『うまや怪談 神田紅梅亭寄席物帳』 愛川晶 > 「このミス」完全読破 No.259
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.259
『うまや怪談 神田紅梅亭寄席物帳』 愛川晶
「このミス」2010年版 : 59位
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 19位
読始:2009.11.16 ~ 読終:2009.11.17
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2009年10月>
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「道具屋殺人事件」、No.110「芝浜謎噺」に続く、“神田紅梅亭寄席物帳シリーズ”の第3弾です。
今回も中編3本からなる連作集でして、事件というか謎は3作それぞれで別なものとなっていますが、共通した話の流れというのもあるので、長編作品としても楽しむことが出来ると思います。
さらにこのシリーズ自体でも、それぞれの本ごとに話が別物となっていますが、シリーズを通しての流れが結構重要となってきますし、そこが楽しみどころでもあるのです。
なので、いきなり本作から読み始めてもそれほど大きな問題はないとは思うものの、シリーズの話の流れを知らなければホントの意味での面白さはわからないだろうし、舞台が落語の世界ということもあって登場人物の名前や関係性など把握するのに苦労するので、やはり1作目から順番に読んでいくことをオススメしますね。
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そして本作も、日常の謎的なミステリが中心となってきますが、その謎の提示の仕方や扱われ方などが非常に凝っていまして、さらにそれが日常のやり取りと上手いくらいに絡み合っているので、“日常の謎”というジャンルに収まりきらないくらいの構成美を感じてしまいました。
そこにまた謎解きの場面などで、このシリーズのメインでもある落語の演目とまで絶妙に絡み合ってくるので、これはもう職人技といった巧みさに唸らされましたねェ。
それからやっぱり今回の作品の凄いところは、ついに作者自身が新作落語を書き下ろしてしまい、それを見事にミステリ作品の中に組み入れてしまったところでしょう。
これはいわば作中作のようなものですが、その出来栄えもかなりのものだったと思うし、作中の話の流れの中でも重要な役割を果たすほどのものだったので、これにはもう見事と言うしかないですね。
さらにラストでは驚きの展開が待っていまして、これを読んだら早く次作が読みたくて仕方がなくなってしまいました。
そんなわけで、次作辺りでこのシリーズの一番の山場がやって来そうな感じもあるので、まだ未読の方は、その次作が出るまでにこれまでのシリーズ作品を読んでおいた方がよいと思いますよ。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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