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2009年11月 2日 (月)

『太陽を曳く馬』 髙村薫 > 「このミス」完全読破 No.238

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.238

 『太陽を曳く馬』 髙村薫

   「このミス」2010年版 : 51位

   受賞(候補) : 「読売文学賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.10.14 ~ 読終:2009.10.16

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本(上・下) <2009年7月>

太陽を曳く馬〈上〉太陽を曳く馬〈上〉

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 「晴子情歌」「新リア王」に続く、“福澤彰之シリーズ”の3作目です。

 さらには、No.8「マークスの山」「照柿」「レディ・ジョーカー」に続く、“合田雄一郎シリーズ”の4作目でもあります。

 つまり、2つの人気シリーズが合わさった豪華な作品というわけなのです。

 自分は、この中では「マークスの山」しか読んでいなかったので、その他の作品を読んだ上で本作を手にしたかったのですが、読みたい「このミス」2010年版対象作品がたまりまくっていたことや、「晴子情歌」も「新リア王」も「レディ・ジョーカー」もいずれも分厚い2巻組(「照柿」は分厚い1巻組)だったこともあり、無茶は承知でいきなり本作を読んでしまいました。

 そうしたら、一応合田刑事が中心となっていることもあって、思ったよりすんなりと話に入っていけたのですが、ただやっぱり福澤彰之側のバックグラウンドが掴めなくて深くまでは入っていけなかったので、やはり「晴子情歌」「新リア王」を読んでから本作を手にした方が良さそうです。

 あと、合田刑事のことも全く知らずに読むとなると、これはもうさすがに入口で呆けてしまうのではないかと思うので、せめて「マークスの山」だけでも読んでおくべきでしょうね。

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 そして内容の方なのですが、合田刑事が関わった過去の事件、そして現在捜査中の事件を中心に話が進んでいきます。

 しかし、そういった事件の捜査場面以上に、芸術論や宗教論がこれでもかと語られるのです。

 一応密室的な謎なんかもあったりするのですが、小説を読んでいるというよりは、芸術や宗教の専門書を読んでいるような感覚に陥ってしまうほどでしたからね。

 ただ、その語られる内容というのは、とても小難しいのだけれど、まあとにかく読んでいて圧倒されるほどのスケールというかパワーがあるので、理解するのが大変なんだけれどそれが苦痛というわけではありませんでした。

 そして、ここに至るまでの福澤彰之の生き様というのが凄く気になったので、「晴子情歌」「新リア王」を読み、そして再び本作を手にしてみたいですね。


  > 個人的評価 : ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★          人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “髙村薫” 関連記事 】

  > No.613 「冷血」
  > No.238 「太陽を曳く馬」
  > No.008 「マークスの山」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「福家警部補の再訪」 大倉崇裕

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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