『Another』 綾辻行人 > 「このミス」完全読破 No.252
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.252
『Another』 綾辻行人
「このミス」2010年版 : 3位
受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)
(「山田風太郎賞」候補)
総合ランキング : 「SUGOI JAPAN Award 2015」 7位
年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 1位
「本格ミステリ・ベスト10」 3位
「週刊文春ミステリーベスト10」 4位
「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
(文庫ランキング) 14位
読始:2009.11.3 ~ 読終:2009.11.4
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2009年10月>
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「十角館の殺人」「時計館の殺人」などの“館シリーズ”で人気を博した綾辻行人ですが、ここ数年の作品はあまり評判が芳しくなく、口の悪い読者には“終わった作家”と言われたりもしていたようです。
ところが、そんなイメージを一変させるほどの高い評価を発売直後から受け、綾辻行人復活を印象せしめたのが、この大作「Another」です。
表紙の不気味さからもわかるようにホラー作品なのですが、恐怖を煽る演出が次々に巻き起こったりとか、スプラッター系の気持ち悪い表現が続出したりするようなタイプではなく、作中を漂う雰囲気がホラーといった感じなので、怖い話が苦手という方でもなんとか大丈夫なのではないでしょうかね。
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そしてホラーという一面がありつつも、やはり綾辻作品だけあって、全編に渡って本格ミステリ的な仕掛けが施されています。
この“ホラー”と“本格ミステリ”の関係というのがこれまた絶妙で、ホラー的な演出があるから本格ミステリ的な謎がより威力を発揮するし、本格ミステリ的な謎が散りばめられているからこそホラー的な部分がより不気味さを増すしで、この2つの要素が絡み合うことにより、どちらもがその秘めたる魅力を何倍にもパワーアップさせているのです。
それに、この物語の結末が、本格ミステリ的な現実的な解決へと導かれていくのか、はたまたホラーファンタジー的な世界へと突き進んでいくのか、そこが謎なところによっても、クライマックスに向けての強烈な求心力を感じましたね(この部分に関しては、No.103「堕天使拷問刑」飛鳥部勝則と似たものを感じました)。
そして、青春物語としてもなかなか楽しめましたし、700ページ近い分厚さ(ハードカバー版のことです)など気にならないどころかそれでも物足りないくらいの読みやすさ&面白さだったので、“館シリーズ”が好きだった人にも、“館シリーズ”を読んだことがない人にも、どちらにもオススメしたいと心から思うような作品でした。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 ”綾辻行人” 関連記事 】
> No.680 「Another エピソードS」
> No.630 「霧越邸殺人事件」
> No.517 「奇面館の殺人」
> No.284 「迷路館の殺人(十角館の殺人)」
> No.252 「Another」
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