「このミステリーがすごい!2010年版」
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「このミステリーがすごい!2010年版」が、いよいよ発売となりました。
今年も、昨年に引き続きランキング予想を行い(「このミス2010年版」ランキング(順位)予想)、自分が投票者になったつもりでベスト6を決める「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6を更新するなどしました。
ただ今年の場合、月ごとに「このミス」の候補になるのではないかと思われる作品をピックアップしてみる“月別ランクイン候補作品”という企画を毎月行ってみたり、上半期と下半期に分けて作品ごとにランクイン確率を予想してみたり(上半期終了時のランクイン作品予想、下半期のランクイン作品予想)、投票を受け付けてベスト10予想を多くの人とやってみたり(ベスト10作品をみんなで予想しよう!)、昨年の3倍近い104冊もの対象作品を読んだりと、1年を通して一人盛り上がっていました。
その盛り上がりの頂点となるのが、この「2010年版」の発売とランキングの発表なわけなので、実際にこの本を手に取ってみたら、なんとも感慨深いものがありましたねェ。
それで、ランキングの感想や予想の反省などは、昨年同様に別記事で更新するので、ここでは「2010年版」の本自体に付いての感想を簡単に書いてみたいと思います。
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まず本屋でこの本を手に取って驚いたのは、その分厚さですね。昨年までの2倍くらいあるのではないかと思ったほどですから(実際には1.25倍くらい)。
ただ、家に帰ってよ~く見てみたら、いつもの内容の後ろに、「このミス」大賞出身者である海堂尊・ハセベバクシンオー・山下貴光の短編が1作ずつ載っている分の厚みアップでした。
昨年の感想(「このミステリーがすごい!2009年版」)を読んでもらえればわかるように、短編小説を収録するのならば、その分を総括的な企画に使ってほしいと思っているので、今年はさらにその短編小説が増えるという情報を事前に知ってガックリしていたのですが、短編小説を増やした分、他を犠牲にするのではなしに全体のページ数が増えていたし、それでいて定価が500円据え置きということなので、それならば逆に大歓迎ですね。まあそれでもたぶん短編小説は例年通り読まなそうですが。
そして今回は、ビジュアル面で大きく革新されているのが特徴ですね。
まずオープニングがカラーなのには驚きました(内容は、昨年1位のNo.125「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎の映画化記念として、主演の堺雅人のインタビュー記事)。
さらには、ベスト20作品の紹介記事も以前よりおしゃれなレイアウトになっていたり、投票者のベスト6のコーナーでは1位に挙げた作品の表紙写真が載っていたり、「著名人が選ぶこのミステリーがすごい!」という新コーナーでも写真が使われていたりと、とても華やかで見やすくなったような気がします。
しかし、1年のミステリ関連作品の総括的なコーナーが「座談会」だけなのは変わりないし(新人賞のみの総括コーナーは別にあるけど)、バカミスのコーナーも復活しなかったのは残念です。
そのため、資料的な意味合いとして本格ミステリ・ベスト10やミステリが読みたい!
も一緒に買って保存しなければならないし、やはり「このミス」の良い部分というのは、様々なジャンルの作品をひと括りにしてランキングにしているところだと思うので、「このミス」ならではの総括記事は絶対に必要ですよね。
それに、ベスト20作品の紹介記事が以前よりおしゃれな雰囲気になったものの、字が大きくなった分、情報量的には以前に比べてずいぶんと減ってしまったのです。
なので、自分としては、今回は全体のページ数も多くなったし、見やすい誌面にはなったけれども、そういった一般の人に対して優しい感じに変えていくよりも、ミステリ好きが満足するような読み応えのあるコーナーを増やしてほしいですねェ。
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【「このミステリーがすごい!2010年版」関連記事】
> 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (09.12.13)
> 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (09.12.23)
> 「このミステリーがすごい!2010年版」 (09.12.9)
> 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 (09.11.18)
> 「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう! (09.11.16)
> 「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6 (09.11.28)
> 「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想 (09.7.23)
> 「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想 (09.9.3)
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