまして、この部活に関係するような“日常な謎”が発生していくのですが、それを主人公と、その幼なじみである男子高校生(一応こちらが探偵役)とで、この謎に立ち向かっていくのです。
この主人公2人の関係というのが、幼なじみという以外にもちょっと変わった関係性があったりしまして、その関係性や吹奏楽部としてのストーリーなどによって、いわゆる“ラノベ的”とも称される学園ミステリの王道といった雰囲気がありましたね。
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ただしかし、単なる“ラノベ風学園ミステリ”というだけでは、ここまでの評価とはならなかったでしょう。
とにかく各話で出てくるミステリ的な謎やトリックというのがなかなか本格的なものでして、“日常の謎”や“青春ミステリ”という枠に収めてしまうのはもったいないくらいに、凝りに凝った上級ミステリ作品となっているのです。
しかも、即興劇によって謎が解明されたり、まさかこの作風でこんな展開になるとは!と驚いてしまったりと、ミステリ部分のタイプやその見せ方もヴァリエーション豊富だし、そういった謎が解明される過程やその真相によって青春物語がより深みのあるものとなっていますからね。
なので、青春ミステリが好きな方にはもちろん、そういったジャンルを苦手に思っているような方にも強くオススメしたくなるような作品でした。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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