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2009年12月11日 (金)

『密室の如き籠るもの』 三津田信三 > 「このミス」完全読破 No.255

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.255

 『密室(ひめむろ)の如き籠るもの』 三津田信三

   「このミス」2010年版 : 36位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 18位
               「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:2009.11.9 ~ 読終:2009.11.10

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : ノベルス <2009年4月>

密室の如き籠るもの (講談社文庫)密室の如き籠るもの (講談社文庫)
三津田 信三

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 「厭魅の如き憑くもの」 「凶鳥の如き忌むもの」 No.55「首無の如き祟るもの」 No.102「山魔の如き嗤うもの」に続く、刀城言耶シリーズの第5作目にあたります。

 そしてこれまでの作品が全て長編だったのに対し、本作は3本の短編と1本の中編からなるシリーズ初の中短編集となっています。

 とはいえ、怪談的なおどろおどろしく奇怪で謎めいた事件に対して、刀城言耶がその冴えわたる推理にてズバッと解決する、といった基本部分は長編と変わりはありません。

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 そして、このシリーズの最大の魅力というのが、怒涛の如くたたみ掛けるクライマックスにおける解決シーンだと思うのですが、短編だと、その文量の制限もあって解決部分も単発に終わってしまうので、長編の時のような迫力や圧倒される感はありませんでした。

 これが中編になると、長編ほどのド迫力はなかったものの、ラストでのたたみ掛ける感じが出ていて面白かったので、やはりこのシリーズは「短編 < 中編 < 長編」の順に面白くなっていくように思いましたね。

 ただ、このシリーズはホラーと本格ミステリが融合したかなり濃い作風で、結構好き嫌いが分かれそうなので、これまでの長編作品を読んでみたいとは思っても、なかなか手を出しにくいという方も多くいるのではないでしょうか。

 そんな方は、作品世界の雰囲気に馴染む意味合いも兼ねて、文量的にも手軽感のあるこの中短編集から手に取ってみるといいかもしれませんね。

 そしてその後で、傑作と名高い「首無の~」と「山魔の~」を読んでみてはいかがでしょうか。ってか、やっぱりこの2作を読まずして“刀城言耶シリーズ”を語れないですからねェ。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “三津田信三” 関連記事 】

  > No.777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
  > No.534 「幽女の如き怨むもの」

  > No.487 「生霊の如き重るもの」
  > No.291 「水魑の如き沈むもの」
  > No.255 「密室の如き籠るもの」
  > No.102 「山魔の如き嗤うもの」
  > No.055 「首無の如き祟るもの」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」 辻村深月

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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