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2009年11月22日 (日)

『秋期限定栗きんとん事件』 米澤穂信 > 「このミス」完全読破 No.250

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.250

 『秋期限定栗きんとん事件』 米澤穂信

   「このミス」2010年版 : 10位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 11位
              「ミステリが読みたい!」 13位

   読始:2009.10.30 ~ 読終:2009.10.30

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 文庫本 <2009年2月>

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 No.39「春期限定いちごタルト事件」No.40「夏期限定トロピカルパフェ事件」に続く、“小市民シリーズ”待望の第3弾です。

 この“待望の”というのは取って付けた表現ではありませんで、毎年のように作者が“今年こそは出る”と言っていたのですが(「このミス」の“私の隠し玉”では、「夏期限定~」がランクインした2007年版(2006年)からすでに年内の発売を示唆しています)、しかし延期に次ぐ延期で、仮タイトルだけが次々と変わっていくという状態だったのです。

 その延期となった原因の一つが、シリーズ初の上下巻というボリュームだったわけなのですが、前2作は連作集的な作りだったのが、今回は長編としての構成となっているので、これまでと比べても幾分大作的な感じがありました。

 そして、前作「夏期限定~」では新展開を感じさせるラストだったわけですが、それを受けてのストーリーが序盤から繰り広げられていることもあって、やはり今回はこれまでの2作とはちょっと趣きが違いましたかね。

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 そんな感じで、いつもとは少々違った雰囲気で青春ミステリが繰り広げられていきます。

 なので、本格ミステリ的な謎や事件も全体を通して筋が入ったものとなっているのですが、ただ、この本格ミステリ的な謎が解明された瞬間に、青春物語的な部分が鮮やかに浮かび上がってくるのですよね。

 つまり、シリーズ前作に比べて本格ミステリ色が強くなったのかと思いきや、結局それは、青春物語を盛り上げるための演出にすぎなかったことが最後に明らかになるのです。

 しかもそれは、青春物語だからといって甘く切ないというものではなく、とてもブラックでビターなために思わずゾクリとしてしまうようなものなので、これはホントに良い意味で参ってしまいましたね。

 したがって、本格ミステリ部分のみを楽しみたいという方なんかは、少々物足りなく感じてしまうかもしれないし、青春部分のみを楽しみたいという方も、ちょっと話に乗っていけなかったりするかもしれません。

 ただ、どちらの要素をも楽しめるという方ならば、この両者が自分の領域を守りながらも絶妙な融合を遂げている物語を、充分に楽しむことができるのではないでしょうか。

 そんな青春物語部分に関しては、シリーズ前作からの流れを知っていないと本当の意味での面白さはわからないと思うので、いきなり本作から読むのではなく、やはり「春期~」→「夏期~」→「秋期~」と順番に読んでいくべきでしょうね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “米澤穂信” 関連記事 】

  > No.1123 「巴里マカロンの謎」
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  > No.0961 「犬はどこだ」(後日更新予定)
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  > No.0622 「リカーシブル」
  > No.0402 「折れた竜骨」

  > No.0366 「ふたりの距離の概算」
  > No.0365 「遠まわりする雛」
  > No.0315 「蝦蟇倉市事件2(街角で謎が待っている)」
  > No.0250 「秋期限定栗きんとん事件」
  > No.0227 「追想五断章」

  > No.0140 「儚い羊たちの祝宴」
  > No.0076 「インシテミル」
  > No.0044 「ボトルネック」
  > No.0040 「夏期限定トロピカルパフェ事件」
  > No.0039 「春期限定いちごタルト事件」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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