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2009年12月

2009年12月30日 (水)

「MDB的ミュージックアウォード2009」 15位>11位

>> 「MDB的ミュージックアウォード2009」について <<


   *対象 : 2008年12月~2009年11月に発売されたシングル曲

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【 15位 : I do it / ステレオポニー 】


I do it(初回生産限定盤)(DVD付)I do it(初回生産限定盤)(DVD付)
ステレオポニー

SMR(SME)(M) 2009-04-22
オリコン年間ランキング : -位

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 昨年1位のステレオポニーが今年もランクインとなりました。

 その昨年1位「ヒトヒラのハナビラ」に続くデビュー2作目の「泪のムコウ」が、大型タイアップ付きでヒットしたものの自分的にはイマイチだったのですが、3作目となるこの歌は“こういうのを待ってました”って感じでした。

 YUIからの楽曲提供を受けた曲なのですが、やはり小気味よい音が素晴らしいですね。特にサビにおける唸るようなベースのラインや、リズムカルなドラムなど、聴いていて気持ちの良い音なので、これからもこの演奏力を磨いていってほしいものです。

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【 14位 : WAO! / ユニコーン 】


WAO!【初回生産限定盤】WAO!【初回生産限定盤】
阿部義晴 ユニコーン

キューンレコード 2009-02-04
オリコン年間ランキング : 77位

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 ユニコーンの復活第1弾シングルということで、衝撃度ではNo.1でした。

 独特のゆるい雰囲気に“あ~やっぱユニコーンだな~”となりましたが、特に“これぞユニコーン!!”といった感じのメロディーが押し寄せてくる大サビが、“よっ!待ってました!”と思わず声を掛けたくなってしまうほどに懐かしくもあり新鮮で、とても感動的にもなりますからねェ。

 この歌の感想は、こちらもどうぞ!
    >>> WAO!/ ユニコーン (CD)


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【 13位 : 星に願いを / flumpool 】


星に願いを 通常版星に願いを 通常版
flumpool

Amuse Soft Entertainment = music = 2009-02-25
オリコン年間ランキング : 85位

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 自分が好きになる歌の定義をあえて挙げるならば、“ロックな音・ポップなメロディ・ダンスなリズム”の全ての要素が絶妙に混ざり合っている歌、となるのですが、この曲なんかはまさにその直球といった感じですね。

 その中でもこの歌の場合は、流れるようで美しいメロディがいいですねェ。そしてそのメロディを支えるような音とリズムによって、よりメロディが輝きを放っているようですから。


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【 12位 : ウォーアイニー / 高橋瞳 × BEAT CRUSADERS 】


ウォーアイニーウォーアイニー
タカハシヒトミ 高橋瞳×BEAT CRUSADERS

SMR 2009-09-09
オリコン年間ランキング : -位

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 高橋瞳の歌を聴くのはガンダムのテーマ曲「僕たちの行方」以来で、その時は少年っぽいボーカルでしたが、あれから4年も経ったこともあってか、すっかり大人の女性的な色気のあるボーカルに変わっていました。

 ただそれでも以前のような少年的なあどけなさもあって、その両者によってポップでパンキーなボーカルとなっているので、この表現力の成長ぶりにはホントに嬉しく思ってしまいますねェ。

 そしてこの歌も“ロックな音・ポップなメロディ・ダンスなリズム”の要素が絶妙に融合していると思うのですが、その中でも音とリズムがかなりのカッコ良さで、そこに高橋瞳のボーカルが乗ることでポップスさやパンキーさも極上のものになっていました。

 自分的には、BEAT CRUSADERSのボーカルはそれほど好みでもないので、またこのコラボで曲を作ってほしいな~と思ってしまいますねェ。

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【 11位 : SAHARA~feat.稲葉浩志 / SLASH 】


SAHARA~feat.稲葉浩志SAHARA~feat.稲葉浩志
スラッシュ

ユニバーサルインターナショナル 2009-11-11
オリコン年間ランキング : 112位

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 自分が年季の入ったB'z好きだということは、このブログでもB'z専用のカテゴリーを作っていることからわかってもらえると思うのですが、洋楽の中で唯一長年に渡りファンであり続けているのが、GUNS N' ROSES(以下「ガンズ」)なのです。

 そのガンズについてここで説明しようとすると長くなってしまうので、CHINESE DEMOCRACY / GUNS N' ROSES (CD)を見てもらいたいのですが、B'zの稲葉さんと元ガンズのスラッシュのコラボ作品ということで、これはもう自分的には信じられないことなのです....。

 しかもこれがカッコイイことカッコイイこと....。稲葉さんの絡みつくようなハイトーン・ボイスが全編に渡り炸裂しまくっているし、そこにさらにスラッシュのギターが絡まってきたりするのですからねェ。それにB'zでは聴くことのできないようなタイプの曲ですし。

 そして、この歌と2曲目のガンズのカバーである「PARADISE CITY」(ファーギーのボーカルがアクセル激似で驚愕!)、それとスラッシュなど旧メンバーが去った後で作られたガンズの「CHINESE DEMOCRACY」を聴き比べてみたら、むしろスラッシュこそがガンズだったのかな~と初めて思ってしまいました。

 なので、これまでは“アクセルがいれば=ガンズ”と思っていましたが、これからは、実現する可能性がほとんどない“オリジナルでの再結成”を待ち望み続けなければならないのでしょうかね.....。


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 「MDB的ミュージックアウォード2009」 20位 ⇒16位 <<< PREV

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 MDB的ミュージックアウォード2009

 ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 20位 ⇒16位
 ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 15位 ⇒11位
 ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 10位 ⇒ 7位
 ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 6位 ⇒ 4位
 ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 3位 ⇒ 1位

2009年12月29日 (火)

「このミス2010年版」対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会>

このミステリーがすごい! 2010年版このミステリーがすごい! 2010年版

宝島社 2009-12-10
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 前回は「このミス2010年版」ランキング(順位)予想の反省を<総論編> <各論編>と2回に分けて書いてみましたが、今回は、“「このミス2010年版」にランクインしそうな対象作品を予測し事前に読むこと”自体の反省を行う「「このミス2010年版」対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」をちょっくら書いてみたいと思います。

 それではまず、「2010年版」で20位以内にランクインした20作品のうち、どのくらいの作品を事前に読んでいたのか、見てみましょう。(タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです)

 ○:事前に読んでいた作品  ▲:チェックしていたけど読めなかった作品
 ■:チェックしていたけど、入らないだろうと思って読まなかった作品
 ×:全くノーマークだった作品


  01位 : ○ 新参者 / 東野圭吾  <感想記事はこちら>
  02位 : ○ ダブル・ジョーカー / 柳広司  <感想記事はこちら>
  03位 : ○ Another / 綾辻行人  <感想記事はこちら>
  04位 : ○ 追想五断章 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>
  05位 : ▲ 犬なら普通のこと / 矢作俊彦+司城志朗

  06位 : ○ 粘膜蜥蜴 / 飴村行  <感想記事はこちら>
  07位 : ○ 仮想儀礼 / 篠田節子  <感想記事はこちら>
  08位 : ○ 暴雪圏 / 佐々木譲  <感想記事はこちら>
  09位 : ○ 龍神の雨 / 道尾秀介  <感想記事はこちら>
  10位 : ○ 秋期限定栗きんとん事件 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>

  11位 : ○ 鷺と雪 / 北村薫  <感想記事はこちら>
  12位 : ■ 函館水上警察 / 高城高
  13位 : ○ ジョニー・ザ・ラビット / 東山彰良  <感想記事はこちら>
  14位 : ○ 同 期 / 今野敏  <感想記事はこちら>
  15位 : ○ 鬼の跫音 / 道尾秀介  <感想記事はこちら>

  15位 : ▲ ダイナー / 平山夢明
  17位 : ○ 儚い羊たちの祝宴 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>
  18位 : ○ 密室殺人ゲーム2.0 / 歌野晶午  <感想記事はこちら>
  19位 : ○ 無 理 / 奥田英朗  <感想記事はこちら>
  20位 : ■ 電氣人閒の虞 / 詠坂雄二

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 今年は事前に108冊もの対象作品を読んでいたので、ベスト20にランクインする作品全てをすでに読み終えている可能性も大いにあるだろうと思っていたのですが、結果は4作品も読み逃していました.....。

 なので、この4作品を何故に読み逃してしまったのかをきちんと検証して、来年の「このミステリーがすごい!2011年版」で“ランキング発表前にランクイン全作品読破済み”の達成に少しでも役立たせてみましょう。


 まずは“▲:チェックしていたけど読めなかった作品”。今回は「犬なら普通のこと」「ダイナー」の2作品でした。

 どちらも締め切りギリギリの10月発売作品で、時間とお金が許すならば確実に読んでおきたかったのですが、10月発売作品の中での購入優先順位や図書館の予約数の関係で、泣く泣く読まなかったのです.....。

 特に「ダイナー」は、評論家の評判も良かったし、“あのNo.47「独白するユニバーサル横メルカトル」の平山夢明がこんな話を書く”ってことで面白くないはずがないと確信していたのですよね。ホントに読んでおけばよかった.....。

 「犬なら普通のこと」は、矢作俊彦&司城志朗コンビの25年ぶりの新作ということだったのですが、その前作ですら「このミス」創刊前だったので、どんな感じの評価になるのかが判断できなかったのが痛かったですねェ。


 それから“■:チェックしていたけど、入らないだろうと思って読まなかった作品”は、「函館水上警察」「電氣人閒の虞」の2作品。

 「函館水上警察」の方は、「X橋付近」の作家の30年ぶりの新作ということで、読むつもりではいたのですが、昨年出た「高城高全集」が「このミス」ではほぼスルー状態だったので、「X橋付近」だからこそのランクインだったのかな?と思ってしまったのです。

 「犬なら普通のこと」もそうですが、“何十年ぶりの新作”というのは「このミス」ではかなり有利となるようですね。

 「電氣人閒の虞」は、読めたら読んでおこうとは思っていましたが、横浜市の図書館では何故か長い間入荷されていなくて、だからといって買うまででもないかな~って感じだったのです。


 続いて“×:全くノーマークだった作品”ですが、このタイプの作品はゼロでした。

 これに関しては、昨年に2位の「ジョーカー・ゲーム」を全くのノーマークだったという大失態を犯していたのを反省して、月ごとに対象作品をまとめる“月別ランクイン候補作品”という企画を始めたので、その成果が実った形ですかね。

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 というわけで色々と反省をしてみましたが、まあやっぱり「このミス」の予想をするというのは楽しいものですよね。

 ただ、「このミス」予想をするには対象作品を多く読まなければならないわけですが、来年は今年ほど多くの本を読むことは出来ないのではないかと思はれるので、読む本を選ぶ力というものも試されてきそうです。

 今年は対象作品を多く読むことが出来たということで、その分、ランク外だった作品、特に1票も入らなかったような作品も多く読んだということなので、そういった経験は、読む本を選ぶのにも良い影響を与えてくれると思うのですよね。

 なので来年は、対象作品を出来るだけ多く読む、というのは基本として、より選本眼の精度を上げることを目標にして読んでいきたいと思います。

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 【「このミステリーがすごい!2010年版」関連記事】

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (09.12.13)
  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (09.12.23)
  > 「このミス2010年版」対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会> (09.12.29)

  > 「このミステリーがすごい!2010年版」 (09.12.9)

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 (09.11.18)
  > 「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう! (09.11.16)
  > 「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6 (09.11.28)

  > 「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想 (09.7.23)
  > 「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想 (09.9.3)

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年12月27日 (日)

『そして扉が閉ざされた』 岡嶋二人 > 「このミス」完全読破 No.261

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.261

 『そして扉が閉ざされた』 岡嶋二人

   「このミス」1988年 : 6位

   受賞(候補) :

   総合ランキング : 「本格ミステリ・ベスト100」 72位
              「本格ミステリ・オールタイムベストアンケート」 83位

   年度ランキング :

   読始:2009.11.18 ~ 読終:2009.11.19

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本 <1990年12月>

そして扉が閉ざされた (講談社文庫)そして扉が閉ざされた (講談社文庫)

講談社 1990-12
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 ある男女4人がふと目覚めると、見覚えのない密室に閉じ込められていることが判明する場面から話は始まります。

 まるで映画「ソウ」シリーズの先駆けといった設定で、話の冒頭から引き込まれて読み進めずにはいられなくなること確実ですね。

 そして密室からの脱出劇が描かれていくのですが、ただこの作品の場合、ただの脱出劇に終わらずに、本格ミステリ的要素が多分に盛り込まれているのです。

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 というのも、この密室から脱出する方法を探るのと同時に、過去に起きた事件の真相を推理し合うのですが、密室の中にいながら推理を行うというこの常識の逆をいくような設定が、なんとも面白いですね。

 そしてそれは、密室の外にいながら(いまだ開いていない)密室内のことについて推理するというNo.37「扉は閉ざされたまま」(石持浅海)と全く逆の設定となっているのですが、ただ常道の裏を狙うような試みは共通しているので、続けて読んでみるとお互いの作品の魅力がより鮮明に浮かび上がってくるかもしれません。

 そういった設定の妙味に加えて、終盤にはどんでん返しの連続が待ち受けているなど、発表から20年経つ今でも読まれ続けている傑作であることに納得せざるをえない面白さでしたが、ただ個人的には、メインの登場人物のキャラクターに対してどうにもいけ好かなく感じてしまって、ちょっと気持ち的に乗りきれませんでしたねェ。


  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


 【 “岡嶋二人”関連記事 】

  > No.406 「クラインの壷」
  > No.261 「そして扉が閉ざされた」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「炎蛹 新宿鮫V」 大沢在昌

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年12月25日 (金)

モヤモヤさまぁ~ず2 > 大江アナ名場面ベスト10(2009年上半期) 5位 → 1位

 「モヤモヤさまぁ~ず2」のアイドル・大江麻理子アナウンサーの、個人的にビビビッと来たシーンを集めてランキングにしてみました

 今回は「2009年上半期」ということで、2009年1月~6月に放送された以下の回が対象となっています


 > 「三軒茶屋」 「目黒線沿線」 「自由ヶ丘」
 > 「大塚・目白」 「中野」 「DVD発売記念特別番組」
 > 「新高円寺お礼参り&イラストハガキ抽選会」
 > 「天空橋」「下赤塚」 「桜新町・用賀」 「千歳烏山」


 なお、今回のランキング決定の際に候補となった大江アナの名場面の一覧は、「大江アナ名場面ベスト10(09年上半期) 候補リスト」をご覧ください。

 そしてこのランキングはカウントダウン形式で発表していますので、この記事の前にまずはモヤモヤさまぁ~ず2 > 大江アナ名場面ベスト10(2009年上半期) 10位 → 6位からご覧ください。

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★5位 : さまぁ~ずの2人と全くタイミングが合わない大江アナ

  【自由ヶ丘(3)】【大塚・目白(3)】【桜新町・用賀(1)】


 さまぁ~ずの2人と大江アナは、いまや誰もが認める息の合ったトリオとなりましたが、ただ時々、大江アナだけ2人とはズレた行動を取ることがあるのですよね。

 まず【自由ヶ丘(3)】では、神社にて3人並んで参拝を行ったのですが、離れて立つさまぁ~ずの2人は、さすがに学生時代から一緒にいるだけあって拍手のタイミングもバッチリなのですが、なぜか真ん中で合わせやすい大江アナだけが見事なまでに拍手のタイミングがズレているのです.....。

 【大塚・目白(3)】では、鍋を食べる前にまずはビールで乾杯となったのですが、さまぁ~ずの2人が一口二口と飲んだ後で話し始めたのですが、それにお構いなしに大江アナは一人ゴクゴクと飲み続けているのです.....。

 そして【桜新町・用賀(1)】では、またもや神社で参拝を行ったのですが、最後の一礼の出だしは3人見事に揃ったのに、さまぁ~ずの2人がタイミングよく頭を上げたのに対して、大江アナは深々と頭を下げたまま微動だにしないのです.....。

 そのあまりの長さに三村がちらっと見るのと同時に頭を上げたのですが、3人並んで立っている中、大江アナだけ頭を深々と下げた状態がしばらく続くというその絵は、なんともシュールで良かったですねェ。

 ちなみにこの時の拍手の時も、大江アナだけ微妙にズレていました。

 というように、とにかく大江アナだけズレまくりなのですが、これは別にタイミングが合わないのではなく、端から合わせる気がないようなのです。

 ビールの時も、よ~く見ると大江アナだけ飲み始めるのが遅かったのがわかるのですが、それでもパッと一口だけ飲んでタイミングを合わせればいいのに、全く構わずに自分の好きなだけ飲んでしまうのですからね。

 ただ、大江アナがこんなマイペースだからこそ、この3人が誰もが認める息の合ったトリオである、というのもまた事実なのです。

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★4位 : つぶやきシローと2人で
        ロケをすることになってしまった大江アナ

   【下赤塚(2)】


 この日のロケは、とれ高が貯まる前に、さまぁ~ずが次の仕事に向かわなければならないという緊急事態に。

 そこで代役として白羽の矢が立ったのが、モヤさまで唯一の出演権を持つ芸能人である、つぶやきシロー。

 ということで、途中からはつぶさんと大江アナとの2人でのロケとなってしまったのですが、DVDの隠れ特典として収録されている「モヤモヤしろぉ~ず2」を観ればわかるように、つぶさんだとさまぁ~ずの時とは違ってホントにグダグダになってしまうのですねェ。

 そんなつぶさんに対して、大江アナは苦言を呈したり無茶な要求をしたりするのですが、いつもとは違った大江アナの対応は新鮮でなかなかよかったですね。

 そして、立ち寄ったカラオケスナックで、周りの空気も読まずに玉置浩二の物まねで歌うつぶさんを哀しそうな目で見つめる大江アナが、なんともいい味出してました。

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★3位 : 「マジカルバナナ」がとっても下手な大江アナ

   【下赤塚(2)】


 サイコロの目にしたがって、昔懐かしの「マジカルバナナ」をやることになったのですが、これがまた酷いことに.....。

 まずは三村の「バナナといったら黄色!」を受けて、「黄色といったら風船!」と別に黄色じゃなくてもいいものを言ってしまう大江アナ、それに対してすかさず「“ん”が付いてもいいの?」と本気っぽいボケを言う大竹と、最初からもう滅茶苦茶な状態です。

 さらには、「バナナといったら黄色」と言うよと前もって教えながら「バナナといったら長い!」と言う三村のヒッカケに見事に引っ掛かったり、「梅干しといったら美味しい!」と“なんだそりゃ”なことを言ったり(「梅干しが好きで....」と言い訳していました)と、とにかく大江アナは見事なまでに下手すぎで面白かったですね。

 そして極めつけは、笑いながらしゃがんだ大江アナと、直前の大江アナを動作を真似て親指を上にして手を揺らした三村とのタイミングがばっちりと合って、大江アナの鼻の穴に三村の親指が入ってしまった場面でしょう。

 この場面で三村は大江アナの方を見ていないので、これはホントに狙ったわけではないのですが、それでもスローで見るとしっかりズボッと入っているので、まさに奇跡でしたねェ。

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★2位 : 三村の手に刺さったトゲを抜いてあげる大江アナ

   【千歳烏山(2)】


 公園にある木製の手すりに寄りかかっていた三村さんですが、そこで指にトゲが大量に刺さってしまいました。

 この緊急事態に、大江アナがピンセットを使って一本一本抜いてあげたのです。

 この場面では、テレビに映るのを構わずにスタッフが大勢周りを取り囲んで心配そうに見つめていたので、本当の緊急事態といった雰囲気だったのですが、となると普通ならスタッフが抜いてあげるところなのに、出演者である大江アナ自らが率先して抜いてあげるのですからねェ。

 大江アナの優しさ溢れる性格がリアルに感じられた場面でした。

 ただそれだけではなくて、「大江に抜いてもらってるんだ」「あ、もう出る」(三村)、「本番中に抜いてんじゃねぇよ」(大竹)など、セクハラ方面に持っていくのはさすがさまぁ~ずですね。

 そしてそれに対して「なかなか抜けない」「出そうで出ない」「中でちょっと残っちゃうんです」「だいぶ出ました」と無自覚に意味深なセリフを言う大江アナも、さすがの天然っぷりでしたねェ。

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★1位 : 「スーパーボウルやらせてください!」と叫ぶも
           大人はダメと断られて恥をかく大江アナ

   【中野(2)】


 そして2009年上半期の1位に輝いたのは、こちら場面です。

 商店街を歩いていたモヤさま一行は、店頭でスーパーボールすくいを行っているパン屋さんを発見。

 これは、“当店でお買い上げのお子様にスーパーボールすくい(一回)を無料でサービス”というもので、現チャンピオンである女の子の技を見たりしていたのですが、3人もやらせてもらうことに。

 ただ、説明書きには“「スーパーボールやらせて下さい」と大きな声で言ってくださいね!”と書いてあったことから、これを大江アナが言うことになりました。

 そんなわけで、お店の人がすぐ近くにいたにもかかわらず「スーパーボウルやらせてください!」と大きな声で言う大江アナですが、「大人はね、やってないんですよ...」と断られてしまったのです.....(結局はやらせてもらえましたが)。

 子供みたいなセリフを大きな声で言うだけでも恥ずかしいのに、それを断られてしまうという恥ずかし損の展開に、大江アナは辱めを受けまくり状態となってしまうのですねェ。

 この恥辱プレイに対して本気で恥ずかしがる大江アナの可愛らしい反応も、それを見て大爆笑している三村の姿も、なんとも微笑ましくて面白い場面でした。

 断トツというわけではないけれど、自分の中では納得の1位でしたね。

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 【「モヤモヤさまぁ~ず2」関連記事】

  > モヤモヤさまぁ~ず2 > 大江麻理子アナウンサー

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    名場面リスト(2010年9-12月) (11.1.16)
    名場面リスト(2010年5-8月) (10.7.14)
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    名場面ベスト10(2009年7-12月) 候補リスト (10.5.9)

    名場面ベスト10(09年上半期) 候補リスト (09.7.20)
    名場面ベスト10(09年上半期) 10位 → 6位 (09.12.17)
    名場面ベスト10(09年上半期) 5位 → 1位 (09.12.25)

    MDB的名場面ベスト10(08年下半期) 候補リスト (09.1.17)
    MDB的名場面ベスト10(08年下半期) 10位 → 6位 (09.2.12)
    MDB的名場面ベスト10(08年下半期) 5位 → 1位 (09.4.10)

    MDB的名場面ベスト10(08年上半期) 10位 → 6位 (08.10.1)
    MDB的名場面ベスト10(08年上半期) 5位 → 1位 (08.10.9)

 > モヤモヤさまぁ~ず2(モヤモヤ大江麻理子アナウンサー) (08.7.23)

 > クイック・ジャパン(QJ) Vol.80 > 「モヤモヤさまぁ~ず2」特集 (08.11.20)

 > ミニミニさまぁ~ず2009 (09.01.15)
 > ミニミニさまぁ~ず (07.12.30)

2009年12月24日 (木)

『天使たちの探偵』 原尞(りょう) > 「このミス」完全読破 No.260

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.260

 『天使たちの探偵』 原尞(りょう)

   「このミス」1991年版 : 5位

   受賞(候補) : 「日本冒険小説協会大賞(最優秀短編賞)」受賞
            (「日本推理作家協会賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.11.15 ~ 読終:2009.11.17

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本 <1997年3月>

天使たちの探偵 (ハヤカワ文庫JA)天使たちの探偵 (ハヤカワ文庫JA)

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 No.11「そして夜は甦る」No.135「私が殺した少女」に続く、“私立探偵・沢崎シリーズ”の第3弾です。

 以後に発売されたNo.321「さらば長き眠り」 No.351「愚か者死すべし」も含めて、このシリーズの全作品が「このミス」で5位以内に入るなど、とにかく人気のシリーズでして、もうそろそろ発売されるのではないかと噂される最新作にも期待が高まってしまいます。

 そして本作はシリーズ唯一の短編集なのですが、読む前には、やはり「そして夜は甦る」が2位、「私が殺した少女」が1位という勢いに乗る形での、シリーズのブランド力による高順位だったのかな?と思っていました。

 ところが、実際に読んでみたら、そんな考えは浅はかだったことがわかりましたね。

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 収録されている6編の短編作品は、いずれも未成年の少年がからむ事件を扱っているという共通点があります。

 その少年たちと主人公との関わり方や巻き込まれる事件というのが、話ごとに全く違う面を見せるので、共通のテーマを持っているとはいえ、それぞれが個性的な雰囲気を持っていて飽きることなく楽しむことができました。

 そしてなにより、短編だとは思えないくらいに濃密で読み応えのある作品揃いで、その完成度の高さには本気で驚いてしまったほどです。

 特に、終盤に入ってそれまでの流れを一転させてしまうような展開など、基本的にハードボイルド小説であるものの、ミステリ好きの読者にも絶賛されそうなくらいの素晴らしさでしたからね。

 なので、このシリーズの面白さというのが短編集であっても充分に盛り込まれていると思うので、長編作品に手が出しにくいというような方は、まずこの短編集から読んでみるのもいいかもしれません。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “原尞(りょう)”関連記事 】

  > No.1009 「それまでの明日」
  > No.0777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」

  > No.0351 「愚か者死すべし」
  > No.0321 「さらば長き眠り」
  > No.0260 「天使たちの探偵」
  > No.0135 「私が殺した少女」
  > No.0011 「そして夜は甦る」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「そして扉が閉ざされた」 岡嶋二人

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年12月23日 (水)

「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編>

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 「このミステリーがすごい!2010年版」が発売され、ランキングも発表されたということで、昨年同様に「このミス2010年版」ランキング(順位)予想の一人反省会を行って、来年以降の予想に役立てようと思います。

 前回更新した、全体的な予想の反省を行う<反省会・総論編>に続きまして、今回は、作品ごとに反省を行う<反省会・各論編>です。

 その反省の仕方ですが、まずは正規のランキング順に各作品ごとに反省し、続いて予想を外した作品について反省していきましょう。


 *タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです

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   新参者 / 東野圭吾  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 3位  結果 > 1位 )

 まあ今年の1番人気の本命だったと思うのですが、昨年のNo.125「ゴールデンスランバー」と同様に堅い決着だったということで、ちょっとつまらない感じもしてしまいますね。

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   ダブル・ジョーカー / 柳広司  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 6位  結果 > 2位 )

 昨年2位のNo.162「ジョーカー・ゲーム」の続編ということで、1位もありえるのではないかとも思っていたものの、やはり2作目ということで順位は多少落ちるかな?と予想したのですが。2年連続2位も面白いなと考えてもいたのですけどねェ。

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   Another / 綾辻行人  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 1位  結果 > 3位 )

 1位はこの作品か「新参者」か、と思っていたので、この結果はまあ仕方がないですね。

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   追想五断章 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 24位  結果 > 4位 )

 下半期のランクイン作品予想で“意外とこの作品が(米澤作品の中で)一番上に入るのではないかと思っているのですよね”と書いていたので、実際にそうなっても驚きはなかったのですが、まさかこんなに高順位にランクインするとは予想外で驚きました.....。

 ただ、他誌のランキングでも軒並み上位にランクインしていたことを考えれば、ちょっと予想的な意味では過小評価しすぎていたのかもしれません(個人的な感想では評価は高かったのですけどね)。

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   犬なら普通のこと / 矢作俊彦+司城志朗
      ( 予想 > -位  結果 > 5位 )

 今回は、事前に読んでいなかった作品はあえて予想の対象に入れていなかったので、この作品に関する反省は、「対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」の方に書いてみたいと思います。

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   粘膜蜥蜴 / 飴村行  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 9位  結果 > 6位 )

 一部の評論家が大絶賛していたこともあり、思い切って9位に予想してみたのですが、さらに上の6位にランクインしたのには驚きましたねェ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   仮想儀礼 / 篠田節子  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 4位  結果 > 7位 )

 1位も狙えそうだけれど、ミステリ的要素がないことを考えれば良くてこのくらい(4位)かな、と思っていたので、まあ納得の結果ですね。でも、もうちょっと順位結果が上でもよかったとも思いますが。

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   暴雪圏 / 佐々木譲  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 21位  結果 > 8位 )

 対象期間中に4冊も出た佐々木作品の中で一番上に来ることは確信していたし、一時は10位以内に予想してもいたので、そのまま入れておけばよかった.....。

 この予想順位を決める時のポイントとなったのが、シリーズ前作No.48「制服捜査」(2007年版 2位)との作風の違いが、マイナスとして捉えられるのか、それとも全く別物として捉えられるのか、というところで、前者なのではないかと思って順位を下げたのですが、結果的には後者だったようですね。

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   龍神の雨 / 道尾秀介  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 12位  結果 > 9位 )

 ランキング(順位)予想でも書いたように、例年道尾作品の中で自分が好きな作品の方(今年の場合は「龍神の雨」)が「このミス」の順位は下になるので、「鬼」が10位、「龍」が12位と予想したのですが、今回は捻らずそのままでよかったのですねェ.....。ホントに「このミス」予想的に道尾作品とは相性悪いです。

 結果的に道尾作品として見た場合の位置(順位)がだいたい合っていただけに(予想:10&12位、結果:9&15位)、両者を入れ替えて予想していれば.....と後悔してしまいます.....。

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   秋期限定栗きんとん事件 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 15位  結果 > 10位 )

 10位以内に入れようかどうしようかとかなり悩んでいた作品なので、この結果には納得だし嬉しくもあったのですが、「追想五断章」が4位に入った上でのトップ10入りという結果には、驚くというよりも唖然としてしまいました.....。

 「このミス」における米澤人気を少し見誤っていたようです.....。

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   鷺と雪 / 北村薫  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 20位  結果 > 11位 )

 この作品は、シリーズ前2作を読んでいなかったこともあって、その比較を出来ないことで予想も難しかったのですが、ホントに(タイミング的にも順位的にも)ギリギリでベスト20予想に入れたのが、結果としては大正解となりホッとしました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   函館水上警察 / 高城高
      ( 予想 > -位  結果 > 12位 )

 この作品も事前に読んでいなかったので、反省は「対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」の方に書いてみたいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ジョニー・ザ・ラビット / 東山彰良  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 19位  結果 > 13位 )

 この作品のランク入りを当てることが出来たのは嬉しかったですねェ。でも遠慮せずにもう少し上に予想していればよかったか....。

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   同 期 / 今野敏  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 5位  結果 > 14位 )

  No.72「果断 隠蔽捜査2」が4位(2008年版)だったことを考えれば、この作品もそのくらいいくのではないかと思っていたのですが、意外と伸びませんでしたね。

 ただ、No.188「疑心 隠蔽捜査3」(23位)より上の予想が当たったのにはホッとしましたが。

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   鬼の跫音 / 道尾秀介  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 10位  結果 > 15位 )

 やっぱり「龍神の雨」と逆に予想してればよかったなぁと後悔してしまいますねェ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ダイナー / 平山夢明
      ( 予想 > -位  結果 > 15位 )

 この作品も事前に読んでいなかったので、反省は「対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」の方に書いてみたいと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   儚い羊たちの祝宴 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 31位以下  結果 > 17位 )

 普通だったら20位以内にランクインと予想していたと思うのですが、同じ対象期間内に「秋期限定栗きんとん事件」と「追想五断章」があったので、さすがにこの2作より上には来ないだろうってことで、ランク外と予想したのです。

 この“3作品の中では3番目”という順位付けは当たっていたわけですが、他の2作が共に10位以内に入った上でこの作品もランクインするとは、全く予想だにしていなかっただけにビックラこいてしまいました。

 「このミス」における米澤人気をかなり見誤っていたようです.....。

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   密室殺人ゲーム2.0 / 歌野晶午  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 8位  結果 > 18位 )

 シリーズ前作のNo.50「密室殺人ゲーム王手飛車取り」(2008年版 12位)と比べると劣るとは思うも、今年は本格ミステリが不作気味ということで相対的に順位は上がるのではないかと予想したわけですが、ちょっと捻りすぎたようですね。もっと素直に予想していればよかった....。

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   無 理 / 奥田英朗  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 23位  結果 > 19位 )

 23位予想で結果は19位、ということで順位的には近かったのですが、ランクインとランク外ではその間に隔てる溝が大きすぎますよねェ。

 それにしても、「オリンピックの身代金」との票割れの結果、「オリンピック~」に票が集まってこちらはランク外、と予想したわけですが、まさか共倒れの結果となってしまうとは.....。

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   電氣人閒の虞 / 詠坂雄二
      ( 予想 > -位  結果 > 20位 )

 この作品も事前に読んでいなかったので、反省は「対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」の方に書いてみたいと思います。

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   約束の地 / 樋口明雄  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 2位  結果 > 35位 )

 それではここから、大いなる反省会の開始となります.....。

 投票者なりきりベスト6を見てもらえればわかるように、私情が大いに入った上での2位予想だったわけですが、私情が入らなくても10位以内は確実だろうと自信満々状態でした。

 ところが蓋を開けてみれば、10位以内に入っていないどころか、20位にもランクインしていないとは.....。この結果はかなりのショックで、本気でしばらく落ち込んでしまいました.....。

 それに何より、自分の予想を参考にしてこの本を読んでみた方に対して、ホントに申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまって.....。

 ただ、ランクインしなかったとはいえとても素晴らしいエンターテイメント作品であることには変わりないし、「このミス」を始めとした今年のミステリランキングで全くのスルーだったこの作品との橋渡しを少しでも出来たのかもしれないと考えれば、これはこれで有意義なことだったのかもしれませんね。

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   オリンピックの身代金 / 奥田英朗  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 7位  結果 > 21位 )

 上の「約束の地」が私情の入った大穴的な予想だったのに対して、この作品の場合はベスト10作品をみんなで予想しよう!でもほとんどの人がベスト10に予想して同率ながら1位となったくらいに、上位入りは堅いと客観的に見ても思えていただけに、この結果には衝撃を受けてしまいました.....。

 まあギリギリランク外の21位だったわけですが、「無理」が19位だったことを考えれば、「無理」が出てなければランクインはしていたでしょうね。それでも上位には入らなかっただろうけど。

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   乱反射 / 貫井徳郎  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 11位  結果 > 68位以下 )

 まさか11位に予想した作品が、“21位以下の作品(15点以上)”の欄にさえ名前が出てこないとは....。1票入ったのみなのですからねェ。

 まあ、ミステリ色がはっきいとした形で表れているわけではなかったし、直球の候補作品というわけではないけれど、こういった捻り具合が「このミス」では評価されるのではないかと思ったのですよね.....。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   風の時/狼の時 / 天城一  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 13位  結果 > 68位以下 )

 これまたランクインは堅いと確信していて、ベスト10に予想しようかとも考えていたのですが、“21位以下の作品(15点以上)”の欄にさえ名前が出てこないとは....。

 ランキング(順位)予想にも書いたように、過去のシリーズ全3作がいずれもランクインしていること、これがシリーズ最終巻であること、SRの会関連の票が堅そうなこと、そして追悼出版でもあることなど、上位入りを予想するだけの理由がいくつもあったのですが....。

 この後書く「ハーモニー」や、昨年惜しくもランクインを逃したNo.98「ドリーミング・オブ・ホーム&マザー」(打海文三)のことを考えると、遺作や追悼出版というのは、いくらかプラスになるのではないかと思っていたものの、逆にマイナスに働くのかもしれません。

 まあ、まだ予想を始めて2年目なので、翌年以降の傾向も身を持って感じていかないとはっきりしたことは言えないですが、少なくとも大きなプラスに働くことはないようですね。

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   贖 罪 / 湊かなえ  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 14位  結果 > 45位 )

 昨年のデビュー作No.127「告白」がいきなり4位にランクインした湊かなえですが、今年出た「少女」もこの「贖罪」も、両作共にランク外となるとは.....(ちなみに「少女」の方は、29位予想で結果は30位)。

 自分的には「告白」よりも今年の「少女」「贖罪」の方が断然面白かったので、この結果には、予想が外れたという以前に残念でならないですね。

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   ハーモニー / 伊藤計劃  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 16位  結果 > 45位 )

 SF作品ですが、同じような世界観を持つデビュー作「虐殺器官」が21位でしたし、この作品も日本SF大賞と星雲賞をダブル受賞するなど評価は高かったし、それにこれが残念ながら遺作となってしまったことを考えれば、ランクインは確実で、もしかしたらベスト10入りもありえるかも?とも思っていたのですけどね。残念です.....。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   智天使の不思議 / 二階堂黎人  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 17位  結果 > 68位以下 )

 綾辻行人が大復活を遂げることが濃厚だったので、一緒になってこの二階堂黎人も復活となるのではないかな~と思っていたのですが、こちらは見事なまでに票が入りませんでしたねェ。

 因縁深いNo.45「容疑者Xの献身」東野圭吾を意識して書かれた作品であったことを考えれば、今年は東野作品が1位となったこともあり、少々皮肉な結果となってしまいました.....。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   たまさか人形堂物語 / 津原泰水  <感想記事はこちら>
      ( 予想 > 18位  結果 > 68位以下 )

 毎年必ずのように入る“職業・趣味系ミステリ”の枠でのランクインと予想したのですが、今年はその枠自体なくなっていましたからねェ(あえていうなら「新参者」?)。

 それにしても、この作品の出来からしたら票が入らなすぎに思いましたけど。

 まあ自分も、読み終えた直後は評価が高かったけれど、今思い返してみてもあまり印象には残っていないので、発売日が9月や10月あたりだったらまた違った結果になっていたかもしれませんね。

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 というわけで、まずは「このミス2010年版」のランキング(順位)予想」の反省を<総論編><各論編>と分けて書いてみました。

 まあ今年はいくら反省してもしきれないくらいの結果となってしまったわけですが、でもまだ「このミス」予想を始めて2年目だということを考えれば、今年はランク外作品(特に1票も入らなかったような作品)のデータや傾向を、実際に自ら読むことでもって仕入れるという貴重な体験ができたので、それを来年以降の予想に繋げていきたいですね。

 そして続きまして、「このミス2010年版」としては最後の企画となります、「対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」を書いてみたいと思います。

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 【「このミステリーがすごい!2010年版」関連記事】

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (09.12.13)
  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (09.12.23)
  > 「このミス2010年版」対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会> (09.12.29)

  > 「このミステリーがすごい!2010年版」 (09.12.9)

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 (09.11.18)
  > 「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう! (09.11.16)
  > 「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6 (09.11.28)

  > 「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想 (09.7.23)
  > 「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想 (09.9.3)

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年12月21日 (月)

週刊少年ジャンプ読切! 「宇宙のSPARROW」 高橋一郎

少年ジャンプ03-04 2010年 特大号 集英社少年ジャンプ03-04 2010年 特大号 集英社

2010
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 3号連続企画“X'mas(クリスマス)&お年玉超豪華読切プレゼント”の第2弾として、週刊少年ジャンプの2010年3・4合併号に掲載された読切作品が、この「宇宙のSPARROW(うちゅうの・スパロウ)です。

 作者の高橋一郎(たかはし・いちろう)は、2007年に「バレーボール使い郷田豪」で連載デビューを果たしましたが、23週であえなく打ち切りに。

 その後は、2008年8号に「OBAKE LIFE」が掲載されまして、本作にて約2年ぶりの本誌復活となりました。


  内容の方は、ごく普通の高校生が突然スーパーヒーロー的な力を得てしまうことで巻き起こる、青春ヒーローコメディ漫画です。

 その主人公である男子高校生・椿龍太は、目立たずに生活することをモットーとしているのですが、そんなある日、こともあろうか任務のために地球へと来ていた宇宙警察捜査官・スパロウの運転する車に轢かれてしまいます。

 そのスパロウ捜査官が自らの命を与えることで龍太は命を吹き返すことが出来たのですが、その代償として、龍太は超人的な力を手にしてしまい、スパロウ捜査官の方は魂が近くにいた雀に乗り移ってしまったのです。

 そこから、あくまで目立たぬ人生を歩みたい龍太と、スーパーマンのような力を利用して共に地球の平和を守ろうと働きかけるスパロウ捜査官とのやり取りが始まるのですが、コメディ的な展開でありながらも、そこに青春的なメッセージ性を込めるところなんかが、この作者らしさが出ていましたね。

 そして、さっぱりして見やすい絵柄や、変に小難しくすることなくストレートに展開するストーリー、そしてシンプルでわかりやすいアクションシーンなど、「べるべバブ」に近い魅力を携えていたのではないでしょうか。

 ただ、その「べるぜバブ」の読切版と比較してみると、設定やキャラクターにおける“この漫画だからこそ”のはったり的なインパクトに乏しく感じたので、連載を見据えてしまうとこのままでは少々厳しいかもしれませんね。

 あと、ヒロインである朝緒カユの容姿や性格やキャラクター設定など多くの面が、「荒川アンダーザブリッジ」のヒロイン・ニノにあまりにも似すぎていたので、そこのところはちょっとどうにかならなかったのかな~と思ってしまいますねェ。


 ちなみに、扉絵に付けられている煽り文は、

現代の英雄がここに!?

☆普通が一番素晴らしい!?
      普通男子系ヒーロー物語 特別読切47P!!

というものでした。


 

  投票受付期間:2009.12.21~2010.1.11

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 【「高橋一郎」関連記事】

  > 「火ノ丸相撲×黒子のバスケ SPコラボ読切 キセキの待ったなし対決!」
      川田 藤巻忠俊 高橋一郎 > 週刊少年ジャンプ読切!  (15.11.2)

  > 「黒子のバスケ Replace PLUS」 高橋一郎 > 週刊少年ジャンプ読切! (15.5.27)

  > 「あやかしポリスメンひよこっぷ」 高橋一郎 > 週刊少年ジャンプ読切! (12.5.26)

  > 「宇宙のSPARROW」 高橋一郎 > 週刊少年ジャンプ読切! (09.12.21)


 >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2009年12月20日 (日)

『うまや怪談 神田紅梅亭寄席物帳』 愛川晶 > 「このミス」完全読破 No.259

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.259

 『うまや怪談 神田紅梅亭寄席物帳』 愛川晶

   「このミス」2010年版 : 59位

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 19位

   読始:2009.11.16 ~ 読終:2009.11.17

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年10月>

うまや怪談 (神田紅梅亭寄席物帳) (創元推理文庫)うまや怪談 (神田紅梅亭寄席物帳) (創元推理文庫)
愛川 晶

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 「道具屋殺人事件」、No.110「芝浜謎噺」に続く、“神田紅梅亭寄席物帳シリーズ”の第3弾です。

 今回も中編3本からなる連作集でして、事件というか謎は3作それぞれで別なものとなっていますが、共通した話の流れというのもあるので、長編作品としても楽しむことが出来ると思います。

 さらにこのシリーズ自体でも、それぞれの本ごとに話が別物となっていますが、シリーズを通しての流れが結構重要となってきますし、そこが楽しみどころでもあるのです。

 なので、いきなり本作から読み始めてもそれほど大きな問題はないとは思うものの、シリーズの話の流れを知らなければホントの意味での面白さはわからないだろうし、舞台が落語の世界ということもあって登場人物の名前や関係性など把握するのに苦労するので、やはり1作目から順番に読んでいくことをオススメしますね。

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 そして本作も、日常の謎的なミステリが中心となってきますが、その謎の提示の仕方や扱われ方などが非常に凝っていまして、さらにそれが日常のやり取りと上手いくらいに絡み合っているので、“日常の謎”というジャンルに収まりきらないくらいの構成美を感じてしまいました。

 そこにまた謎解きの場面などで、このシリーズのメインでもある落語の演目とまで絶妙に絡み合ってくるので、これはもう職人技といった巧みさに唸らされましたねェ。

 それからやっぱり今回の作品の凄いところは、ついに作者自身が新作落語を書き下ろしてしまい、それを見事にミステリ作品の中に組み入れてしまったところでしょう。

 これはいわば作中作のようなものですが、その出来栄えもかなりのものだったと思うし、作中の話の流れの中でも重要な役割を果たすほどのものだったので、これにはもう見事と言うしかないですね。

 さらにラストでは驚きの展開が待っていまして、これを読んだら早く次作が読みたくて仕方がなくなってしまいました。

 そんなわけで、次作辺りでこのシリーズの一番の山場がやって来そうな感じもあるので、まだ未読の方は、その次作が出るまでにこれまでのシリーズ作品を読んでおいた方がよいと思いますよ。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “愛川晶” 関連記事 】

   > No.458 「三題噺 示現流幽霊 神田紅梅亭寄席物帳」
   > No.259 「うまや怪談 神田紅梅亭寄席物帳」
   > No.110 「芝浜謎噺 神田紅梅亭寄席物帳」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「天使たちの探偵」 原尞

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年12月19日 (土)

「MDB的ミュージックアウォード2009」 20位>16位

>> 「MDB的ミュージックアウォード2009」について <<


   *対象 : 2008年12月~2009年11月に発売されたシングル曲

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【 20位 : 今夜はブギー・バック / TOKYO No.1 SOUL SET + HALCALI 】


今夜はブギー・バック今夜はブギー・バック
TOKYO No.1 SOUL SET + HALCALI

tearbridge 2009-09-23
オリコン年間ランキング : 291位

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 言わずと知れた小沢健二&スチャダラパーの名曲のカバーです。

 TOKYO No.1 SOUL SETとHALCALIによるコラボ作品として仕上がっているのですが、少々リズムが単調に感じるものの、結構聴いていると飽きることなくむしろ癖になってくるほどなので、これはこれでいいのかなと思うようになりました。

 それになにより、HALCALIの名前と歌声を久々に一般レベルで見聞きできたのも嬉しかったですしね。

 ただ、この曲のエレクトロなアレンジでのカバーでは、 noelleによるカバー(↓)の方が好きですけど。

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【 19位 : It's all Love! / 倖田來未 x misono 】


It's all Love ! (DVD付)It's all Love ! (DVD付)
倖田來未×misono

エイベックス・エンタテインメント 2009-03-31
オリコン年間ランキング : 61位

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 これまたコラボ作品ですが、こちらは姉妹コラボという、実現するのは必然的だったとも言えそうなコラボなのです。

 まあ、もうちょっと絶好のタイミングで実現していたならばもっと盛り上がったと思うので、姉は人気下降気味で妹はタレント化している、といった今のタイミングとなったのはちょっと残念でした。

 ただ、これはマイケル&ジャネット・ジャクソン兄妹の「Scream」を意識して作られたのではないかと思うのですが、変にバラードで歌唱自慢対決みたいにせずに、こういった勢いがあって実験的ともいえる楽曲で挑んできたのは好感が持てますし、実際かなりカッコ良く仕上がってますよね。

 あと、姉の方のボーカルは、声に落ち着きがあってとても上手いのだけれど、音域の幅がそれほど変わらずに感情面での表現が乏しく聴こえて、一方妹の方のボーカルは、感情豊かなほどに振れ幅が広いのだけれど、芯となる部分が薄くて不安定というか掴みどころのないように感じていたので、お互いの良い面をミックスできれば最強のボーカルになるのにな~と、かつて考えていたことがありました。

 それが、姉妹でコラボすることによって簡単に実現されてしまうとは、盲点となっていただけに驚きも大きかったです。

 なので、一度きりの企画ではなくて、第2弾、第3弾と発表していってもらいたいですけどね。


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【 18位 : ありあまる富 / 椎名林檎 】


ありあまる富ありあまる富
椎名林檎

EMIミュージックジャパン 2009-05-27
オリコン年間ランキング : 79位

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 椎名林檎名義ではかなり久々となる作品ですが、その期待が大きかった分の反動か、最初に聴いた時にはとても地味で特徴がないように感じて、あまりピンときませんでした。

 ところが、繰り返し聴いていくうちに、椎名林檎の歌声が心の奥までじんわりと染み込んできたのですねェ。

 元々この人の歌いっぷりはかなり好きだったのですが、かつてとは違った落ち着きのある歌い方の中に、感情を揺り動かされるような力がまぎれもなく溶け込んでいるので、もういまではすっかりこの歌の虜となってしまいました。


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【 17位 : WILD / 安室奈美恵 】


WILD/Dr.(DVD付)WILD/Dr.(DVD付)
安室奈美恵

エイベックス・エンタテインメント 2009-03-18
オリコン年間ランキング : 45位

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 昨年の「NEW LOCK」に比べると、キャッチーさでも芸術性でもいくらか見劣りますが、それでもこの実験的ながらも心地よいポップス性も持ち合わせるこの歌は、聴くたびに新たな魅力を発見できるような音楽的なスケールの大きい作品です。

 まさに“安室奈美恵”というジャンルを確立してしまったかのような近年の大活躍ですが、ストレートな恋愛ソングを歌っている他のR&B系の女性シンガーにも、こういった実験的な遊び心のある音楽の方向にも挑戦してもらって、このジャンルとして盛り上げてもらえればより面白くなるのですけどね。

 まあ、そう簡単に生み出すことが出来ないからこそ、特別なのだとも思うのですが。

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【 16位 : 半世紀少年 / UNICORN 】


半世紀少年(初回生産限定盤)(DVD付)半世紀少年(初回生産限定盤)(DVD付)
UNICORN

KRE 2009-10-07
オリコン年間ランキング : 175位

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 ユニコーンの復活第2弾シングルですが、まさかの川西さんメインで、しかもその内容がラップ、そしてそれをシングルとして発売してしまうという勇気には驚かされました.....。

 ただ、数年ぶりに復活したバンドがかつてのファンに対しての懐メロ的でしかないのに対し、ユニコーンの場合はまさに今現在だからこそのユニコーンを表現しているところが素晴らしいし、そんな新しいものを生み出す遊び心や懐の広さがあるところが、とてもらしい感じですしね。

 そしてこの歌も、単なる変化球というだけではなくて、テクノのアレンジもラップも意外なほどにカッコ良くて、ただユニコーンの歌って感じではないのだけれど、サビのメロディーはまさしくユニコーンで(まあ第九のパロディなんだけど)と、いろんな意味で楽しめる作品でした。

 だけどやっぱり、歌だけを聴くよりも、まず最初はPVにて映像と一緒に聴いた方が楽しめるのではないかと思います。

 特に、川西さんメインのはずなのに何故か一番目立っているEBIさんを観ずしてこの作品は語れないでしょう。


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 NEXT >>> 「MDB的ミュージックアウォード2009」 15位 ⇒11位

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 MDB的ミュージックアウォード2009

 ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 20位 ⇒16位
 ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 15位 ⇒11位
 ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 10位 ⇒ 7位
 ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 6位 ⇒ 4位
 ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 3位 ⇒ 1位

2009年12月17日 (木)

モヤモヤさまぁ~ず2 > 大江アナ名場面ベスト10(2009年上半期) 10位 → 6位

 「モヤモヤさまぁ~ず2」のアイドル・大江麻理子アナウンサーの、個人的にビビビッと来たシーンを集めてランキングにしてみました

 今回は「2009年上半期」ということで、2009年1月~6月に放送された以下の回が対象となっています


 > 「三軒茶屋」 「目黒線沿線」 「自由ヶ丘」
 > 「大塚・目白」 「中野」 「DVD発売記念特別番組」
 > 「新高円寺お礼参り&イラストハガキ抽選会」
 > 「天空橋」 「下赤塚」 「桜新町・用賀」 「千歳烏山」


  なお、今回のランキング決定の際に候補となった大江アナの名場面の一覧は、「大江アナ名場面ベスト10(09年上半期) 候補リスト」をご覧ください

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★10位 : ついにジャンケンで三村&大竹に勝った大江アナ

  【三軒茶屋(2)】【目黒線沿線(2)】


 2008年下半期の放送では、何度ともなく3人でジャンケンをしていたのですが、とにかく負け続けたのが大江アナだったのです(大江アナ・MDB的名場面ベスト10(08年下半期) 5位 → 1位参照)。

 しかも、3人の間での力関係が必ず「三村 > 大竹 > 大江」という順になっていたのは、運の要素が多いジャンケンの結果とは思えなくて面白いですね。

 ところが、年が変った途端に、大江アナの逆襲が始まったのです.....。

 まずは“三軒茶屋”で、抱腹絶叫ゲームの順番を決めるジャンケンを行ったところ、まずは三村が勝って一抜けとなり、力関係は今年も変わらないかと思われました。

 そして続く大竹との勝負、昨年はこの二抜けを決めるタイマンでも何度となく敗れてきた相手なわけですが、ここでついに勝利!大竹越えを果たしました。

 さらに、次のロケである“目黒線沿線”でもジャンケンが行われました。その内容は、赤ひげ危機一髪ゲームの順番決め対決。

 まずは大竹が一人負け抜けて、再度の大竹越えを達成。そして昨年に最強の座をほしいままにしていた三村との直接対決となったのですが、大竹越えを果たした勢いに乗って、なんと三村越えまで果たしてしまったのですねェ。

 まあ、ジャンケンに勝利したとはいえ、昨年のような罰ゲーム的な勝負内容ではなく、単なるゲームの順番決めだったのが哀しいところ.....。

 ですが、昨年あれだけ負け続けていたのに気づいていた視聴者にとっては、この2戦における勝利に対して、奇跡を目の当たりにしたかのような驚きと喜びを体験できたのではないでしょうか。

 ちなみに、番組的にもさまぁ~ず的にも大江アナの奇跡の勝利に対しては全くのスルー状態だったのですが、大江アナだけは密かに喜びを噛みしめているように見えましたねェ。

 ただ、大江アナが勝つようになった途端に、ほとんどジャンケンをする機会がなくなったように思うのは、気のせいでしょうか.....。

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★9位 : 店先で「ひどい!」と叫ぶ大江アナ

  【目黒線沿線(1)】【中野(2)】


 まずは、“目黒線沿線”にてクレーンキャッチャーゲームをやったところ、クレーンが狙っていた奥の方まで行かなくて、そこが店先であることも忘れて思いっきり「ひどい!!」と一言。

 続いて“中野”で1000円自販機をやってみたところ、単なるコップが出てきたのでまたもや「ひどい!!」。(その後にそのコップが光ることがわかって納得していました)

 とにかく良くも悪くも正直な反応を示す大江アナですが、これらの場面では素の反応が思いっきり出ていて、なんとも面白かったですね。

 特にクレーンゲームの時は、目を引ん剥くほどに心がこもっていましたし.....。 

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★8位 : ハチの巣箱を見るのに服をズリ上げて顔を隠す大江アナ

  【千歳烏山(2)】


 ハチミツの直売もしている蜂養場にやって来たモヤさま一行は、ご主人の勧めもあり、蜂の巣箱を見ることに。

 ただ、蜂が普通に飛び交っているうえに、そのご主人は完全防備の状態で作業しているのに3人は普段着のまま、そしてご主人による3人を怖がらせるシャレにならない冗談攻撃もあって、3人ともかなりのビビり気味。

 そんな中で大江アナは、なんと、着ている服をズリ上げて、顔を隠しながら巣箱へと近づいていくのです.....。

 もうとにかく滑稽な姿なのですが、これを面白いだろうと思ってやっているのだったらまあどうってことないのですが、大江アナの場合はこうやったら面白いだろうとか考えてではなく素の状態でやっているのがわかるので、なんとも微笑ましいやら面白いやらって感じでよかったですねェ。

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★7位 : ロケ中に偶然、大学時代の同級生と再会する大江アナ

  【自由ヶ丘(2)】


 この時は、大江アナが学生時代を過ごした自由ヶ丘でのロケだったのですが、なんとその最中に、大江アナの大学時代の同級生とバッタリと鉢合わせしてしまったのです。

 まるで仕込みがあったかのような展開ですが、最初に大江アナが「ああっ!」と叫んで話し始めた時にはカメラは全然関係ない方を向いていたし、その後に慌てて走り寄って来る別のカメラマンが端に映っていたりと、スタッフも予期出来ぬ展開だったことがわかります。

 そして10年ぶりの再会ということもあって、番組のことなど忘れるほどに話を咲かせていたのですが、そんな大江アナの姿というのは滅多に見られないどころか今後決して見ることが出来ないであろうから、かなり貴重なシーンでしたね。

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★6位 : バナナをポキッと折ってセクハラを巧みにかわす大江アナ

  【桜新町・用賀(2)】


 八百屋で買物をして大江アナが会計をしている時に、売られているバナナを見て大竹が何かを閃いたようで、突如そのバナナを追加で購入することに。

 そしてさっそく店先で食べることになったのですが、そこで大竹の狙いというのは、大江アナがバナナをくわえるシーンを撮ろうという恒例のセクハラ攻撃だったことがわかったのです。

 それを知ってか知らずか、バナナの皮がなかなか剥けなかったりなどして気を揉ませる大江アナですが、さんざん焦らしに焦らして、いよいよパクッとくわえるのかと思わせたその瞬間、なんとバナナを手でポキッと折ってしまったのですねェ。

 大江アナがバナナをくわえることを疑いもせずに見守っていたさまぁ~ずの2人は、まさかの展開に一瞬沈黙の間が流れたのですが、次の瞬間に大竹が食べていたバナナをプフゥ!と吹き出してしまったのです!

 他人の行動に対してはいつでも冷静沈着で何にでも動じないような大竹からこれほどの反応を引き出してしまうとは、まさに“意外性の大江アナ”の本領を発揮した場面といえそうですね。

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 >>> 大江アナ名場面ベスト10(09年上半期) 5位 → 1位

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 【「モヤモヤさまぁ~ず2」関連記事】

  > モヤモヤさまぁ~ず2 > 大江麻理子アナウンサー

    名場面リスト(2012年7-9月) (13.2.24)
    名場面リスト(2012年4-6月) (12.5.6)
    名場面リスト(2012年1-3月) (12.1.11)

    名場面リスト(2011年10-12月) (11.10.25)
    名場面リスト(2011年7-9月) (11.7.6)
    名場面リスト(2011年4-6月) (11.4.15)
    名場面リスト(2011年1-3月) (11.1.10)

    名場面リスト(2010年9-12月) (11.1.16)
    名場面リスト(2010年5-8月) (10.7.14)
    名場面リスト(2010年1-4月) (10.1.21)

    名場面ベスト10(2009年7-12月) 候補リスト (10.5.9)

    名場面ベスト10(09年上半期) 候補リスト (09.7.20)
    名場面ベスト10(09年上半期) 10位 → 6位 (09.12.17)
    名場面ベスト10(09年上半期) 5位 → 1位 (09.12.25)

    MDB的名場面ベスト10(08年下半期) 候補リスト (09.1.17)
    MDB的名場面ベスト10(08年下半期) 10位 → 6位 (09.2.12)
    MDB的名場面ベスト10(08年下半期) 5位 → 1位 (09.4.10)

    MDB的名場面ベスト10(08年上半期) 10位 → 6位 (08.10.1)
    MDB的名場面ベスト10(08年上半期) 5位 → 1位 (08.10.9)

 > モヤモヤさまぁ~ず2(モヤモヤ大江麻理子アナウンサー) (08.7.23)

 > クイック・ジャパン(QJ) Vol.80 > 「モヤモヤさまぁ~ず2」特集 (08.11.20)

 > ミニミニさまぁ~ず2009 (09.01.15)
 > ミニミニさまぁ~ず (07.12.30)

2009年12月15日 (火)

『奇跡の男』 泡坂妻夫 > 「このミス」完全読破 No.258

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.258

 『奇跡の男』 泡坂妻夫

   「このミス」1988年 : 11位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.11.13 ~ 読終:2009.11.13

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <1988年2月>

奇跡の男 光文社文庫奇跡の男 光文社文庫
泡坂 妻夫

光文社 1991-02-20
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 2009年のミステリ界で最も衝撃的だったニュースといえば、泡坂妻夫氏が逝去されたことなのではないでしょうか。

 1975年にデビューしてから34年、数々の名作を生み出してきて、「このミス」でもNo.29「奇術探偵曾我佳城全集」で2001年版の1位に輝いたりもしました。

 それだけに、「このミステリーがすごい!2010年版」で追悼特集が組まれなかったのはかなり残念でしたねェ。

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 活動期間が長い作家ということもあって、「このミス」が創刊される以前にも名作がたくさんありましたが、「このミス」創刊が1988年なので、この作品が最初の「このミス」ランクイン作品となっています。

 5編からなる短編集で、それぞれの話に繋がりはありません(微妙に繋がっている話もありますが)。

 ただ、ある事件が起きて、それに巻き込まれた一般人がその事件の謎に対して推理し、後に警察から真相を知らされる、といっただいたいのパターンは共通していました。

 そして、一般人の目線を通して事件に触れることになるので、あまり本格的で形式ばった雰囲気にはならずに、手頃なページ数もあって、楽しく軽い感じでスイスイと読むことができました。

 それでも、さすが泡坂妻夫といったさり気なく捻りの効いたミステリトリックが行き渡っているので、泡坂作品の入門編として最適かもしれませんね。

 まあ、現在は絶版となっているので、入手は困難なのですが.....。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “泡坂妻夫” 関連記事 】

  > No.714 「毒薬の輪舞」
  > No.590 「泡坂妻夫引退公演」
  > No.447 「黒き舞楽」

  > No.410 「びいどろの筆」
  > No.270 「鬼女の鱗」
  > No.258 「奇跡の男」
  > No.095 「生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術」
  > No.029 「奇術探偵曾我佳城全集」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「うまや怪談」 愛川晶

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年12月14日 (月)

週刊少年ジャンプ読切! 「逢魔ヶ刻動物園」 堀越耕平

週刊少年ジャンプ 2010年1月08日号 NO.02週刊少年ジャンプ 2010年1月08日号 NO.02
佐々木尚

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 3号連続企画“X'mas(クリスマス)&お年玉超豪華読切プレゼント”の第1弾として週刊少年ジャンプの2010年02号に掲載された読切作品が、この「逢魔ヶ刻動物園(おうまがどき・どうぶつえん)です。

 作者の堀越耕平(ほりこし・こうへい)は、「ヌケガラ」で手塚賞(2006年下半期)の佳作を受賞し、赤マルジャンプ2007SUMMERに「テンコ」が掲載されてデビュー。

 その後は、赤マルジャンプ2008WINTERに「僕のヒーロー」、赤マルジャンプ2008SUMMERに「進化ラプソディ」と、赤マルの掲載が続いて、本作にて本誌デビューとなりました。

 ちなみに、今月発売された「鍵人-カギジン-」(田中靖規)の上巻に、作画スタッフとして名前が書かれていて、「鍵人」のイラストを描いていたりもします(<JC1巻買い> 「鍵人-カギジン-」 田中靖規参照)。


 内容の方は、擬人化した動物たちが暴れまわる、アニマル・バトル・アクション漫画です。

 動物好きの女子高生・蒼井華が、アルバイト飼育員の面接を受けに逢摩(魔)ヶ刻動物園へとやって来ると、そこには人語を操る偉そうなウサギの園長と、動物園が閉演すると人のような姿へと変化する動物たちが待っていたのです。

 呪いを解き人間へと戻るために動物が持つ魔力を集めるウサギ園長と、それを手助けする人型の動物たち、そこに新入り飼育員・ハナを加えた動物園のメンバーが、目的のために一丸となって大活劇を演じます。

 この作品の一番の魅力というかセールスポイントは、擬人化する動物たちだと思うのですが、動物の種類だけキャラクターを生み出すことができるし、異形であるが故のドラマがそれぞれにありそうだし、“ウサギ園長にかけられた呪いを解く”という大きな目標もあるしで、すぐに連載となってもおかしくないくらいに設定が出来上がっていましたね。

 ただその分、読切作品として見た場合は、設定説明に多くを費やしていたため、この設定だからこその魅力を最大限には披露出来ていなかったような気もしました。

 なので、連載となってこその作品だと思うのですが、現在のジャンプ本誌では、犬(賢い犬リリエンタール)に猫(ねこわっぱ!)にと動物系漫画の新連載が続いているので、その勢いに乗ってこのウサギ&動物園の動物たちも連載化となりますでしょうか.....?


 ちなみに、扉絵に付けられている煽り文は、

バイト先の動物園は ウサギが園長!?

☆閉園後の動物園はデンジャラス・・・!?
         摩訶不思議動物園読切Cカラー47P!!

というものでした。


 ↓↓ この読切作品が収録されている単行本はこちら! ↓↓
 

逢魔ヶ刻動物園 4 (ジャンプコミックス)逢魔ヶ刻動物園 4 (ジャンプコミックス)
堀越 耕平

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  投票受付期間:2009.12.14~2010.1.4

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 【「堀越耕平」関連記事】

  > 「梅雨ちゃんのけろけろ日記」 堀越耕平 > 週刊少年ジャンプ読切! (16.3.21)

  > 「僕のヒーローアカデミア」 堀越耕平 > 週刊少年ジャンプ新連載! (14.6.30)

  > 「戦星のバルジ」 堀越耕平 <JC1巻買い> (12.10.17)
  > 「戦星のバルジ」 堀越耕平 > 週刊少年ジャンプ新連載! (12.5.19)
  > 「宇宙少年バルジ」(ジャンプNEXT! 2011 SUMMER) (11.8.12)

  > 「逢魔ヶ刻動物園」 堀越耕平 <JC1巻買い> (10.11.9)
  > 「逢魔ヶ刻動物園」 堀越耕平 > 週刊少年ジャンプ新連載!  (10.7.12)
  > 「逢魔ヶ刻動物園」 堀越耕平 > 週刊少年ジャンプ読切!  (09.12.14)

  > 「鍵人-カギジン-」 田中靖規 <JC1巻買い> (09.12.6)


 >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2009年12月13日 (日)

「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>

このミステリーがすごい! 2010年版このミステリーがすごい! 2010年版

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 「このミステリーがすごい!2010年版」が発売され、ランキングも発表されたということで、昨年同様に「このミス2010年版」ランキング(順位)予想の一人反省会を行って、来年以降の予想に役立てようと思います。

 ただ、今回はちょっと反省することが多くなってしまったので、全体的な予想の反省を行う<反省会・総論編>と、作品ごとに反省を行う<反省会・各論編>、そして“対象作品を予測し読むこと”自体の反省を行う「対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」と、昨年より多い3回に分けて反省してみたいと思います。

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 それでまず今回は、「ランキング(順位)予想」の全体的な反省会です。

 ちなみに「このミス」では、20位以内がランク入り、21位以下がランク外となっています。

 さらにちなみに、今年は30位まで予想を行いました(その理由については、「ランキング(順位)予想」をご覧ください)。


  ☆ > 予想:ベスト10、結果:ベスト10
  ◎ > 予想:ベスト10、結果:ベスト20
  ○ > 予想:ベスト20、結果:ベスト20
  △ > 予想:ベスト30、結果:ベスト20

  ▲ > 予想:ベスト30、結果:21~30位
  ● > 予想:ベスト30、結果:31位以下


 タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページとなっています。


 < 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 >

 ☆ 01位:Another / 綾辻行人  > 結果:3位
 ● 02位:約束の地 / 樋口明雄  > 結果:35位
 ☆ 03位:新参者 / 東野圭吾  > 結果:1位
 ☆ 04位:仮想儀礼 / 篠田節子  > 結果:7位
 ◎ 05位:同 期 / 今野敏  > 結果:14位 

 ☆ 06位:ダブル・ジョーカー / 柳広司  > 結果:2位
 ▲ 07位:オリンピックの身代金 / 奥田英朗  > 結果:21位
 ◎ 08位:密室殺人ゲーム2.0 / 歌野晶午  > 結果:18位
 ☆ 09位:粘膜蜥蜴 / 飴村行  > 結果:6位
 ◎ 10位:鬼の跫音 / 道尾秀介  > 結果:15位

 ● 11位:乱反射 / 貫井徳郎  > 結果:68位以下
 ○ 12位:龍神の雨 / 道尾秀介  > 結果:9位
 ● 13位:風の時/狼の時 / 天城一  > 結果:68位以下
 ● 14位:贖 罪 / 湊かなえ  > 結果:45位
 ○ 15位:秋期限定栗きんとん事件 / 米澤穂信  > 結果:10位

 ● 16位:ハーモニー / 伊藤計劃  > 結果:45位
 ● 17位:智天使の不思議 / 二階堂黎人  > 結果:68位以下
 ● 18位:たまさか人形堂物語 / 津原泰水  > 結果:68位以下
 ○ 19位:ジョニー・ザ・ラビット / 東山彰良  > 結果:13位
 ○ 20位:鷺と雪 / 北村薫  > 結果:11位

 △ 21位:暴雪圏 / 佐々木譲  > 結果:8位
 ● 22位:さらば雑司ヶ谷 / 樋口毅宏  > 結果:68位以下
 △ 23位:無 理 / 奥田英朗  > 結果:19位
 △ 24位:追想五断章 / 米澤穂信  > 結果:4位
 ● 25位:うまや怪談 / 愛川晶  > 結果:59位

 ● 26位:福家警部補の再訪 / 大倉崇裕  > 結果:68位以下
 ▲ 27位:疑心 隠蔽捜査3 / 今野敏  > 結果:23位
 ● 28位:神器 軍艦「橿原」殺人事件 / 奥泉光  > 結果:33位
 ▲ 29位:少 女 / 湊かなえ  > 結果:30位
 ● 30位:チェーン・ポイズン / 本多孝好  > 結果:68位以下


 まずは、30位以内に予想した30作品のうち一体どのくらいの作品がベスト20に入ったのか見てみますと(☆◎○△)、結果は15作品。ベスト20に入った残りの5作品のうち、読んでいなかった作品が4作品あったことを考えると(読んでいなかった作品はあえて予想に入れないことにしていました)、これはまずまずの結果だったのではないでしょうか。


 続いて、ベスト20に予想した20作品のうち一体どのくらいの作品がベスト20に入ったのか見てみますと(☆◎○)、結果は12作品。昨年の記録(11作品)をかろうじて越えることができました!

 ただ、昨年の場合、結果がランク外だったベスト20予想作品10作が全て“21位以下の作品”欄の左半分(22~42位)に入っていたのに対し、今年の場合は、“21位以下の作品”欄にすら名前が載らなかった作品が4作もあって、つまりはそれだけ見当違いの予想であったということなので、これはかなりマズイ結果ですよねェ.....。


 次に、ベスト10に予想した10作品のうち一体どのくらいの作品がベスト20に入ったのか見てみますと(☆◎)、結果は8作品。残りの2作中1作がギリギリの21位だったことを考えれば、まあベスト10予想に限ればそれほど見当違いだったわけではなさそうです。

 さらにに、ベスト10に予想した10作品のうち一体どのくらいの作品がベスト10に入ったのか見てみますと(☆)、結果は5作品。ちょうど過半数となったので、これはなかなかの的中率なのではないでしょうか。

 ただ、昨年よりも数字を落としているので(昨年は7作)、喜ぶことのできる数字ではないのですけどね。ってか昨年がビギナーズラックだっただけかもしれませんが。


 続いて、ベスト5に予想した5作品のうち一体どのくらいの作品がベスト5に入ったのか見てみますと、結果は2作品。これまた昨年(3作)よりも数字を落としてしまいました。

 そして肝心要の1位予想ですが、結果は、1位に予想していた「Another」が3位で、3位に予想していた「新参者」が1位となりました。

 まあ、1位になるのはこの2作品のうちのどちらかだろうと思っていたので、これは仕方ないですねェ。

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 というわけで、まずは「このミス2010年版」のランキング(順位)予想」の全体的な反省をしてみました。

 本当はこのくらいの反省でやめておきたいところなのですが、今回は、“21位以下の作品”欄にすら名前が載らない作品をベスト20にいくつも入れていたり、自信を持ってランク入り予想した作品がランク外になったり、それに2位に予想した作品がランク外という痛恨の失態を犯してしまったりと、反省することは尽きないのです。

 なので、そういったことも含めて、作品ごとに反省する<反省会・各論編>を続けて書いてみたいと思います。

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 【「このミステリーがすごい!2010年版」関連記事】

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (09.12.13)
  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (09.12.23)
  > 「このミス2010年版」対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会> (09.12.29)

  > 「このミステリーがすごい!2010年版」 (09.12.9)

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 (09.11.18)
  > 「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう! (09.11.16)
  > 「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6 (09.11.28)

  > 「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想 (09.7.23)
  > 「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想 (09.9.3)

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年12月12日 (土)

『身の上話』 佐藤正午 > 「このミス」完全読破 No.257

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.257

 『身の上話』 佐藤正午

   「このミス」2010年版 : 22位

   受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「闘うベストテン」 5位

   読始:2009.11.11 ~ 読終:2009.11.12

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年7月>

身の上話 (光文社文庫)身の上話 (光文社文庫)
佐藤 正午

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 「身の上話」というタイトルや、この表紙絵(後日追記:ハードカバー版のことです→)。

 そして、ごく普通の書店員のちょっとした気まぐれな行動から始まるストーリーなどから、日常を描いた文芸小説的な内容を連想させます。

 たぶん多くの書店でも、ミステリーのコーナーではなく文芸書のコーナーに置いてあると思いますし。

 ところが読み進めてみれば、驚きの出来事が次々と起き、話の始めでは全く予想できなかったような所までいつの間にか読者を連れ去ってしまうのです。

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 その展開の衝撃さは、ミステリ小説的な技によって作られているので、先を読まずにいられなくなるほどに引き込まれるサスペンス作品に仕上がっていましたね。

 そしてそのミステリ的(といっても、本格ミステリみたいなガチガチのミステリではなくて、広義の意味でのミステリ的)な仕掛けが見事に成功しているのは、「このミス」でもランクインまであとわずかの22位に入っていることからも窺い知れます。

 ただ、この作品の一番の魅力というのは、一見普通の文芸小説だと思って読み始めたら、実は.....、という意外性の衝撃だと思うのです(とはいっても、別にどんでん返し系の作品というわけではないです)。

 そのため、この作品に対する情報を知れば知るほど、実際に読んだ時の衝撃度は薄れてしまうし、その前評判が自分の中で大きく膨れ上がってしまうと“なんだこんなものか”と拍子抜けしてしまう可能性もあるかもしれません。

 なので、世間一般で絶賛される前の段階で(またはその後でも)、それほど内容を知らずに読んだ人こそが、この作品を最も楽しむ資格を持つ人なのではないでしょうか。

 とはいえ、具体的な評判を事前に聞いていたら面白く読むことができない、というわけでは全くないですし、そういった情報を知らなければこの作品を読む機会自体がゼロに近かったかもしれないのですから、少しでも興味があるのならば、迷わずに読んでみることをオススメですね。

 それでまあ、そんな性質の作品なので、いつも以上に内容にはほとんど触れずにこの記事を書いてみました。それでも結構長々と書けるもんですねェ。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★★    人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “佐藤正午” 関連記事 】

  > No.801 「鳩の撃退法」
  > No.257 「身の上話」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』 辻村深月 > 「このミス」完全読破 No.256

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.256

 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』 辻村深月

   「このミス」2010年版 : 33位

   受賞(候補) : (「直木三十五賞」候補)
            (「吉川英治文学新人賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.11.10 ~ 読終:2009.11.11

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年9月>

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)
辻村 深月

講談社 2012-04-13
売り上げランキング : 1966

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 辻村作品を読むのは、No.219「太陽の坐る場所」に続いて2冊目となるのですが、“過去の自分たちを振り返ることで、現在の自分たちの姿が生々しく浮かび上がってくる”というテーマ的なところは共通していましたね。

 ただ、現在の話も振り返る過去の話も幾分年齢が上がっているので、実際にそういった想いにふけることが多くなってくる年代が対象となってくるために、より読み手にリアルに迫ってくるし、人間ドラマとして与える影響も大きいのではないでしょうか。

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 そして「太陽の~」がいくつかの視点の組み合わせで描かれていたのに対し、今作は主に一人の主人公の視点に固定されて話が進んでいきます。

 その主人公の身近にある事件が起き、それに関する謎を素人ながらに探っていくのですが、その過程で出会う人物たちとのやり取りというのが、人間の内面に潜む醜くドロドロとした部分がさらけ出されるようなものなのです。

 ただそれは、誰もが心の奥底に抱えているのに見えないように隠しているような部分なので、自分の中にあるそういった部分が、作中のやり取りを通してまじまじと姿を現し、こちらに迫ってくるかのようで、この痛々しいほどにリアルな感情の圧倒感はさすがでしたね。

 そして主人公が、事件の謎を追う過程で、過去に関係した人物たちとそういったやり取りを積み重ねていくことで、いつしか自分探しの旅という側面も持ち合わせることになるところなど、ハードボイルド的な魅力も兼ね備わっていたように思います。

 それに、全体的な構成もミステリ的な演出で話を大いに盛り上げ最後まで一気に読ませてくれるのですが、ただやはりそういった物語の外側の面よりも、それにより浮かび上がってくる内側の人間ドラマに焦点が当てられているのではないでしょうかね。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★        気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “辻村深月” 関連記事 】

  > No.674 「島はぼくらと」

  > No.603 「水底フェスタ」
  > No.572 「鍵のない夢を見る」
  > No.472 「オーダーメイド殺人クラブ」
  > No.256 「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」
  > No.219 「太陽の坐る場所」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「身の上話」 佐藤正午

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年12月11日 (金)

『密室の如き籠るもの』 三津田信三 > 「このミス」完全読破 No.255

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.255

 『密室(ひめむろ)の如き籠るもの』 三津田信三

   「このミス」2010年版 : 36位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 18位
               「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:2009.11.9 ~ 読終:2009.11.10

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : ノベルス <2009年4月>

密室の如き籠るもの (講談社文庫)密室の如き籠るもの (講談社文庫)
三津田 信三

講談社 2012-05-15
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 「厭魅の如き憑くもの」 「凶鳥の如き忌むもの」 No.55「首無の如き祟るもの」 No.102「山魔の如き嗤うもの」に続く、刀城言耶シリーズの第5作目にあたります。

 そしてこれまでの作品が全て長編だったのに対し、本作は3本の短編と1本の中編からなるシリーズ初の中短編集となっています。

 とはいえ、怪談的なおどろおどろしく奇怪で謎めいた事件に対して、刀城言耶がその冴えわたる推理にてズバッと解決する、といった基本部分は長編と変わりはありません。

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 そして、このシリーズの最大の魅力というのが、怒涛の如くたたみ掛けるクライマックスにおける解決シーンだと思うのですが、短編だと、その文量の制限もあって解決部分も単発に終わってしまうので、長編の時のような迫力や圧倒される感はありませんでした。

 これが中編になると、長編ほどのド迫力はなかったものの、ラストでのたたみ掛ける感じが出ていて面白かったので、やはりこのシリーズは「短編 < 中編 < 長編」の順に面白くなっていくように思いましたね。

 ただ、このシリーズはホラーと本格ミステリが融合したかなり濃い作風で、結構好き嫌いが分かれそうなので、これまでの長編作品を読んでみたいとは思っても、なかなか手を出しにくいという方も多くいるのではないでしょうか。

 そんな方は、作品世界の雰囲気に馴染む意味合いも兼ねて、文量的にも手軽感のあるこの中短編集から手に取ってみるといいかもしれませんね。

 そしてその後で、傑作と名高い「首無の~」と「山魔の~」を読んでみてはいかがでしょうか。ってか、やっぱりこの2作を読まずして“刀城言耶シリーズ”を語れないですからねェ。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “三津田信三” 関連記事 】

  > No.777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
  > No.534 「幽女の如き怨むもの」

  > No.487 「生霊の如き重るもの」
  > No.291 「水魑の如き沈むもの」
  > No.255 「密室の如き籠るもの」
  > No.102 「山魔の如き嗤うもの」
  > No.055 「首無の如き祟るもの」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」 辻村深月

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年12月10日 (木)

「MDB的ミュージックアウォード2009」

 年の瀬も押し迫って来たということで、年末恒例の「MDB的ミュージックアウォード2009」を発表したいと思います!!

 年末恒例とはいっても、昨年まではアクセス数的に見ても“待ち望んでいるのは自分だけ”といった感じなのですけどねェ。

 それでこの「MDB的ミュージックアウォード」というのは一体何なのか?といったところを説明しますと、普段からある程度ヒットした曲を中心に買ったりレンタルしたりダウンロード購入するなどしてi-podに入れて聴いているのですが、自分の1年間の“音楽が身近にある生活”を振り返る上でも、自分好みの歌をランキング形式にして発表しよう!ということで始めたランキングなのです。

 そんなわけで、これから年末にかけて、全5回に渡ってカウントダウン形式で個人的ベスト20を発表していきたいと思います。

 ちなみに、対象となる楽曲は、2008年12月1日~2009年11月30日の期間に発売されたシングル曲となっています。


【 MDB的ミュージックアウォード2009 】

  ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 20位 ⇒16位

  ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 15位 ⇒11位

  ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 10位 ⇒ 7位

  ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 6位 ⇒ 4位

  ・「MDB的ミュージックアウォード2009」 3位 ⇒ 1位

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 さらにちなみに、過去のトップ5はこんな感じでした。


 MDB的ミュージックアウォード2008


   1位 : ヒトヒラのハナビラ / ステレオポニー

   2位 : Dream Fighter / Perfume

   3位 : もっと遠くへ / レミオロメン

   4位 : NEW LOCK / 安室奈美恵

   5位 : 爪爪爪 / マキシマム ザ ホルモン

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 MDB的ミュージックアウォード2007


   1位 : SUPER LOVE SONG / B'z

   2位 : 群 青 / スピッツ

   3位 : TONGUE TE TONGUE / SOUL'd OUT

   4位 : 愛 唄 / GReeeeN

   5位 : 永遠の翼 / B’z

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MDB的ミュージックアウォード2006


   1位 : 衝 動 / B'z

   2位 : 恋のメガラバ / マキシマム ザ ホルモン

   3位 : シャングリラ / チャットモンチー

   4位 : BATTLE FUNKASTIC / HOTEI vs RIP SLYME

   5位 : ワールドアパート / ASIAN KUNG-FU GENERATION

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 【「MDB的ミュージックアウォード」関連記事】

  > MDB的ミュージックアウォード2011 (11.12.24)
  > MDB的ミュージックアウォード2010 (10.12.8)
  > MDB的ミュージックアウォード2009 (09.12.10)

  > MDB的ミュージックアウォード2008 (08.11.29)
  > MDB的ミュージックアウォード2007 (07.12.8)
  > MDB的ミュージックアウォード2006 (07.12.2)

2009年12月 9日 (水)

「このミステリーがすごい!2010年版」

このミステリーがすごい! 2010年版このミステリーがすごい! 2010年版

宝島社 2009-12-10
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 「このミステリーがすごい!2010年版」が、いよいよ発売となりました。

 今年も、昨年に引き続きランキング予想を行い(「このミス2010年版」ランキング(順位)予想)、自分が投票者になったつもりでベスト6を決める「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6を更新するなどしました。

 ただ今年の場合、月ごとに「このミス」の候補になるのではないかと思われる作品をピックアップしてみる“月別ランクイン候補作品”という企画を毎月行ってみたり、上半期と下半期に分けて作品ごとにランクイン確率を予想してみたり(上半期終了時のランクイン作品予想下半期のランクイン作品予想)、投票を受け付けてベスト10予想を多くの人とやってみたり(ベスト10作品をみんなで予想しよう!)、昨年の3倍近い104冊もの対象作品を読んだりと、1年を通して一人盛り上がっていました。

 その盛り上がりの頂点となるのが、この「2010年版」の発売とランキングの発表なわけなので、実際にこの本を手に取ってみたら、なんとも感慨深いものがありましたねェ。

 それで、ランキングの感想や予想の反省などは、昨年同様に別記事で更新するので、ここでは「2010年版」の本自体に付いての感想を簡単に書いてみたいと思います。

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 まず本屋でこの本を手に取って驚いたのは、その分厚さですね。昨年までの2倍くらいあるのではないかと思ったほどですから(実際には1.25倍くらい)。

 ただ、家に帰ってよ~く見てみたら、いつもの内容の後ろに、「このミス」大賞出身者である海堂尊・ハセベバクシンオー・山下貴光の短編が1作ずつ載っている分の厚みアップでした。

 昨年の感想(「このミステリーがすごい!2009年版」)を読んでもらえればわかるように、短編小説を収録するのならば、その分を総括的な企画に使ってほしいと思っているので、今年はさらにその短編小説が増えるという情報を事前に知ってガックリしていたのですが、短編小説を増やした分、他を犠牲にするのではなしに全体のページ数が増えていたし、それでいて定価が500円据え置きということなので、それならば逆に大歓迎ですね。まあそれでもたぶん短編小説は例年通り読まなそうですが。


 そして今回は、ビジュアル面で大きく革新されているのが特徴ですね。

 まずオープニングがカラーなのには驚きました(内容は、昨年1位のNo.125「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎の映画化記念として、主演の堺雅人のインタビュー記事)。

 さらには、ベスト20作品の紹介記事も以前よりおしゃれなレイアウトになっていたり、投票者のベスト6のコーナーでは1位に挙げた作品の表紙写真が載っていたり、「著名人が選ぶこのミステリーがすごい!」という新コーナーでも写真が使われていたりと、とても華やかで見やすくなったような気がします。

 しかし、1年のミステリ関連作品の総括的なコーナーが「座談会」だけなのは変わりないし(新人賞のみの総括コーナーは別にあるけど)、バカミスのコーナーも復活しなかったのは残念です。

 そのため、資料的な意味合いとして本格ミステリ・ベスト10ミステリが読みたい!も一緒に買って保存しなければならないし、やはり「このミス」の良い部分というのは、様々なジャンルの作品をひと括りにしてランキングにしているところだと思うので、「このミス」ならではの総括記事は絶対に必要ですよね。

 それに、ベスト20作品の紹介記事が以前よりおしゃれな雰囲気になったものの、字が大きくなった分、情報量的には以前に比べてずいぶんと減ってしまったのです。

 なので、自分としては、今回は全体のページ数も多くなったし、見やすい誌面にはなったけれども、そういった一般の人に対して優しい感じに変えていくよりも、ミステリ好きが満足するような読み応えのあるコーナーを増やしてほしいですねェ。

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 【「このミステリーがすごい!2010年版」関連記事】

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (09.12.13)
  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (09.12.23)

  > 「このミステリーがすごい!2010年版」 (09.12.9)

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 (09.11.18)
  > 「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう! (09.11.16)
  > 「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6 (09.11.28)

  > 「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想 (09.7.23)
  > 「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想 (09.9.3)

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年12月 8日 (火)

『無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~』 望月守宮 > 「このミス」完全読破 No.254

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.254

 『無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~』 望月守宮

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.11.5 ~ 読終:2009.11.6

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年10月>

無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~ (講談社ノベルス)無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~ (講談社ノベルス)

講談社 2009-10-07
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 第40回メフィスト賞受賞作品No.160「無貌伝 ~双児の子ら~」に続く、シリーズ2作目です。

 前作の流れを引き継いだ内容となっているのですが、事件というか出来事自体は独立したものなので、前作を読んでいなくても楽しむことができると思います。

 ただ、今回は主役2人のうちの1人が物語が始まって早々に退場してしまうし、それにやはり人と“ヒトデナシ”と呼ばれる怪異が共存しているという独特な世界設定は、事前に知っていないとそれを理解するのに苦労しそうなので、第1作目から読んだ方がより楽しむことができるでしょうね。

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 それで内容の方なのですが、屋敷内で連続殺人事件が起こるという本格ミステリの定番的な展開だった前作のイメージを持って読み始めると、あまりの作風の違いに驚愕してしまうほどのものなのです。

 シリーズ2作目なだけでなく、デビュー2作目でもあるのですが、それでここまで方向性を変えてくる攻撃的な姿勢は素晴らしいですね。

 しかもそれでも、このシリーズの世界設定もメインの登場人物も共通しているし、この物語世界だからこその設定を利用した上で、これほどの違った魅力を引き出しているのですから、その懐の大きさ的なところはまさに驚きです。

 まあ、主人公の成長物語的な部分が少々くどく感じたので、そこら辺を薄くしてよりエンターテイメントに仕上げてくれた方がもっと自分好みになったとは思いますが、でも本格ミステリの新たな領域への挑戦的な姿勢も含めて、この予測不能で目まぐるしい展開の作品を存分に味わうことができました。

 それに、来年に発売予定のシリーズ第3弾が一体どんな内容となるのか全く予想できないだけに、発売が今から楽しみでしかたないですね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “望月守宮” 関連記事 】

  > No.254 「無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~」
  > No.160 「無貌伝 ~双児の子ら~」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「密室の如き籠るもの」 三津田信三

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年12月 7日 (月)

「このミス2011年版」月別ランクイン候補作品(2009年12月)

 昨年(2010年版)から始めたこの“月別ランクイン候補作品”ですが、「このミステリーがすごい!2011年版」対象作品についても引き続き実施していこうと思います。

 この“月別ランクイン候補作品”とは、自分は日頃から“どんな作品が「このミス」にランクインしそうかな?”と色々とチェックしているので、どうせならそれを発売された月別にまとめてしまおう!ということで始めた企画です。

 ここでは、とりあえず「このミス」の対象になりそうな作品をピックアップして、“作者の過去実績”や“なんとなくの前評判”を元に、推測されるランクインの可能性ごとに3段階に分けて並べています。

 ちなみに、これを書いている時点では作品をまだ読んでいない状況になると思うので、この3段階の分類は、作品を読んだ上で決めたものではありませんので、その点ご了承ください。

 なお、読んだ上でのランクイン予想に関しましては、「このミス2011年版」上半期のランクイン作品予想の方をご覧ください。 

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 >> 2009年12月発売の最有力候補っぽい作品 <<


 【 水魑の如き沈むもの / 三津田信三 】

水魑の如き沈むもの (ミステリー・リーグ)水魑の如き沈むもの (ミステリー・リーグ)

原書房 2009-12-07
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  > 奈良の山中の村で行なわれた
  > 珍しい雨乞いの儀。
  > その最中、刀城言耶の眼前で事件は起きた。
  > さらに儀式の関係者が次々に
  > 不可解な状況で殺されていく。
  > 二転三転のすえに示された真犯人とは…。


 No.55「首無の如き祟るもの」No.102「山魔の如き嗤うもの」と、現在長編作品が2作連続でベスト10内にランクイン中の、刀城言耶シリーズの長編最新作です。

 まあシリーズの実績からいっても、前2作と同じくらいのレベルの内容となっているのであれば、いきなり「2011年版」の主役に躍り出てもおかしくないですからね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
          >> No.291 『水魑の如き沈むもの』 三津田信三


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「首無の如き祟るもの」  2008年版 5位
   > 「山魔の如き嗤うもの」  2009年版 8位

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 >> 2009年12月発売の有力候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   欧亜純白 ユーラシアホワイト / 大沢在昌 (14作)  <感想記事はこちら>
   君がいなくても平気 / 石持浅海 (4作)  <感想記事はこちら>

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 >> 2009年12月発売の候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   十字架 / 重松清 (1作)  <感想記事はこちら>
   ライフ・ゴーズ・オン / 東山彰良 (1作)  <感想記事はこちら>
   元禄百妖箱 / 田中啓文 (1作)
   天才までの距離 / 門井慶喜  <感想記事はこちら>
   罪 火 / 大門剛明  <感想記事はこちら>
   セルグレイブの魔女 / 高瀬美恵
   ウィズ・ユー 若槻調査事務所の事件ファイル / 保科昌彦
   十一月は天使が舞い降りた見立て殺人 / 霧舎巧
   十二月は聖なる夜の予告殺人 / 霧舎巧
   ≠の殺人 / 石崎幸二
   プールの底に眠る / 白河三兎
   消された龍馬 念写探偵加賀美鏡介 / 楠木誠一郎
   世界記憶コンクール / 三木笙子
   難民探偵 / 西尾維新
   ブラック・ローズ / 新堂冬樹
   審理炎上 / 加茂隆康
   ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ / 浅倉卓弥
   リライブ / 小路幸也

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  「このミス2011年版」月別ランクイン候補作品(2009年11月) <<<

  >>> 「このミス2011年版」月別ランクイン候補作品(2010年1月)


 「月別ランクイン候補作品」の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年12月 6日 (日)

<JC1巻買い> 「鍵人-カギジン-」 田中靖規

鍵人-カギジン 上 (ジャンプコミックス)鍵人-カギジン 上 (ジャンプコミックス)

集英社 2009-12-04
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 2009年12月に発売されたJC(ジャンプコミックス)1巻の2冊目は、「鍵人-カギジン-」です。

 まあ1巻といっても、全2巻であるためか、上下巻表記となっているのですけどね。

 そして全2巻ということからもわかるように、この上巻が発売される前の時点ですでに、全17話という早さで打ち切りとなっているのです。

 短期での打ち切りとなってしまった理由を自分なりに考えてみますと、設定やストーリーやキャラクター・戦闘方法・登場人物たちのやり取りなどのあらゆる面で、他の様々な漫画の寄せ集めと言ってしまっては言い過ぎかもしれませんが、“どこかで見たことがあるような.....”と思わせてしまう要素が多かったように感じました。

 そのため、“この漫画だからこそ”の強烈なインパクトを与えることが出来なくて、結果的に地味であまり先の展開に興味がわかない作品と多くの人の目に映ってしまったのではないでしょうか。

 それでも、読んでいると作者の“面白いものを作りたい”という気持ちが充分に伝わってくるのですけどね。

 ただ、そういった“ここでこうして面白くしよう”という製作者側の狙いや思惑というのがわかりやすいくらいに見え透いてしまっていたので、その時点で作り物の世界に感じられてしまいましたし。


 それに、物語世界が近未来のSFファンタジーということもあってか、亜人間が特に理由付けもなく普通に出てきたりとか、主人公の進む方向が主人公次第でどうにでもなったりとか、自由な設定すぎたのもちょっと残念に思いました。

 作者の師匠でもある荒木飛呂彦の「ジョジョの奇妙な冒険」を例に挙げても、第3部ではエジプトへ、第5部ではギャング・スターへと、主人公の進むべき道が強烈な印象と共に読者に提示されていたし、第4部では杜王町、第6部では刑務所と、限定された場のみにおいて話が展開していきましたからね。

 なのでこの「鍵人」も、設定的にもストーリー的にもわかりやすいくらいの縛りを作って、その限定された空間の中で自由な発想を盛り込んでいけたならば、もっと面白くなったのではないかな~なんて勝手なことを考えたりもしてしまいました。

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 単行本ならではの特典ですが、まず帯の表は、表紙と繋がった絵の上に、“かつて人は 魔法の「鍵」を 手に入れた”・・・と書かれています。

 裏帯の方は、2月上旬に発売予定の下巻の予告が絵付きで。

 カバーを外した部分は、これは表紙側も裏表紙側も同じなのですが、カバー表紙絵に使われているチルダ少佐の絵が、縦4×横5の計20体分ずらりと並べて描かれています。

 そしてその中には、着ぐるみ・セーラー服・着物・ビキニ水着というコスプレ姿のチルダ少佐が、各横列につき1体ずつ混じっていますね。

 中身の方ですが、1-2話の間には鍵人旅行奇譚 #1 大砂海と題して、「サルベージ船」や「砂の海流」など砂海に関する事柄について絵付きで説明しています。

 2-3話の間では、ツバメの武器である「飛燕刀・春疾風」の説明が。

 4-5話の間には、武器屋で売られている武器の絵と名前と値段が描かれた「~トレマの武器屋~」が、5-6話の間には、アシスタントの根田啓史(読切「世直し伝説!!世奈押郎」など)が描いたチルダ&トレマの絵が載っています(ちなみに、「~世奈押郎」の時とは似ても似つかぬ絵柄です)。

 そして3-4話の間と巻末では、3ページに渡ってコミカルな四コマ漫画が計6作品収録。

 さらに最終ページには、「~作画スタッフ紹介~」として、作者によるアシスタント4人(根田啓史・堀越耕平・みよ川将(國?←崩し字なのでわかりにくいけど多分この字?三代川将の変名?)、あともう一人は崩し字すぎて判別できず)の説明と、4人がそれぞれ描いた「鍵人」のキャラクター絵が掲載されています。

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2009年12月 5日 (土)

<JC1巻買い> 「あねどきっ」 河下水希

あねどきっ 1 (ジャンプコミックス)あねどきっ 1 (ジャンプコミックス)

集英社 2009-12-04
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 2009年12月に発売されたJC(ジャンプコミックス)1巻の1冊目は、「あねどきっ」です。

 「りりむキッス」「いちご100%」「初恋限定。-ハツコイ リミテッド-」に続く4作目の連載作品ですが、掲載順的に見ますと、早くも最後尾付近に載ることが多くなってきたので、それほど好調な出だしというわけではなさそうです。

 とはいえ、ラブコメというジャンルの作品なこともあり、多くの人に支持されることを目的にしているというよりは、一部の人の熱烈な支持を狙うタイプだと思うし、掲載順補正などもありそうでなかなか人気を判断できないジャンルでもあるので、この1巻の売り上げ結果が出るまでは人気・不人気の判断は出来ない感じでしょうかね。

 その“ラブコメ”というジャンルでいいますと、この「あねどきっ」の第1話の時の感想(週刊少年ジャンプ新連載! 「あねどきっ」 河下水希)で、“中高生男子読者をドキドキさせるようなちょっぴりエッチなラブコメ作品”枠における「To LOVEる-とらぶる-」「めだかボックス」との兼ね合いについて少し書きましたが、「To LOVEる-とらぶる-」は入れ替わるように連載終了となったし、「めだかボックス」はラブコメの要素などほとんどない全くの別路線を突き進んでいるので、結局はこのジャンルにおいては唯一の存在となりました。

 前作「初恋限定。-ハツコイ リミテッド-」の時は、「To LOVEる-とらぶる-」「エム×ゼロ」と似たジャンルの作品が同時掲載されていたこともあってか、半年で打ち切りとなってしまいましたが、今回はそういったライバル的な存在が今のところはいないので、そういった作品が新連載として登場するまでは安泰なのではないかとも思うのですが、はたしてどうなりますでしょうか。

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 単行本ならではの特典ですが、まず帯の表は、表紙と繋がった絵の上に、美人でフシギでちょっぴりエッチ!? そのお姉さん、最強!!と書かれています。

 裏帯の方は、第2巻(来年2月発売予定)のちょっとした予告と、アニメ版「初恋限定。-ハツコイ リミテッド-」のDVD第5・6巻の宣伝が。

 カバーを外した部分は、まず表紙側が、カバー表紙絵に使われている萩原なつきの顔左半分のアップ絵、そして裏表紙側が顔右半分のアップ絵となっています。

 中身の方ですが、各話の間にはタイトルロゴとカット絵が組み合わされて描かれていまして、その絵は萩原なつきと桜井奏が交互に登場、それが各3カットずつですね。

 そして巻末では、桜井奏が探偵役となって読者からの質問(この1巻では「なぜ光汰はなつきと同じ部屋に寝続けているのかおしえてください」)の答えを探るおまけマンガ「奏の!探偵ガール スクープ」が2ページ。ここでは、落合家のだいたいの間取りなんかも載っています。

 ちなみに、「To LOVEる-とらぶる-」のような単行本用乳首修正(加筆)は、この「あねどきっ」ではありませんでしたね。

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