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2009年12月12日 (土)

『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』 辻村深月 > 「このミス」完全読破 No.256

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.256

 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』 辻村深月

   「このミス」2010年版 : 33位

   受賞(候補) : (「直木三十五賞」候補)
            (「吉川英治文学新人賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.11.10 ~ 読終:2009.11.11

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年9月>

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)
辻村 深月

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 辻村作品を読むのは、No.219「太陽の坐る場所」に続いて2冊目となるのですが、“過去の自分たちを振り返ることで、現在の自分たちの姿が生々しく浮かび上がってくる”というテーマ的なところは共通していましたね。

 ただ、現在の話も振り返る過去の話も幾分年齢が上がっているので、実際にそういった想いにふけることが多くなってくる年代が対象となってくるために、より読み手にリアルに迫ってくるし、人間ドラマとして与える影響も大きいのではないでしょうか。

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 そして「太陽の~」がいくつかの視点の組み合わせで描かれていたのに対し、今作は主に一人の主人公の視点に固定されて話が進んでいきます。

 その主人公の身近にある事件が起き、それに関する謎を素人ながらに探っていくのですが、その過程で出会う人物たちとのやり取りというのが、人間の内面に潜む醜くドロドロとした部分がさらけ出されるようなものなのです。

 ただそれは、誰もが心の奥底に抱えているのに見えないように隠しているような部分なので、自分の中にあるそういった部分が、作中のやり取りを通してまじまじと姿を現し、こちらに迫ってくるかのようで、この痛々しいほどにリアルな感情の圧倒感はさすがでしたね。

 そして主人公が、事件の謎を追う過程で、過去に関係した人物たちとそういったやり取りを積み重ねていくことで、いつしか自分探しの旅という側面も持ち合わせることになるところなど、ハードボイルド的な魅力も兼ね備わっていたように思います。

 それに、全体的な構成もミステリ的な演出で話を大いに盛り上げ最後まで一気に読ませてくれるのですが、ただやはりそういった物語の外側の面よりも、それにより浮かび上がってくる内側の人間ドラマに焦点が当てられているのではないでしょうかね。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★        気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “辻村深月” 関連記事 】

  > No.674 「島はぼくらと」

  > No.603 「水底フェスタ」
  > No.572 「鍵のない夢を見る」
  > No.472 「オーダーメイド殺人クラブ」
  > No.256 「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」
  > No.219 「太陽の坐る場所」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「身の上話」 佐藤正午

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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