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2009年10月

2009年10月31日 (土)

『最も遠い銀河』 白川道 > 「このミス」完全読破 No.235

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.235

 『最も遠い銀河』 白川道

   「このミス」2010年版 : 37位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.10.5 ~ 読終:2009.10.10

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本(上・下) <2009年7月>

最も遠い銀河〈1〉冬 (幻冬舎文庫)最も遠い銀河〈1〉冬 (幻冬舎文庫)

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 白川道の久々となる長編作品です。

 「このミス」2002年版でも15位にランクインしている代表作「天国への階段」を遥かに凌ぐ傑作という帯の文句に、まだ「天国の階段」を読んでいないとはいえその多大な評判知っていただけに、本作への期待も読む前から凄く高まってしまいました。

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 冒頭のシーンから、事件の真相を追う警察(刑事)ミステリのような展開になるのかと思いきや、どちらかといえば壮大なる人間ドラマを中心にストーリーが進んでいきます。

 主人公は、辛い過去を引きずりながらも現在では成功した生活を送っている建築家と、過去に手掛けた事件が迷宮入りのままであることに未だに囚われている元刑事の2人。

 この無関係にも思える2人の接点というのは、物語の最初の段階から読者に提示されているのですが、2人がそれぞれ辿ることになる辛く悲しい道程の果てに、ある地点で必然であるかのように重なり合うと、感動が怒涛のように訪れるのですねェ。

 そこに行き着くまでが、なかなか濃くじっくりと人間ドラマが描かれていることもあり、ページ数からしてもなかなか読み進まない感じにもなるのですが、だからこそクライマックスにおける盛り上がりに繋がるのです。

 テレビドラマ化されそうな少々ベタな演出や設定が受け入れられないと、そのボリューム感もあって読み終えるのに苦労しそうですが、元刑事のパートではハードボイルドな展開にもなるなど、一本調子で飽きさせるようなことはないと思うので、じっくりと時間をかけて読むつもりで手にしてみてはいかがでしょうか。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★★   人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “白川道”関連記事 】

  > No.352 「祈る時はいつもひとり」
  > No.235 「最も遠い銀河」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「新参者」 東野圭吾

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

『図地反転(本ボシ)』 曽根圭介 > 「このミス」完全読破 No.234

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.234

 『図地反転』 曽根圭介

   * 文庫化の際に『本ボシ』に改題

   「このミス」2010年版 : 138位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.10.3 ~ 読終:2009.10.3

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年9月>

本ボシ (講談社文庫)本ボシ (講談社文庫)
曽根 圭介

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 (単行本版の)タイトルになっている“図地反転”とは、図地反転図形のことで、これは多義図形の一種であり、さらに大きくいうと“だまし絵(トリックアート)”や“錯視”の一種です。

 この多義図形とは、Aとして見えていたものが、見方を変えることで全く別物のBとしてしか見えなくなってしまうような絵のことをいいます。

 具体例としましては、(単行本版の)表紙にも使われている「ルビンの盃」(“壺”にも“2人の人間の横顔”にも見える)を始めとして、“後ろを向いている女性”にも“顔をうずめている老婆”にも見える「妻と老婆」、“アヒル”にも“ウサギ”にも見える「あひるとうさぎ」、“化粧台の前に座る女性”にも“ドクロ”にも見える「化粧台の前の女性」などが有名ですね。

 その中でも図地反転図形というのは、形として認識される部分“図”とそのとき背景となる部分“地”が入れ替わる(反転する)ことで、全く別の絵が現れてくる、といったようなものです。

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 というわけで、この「図地反転」と名付けられた作品も、Aだと思い疑いもしていなかったものが、真相がわかると同時にBへと姿を変えてしまうような、道尾秀介作品的なものを期待して読んでみました。

 そしたら、一瞬で反転してしまうような切れ味というか鮮やかさはありませんでしたね。どうやら、読者に対して錯覚を与えるというわけではなくて、それを登場人物たちに対して行っているような感じでした。

 そういった意味ではちょっとガッカリもしたのですが、でも話自体はなかなか面白くて、特に主人公である刑事がだんだんと精神を蝕んでいく展開なんかでグイグイと惹き込まれていきましたからね。

 それで“これはクライマックスが凄いことになるぞ~!”と期待が高まっていたのですが、そんな中で突然に物語が終わってしまったのです.....。突然とは言いましたが、残りのページ数からして、嫌な予感はあったわけですが.....。

 まあ、そこまでの展開で作者の書きたかったことは全て書き終えていた、ってことなのかもしれませんが、ただ自分の中ではそれまでの展開でクライマックスに向けて勝手に盛り上がっていただけに、なんかジャンプの打ち切り漫画の“オレ達の戦いはこれからだ!”タイプの最終回を読んだような気持ちになってしまったのです.....。

 文庫化された際には、その後の話も書き下ろしてほしいものですねェ。


  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★      おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★    気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “曽根圭介” 関連記事 】

  > No.701 「殺し屋.com」
  > No.234 「図地反転(本ボシ)」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「最も遠い銀河」 白川道

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

『花と流れ星』 道尾秀介 > 「このミス」完全読破 No.233

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.233

 『花と流れ星』 道尾秀介

   「このミス」2010年版 : 59位

   受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞〈短編部門〉」
               候補作 『流れ星のつくり方』 収録)

   総合ランキング : 「2001-2010新世紀「本格短編」ミステリオールベスト」
                 4位作品 『流れ星のつくり方』 収録
              「短編ミステリ・オールタイムベスト(国内編)」
                 34位作品 『流れ星のつくり方』 収録

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 27位

   読始:2009.9.20 ~ 読終:2009.10.2

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年8月>

花と流れ星 (幻冬舎文庫)花と流れ星 (幻冬舎文庫)
道尾 秀介

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 デビュー作でもある「背の眼」、そして「骸の爪」に続く、“真備シリーズ”の3作目です。

 そして前2作がいずれも長編だったのに対し、本作は短編集となっており、道尾秀介としても初の短編集です(一応No.169「鬼の跫音」は限りなく短編集に近いですが)。

 ちなみに余談ですが、自分はこの「花と流れ星」が出るまでに刊行された道尾作品は、全10作中8作読んでいるのですが、読んでいない2冊というのが、何を隠そうこのシリーズの前2作なのですねェ。

 なので、やっぱりシリーズ第1作から順番に読んでいきたいな、とは思ったのですが、ランキング発表前に読んでおきたい「このミス」2010年版対象作品が何冊もたまっていたこともあって、いきなり本作を読んでしまったのです。

 そしたら、やっぱり第1作から読んでいた方が楽しめるだろうとは思うのですが、それでも主要人物たちのキャラがとても立っていたこともあり、すぐに作品世界に入り込むことができたので、それほど問題はなかったですね。

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 その主要人物というのが、霊現象探求所の所長とアルバイト、そしてホラー小説作家ということもあって、どことなくホラー的な雰囲気が漂っていました。

 とはいえ、やはりミステリ要素は存分に盛り込まれていまして、長編ほどのインパクトや派手さはさすがにないものの、道尾秀介らしい上手さや狙い目が光る作品揃いでしたね。

 そして、その上手さによって引き出される真相によって、切なくしんみりとした心持ちにさせられたりもするのですが、でもメインの3人のやり取りがとても楽しく微笑ましいので、そのバランスがとても心地よかったです。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★    鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★      おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “道尾秀介” 関連記事 】

  > No.0947 「いけない」
  > No.1042 「スケルトン・キー」(後日更新予定)

  > No.0983 「満月の泥枕」(後日更新予定)
  > No.0947 「サーモン・キャッチャー the Novel」
  > No.0910 「スタフ staph」(後日更新予定)
  > No.0827 「透明カメレオン」
  > No.0749 「貘の檻」

  > No.0682 「鏡の花」
  > No.0617 「笑うハーレキン」
  > No.0583 「ノエル -a story of stories-」
  > No.0546 「光」
  > No.0498 「水の柩」

  > No.0432 「カササギたちの四季」
  > No.0396 「月と蟹」
  > No.0340 「月の恋人~Moon Lovers~」
  > No.0312 「蝦蟇倉市事件 1」
  > No.0311 「光媒の花」

  > No.0294 「球体の蛇」
  > No.0233 「花と流れ星」
  > No.0186 「龍神の雨」
  > No.0169 「鬼の跫音」
  > No.0121 「ラットマン」

  > No.0117 「カラスの親指」
  > No.0097 「ソロモンの犬」
  > No.0058 「片眼の猿」
  > No.0049 「シャドウ」
  > No.0041 「向日葵の咲かない夏」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月30日 (金)

『同期』 今野敏 > 「このミス」完全読破 No.232

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.232

 『同期』 今野敏

   「このミス」2010年版 : 14位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 10位

   読始:2009.9.28 ~ 読終:2009.9.29

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年7月>

同期 (講談社文庫)同期 (講談社文庫)
今野 敏

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 現在の警察ブームのキッカケを作り、それを牽引しているのは、横山秀夫・佐々木譲・今野敏の3人でしょう。

 そんな中で、横山秀夫は2005年から新作が出ず残念ながらセミリタイア状態となっているものの、その分もというわけではありませんが、他の2人は驚くほどに精力的に新作を発表し続けているのです。

 特に今野敏は、様々なジャンルの作品を書いているとはいえ、なんとこれまで100冊を超える作品を発表していて、今年の警察小説だけでもNo.188「疑心 隠蔽捜査3」、「凍土の密約」、そして本作と、3作も出ているのですからね。

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 そして本作の主人公は、人気の“隠蔽捜査シリーズ”と同様にエリート警察官なのですが、今回は若手の刑事です。

 その“隠蔽捜査シリーズ”と比較して説明していきますと、キャラクター面では、竜崎という強力すぎる主人公の“隠蔽捜査シリーズ”に比べるとさすがに劣ってしまいますかね。

 とはいえ今回の主人公も、真実を求めて若さを武器に突っ走る姿が魅力的だし、その主人公を厳しく時に優しく見守る周りの人たちも個性豊かな面々だし、主人公の成長物語としても楽しめるので、それほど負けてはいないでしょう。

 それに、真相や真犯人、そしてタイトルにもなっている主人公の“同期”の謎を巡るミステリ要素やサスペンス要素が序盤から全開で炸裂しまくってるし、クライマックスへとたどり着くまでの展開が予想外の所まで昇り詰めてもう盛り上がりまくりなので、総合的なエンターテイメント要素としては本作の方がはるかに上回っているように感じました。

 なので、今野作品は“隠蔽捜査シリーズ”だけを読んでいるという方にも、本作を忘れずに手にとってもらいたいですね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★★☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★         人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “今野敏” 関連記事 】

  > No.1003 「棲月 隠蔽捜査7」
  > No.0914 「去就 隠蔽捜査6」
  > No.0796 「自覚 隠蔽捜査5.5」

  > No.0661 「宰領 隠蔽捜査5」
  > No.0626 「欠落」
  > No.0587 「確証」
  > No.0486 「転迷 隠蔽捜査4」
  > No.0346 「初陣 隠蔽捜査3.5」

  > No.0302 「天網 TOKAGE2 特殊遊撃捜査隊」
  > No.0232 「同期」
  > No.0188 「疑心 隠蔽捜査3」
  > No.0072 「果断 隠蔽捜査2」
  > No.0057 「隠蔽捜査」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月29日 (木)

『逃亡者』 折原一 > 「このミス」完全読破 No.231

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.231

 『逃亡者』 折原一

   「このミス」2010年版 : 138位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 30位

   読始:2009.9.24 ~ 読終:2009.9.28

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年8月>

逃亡者 (文春文庫)逃亡者 (文春文庫)
折原 一

文藝春秋 2012-02-10
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 折原一の“~者シリーズ”最新作です。

 シリーズといっても、別に設定や主人公やストーリーが共通しているわけではないので、いきなりこの作品を読んでも全く問題はありません。

 そして今回は、殺人事件を起こした女の長年に渡る逃亡劇が描かれています。

 というと、ある実在した事件を思い浮かべるわけですが、まさにその事件をモデルにして作られた作品なのですねェ。

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 というわけで、主人公の時効の壁を超えるべく日本中を逃げ回る姿を中心に話は進んでいきまして、逃亡中の心安らがぬ生活や、追手とのスリル溢れる駆け引きなど、サスペンス作品として楽しむことができます。

 ただやっぱり、実在した事件がモデルになっていることや、その作品内容の性質からして、行き着く先というのはだいたい予想がついてしまいます。

 そしてその通りに進んでいくのですが、そこは折原一作品だけあって、最後にはこの作者らしい驚くべき仕掛けが用意されているのです。

 なので、折原作品好きの方にとっては満足できるのではないかと思うのですが、ただそのクライマックスに至るまでの逃亡劇の部分が少々長すぎるように感じてしまうかもしれません。

 逆に、逃亡劇の部分を面白く読んでいた方なんかは、最後のどんでん返しにはちょっとひねくれすぎで蛇足的に感じてしまうかも。

 まあ、自分もそうなのですが、どちらの要素もひっくるめて楽しめる人も間違いなくいますからね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “折原一”関連記事 】

  > No.691 「潜伏者」
  > No.512 「帝王、死すべし」

  > No.407 「追悼者」
  > No.338 「赤い森」
  > No.325 「倒錯のロンド」
  > No.231 「逃亡者」
  > No.153 「倒錯の死角」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月28日 (水)

『廃墟に乞う』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.230

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.230

 『廃墟に乞う』 佐々木譲

   「このミス」2010年版 : 30位

   受賞(候補) : 「直木三十五賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.9.18 ~ 読終:2009.9.18

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年7月>

廃墟に乞う (文春文庫)廃墟に乞う (文春文庫)
佐々木 譲

文藝春秋 2012-01-04
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 佐々木譲は、「このミス」2010年版対象作品としては、“道警シリーズ”第3弾のNo.152「警官の紋章」に第4弾のNo.282「巡査の休日」、“駐在警官川久保篤シリーズ”第2弾のNo.175「暴雪圏」、そして本作「廃墟に乞う」と、警察物の大作ばかり4作品も発表しています。

 そんな中で本作は、唯一のノンシリーズ作品であり(のちにシリーズ化となる可能性はあるかもしれないけど)、唯一の連作短編集なのです。

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 舞台は、相変わらずというかお得意の北海道で、今回の主人公は、ある事件の影響で休職中となっている刑事です。

 なので、休職中のためにいつもなら出来ていた捜査が出来ず、休職中だからこそいつもなら出来ないような捜査が出来たりするのですが、こういった職権の制限の仕方やそれを面白くする演出力というのは、さすが佐々木譲といったところですね。

 そんな主人公の活躍が6編収録されているわけですが、この主人公が休職するまでに追い込まれた原因はいったい何なのかという謎や、休職中に関わることになるいくつかの事件によって徐々に回復していく姿というのが、全編を通して描かれているので、そんなところからも長編作品としても楽しむことができました。

 まあ、「このミス」2010年版対象の他の3作品と比べれば、やはりスケール感や盛り上がりでは劣ってしまいますが、それ故にこの作品だからこそ味わうことのできる魅力がありましたね。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気楽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “佐々木譲” 関連記事 】

  > No.840 「砂の街路図」

  > No.685 「代官山コールドケース」
  > No.615 「人質」
  > No.563 「回廊封鎖」
  > No.522 「地層捜査」
  > No.505 「密売人」

  > No.485 「警官の条件」
  > No.424 「婢伝五稜郭」
  > No.423 「五稜郭残党伝」
  > No.401 「エトロフ発緊急電」
  > No.344 「ベルリン飛行指令」

  > No.298 「北帰行」
  > No.282 「巡査の休日」
  > No.230 「廃墟に乞う」
  > No.200 「警官の血」
  > No.175 「暴雪圏」

  > No.152 「警官の紋章」
  > No.151 「警察庁から来た男」
  > No.138 「うたう警官 (笑う警官)」
  > No.048 「制服捜査」
  > No.024 「ストックホルムの密使」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月27日 (火)

『約束の地』 樋口明雄 > 「このミス」完全読破 No.229

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.229

 『約束の地』 樋口明雄

   「このミス」2010年版 : 35位

   受賞(候補) : 「日本冒険小説協会大賞」受賞
            「大藪春彦賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.9.16 ~ 読終:2009.9.17

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年11月>

約束の地 上 (光文社文庫)約束の地 上 (光文社文庫)
樋口 明雄

光文社 2011-11-10
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 野生鳥獣保護の仕事に就くため、八ヶ岳へとやってきた男が主人公の話です。

 そこでは、大自然を相手とした仕事となるわけですが、その中で、昔堅気のハンターたちとの対立や、動物愛護団体との対立、野生動物との対立などが描かれていきます。

 そしてこの対立構造というのが、上に挙げた以外にも、エリートである新任の主人公とこの地で長く働く同僚たち、野生動物と地元農家、親と娘、娘と同級生、さらには人間と大自然などなど、様々な形で表れてくるのです。

 それらの要素が複雑に絡み合ってくるので、それにより大きなスケールとなっていますし、そこには社会問題提起が強く込められているので、読んでいる時も読み終わった時も、凄く考えさせられるものがありましたね。

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 ただこの作品は、そういった堅苦しいような側面のみを持ち合わせているわけではないのです。

 まずはやはり、主人公やその同僚たち、そして彼らと関わってくる人々が、かなり個性あふれる面々となっているのです。

 そしてなんといっても、登場してくる野生動物たちというのが、単なる人間の敵というのではなく、その生き様が深く感じられるくらいに描かれているので、その圧倒的な存在感には凄いの一言しかないくらいです。

 それら魅力的なキャラクターの登場人物(動物)たちの、自らの生活や生命を懸けた姿が、大自然を舞台として描かれていくのですが、これがもうド迫力のエンターテイメントとなっているのですねェ。

 さらには、緊迫感漂うアクション要素に、スリル満点のサスペンス要素、謎めくミステリ要素など、まあ豪華すぎるほどに楽しめる要素が詰め込まれているのです。

 とはいえ、それらの要素がごちゃ混ぜになってまとまりがないわけではなく、相乗効果で一つにまとまってとてつもないものが生み出されてしまったような感覚になるくらいなので、とにかく圧倒されまくるほどに面白かったですね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★★★☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “樋口明雄” 関連記事 】

   > No.471 「ミッドナイト・ラン!」
   > No.229 「約束の地」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月26日 (月)

『脇役スタンド・バイ・ミー』 沢村凛 > 「このミス」完全読破 No.228

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.228

 『脇役スタンド・バイ・ミー』 沢村凛

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) : (「大藪春彦賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.9.15 ~ 読終:2009.9.15

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年4月>

脇役スタンド・バイ・ミー (PHP文芸文庫)脇役スタンド・バイ・ミー (PHP文芸文庫)
沢村 凛

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 タイトルからもわかるように、物語の中の“脇役”という存在にスポットライトを当てた、短編集に近い形の連作集です。

 なので、各話の主人公たちも、普通だったら脇役として存在するような、とても普通のどこにでもいるような人たちです。

 ただ、はっきりと“脇役だ”といえるようなキャラクターというわけでもなくて、主役だと思って読めば普通に主役として読めてしまうのですけどね。

 それならばと見方を変えてみれば、この主役たちに対して強く関わってくる脇役がそれぞれいるので、その脇役の存在に焦点を当てているのかもしれません。

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 とまあちょっとモヤモヤした感じになるですが、ただ読み進めていけば、自然と“脇役”というのが何を指しているのかがわかるのですけどね。なるほどそういうことだったのか、といった感じで。

 そして最後の章でクライマックスが訪れるわけですが、これがちょっとスッキリとした形での幕引きではなく、この部分がなくても作品としては一応完成したともみれることもあり、この最後の章を蛇足的に捉えてしまうかどうかが、この作品に対する直接的な評価に繋がってきそうでもあります。

 自分的には、こういった展開は嫌いじゃないしむしろ好ましかったりするのですが、でも誰もがスッキリとする形で終わっていた方が、もっと傑作になっていたのではないかな~とも思いますねェ。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  > No.228 「脇役スタンド・バイ・ミー」
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『追想五断章』 米澤穂信 > 「このミス」完全読破 No.227

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.227

 『追想五断章』 米澤穂信

   「このミス」2010年版 : 4位

   受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)
            (「本格ミステリ大賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 3位
              「本格ミステリ・ベスト10」 4位
              「週刊文春ミステリーベスト10」 5位
              「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:2009.9.13 ~ 読終:2009.9.14

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年8月>

追想五断章 (集英社文庫)追想五断章 (集英社文庫)
米澤 穂信

集英社 2012-04-20
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 青春ミステリで人気を博している米澤穂信ですが、この作品はいつもとは違って、青春後の物語が描かれています。

 とはいえ主人公は大学生と若いのですが、ただ性格的にどこか枯れているところがあるからか、全体的にも渋い印象がありました。

 それに、いつもの米澤作品なら、主人公はクールであるもののその中に若さが弾けている部分があるのですが、今回はその部分が欠けているように思うので、やはりこれまでの作品と比べても一味違った魅力がありましたね。

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 そしてこの作品に大きな役割を果たしているのが、作中作として登場する5編のリドル・ストーリーです。

 リドル・ストーリーというのは、結末をあえて書かずに読者の想像にまかせる小説のことでして、主人公がこのリドル・ストーリーを探し解釈することで、現実の世界で起きた謎も明らかになってくるという、なかなか凝った構成となっているのです。

 というわけで、とても地味な印象なのですが、それでも玄人好みの仕上がりだし、ベテラン作家のような渋みが効いているので、これまでの米澤作品のファン以外の人にこそオススメしたいような作品でしたね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★        読み終り爽快度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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2009年10月23日 (金)

『密室殺人ゲーム2.0』 歌野晶午 > 「このミス」完全読破 No.226

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.226

 『密室殺人ゲーム2.0』 歌野晶午

   「このミス」2010年版 : 18位

   受賞(候補) : 「本格ミステリ大賞」受賞

   総合ランキング : 「本格ミステリ・ベスト・オブ・ベスト10(1997-2016)」 18位

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 1位
              「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:2009.9.9 ~ 読終:2009.9.11

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : ノベルス <2009年8月>

密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)
歌野 晶午

講談社 2012-07-13
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 No.50「密室殺人ゲーム王手飛車取り」に続く、待望のシリーズ2作目です。

 その前作では衝撃的なラストだったため、あれからどのようになったのか?といったところも注目でした。

 ところが、前作のラストなどなかったかのように、何事もなく話が進んでいくのです。

 そのため、前作同様の映像チャットを使った殺人ゲームを、前作のラストは一体何だったんだ?と不安定な気持ちと共に読み進めることになるのですねェ。

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 ただ、このオープニングからずっと漂うモヤモヤした感じ、そして段々と真相が分かってくる感じがなかなか楽しいので、今作の前に前作を読んでおくのは必須でしょう。

 まあ、その真相というのは、全体の中程で判明するので、別に今作のメインというわけではないのですけど。

 ただそのために、中盤にクライマックスが来てしまって、その後はそれほど盛り下がるわけでもないけれど盛り上がるわけでもない感じなので、最後に前作ラストの真相が分かるようだった方がより楽しめたかもしれませんね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★         人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★
   衝撃バカミス度 : ★★★★    気楽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  > No.0092 「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」
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『捨て猫という名前の猫』 樋口有介 > 「このミス」完全読破 No.225

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.225

 『捨て猫という名前の猫』 樋口有介

   「このミス」2010年版 : 59位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.9.7 ~ 読終:2009.9.9

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年3月>

捨て猫という名前の猫 (創元推理文庫)捨て猫という名前の猫 (創元推理文庫)
樋口 有介

東京創元社 2012-03-10
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 これまで7作品も発表されている”柚木草平シリーズ”の最新作です。

 そして今作は、「刺青(タトゥー)白書」以来9年ぶりとなる待望の長編なのです。

 シリーズものということで、本来なら「このミス」にもランクインしている第1作の『彼女はたぶん魔法を使う』(1991年版 18位)から読みたいところですが、さすがに7冊というのは多すぎなので、いきなりこの最新作から読んでみました。

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 主人公は元刑事のフリーライターで、調査を進めていくうちに事件の渦中へと入り込んでいきます。

 そしてこの主人公というのが、とにかく女好きでして、真相を追う道のりに出会うのも美女と美少女ばかりです。

 でも、女好きというよりは女に弱いといった感じだし、軽口を叩きながらも正義感を併せ持っているので、嫌味にならないどころか逆に惹かれてしまうので、さすがはこれだけ続いているシリーズの主人公だなって納得できましたね。

 なので、この作品とたぶんこのシリーズの一番の魅力は、この主人公のキャラクターにあると思うので、いきなりこの作品を読んでも問題なく楽しめるのではないでしょうか。

 ただ、どうせこの作品を読んだら、この主人公が登場する話をもっと読みたくなるだろうから、最初から順番に読んだ方がよさそうですけどね。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★       主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  > No.788 「金魚鉢の夏」
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『スノーフレーク』 大崎梢 > 「このミス」完全読破 No.224

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.224

 『スノーフレーク』 大崎梢

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.9.5 ~ 読終:2009.9.7

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年2月>

スノーフレーク (角川文庫)スノーフレーク (角川文庫)
大崎 梢

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 「配達あかずきん」などの”成風堂書店事件メモ”シリーズで人気の大崎梢の作品です。

 そして今作は、女子高生が主人公の、青春ミステリ作品となっています。

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 その主人公は、小学生の時に亡くなった幼なじみの男の子を忘れられずにいるのですが、その男の子が今でも生きているかもしれない可能性を見つけ、真実にたどり着こうと行動を起こすのです。

 なので、素人探偵ものといった感じなのですが、普段はおとなしめの女の子が秘めた心と力強い決意を持って前へ進んでいく姿が、なんとも健気で切なく、それでいて微笑ましくもありました。

 そんな主人公を見守り支える周りの人々との関係など、とても優しさに溢れていますし、幼なじみを想う純愛が基本となっているので、青春ミステリの”青春”部分を楽しめる人にオススメですね。

 あと、表紙の絵(後日追記:単行本版の表紙のことです→)からして、主人公は自然と宮崎あおいに脳内変換されて読んでました。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★    人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★        感涙ウルウル度 : ★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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『アンダードッグ』 海野碧 > 「このミス」完全読破 No.223

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.223

 『アンダードッグ』 海野碧

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.9.2 ~ 読終:2009.9.4

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年3月>

アンダードッグ (実業之日本社文庫)アンダードッグ (実業之日本社文庫)
海野 碧

実業之日本社 2012-04-05
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 「水上のパッサカリア」で日本ミステリー文学大賞を受賞しデビューした海野碧は、その後も「迷宮のファンダンゴ」「真夜中のフーガ」と、”パッサカリア”3部作を発表してきました。

 そして本作が、”パッサカリア”シリーズ以外の最初の作品となるわけです。

 なので、”パッサカリア”シリーズの装丁というのが結構特徴的で目立っていたこともあり、本作の表紙を見ても”ホントに海野碧作品なのか?”って疑ってしまいましたね(後日追記:ハードカバー版の話です)。

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 内容の方は、元刑事が、日本とタイを舞台にして事件に巻き込まれる、サスペンス作品です。

 このタイというのが、主人公がかつて青春の一時を過ごした地で、そこで意気投合した仲間たちと17年後に再会したことをキッカケに事件が起き、過去にタイで起きていた謎も浮かび上がってくるのです。

 終始主人公が巻き込まれるような形で謎を追っていくのですが、この主人公と行動を共にする女性のキャラクターがなかなか魅力的でしたね。敵なのか味方なのか謎なところも魅力度を上げていましたし。

 そして、タイにおける展開というのが、緊迫したサスペンス要素あり、白熱したアクション要素ありで、とても迫力あり楽しめました。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★★     感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

『鷺と雪』 北村薫 > 「このミス」完全読破 No.222

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.222

 『鷺と雪』 北村薫

   「このミス」2010年版 : 11位

   受賞(候補) : 「直木三十五賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 3位
               「本格ミステリ・ベスト10」 6位
               「ミステリが読みたい!」 6位

   読始:2009.9.2 ~ 読終:2009.9.2

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年4月>

鷺と雪 (文春文庫)鷺と雪 (文春文庫)
北村 薫

文藝春秋 2011-10-07
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 この作品は、「街の灯」「玻璃の天」に続く”ベッキーさんシリーズ”の3作目にして、完結作となります。

 そしてなんといっても、これまで6度も候補止まりだった北村薫の、待望の直木賞受賞作なのですね。

 自分は、このシリーズはまだ1作も読んでいなかったので、本当なら1作目から読んでいきたかったのですが、「このミス」2010年版対象作品で読みたい本がたまってしまっていたこともあって、いきなり本作を手にすることになりました。

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 そしたら、主人公と探偵役というメインキャラクターがはっきりとしていたし、3編からなる連作集ということもあって、それほど問題なく楽しむことができました。まあ、メイン以外の登場人物の把握が結構大変でしたが。

 そしてミステリ的な部分では、北村薫得意の日常の謎系なのですが、そのためか派手さや衝撃性のあるようなタイプというわけではないですね。

 やはり直木賞を受賞したということもあり、文学的な雰囲気の中にミステリ的要素が組み込まれている、といった感じでしょうか。

 ところが、シリーズのラストも兼ねるクライマックスに至ると、とんでもなく衝撃的な出来事が待っているのですねェ。

 3部作の最後の作品だけを読んだ自分でもこれだけ衝撃を受けたのですから、伏線がいくつも張られていた前2作から読んでいたなら、その衝撃度はこんなものでは済まなかったのではないかと思います。

 なので、直木賞を受賞したからといっていきなりこの作品から読むよりも、第1作から順番に読んでいくことをオススメしますね。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気楽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “北村薫” 関連記事 】

  > No.820 「秋の花」
  > No.222 「鷺と雪」
  > No.046 「夜の蝉」
  > No.013 「空飛ぶ馬」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月22日 (木)

『目線』 天野節子 > 「このミス」完全読破 No.221

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.221

 『目線』 天野節子

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.8.27 ~ 読終:2009.9.1

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年6月>

目線 (幻冬舎文庫 あ 31-2)目線 (幻冬舎文庫 あ 31-2)
天野 節子

幻冬舎 2010-10
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 作者の天野節子は、最初は自費出版だった「氷の華」が、改めて幻冬舎から刊行されるとそれが大ヒットし、テレビドラマ化されるまでになど、まさしくシンデレラ・ストーリーのデビューとなりました。

 そしてこの作品は、待望のデビュー2作目、ということになるのですね。

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 内容の方は、「氷の華」の時は(読んでいないので詳しくは知りませんが)サスペンス作品だったようですが、今回はバリバリの本格ミステリ作品でした。

 大勢が集まった屋敷に謎の死体がでて、怪しい容疑者が何人もいて、必死の捜査をあざ笑うかのように第2の事件が起きて.....、といった感じで、これぞ本格ミステリといった要素と展開が繰り広げられていきます。

 それでなかなか楽しめたのですが、ただ、本格ミステリとしてはオーソドックスすぎというか、テンプレ通りといった感じもあったのですよね。

 最後に真相が明らかにされると同時に、その奥に秘められていたものが浮かび上がってきたり、驚くべき事実が判明しても、どうしても型通りに思えて、素直に驚けなくなってしまって.....。

 なので、本格ミステリ初心者の方には、本格ミステリの面白さを十二分に実感できる教科書的な感じで楽しむことができると思いますが、本格ミステリ作品を何作も読んでいるような方は、少々物足りなく感じてしまうかもしれませんね。


  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★      おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★       主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

『螻蛄』 黒川博行 > 「このミス」完全読破 No.220

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.220

 『螻蛄』 黒川博行

   「このミス」2010年版 : 25位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.8.24 ~ 読終:2009.8.26

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年7月>

螻蛄 (角川文庫)螻蛄 (角川文庫)
黒川 博行

KADOKAWA/角川書店 2015-10-24
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 「疫病神」「国境」「暗礁」に続く、”疫病神シリーズ”の4作目となります。

 自分はこのシリーズは1作も読んでいなくて、最初の「疫病神」が「このミス」のランクインしている(1998年版 13位)こともあって、ホントは順番に読んでいきたかったのですけどね。

 ただ「このミス」2010年版対象作品で読みたい本がたまっていたこともあって、いきなりこの最新作から読んでみました。

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 このシリーズは、建設コンサルタントとヤクザのコンビが主人公なのですが、なんといってもこの2人のやり取りが一番の魅力ですね。

 お互いに文句を言いつつも何だかんだで行動を共にするこの2人の関係というのが、黒川博行得意の関西弁による小気味良い会話も相まって、もう作品世界に引き込まれること間違いなしの面白さなのです。

 そしてこの作品は、この2人が巻き込まれたり巻き込んだりが繰り返されるコン・ゲーム的な内容なのですが、一応この話的には独立しているようなので、他のシリーズ作品を読んでいなくても充分に楽しむことができるのではないでしょうか。まあ、この2人の関係を把握するのに少し時間がかかってしまいましたが。

 自分は黒川博行作品はこれまでNo.133「悪果」No.164「煙霞」の2作品を読んでいるのですが、それぞれが持つ特徴である濃さ(「悪果」)と軽さ(「煙霞」)のちょうど中間、というか、どちらの要素をも兼ね備えたような作品でしたね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★★    主キャラ魅力度 : ★★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★    気楽に読める度 : ★★★★

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  【 “黒川博行” 関連記事 】

  > No.1120 「桃源」

  > No.1005 「後妻業」
  > No.0966 「果鋭」(後日更新予定)
  > No.0943 「喧嘩」
  > No.0834 「勁草」
  > No.0745 「破門」

  > No.0645 「落英」
  > No.0620 「繚乱」
  > No.0220 「螻蛄」
  > No.0164 「煙霞」
  > No.0133 「悪果」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「目線」 天野節子

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

『太陽の坐る場所』 辻村深月 > 「このミス」完全読破 No.219

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.219

 『太陽の坐る場所』 辻村深月

   「このミス」2010年版 : 39位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.8.20 ~ 読終:2009.8.21

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年12月>

太陽の坐る場所 (文春文庫)太陽の坐る場所 (文春文庫)
辻村 深月

文藝春秋 2011-06-10
売り上げランキング : 4253

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 「このミス」2010年版対象作品の中で、クラス会(同窓会)がキッカケとなる作品をいくつか読みましたが、この作品もクラス会の場面から始まる青春ミステリ、というか、青春時代を振り返るミステリ、といったことろでしょうか。

 クラス会をキッカケにした現在の話が進んでいくことで、高校生時代に起きた謎めく出来事が次第に明らかにされていく、といった形式をとっています。

 そして、章ごとに視点が変わっていくので、連作短編のような楽しみ方もできます。

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 まあとにかく高校時代の話、特に登場人物たちの人間関係の設定が魅力的ですね。

 少々漫画的な演出なのですが、そのために強く印象に残りますし、それがその後の展開やクライマックスにも効果的に繋がっていたと思います。

 それに、その高校生活が徐々に明らかにされていくことで、今度は現在の登場人物たちの心理面やその変化についても掴めてくるので、最初は朧気だった話がだんだんと浮かび上がっていく、という面白さを現在と過去(高校時代)の2つも味わえるわけです。

 それだけでもかなり楽しめたのですが、さらにラストに驚きの真相が用意されていたりもしたので、ホントに大満足な作品でした。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★         主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★     感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “辻村深月” 関連記事 】

  > No.674 「島はぼくらと」

  > No.603 「水底フェスタ」
  > No.572 「鍵のない夢を見る」
  > No.472 「オーダーメイド殺人クラブ」
  > No.256 「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」
  > No.219 「太陽の坐る場所」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「螻蛄」 黒川博行

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2009年10月21日 (水)

『絶望ノート』 歌野晶午 > 「このミス」完全読破 No.218

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.218

 『絶望ノート』 歌野晶午

   「このミス」2010年版 : 43位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.8.14 ~ 読終:2009.8.19

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年5月>

絶望ノート (幻冬舎文庫)絶望ノート (幻冬舎文庫)
歌野 晶午

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 なんとも物悲しくなるようなタイトルですが、内容の方もそのままで、全編に渡っていじめに関する話が続いています。

 その多くが、主人公であるいじめられっ子の少年が綴る日記という形で進んでいきまして、読者はそれを盗み読むような感じで読み進めていくことになります。

 ただ、主人公は日記の中では暗くじめじめとした性格が溢れでているけれど、いじめられているとはいえ表面的には滑稽さを演じていたりもするので、もちろんいじめなんでイヤ~な話なんだけど、途中で読むのをやめたくなるほどに陰惨だったり残酷な内容でもなかったですかね。

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 そして、ある漫画が思い浮かぶようなタイトルからして、その後に待ち受ける展開というのは、ある程度想像できてしまいます。

 ただ、それを逆手にとっての罠が仕掛けられていたりと、マトモには終わらせないところなんかは、やっぱり歌野晶午作品だなって感じです。

 というわけで、この作品も歌野晶午らしさが存分に発揮されているのですが、No.02「葉桜の季節に君を想うということ」のような衝撃度やインパクトがあるタイプというわけではないので、あまり勘ぐったり期待しすぎたりせずに、歌野作品だということを忘れて読んでいった方がよいかもしれませんね。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気楽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “歌野晶午”関連記事 】

  > No.1112 「間宵の母」

  > No.0786 「ずっとあなたが好きでした」
  > No.0636 「コモリと子守り」
  > No.0614 「舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵」
  > No.0491 「春から夏、やがて冬」
  > No.0481 「密室殺人ゲーム・マニアックス」

  > No.0226 「密室殺人ゲーム2.0」
  > No.0218 「絶望ノート」
  > No.0092 「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」
  > No.0050 「密室殺人ゲーム王手飛車取り」
  > No.0002 「葉桜の季節に君を想うということ」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「太陽の坐る場所」 辻村深月

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『僕と『彼女』の首なし死体』 白石かおる > 「このミス」完全読破 No.217

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.217

 『僕と『彼女』の首なし死体』 白石かおる

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) : 「横溝正史ミステリ大賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.8.12 ~ 読終:2009.8.13

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年5月>

僕と『彼女』の首なし死体 (角川文庫)僕と『彼女』の首なし死体 (角川文庫)
白石 かおる 夢花 李

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 横溝正史ミステリ大賞の優秀賞を受賞した作品です(ちなみにこの年の大賞を受賞したのは、大門剛明の「雪冤」)。

 タイトルからわかるように、少々猟奇的な内容でもありまして、特にプロローグにおけるインパクトはなかなかのものがありました。

 そしてこの作品は犯人の目線で話が進んでいくのですが、その犯人のキャラクターというのが、現代的な軽さを持っているというか、ひょうひょうとした感じがあるので、猟奇的といってもそれを全面に出しているわけではありません。

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 そしてその後も犯人目線での話が続くわけですが、犯行を重ねたり欺こうとする犯人と、それを追いつめようとする警察、といった展開になるのかと思いきや、話の流れは思ってもいない方向に進んでいきまして、”あのインパクとあるオープニングは別の本の話だったっけ?”と思ってしまうほどの変わりようでした。

 さらには主人公である犯人の役割も微妙に変わっていくなど、とにかく先の読めない意外性が魅力の作品でした。

 それでももちろん最後にはきっちりとまとまるのですが、こういったつかみ所のない展開や、主人公のクールな性格などから、好き嫌いが分かれそうな感じもしますかね。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★     鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★      おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★    気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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『赤い月、廃駅の上に』 有栖川有栖 > 「このミス」完全読破 No.216

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.216

 『赤い月、廃駅の上に』 有栖川有栖

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング : 「怪談短篇オールタイムベスト(国内編)」
                34位作品 『赤い月、廃駅の上に』 収録
              「怪談短篇オールタイムベスト(国内編)」
                71位作品 『密林の奥へ』 収録
              「怪談短篇オールタイムベスト(国内編)」
                71位作品 『テツの百物語』 収録

   年度ランキング :

   読始:2009.8.10 ~ 読終:2009.8.11

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年2月>

赤い月、廃駅の上に (角川文庫)赤い月、廃駅の上に (角川文庫)
有栖川 有栖

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 本格ミステリ作品で人気を博している有栖川有栖ですが、この作品は本格ミステリではなく、ホラー作品の短編集となっています。

 ホラーといいましても、虐殺・拷問系、または幽霊や妖怪なんかが暴れまくるような類のものではなくて、幻想的な雰囲気漂う怪談集的な内容です。

 したがって、インパクトある恐怖や嫌悪感というよりは、不思議な感じというか、ちょっとした場面にぞくっとするようなタイプなので、ホラーが苦手な方でも大丈夫なのではないでしょうかね。

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 そしてこの作品にはもう一つのテーマがありまして、それが”鉄道”です。

 鉄道といっても、その関わり方はヴァリエーションに富んでいるので、収録されている10編全てが鉄道絡みの話とはいえ、飽きることなく楽しむことができると思います。

 それに、意外な形で鉄道に関わることで驚かされたりもするので、本格ミステリではないものの、従来の有栖川有栖らしさも感じられましたね。


  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆

   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気楽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “有栖川有栖” 関連記事 】

  > No.959 「狩人の悪夢」
  > No.853 「鍵の掛かった男」

  > No.727 「江神二郎の洞察」
  > No.677 「論理爆弾」
  > No.503 「真夜中の探偵」
  > No.422 「長い廊下がある家」
  > No.355 「闇の喇叭」

  > No.216 「赤い月、廃駅の上に」
  > No.093 「女王国の城」
  > No.081 「双頭の悪魔」
  > No.067 「孤島パズル」
  > No.061 「月光ゲーム」


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2009年10月20日 (火)

『最上階ペンタグラム』 南園律 > 「このミス」完全読破 No.215

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.215

 『最上階ペンタグラム』 南園律

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) : (「ミステリーズ!新人賞」
              最終候補作 『最上階ペンタグラム』 収録)

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.8.7 ~ 読終:2009.8.11

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年2月>

最上階ペンタグラム (ミステリ・フロンティア)最上階ペンタグラム (ミステリ・フロンティア)

東京創元社 2009-02
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 この作品は、”ミステリーズ!新人賞”で最終候補に選ばれた短編「最上階ペンタグラム」を改稿し、他の3編を付け加えた、連作短編集です。

 主人公は、企業犯罪の潜入捜査を行う女性なのですが、潜入先で職務外の殺人事件に巻き込まれていしまいます。

 それをこの主人公が解決していく、とはなりませんで、いつも偶然に居合わせることになるある人物が鮮やかに解決していくのです。

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 とにかくこの主人公とそれを取り巻く人々とのやり取りというのが、とてもコミカルに描かれているので、楽しく読むことができましたね。

 それに、潜入先が毎回変わることでヴァリエーションも増すことができるし、この登場人物たちのコミカルなやり取りをまた楽しみたいので、ぜひとも続編の登場を期待したいものです。

 ただ、登場人物たちのやり取りがコミカルなのに対し、捜査・推理・真相披露するミステリ場面では遊びがなくカッチリとしすぎで、それぞれがはっきりと分断されてしまっているようにも感じたので、もうちょっと両者が上手い具合に融合していればな~とも思いましたね。
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  > 個人的評価 : ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★    鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

『イン・パラダイス(劇薬)』 渡辺容子 > 「このミス」完全読破 No.214

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.214

 『イン・パラダイス』 渡辺容子

   * 文庫化の際に『劇薬』に改題

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.8.6 ~ 読終:2009.8.7

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年11月>

劇薬 (双葉文庫)劇薬 (双葉文庫)
渡辺 容子

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 この作品を称するならば、”パチンコ・ミステリ”といったところでしょうか。

 とはいっても、パチンコ業界を舞台にしていたりとか、パチンコの蘊蓄がこれでもかと繰り広げられるわけではないのですが。

 パチンコ店に毎日のように集う常連さん達を中心に話が進んでいくというだけなので、パチンコに興味のない人でも何の問題なく楽しめる、ライトな”パチンコ・ミステリ”って感じですかね。

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 それに、主人公はまだ若い女性なので、パチンコが持つ悪い部分のイメージはそれほど感じずに、軽い気持ちで楽しむことが出来ると思います。

 その主人公は、もちろんパチンコ店の常連なのですが、ある顔なじみ(パチンコ店の常連)が謎の失踪を遂げたのに端を発して、素人探偵となって真相を突き止めていく、といった話です。

 その課程で、主人公の秘密の過去が絡んできたり、悩める恋模様が演じられたりと、予想外に物語の奥行きが深くて、少々驚きつつ楽しめました。

 そして、女性が主人公の素人探偵ものだと、どうしても主人公の行く方向に都合の良い偶然が次々と訪れて奇跡的に真相に到着、といった感じの作品が多いように感じていたのですが、この作品は個人的にはそれを感じることはありませんでしたね。
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  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「最上階ペンタグラム」 南園律

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

『薄暮(沈黙の画布)』 篠田節子 > 「このミス」完全読破 No.213

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.213

 『薄暮』 篠田節子

   * 文庫化の際に『沈黙の画布』に改題

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.8.4 ~ 読終:2009.8.6

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年7月>

沈黙の画布 (新潮文庫)沈黙の画布 (新潮文庫)
篠田 節子

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 「このミス」2010年版対象作品としては、No.159「仮想儀礼」というランクイン確実な作品をすでに発表している篠田節子の作品です(ちなみにこの記事はランキング発表前に書いています)。

 その「仮想儀礼」は、金儲けのために宗教団体を新たに興すという設定や、その後の波瀾万丈な展開など、大変エンターテイメント性に溢れる作品でした。

 それに比べるとこの作品は、設定にしろ展開にしろ、幾分地味な印象がありますかね。

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 結構歳のいった雑誌編集者が主人公で、世間的には全くの無名の今は亡き画家と様々な形で関わっていきます。

 その関わっていく様やその後の盛り上がりなどなかなか面白いのですが、それはどちらかといえば文学小説に近いような感じでしょうか。

 ところが終盤に差し掛かると、まさに狂気の渦に飲み込まれるような、怒濤の展開となるのですねェ。

 それは「仮想儀礼」の終盤に匹敵するくらいの迫力があるので、それまでの印象は正反対に近いくらいの差があるものの、終盤を経た読後のイメージとしては、不思議なほどに共通した魅力が感じられました。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “篠田節子” 関連記事 】

  > No.896 「竜と流木」

  > No.836 「インドクリスタル」
  > No.693 「ブラックボックス」
  > No.409 「廃院のミカエル」
  > No.213 「薄暮(沈黙の画布)」
  > No.159 「仮想儀礼」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「イン・パラダイス」 渡辺容子

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月19日 (月)

『東京スタンピード』 森達也 > 「このミス」完全読破 No.212

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.212

 『東京スタンピード』 森達也

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.8.5 ~ 読終:2009.8.6

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年12月>

東京スタンピード東京スタンピード

毎日新聞社 2008-12-13
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 森達也といえば、やはりノンフィクション作家としてのイメージが強いですかね。

 元々はテレビ製作会社に勤めていて、ノンフィクション番組のディレクターとして活躍していました。

 ところが、オウム真理教信者の日常の密着取材がテレビ的にふさわしくないと判断されたことで、それを自主制作映画『A』として発表。

 その後は、その続編の『A2』を発表するなど、テレビから離れた活動を行っていくのですが、最近では映像作品よりも、ノンフィクション作家としての活動が大変目立っていますね。

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 そんな森達也の初のフィクション小説となるのが、本作なのです。

 内容は、パニック・サスペンスといったところでしょうか。

 やはりこれまでに発表してきたノンフィクション作品を下地としているようで、森達也ならではといった作品に仕上がっているのではないでしょうか。

 それに、ある実在する有名人が意外な形で登場したり、意外な役割を担ったりと、少々ぶっ飛んだ演出も加えられたりして、フィクションだからこその面白さも楽しむことができました。

 ただ、書き慣れたノンフィクション作品と比べると、どうしても初々しさというか、慣れてなさが感じられたりもしたので、これで終わらずにぜひともフィクション小説の方も2作3作と書いていってほしいですね。
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  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★         鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

『贖罪』 湊かなえ > 「このミス」完全読破 No.211

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.211

 『贖 罪』 湊かなえ

   「このミス」2010年版 : 45位

   受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
                 (文庫ランキング) 17位

   読始:2009.8.1 ~ 読終:2009.8.2

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年6月>

贖罪 (双葉文庫)贖罪 (双葉文庫)
湊 かなえ

双葉社 2012-06-06
売り上げランキング : 2871

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 昨年発表されたデビュー作No.127「告白」が本屋大賞を受賞した直後という絶好のタイミングで発売されたのが、このデビュー3作目となる「贖罪」です。

 その内容も、登場人物の一人語り形式だったり、語る人物が各章で違うことで連作短編集的な作りとなっているなど、前作のNo.165「少女」と比べても、「告白」に近い作風に仕上がっていましたね。

 そして中身の方も、人間の狂気を爽快に描く技が冴えまくっていて、嫌な話なんだけどすっきりするという魅力は相変わらずです。

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 なので、「告白」がとても面白かった、というような方なんかは、この「贖罪」も気に入るのではないでしょうかね。

 ただ、やはりこれがデビューから3作目ということもあって、デビュー作の「告白」と比べるとどうしてもインパクト面では劣ってしまうので、そこで物足りなく感じてしまう可能性も。

 とはいえ、「告白」が、小説推理新人賞を受賞した短編を第一章に据えて、その後に続編を書き加えて長編としたものであるのに対し、この「贖罪」は元々長編として書かれたものということもあって、「贖罪」の方が、全体的な完成度は高く、物語全体を通しての伏線やその絡み具合なども堪能できるのではないでしょうか。

 なので、これはもう好みの問題になってくるわけですが、「告白」がとても面白かった方も、イマイチに感じた方も、そしてもちろん「告白」をまだ読んでいない方も、この「贖罪」を読んでみる価値は大いにあると思います。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “湊かなえ” 関連記事 】

  > No.833 「リバース」
  > No.637 「望郷」
  > No.438 「花の鎖」

  > No.345 「夜行観覧車」
  > No.306 「Nのために」
  > No.211 「贖罪」
  > No.165 「少女」
  > No.127 「告白」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月18日 (日)

『1Q84 BOOK 1・2』 村上春樹 > 「このミス」完全読破 No.210

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.210

 『1Q84 BOOK 1・2』 村上春樹

   * 文庫化の際に『1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編』 『~後編』
     『1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉前編』 『~後編』に分冊

   「このミス」2010年版 : 75位

   受賞(候補) : 「毎日出版文化賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
                 (文庫ランキング) 1位
               「大学読書人大賞」 3位
               「本屋大賞」 10位
               「ベストSF2009」 11位
               「キノベス」 22位

   読始:2009.7.23 ~ 読終:2009.8.1

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本(1・2) <2009年5月>

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)
村上 春樹

新潮社 2012-03-28
売り上げランキング : 76

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 「趣味 : 読書」(2006年2月23日の記事)を読んでもらえればわかるように、“「このミス」完全読破”を始めるまでは、小説など年に1冊読むかどうかという生活でした。

 その“年に1冊読むか読まないか”の対象であったのが、何を隠そう村上春樹だったのです。

 "「このミス」完全読破”を始めて2年以上が経った今現在では、小説を手に取らない日などほとんどないというくらいに状況が変わったわけですが、そんな中でこの村上春樹の新作を読んで自分がどのように感じるのか、といったところもこの作品を読む上での楽しみの一つでもありました。

 そしてこの作品は、とにかく売れに売れまくって、社会現象になるほどの大騒ぎとなりました。

 その大きな要因として、発売までに大まかな内容さえもいっさい表に出さないという、情報飢餓を与える戦略の成功が挙げられると思うのですが、この記事でもそれに即して、まあ元々内容やストーリーに関してはなるべく曖昧に書くようにしているのですが、今回は今まで以上に曖昧にしてみましょう。

 それではどんなことを書いていくのかといいますと、これを書いている時点ではまだ「このミス」2010年版のランキングが発表されていないということもあり、果たしてこの「1Q84」は「このミス」の対象となり得るのか否か、といったことに絞って書いてみたいと思います。

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 村上春樹といえば純文学作家という印象があるものの、対象が広義のミステリーである「このミス」目線で過去の作品を見てみると、直球ど真ん中というわけではないものの、対象の範囲にはなんとか入っている内容だったように思います。特に「このミス」創刊前に発表された初期の作品なんかは。

 ただ、知名度がすでにかなりのものがあったので、直球的内容ではなかったこともあり、わざわざ票を入れる所までいかなかったのも納得できます。

 そして今回の作品なのですが、これまで以上に、「このミス」的に直球に近づいていたのには驚きました。

 読んでいると、それまでに読んでいた他の「このミス」対象作品と比べても違和感とか突出した感じはなかったし、”あっそういえばこれって村上春樹作品だったんだっけ”ってふと気付いたりしたほどでしたから。

 でもその中にも村上春樹らしさというのは存分に出ていたので、小説といえば村上春樹だった時代の自分と、”「このミス」完全読破”を始めて以降の自分、どちらの時代の自分にとっても楽しむことのできる作品でしたね。

 なので、以前に比べて、すでにヒットしている作品や流行作家の作品でも素直に票が入る傾向にあるように思える最近の「このミス」では、対象となるどころか、ランクインする可能性も大いにあり、さらには上位に入ってくる可能性もあるのではないか、と思っています。

 しかし、発売から数ヶ月が経った頃に、続編である「1Q84 BOOK 3」が来年にも発売されることが発表されました。

 いわゆる「ねじまき鳥クロニクル」の時と同じ方式ということで、まあこれは予想できたことなのですが、となると現時点では一応未完の状態ということなので、そのことを考慮すると、「このミス」ランクインの可能性は少し下がってしまうかな~と思うのですけどね。果たしてどうなるでしょうか(後日追記:結果はランク外でした。でも1票だけとはいえ入っていました)。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★★    人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★★   感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “村上春樹”関連記事 】

  > No.331 「1Q84 BOOK 3」
  > No.210 「1Q84 BOOK 1・2」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「贖 罪」 湊かなえ

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月14日 (水)

<JC1巻買い> 「AKABOSHI -異聞水滸伝-」 天野洋一

AKABOSHI-異聞水滸伝 1 (ジャンプコミックス)AKABOSHI-異聞水滸伝 1 (ジャンプコミックス)

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 2009年10月に発売されたJC(ジャンプコミックス)1巻の2冊目は、「AKABOSHI -異聞水滸伝-」です。

 「OVER TIME」以来2度目の連載作品ですが、同時期連載開始&1巻同時発売の「めだかボックス」と同様に、この1巻が発売されるまでに打ち切りとはならなかったものの、本誌の掲載順は後方が多くなっているので、かなり苦戦している状態のようです.....。

 中国の古典である「水滸伝」がベースになっているとこともあり、とにかくたくさんのキャラクターが出てきますし、絵もかなりのレベルにあるので、魅力は充分にあると思うのですけどね。

 ただ、原作では最低でも108もの英雄たちが存在することもあり、序盤から次から次へと新たなキャラクターが登場してくるので、毎週じっくり読んでいる人でないと誰が誰だかわからなそうだし、主人公が誰なのかすらわからなそうかも。

 それに、各キャラクターを掘り下げるような過去や現在のエピソードが、今のところ林冲くらいしかなくて、主人公の戴宗ですら未だに謎な感じなので、もうちょっと“このキャラクターはこんなヤツ!”と刷り込まれるようなインパクトあるエピソードがそれぞれにあればな~って思いますね。これから出てくるのかもしれませんが。

 あと絵に関しては、この1巻の表紙などを見てわかるように、1枚絵はホントにかなりの上手さで、構図や演出なんかもとても凝っていて素晴らしいです。

 しかし、これが動きのある絵となると、その描き込み量もあってゴチャゴチャして見えて、少々わかりにくくなってしまいます。

 それでも元々の絵の上手さがあるので、別に酷い絵になっているというわけではないのですが、ただ絵が見にくいというだけで読まずに飛ばしてしまう人も多くいるわけで、その点でマイナスになってしまっているのではないかと思うのです。

 このように、プラス面とマイナス面が紙一重な状態にある感じなので、今後の展開でプラスな面を多く表にしていくことができれば、人気の方も浮上していくのではないかと期待しています。

 そして、ゲーム「幻想水滸伝」の「AKABOSHI」バージョンが発売されるようになったら最高なのですけどね。

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 単行本ならではの特典ですが、まず帯の表は、表紙と繋がった絵の上に、華麗なる中華歴史絵巻、幕開け!!と書かれています。

 裏帯の方は、第1話の見開きにも使われた多くのキャラクターが重なるように描かれている絵をバックに、この単行本の描きおろし特典内容が書かれています。

 カバーを外した部分は、これまた第1話の見開きにも使われた多くのキャラクターが重なるように描かれている絵が、裏表を使って描かれています。

 中身の方ですが、ページの合間には、ストーリーの流れに沿った1コマ漫画が1ページ(第1話の後)、それに戴宗・翠蓮・時遷・林冲・王進のプロフィールが各1ページ。プロフィール内容は、名前、字名(戴宗・時遷・林冲のみ)、誕生日、血液型、身長、体重、武器(戴宗・林冲のみ)、声(時遷のみ)、好きなモノ、嫌いなモノ。

 巻末では、まずはATOGAKI -駄文水滸伝-という名のあとがき。ここでは、第一話を描くにあたり人手が足りなく、「どがしかでん!」の濱田浩輔に手伝ってもらったエピソードが書かれているのですが、そんなこともあってこの第一話では、「どがしかでん!」のキャラクターが5人ほど紛れ込んでいるそうです。

 その横のページでは、「水滸伝」についての説明が簡単に書かれています。

 そしておまけはまだまだありまして、「すっぱいオマケマンガ UMEBOSHI -ウメボシ-」というコーナーで、描きおろしの4コマ漫画が計3作収録。

 さらには、主要キャラの2頭身の絵と共にファンレターの宛先が。その横には、「AKABOSHI STAFF」と題してスタッフ一覧が。ちなみにスタッフは、イチノセ コウタ・桂木智大・武藤建太・渡邉キャッスル(渡邉城大)・渡部K(渡部慧)。

 そして最後には次巻の予告が2ページに渡って。ちなみに、第2巻は12月に発売予定とのことです。

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 【「天野洋一」関連記事】

  > 「ANIMORED!!」 天野洋一 > ジャンプX(クロス) (16.12.19)

  > 「ステルス交境曲」 成田良悟 天野洋一 > 週刊少年ジャンプ新連載! (14.2.3)
  > 「ステルス交境曲」(ジャンプVS -バーサス-) (13.3.22)

  > 「アナノムジナ」 天野洋一 > 週刊少年ジャンプ読切! (13.8.9)

  > 「アルベリーとアワレな悪魔憑き」 天野洋一 > 週刊少年ジャンプ読切! (13.1.18)

  > 「あそびもの」(ジャンプNEXT! 2010SPRING) (10.5.1)

  > 「AKABOSHI -異聞水滸伝-」 天野洋一 <JC1巻買い>  (09.10.14)
  > 「AKABOSHI -異聞水滸伝-」 天野洋一 > 週刊少年ジャンプ新連載! (09.5.18)


 >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2009年10月 9日 (金)

「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(2009年10月)

 * 「このミステリーがすごい!2010年版」の予想に関しては、「このミス2010年版」ランキング(順位)予想をご覧ください。


 「2009年版」に引き続いて、「このミステリーがすごい!2010年版」でも“ランキング発表前に対象作品を読んでしまおう!”というのをやってみようと思います。

 それで、日頃から“どんな作品がランクインしそうかな?”って色々とチェックしているので、どうせならそれを発売された月別にまとめてしまおう!ということで始めたのがこの「月別ランクイン候補作品」です。

 ここでは、とりあえず「このミス」の対象になりそうな作品をピックアップして、“作者の過去実績”や“なんとなくの前評判”を元に、推測されるランクインの可能性ごとに3段階に分けて並べています。

 なお、これを書いている時点では作品をまだ読んでいない状況になると思うので、この3段階の分類は、作品を読んだ上で決めたものではありませんので、その点ご了承ください。 

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 >> 2009年10月発売の最有力候補っぽい作品 <<


 【 製鉄天使 / 桜庭一樹 】

製鉄天使製鉄天使

東京創元社 2009-10-29
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  > レディース<製鉄天使>を結成し、
  > 中国地方にその名を轟かせた伝説の女、
  > 赤緑豆小豆の唖然呆然の一代記。
  > 里程標的傑作『赤朽葉家の伝説』のスピンアウト長編、
  > 全貌を現す!


 「2008年版」2位にランクインしたNo.73「赤朽葉家の伝説」、この作品は女性の三代記が描かれていたのですが、その中でも一番人気が高かった(であろう)二代目を主役に据えた、待望の作品です。

 この「赤朽葉家の伝説」は、全体的に見るとミステリ要素があったものの、二代目のパートのみだと直接的なミステリ要素はほとんどなかったので、果たして今回ミステリ要素が盛り込まれているのでしょうかね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
               >> No.265 『製鉄天使』 桜庭一樹


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「 少女には向かない職業 」  2006年版 20位
   > 「赤朽葉家の伝説」  2008年版 2位

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 【 巡査の休日 / 佐々木譲 】

巡査の休日巡査の休日

角川春樹事務所 2009-10
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  > 強姦殺人犯のストーカー鎌田は村瀬香里のアパートに侵入。
  > 警護に当たっていた小島百合巡査が逮捕。
  > だが、鎌田は脱走し行方不明に。
  > 1年後、脅迫メールが香里に届き、
  > 再び百合は警護を命じられる…。
  > シリーズ第4弾。


 これで佐々木譲の「2010年版」対象作品は、No.152「警官の紋章」No.175「暴雪圏」No.230「廃墟に乞う」に次いで4作目となります。

 そしてこの作品は、No.138「うたう警官 (笑う警官)」No.151「警察庁から来た男」No.152「警官の紋章」に続く、人気の「道警シリーズ」の4作目です。

 というわけで、有力候補であることはもちろんですが、「2010年版」対象の他の3作品との比較、そして同シリーズの他の3作品との比較による評価が、ランクインするかどうかに影響するのでは。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
              >> No.282 『巡査の休日』 佐々木譲


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「ベルリン飛行指令」  1988年 4位
   > 「エトロフ発緊急電」  1989年 4位、10年ベスト 11位、20年ベスト 13位
   > 「五稜郭残党伝」  1992年版 15位
   > 「ストックホルムの密使」  1995年版 2位
   > 「昭南島に蘭ありや」  1996年版 20位
   > 「うたう警官 (笑う警官)」  2006年版 10位
   > 「制服捜査」  2007年版 2位
   > 「警官の血」  2008年版 1位、20年ベスト 30位

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 【 初恋ソムリエ / 初野晴 】

初恋ソムリエ初恋ソムリエ

角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-10-02
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  > 廃部寸前の弱小吹奏楽部に所属するチカとハルタ。
  > 吹奏楽部の甲子園「普門館」を目指して
  > 日々練習を重ねる2人に、難事件が…。
  > 話題作「退出ゲーム」待望の続編にして青春ミステリの決定版。


 「退出ゲーム」に続く、シリーズ2作目です。

 その「退出ゲーム」が、締め切りギリギリの10月30日発売というハンデにも関わらず、昨年(2009年版)の20位にランクインしているので、同様のレベルを保っているのならば、2度目のランクインの可能性も高いのでは。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
            >> No.236 『初恋ソムリエ』 初野晴


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「退出ゲーム」  2009年版 20位

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 >> 2009年10月発売の有力候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   うまや怪談 / 愛川晶 (1作)  <感想記事はこちら>
   後悔と真実の色 / 貫井徳郎 (2作)
   Another / 綾辻行人 (4作)  <感想記事はこちら>

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 >> 2009年10月発売の候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   沈黙の森 / 馳星周 (4作)
   WILL / 本多孝好 (1作)
   ダイナー / 平山夢明 (1作)
   犬なら普通のこと / 矢作俊彦・司城志朗
   無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~ / 望月守宮  <感想記事はこちら>
   午前零時のサンドリヨン / 相沢沙呼
   化 身 / 宮ノ川顕
   太古の血脈 / 藤木稟
   殺してもいい命---刑事 雪平夏見 / 秦建日子
   夜の終焉 / 堂場瞬一
   完 黙 / 永瀬隼介
   鉄の骨 / 池井戸潤
   凍 原 / 桜木紫乃
   蛍 坂 / 吉村達也
   マローディープ 愚者たちの楽園 / 森福都
   ロード&ゴー / 日明恩
   歌舞伎町ペットショップボーイズ / ハセベバクシンオー
   マノロブラニクには早すぎる / 永井するみ
   プシスファイラ / 天野邊
   不確定性の彼女 / 佐原一可

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  「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(2009年9月) <<<

  >>> 「このミス2011年版」月別ランクイン候補作品(2009年11月)


 「月別ランクイン候補作品」の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月 8日 (木)

『訪問者』 恩田陸 > 「このミス」完全読破 No.209

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.209

 『訪問者』 恩田陸

   「このミス」2010年版 : 93位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.7.31 ~ 読終:2009.7.31

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年5月>

訪問者 (祥伝社文庫)訪問者 (祥伝社文庫)
恩田 陸

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 恩田陸の2009年最初の新作は、ミステリー色の全くない普通の小説のNo.161「ブラザー・サン シスター・ムーン」でした。

 その反動からか、2作目の本作は、ミステリー色の大変強い作品となってしました。

 しかも、陸の孤島化となった館で殺人事件が起きて.....、といった、直球すぎるほどの本格ミステリなので、少々驚いてしまいましたね。

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 出てくる登場人物がみな怪しかったり、そこで謎めいた事件が起きたり、容疑者候補が次々と変わっていったりと、ホントにこれでもかというくらいに直球の本格ミステリ的展開が繰り広げられていきます。

 それでも、簡単に予想出来てしまうような、典型的で枠にハマった内容ではなく、読み手を惑わすような捻りが加えられているので、シンプルな作りながらもかなり楽しめました。

 ただ、やはり恩田陸作品ということもあって、この作者の一番の魅力である、良くも悪くもぶっ飛んだ展開だったり真相だったりを期待してしまうのですよね。

 でも、普通に良質の本格ミステリのまま終わってしまったので、ちょっと拍子抜けしてしまいました.....。

 まあ、これがもし初めて読んだ作家の作品だったなら、そんな気持ちもなく普通に“面白かった”という感想だけで読み終えたと思うのですが、恩田陸作品として読んだというだけで、読後の感想も違ったものになってしまうのですねェ。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★         人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “恩田陸” 関連記事 】

  > No.1121 「ドミノin上海」
  > No.0954 「八月は冷たい城」(後日更新予定)
  > No.0953 「七月に流れる花」

  > No.0814 「EPITAPH東京」
  > No.0719 「雪月花黙示録」
  > No.0635 「夜の底は柔らかな幻」
  > No.0508 「夢違」
  > No.0317 「私の家では何も起こらない」

  > No.0209 「訪問者」
  > No.0161 「ブラザー・サン シスター・ムーン」
  > No.0131 「きのうの世界」
  > No.0065 「中庭の出来事」
  > No.0064 「Q&A」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「1Q84 BOOK 1・2」 村上春樹

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月 7日 (水)

<JC1巻買い> 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら

めだかボックス 1 (ジャンプコミックス)めだかボックス 1 (ジャンプコミックス)
西尾 維新

集英社 2009-10-02
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 2009年10月に発売されたJC(ジャンプコミックス)1巻の1冊目は、「めだかボックス」です。

 人気小説家である西尾維新が原作ということもあって期待が高かった作品ですが、この1巻が発売されるまでに打ち切りとはならなかったものの、本誌の掲載順は後方が多くなっているので、ちょっと苦戦している感じでしょうかね。

 連載開始当初は、登場人物のキャラクターや、その絵柄、設定などから、ライトノベルっぽいノリやアキバ系アニメっぽいノリ(というのが具体的にどんなものなのかはわかりませんが、まあなんとなくの感じ、ってことで)になるのかと思われました。

 ところがところが、回を重ねていくごとに、基本的なスタンスはあくまでジャンプ漫画だったのですねェ。

 いわゆる「友情・努力・勝利」といったキーワードで知られるジャンプの基本精神ですが、その直球をいくわけではないのだけれど、確実にその血が流れているのは読めばわかるでしょう。

 ラノベ的なキャラクター・絵柄・演出などの外側を変えるだけで、典型的なジャンプらしい漫画へと変貌しそうでもありますから。

 ただそのために、外側の印象と内側の印象とでギャップが生じてしまって、いまいち本来の魅力を伝えきれていないようにも思えるのですよね。

 なので、さらに回を重ねていくことで、そのギャップが解消されるのならば、人気作への道を歩むことになるのではないでしょうか。


 ちなみに、発売日の夜に戸塚駅周辺で買おうとしたところ、同時発売の「AKABOSHI」の方はわずかながら見受けられたものの、この「めだかボックス」の方はどこにも見当たりませんでした.....。

 なので後日、東戸塚や上永谷まで足を伸ばしてみたのですが、やはり見つからず.....。

 これは久々に1巻難民になってしまうなぁ、と思いつつ、これで無理なら初版は諦めよう、ってことで横浜駅に乗り込んだら、3店目にてやっと入手することができました!

 それにしても、他の店には全くないのに、その店にだけ何冊も平積みになっているとなると、これは本物なのか?って疑わしく思ってしまうのですよねェ。

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 単行本ならではの特典ですが、まず帯の表は、表紙と繋がった絵の上に、原作者と漫画家の名前がやや大きめに、そして「完全生徒会長、就任!!」と目立つように書かれています。

 裏帯の方は、「箱庭学園生徒紹介」として、黒神めだか・人吉善吉・不知火半袖のイラスト・所属・血液型・一言説明が書かれています。

 カバーを外した部分は、まず表紙側は、制服を脱ぎかけでブラジャーとパンティーをあらわにした後姿の黒神めだかが振り向いて、読者の視線に気づいたような絵が。

 そして裏表紙側は、読者の期待を勝手にくみ取りブラジャーを豪快にはぎ取った黒神めだかと、慌ててめだかの胸の部分を手で隠す人吉善吉が描かれています。

 中身の方ですが、ページの合間には、ストーリーの流れに沿った1コマ漫画が計6ページ、そして巻末には次巻の予告が2ページと、おまけとしては少なめな方ですかね。ちなみに、第2巻は12月に発売予定とのことです。

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 【「西尾維新」関連記事】

  > 「見え見えのオミット」 西尾維新 岩崎優次
     > ジャンプGIGA 2019 WINTER vol.2 (19.1.20)

  > 「少年法のコロ」 西尾維新 岩崎優次
     > ジャンプGIGA 2018 WINTER vol.2 (17.12.14)

  > 「パートスリーズ」 西尾維新 河下水希 > 週刊少年ジャンプ読切! (17.12.5)

  > 「僕らは雑には学ばない」 西尾維新 河下水希
     > 週刊少年ジャンプ読切! (14.12.15)

  > 「オフサイドを教えて」 西尾維新 中山敦支 > 週刊少年ジャンプ読切! (14.11.17)

  > 「娘入り箱」 西尾維新 暁月あきら > 週刊少年ジャンプ読切! (14.10.27)

  > 「返信願望!」 西尾維新×ミヨカワ将 > 週刊少年ジャンプ読切! (14.8.4)

  > 「ある朝起きたら」 西尾維新×河田悠冶 > 週刊少年ジャンプ読切! (14.8.4)

  > 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら > 週刊少年ジャンプ新連載! (09.5.11)
  > 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら <JC1巻買い> (09.10.7)


 【「暁月あきら」関連記事】

  > 「娘入り箱」 西尾維新 暁月あきら > 週刊少年ジャンプ読切! (14.10.27)

  > 「図書館救世主倶楽部」 暁月あきら > 少年ジャンプNEXT! 2014 WINTER (13.11.29)

  > 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら > 週刊少年ジャンプ新連載! (09.5.11)
  > 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら <JC1巻買い> (09.10.7)

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  >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2009年10月 6日 (火)

『神器 軍艦「橿原」殺人事件』 奥泉光 > 「このミス」完全読破 No.208

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.208

 『神器 軍艦「橿原」殺人事件』 奥泉光

   「このミス」2010年版 : 33位

   受賞(候補) : 「野間文芸賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 14位

   読始:2009.6.5 ~ 読終:2009.7.29

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本(上・下) <2009年1月>

神器〈上〉―軍艦「橿原」殺人事件 (新潮文庫)神器〈上〉―軍艦「橿原」殺人事件 (新潮文庫)
奥泉 光

新潮社 2011-07-28
売り上げランキング : 241373

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 昨年(2009年版)の「このミス」では、No.126「新世界より」貴志祐介No.119「ディスコ探偵水曜日」舞城王太郎など、様々なジャンルをまたいだ集大成的な大作がランクインしました。

 そして今年(2010年版)のそのタイプの作品の筆頭として名前が挙がるのは、間違いなくこの作品でしょう。

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 太平洋戦争末期の戦艦内を主な舞台としていることから、全体的には軍事小説なのですが、そこで奇怪な殺人事件が起こることからミステリー的な展開にもなりますし、物語が進むに従ってSF的になったり幻想小説的にもなるので、このごちゃまぜ感を味わうだけでも楽しむことができます。

 ただ、「このミス」の対象となるようなエンタメ小説と比べると、文章がかなり文学的でして、エンタメ小説に慣れ親しんだ人には少々文章が小難しく感じるかもしれません。

 それに、幻想的な部分がとても掴みどころがなく、かなり幻惑されてしまうと思うので、万人向けするような作品ではなかったですね。

 それでも、こういった作品が好きな人ならとことんハマってしまうくらいに、濃厚でぶっ飛んだ作品でもありました。
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  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★      おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★    気軽に読める度 : ★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “奥泉光” 関連記事 】

  > No.766 「東京自叙伝」
  > No.610 「虫樹音楽集」

  > No.585 「黄色い水着の謎 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活2」
  > No.477 「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」
  > No.475 「モーダルな事象 桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活」
  > No.358 「シューマンの指」
  > No.208 「神器 軍艦「橿原」殺人事件」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「訪問者」 恩田陸

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月 5日 (月)

『断絶』 堂場瞬一 > 「このミス」完全読破 No.207

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.207

 『断絶』 堂場瞬一

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.7.24 ~ 読終:2009.7.26

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年12月>

断絶 (中公文庫)断絶 (中公文庫)
堂場 瞬一

中央公論新社 2011-07-23
売り上げランキング : 80703

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 常に漢字二文字のタイトルが付けられている“刑事・鳴沢了シリーズ”で人気を博している堂場瞬一の作品です。

 ただ、この「断絶」も漢字二文字ではあるものの、このシリーズとは関係ありません。

 “汐灘”という地方都市を舞台にした、「長き雨の烙印」に続く“汐灘シリーズ”の2作目なのです。

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 そしてこの作品は、汐灘が地元の大物代議士と、ある猟奇殺人事件を捜査する刑事の話が、並行して語られていきます。

 どちらの話も熱く濃厚な人間ドラマが繰り広げられるのですが、やがて2つの話が絡み合ってくる時には、どちらの主人公にも思い入れが出来ているので、読んでいて複雑な心境になってしまいました。

 ちなみに、ちょうど二日前にこの作品を原作とした2時間ドラマが放送されていましたね。自分は観ませんでしたけど、CMなどで映像を少しだけ観たりしたので、今では主人公が松平健に脳内変換されてしまいました。 
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  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “堂場瞬一” 関連記事 】

  > No.379 「逸脱」
  > No.207 「断絶」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「神器 軍艦「橿原」殺人事件」 奥泉光

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年10月 3日 (土)

『ホペイロの憂鬱 JFL編』 井上尚登 > 「このミス」完全読破 No.206

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.206

 『ホペイロの憂鬱 JFL篇』 井上尚登

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.7.16 ~ 読終:2009.7.16

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年3月>

ホペイロの憂鬱 JFL篇 (創元推理文庫)ホペイロの憂鬱 JFL篇 (創元推理文庫)
井上 尚登

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 JFLに所属するサッカークラブを舞台にした、日常の謎系連作ミステリーです。

 まずこのJFLというのを説明しますと、いわゆるJリーグというのは“J1リーグ”と“J2リーグ”から成り立っていまして、JFLとはその下に位置する、サッカーにおけるアマチュア最高峰のリーグなのです。

 このJFLに所属するクラブは、Jリーグ入り(J2昇格)を目指すプロクラブや、アマチュアとして参加する企業クラブ、さらにはJリーグクラブのリザーブチームや大学のサッカー部など多岐に渡っていて、個性豊かなリーグなのですねェ。

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 この作品の舞台となるのは、そのうちのJリーグ入りを目指すクラブでして、主人公はそのクラブのホペイロを務める青年。

 このホペイロというのは、選手のユニフォームやスパイクなどを管理する、いわゆる用具係なのですが、Jリーグを目指しているとはいえいかんせん小規模なクラブなので、本来の仕事以外の雑用なども頼まれてしまうのです。

 そんな中で、クラブに関わる不思議な謎もなぜかこのホペイロの所に持ち込まれて来まして、これを周りの人も巻き込んで賑やかに解決していく様子が、軽いタッチで描かれています。

 というわけでサッカークラブを舞台にした作品なのですが、サッカーの試合場面はほとんどなくて、練習の前後やそれ以外のスタッフが働く時間など、サッカークラブにおける日常に起こる謎が中心となっているため、サッカーに詳しくなかったり、あまり興味がないような方でも、問題なく楽しむことができるでしょう。

 一方でサッカーが好きな人、特にJリーグ好きな方なんかは、Jリーグ入りを目指すクラブの姿を裏方の目線から体感出来たりもするので、間違いなく楽しむことができるでしょう。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★★

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  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「断絶」 堂場瞬一

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