『身の上話』 佐藤正午 > 「このミス」完全読破 No.257
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.257
『身の上話』 佐藤正午
「このミス」2010年版 : 22位
受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング : 「闘うベストテン」 5位
読始:2009.11.11 ~ 読終:2009.11.12
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2009年7月>
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「身の上話」というタイトルや、この表紙絵(後日追記:ハードカバー版のことです→)。
そして、ごく普通の書店員のちょっとした気まぐれな行動から始まるストーリーなどから、日常を描いた文芸小説的な内容を連想させます。
たぶん多くの書店でも、ミステリーのコーナーではなく文芸書のコーナーに置いてあると思いますし。
ところが読み進めてみれば、驚きの出来事が次々と起き、話の始めでは全く予想できなかったような所までいつの間にか読者を連れ去ってしまうのです。
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その展開の衝撃さは、ミステリ小説的な技によって作られているので、先を読まずにいられなくなるほどに引き込まれるサスペンス作品に仕上がっていましたね。
そしてそのミステリ的(といっても、本格ミステリみたいなガチガチのミステリではなくて、広義の意味でのミステリ的)な仕掛けが見事に成功しているのは、「このミス」でもランクインまであとわずかの22位に入っていることからも窺い知れます。
ただ、この作品の一番の魅力というのは、一見普通の文芸小説だと思って読み始めたら、実は.....、という意外性の衝撃だと思うのです(とはいっても、別にどんでん返し系の作品というわけではないです)。
そのため、この作品に対する情報を知れば知るほど、実際に読んだ時の衝撃度は薄れてしまうし、その前評判が自分の中で大きく膨れ上がってしまうと“なんだこんなものか”と拍子抜けしてしまう可能性もあるかもしれません。
なので、世間一般で絶賛される前の段階で(またはその後でも)、それほど内容を知らずに読んだ人こそが、この作品を最も楽しむ資格を持つ人なのではないでしょうか。
とはいえ、具体的な評判を事前に聞いていたら面白く読むことができない、というわけでは全くないですし、そういった情報を知らなければこの作品を読む機会自体がゼロに近かったかもしれないのですから、少しでも興味があるのならば、迷わずに読んでみることをオススメですね。
それでまあ、そんな性質の作品なので、いつも以上に内容にはほとんど触れずにこの記事を書いてみました。それでも結構長々と書けるもんですねェ。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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