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2009年9月

2009年9月26日 (土)

『プラスマイナスゼロ』 若竹七海 > 「このミス」完全読破 No.205

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.205

 『プラスマイナスゼロ』 若竹七海

   「このミス」2010年版 : 41位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.7.3 ~ 読終:2009.7.16

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年12月>

プラスマイナスゼロ (ポプラ文庫ピュアフル)プラスマイナスゼロ (ポプラ文庫ピュアフル)
若竹 七海

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 葉崎市という架空の地を舞台にした”葉崎市シリーズ”の一作です。

 シリーズものは第1作から読んでいくのが一番よいのはもちろんで、若竹七海作品自体初めて読む自分もそうしたかったのですが、まあそんな余裕もないのでいきなりこの作品から読んでみました。

 そしたら、どうやら”葉崎市が舞台”という共通点があるだけのシリーズで、登場人物などは別なようだったので、この作品から読み始めても全く問題はなかったのです。

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 そんなわけでこの作品は、全く性格も容姿も違う3人の女子高生が主役の、連作青春ミステリです。

 ミステリ部分に関しては、学園ミステリということもあり、日常の謎系が中心となっていまして、どことなくほのぼのとした作風にマッチしながらも、その中に鋭さが見え隠れするような感じでした。

 そしてやはりこの作品の魅力的な部分というのは、主人公3人のキャラクターの部分でして、そのコミカルなやり取りなどがなんとも小気味よかったですねェ。

 ただ、その3人の関係性が明らかにされていく過程が結構凝っていますし、軽く読めるタイプながらも切れ味のある作品でした。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★      おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★          涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “若竹七海” 関連記事 】

  > No.1125 「不穏な眠り」

  > No.1103 「殺人鬼がもう一人」(後日更新予定)
  > No.1029 「錆びた滑車」
  > No.0920 「静かな炎天」
  > No.0813 「さよならの手口」
  > No.0812 「悪いうさぎ」

  > No.0808 「依頼人は死んだ」
  > No.0777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
  > No.0752 「暗い越流」
  > No.0431 「ポリス猫DCの事件簿」
  > No.0205 「プラスマイナスゼロ」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「ホペイロの憂鬱 JFL編」 井上尚登

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年9月25日 (金)

『森に眠る魚』 角田光代 > 「このミス」完全読破 No.204

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.204

 『森に眠る魚』 角田光代

   「このミス」2010年版 : 51位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.7.10 ~ 読終:2009.7.15

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年12月>

森に眠る魚 (双葉文庫)森に眠る魚 (双葉文庫)
角田 光代

双葉社 2011-11-10
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 子供の小学校受験を控える母親たちを巡る人間ドラマが描かれた作品です。

 となると、受験に熱を上げすぎている母親たちの嫌な感じでドロドロとした関係が物語の中心となっているのかと思ってしまいますが、主人公たちのグループはどちらかといえばそういった人たちを冷めた目で見ている感じなので、そんな嫌な感じの人間関係が繰り広げられるわけではありませんでした。

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 ところがところが、話が進んでいくにつれて、その人間関係が少しずつではあるけれど目に見えてはっきりと狂っていくのがわかり、それと共に5人の主人公それぞれの心の内側からも狂気のようなものが生じてくるのです。

 特に、人間の心の闇の部分が目を覆いたくなるくらいにさらけ出してくる終盤辺りは、母親(主婦)同士の関係とは無縁の存在である男の自分が読んでも身を削られる思いになったほどでしたが、この主人公たちというのが特別な人間ではなく、どこにでもいるような普通の人たちなので、誰にでも同じような状況になりえそうに感じて、より怖かったですね。

 というわけで、あくまで人間ドラマが中心ではあるものの、終盤の展開やクライマックスのシーンなど、サスペンス的な面白さも堪能できる作品でした。
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  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★         主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★       涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “角田光代” 関連記事 】

  > No.378 「ひそやかな花園」
  > No.204 「森に眠る魚」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「プラスマイナスゼロ」 若竹七海

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

『パラドックス実践 雄弁学園の教師たち』 門井慶喜 > 「このミス」完全読破 No.203

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.203

 『パラドックス実践 雄弁学園の教師たち』 門井慶喜

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞〈短編部門〉」
               候補作 『パラドックス実践』 収録)

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.7.9 ~ 読終:2009.7.10

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年6月>

パラドックス実践 雄弁学園の教師たち (講談社文庫)パラドックス実践 雄弁学園の教師たち (講談社文庫)
門井 慶喜

講談社 2013-01-16
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 ある小中高大一貫校を舞台にした連作ミステリ作品で、表題作「パラドックス実践」が、日本推理作家協会賞・短編部門の最終候補に選ばれています。

 そして舞台となる学園というのが少々変わっていまして、弁論を中心に学ぶ学校なのです。

 ここに通う生徒というのは、小学生のうちからディベートや演説などの技術を鍛えられ、途中で編入してくる生徒も強者揃いなので、弁論に関してはかなりのエリート校なのです。

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 そんな”雄弁学園”を舞台にして、それぞれ初等部・中等部・高等部・大学における4編の短編が収録されています。

 とはいえ、主人公は生徒ではなく、副題にもあるように先生の方でして、とにかく理屈っぽく弁が立つ(少々生意気な)生徒たちやその保護者、他の先生に立ち向かっていかねばならないのですねェ。

 まあ、理屈に対し理屈で返すかのごとく論証していくというこの設定だけで、もう立派な本格ミステリ作品となってしまうわけですが、各話それぞれがバラエティーに富んでいるし、4編通して流れるドラマ的な部分も魅力的なので、そんな堅苦しいことはありません。

 ただ、やはり論証中心となるのでどうしても小難しく感じてしまう方もいらっしゃいましょうが、これなんかも一種のトンチだと思って軽い気持ちで読んでいくと楽しめるのではないでしょうか。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★    鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★★      おどろおどろ度 : ★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★          涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “門井慶喜” 関連記事 】

  > No.482 「小説あります」
  > No.468 「おさがしの本は」
  > No.286 「天才までの距離」
  > No.203 「パラドックス実践 雄弁学園の教師たち」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「森に眠る魚」 角田光代

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年9月23日 (水)

『IN』 桐野夏生 > 「このミス」完全読破 No.202

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.202

 『IN』 桐野夏生

   「このミス」2010年版 : 68位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.7.8 ~ 読終:2009.7.9

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年5月>

IN (集英社文庫)IN (集英社文庫)
桐野 夏生

集英社 2012-05-18
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 1998年版の1位に輝いたNo.34「OUT」と対をなすようなタイトルの作品です。

 ですが、別に続編というわけではないし、同じシリーズものというわけでもなく、全く関係ないと言ってしまってもよいような内容なのです。

 ただ、読み終えてから振り返ってみると、人間の心の闇が外に向かっていた「OUT」に対し、今作では内へ内へと向かっていくようでもあったので、そういった大きなテーマ的な部分において対となっているのかもしれませんね。

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 そしてこの作品の主人公は、結婚していながら妻子ある男性と不倫中の女性作家です。

 この主人公が、不倫をテーマにした他作家の小説に秘められた謎を探っていくことで、二つの不倫劇が語られていくのです。

 なので、恋愛話が中心になって、しかもそれが不倫の恋愛だということで、とても濃密でゾクッとするような人間ドラマを味わうことができます。

 あくまでそういった人間ドラマが中心となってくるのですが、小説の謎を追いかける過程でミステリー・サスペンス的な展開となっているし、作中作の存在によって二つの不倫劇が複雑に絡み合い物語の行方を惑わすので、ミステリ好きの方でも充分に楽しめるのではないでしょうか。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★★    人間味ドラマ度 : ★★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★    感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気楽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “桐野夏生” 関連記事 】

  > No.887 「バラカ」
  > No.313 「ナニカアル」
  > No.202 「IN」
  > No.120 「東京島」
  > No.034 「OUT」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「パラドックス実践 雄弁学園の教師たち」 門井慶喜

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年9月21日 (月)

『ふたり狂い』 真梨幸子 > 「このミス」完全読破 No.201

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.201

 『ふたり狂い』 真梨幸子

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.7.2 ~ 読終:2009.7.3

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年3月>

ふたり狂い (幻冬舎文庫)ふたり狂い (幻冬舎文庫)
真梨 幸子

幻冬舎 2016-10-07
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 かなり衝撃的な表紙でして、書店で平積みされれいるのを見たら、他の本と比べても間違いなく異彩を放っていましたからね(後日追記:ハードカバー版のことです→)。

 そして衝撃的なのは何も表紙だけでなく、中身の方も驚くほどに衝撃的で刺激的な作品でした。

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 最初は”短編集かな?”って感じなのですが、読み進めていくうちに連作短編集だということがわかってきます。

 この話の繋がり具合というのがこれまた驚きの連続でして、しかも話が進むにつれて蜘蛛の巣のように複雑に絡まり張り巡らされてくるので、読み進めていくにつれて読んでいる自分もいつしかこの作品に絡め取られてしうかのごとくでしたからね。

 そして内容の方も、この作者らしい人間の狂気やどす黒い部分、ぶっ壊れ具合などがこれでもかと炸裂しているのですが、ただNo.158「殺人鬼フジコの衝動」なんかと比べても、軽い感じでコミカルに描かれているので、爽やかな毒々しさといった感じでしょうか。

 なので、湊かなえ作品が好きな方なんかに特に力を込めてオススメしたいような作品でしたね。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気楽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “真梨幸子”関連記事 】

  > No.329 「更年期少女(みんな邪魔)」
  > No.201 「ふたり狂い」
  > No.158 「殺人鬼フジコの衝動」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「IN」 桐野夏生

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年9月20日 (日)

「アッと驚くどんでん返し本読破ガイド」 > 「このミス」完全読破・200冊突破記念企画

「このミス」完全読破 200冊突破記念企画 第1弾

   >> 「 アッと驚くどんでん返し本読破ガイド 」 <<

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 ”「このミス」完全読破”がついに200冊を突破したということで、100冊を突破した時と同様に、記念企画を実施していきたいと思います。

 100冊突破の時には、読んだ100冊の中から個人的嗜好に基づき項目別にベスト5を発表しましたが、今回も同じことをやってもつまらないので、今回は、項目ごとに当てはまる本を紹介していくガイド記事的なものを書いていきましょう。

 ちなみに、対象となる200冊について、および“「このミス」完全読破とは一体何なんだ?”といった基本的な部分、または100冊突破時の企画については、 まとめページである「このミス」完全読破 読破本リストをご覧ください。


 そしてオープニングを飾るのは、これぞミステリ!!といった要素が盛り込められている作品揃いの「アッと驚くどんでん返し本読破ガイド」です。

 つまりは、読者を騙すトリックが仕掛けられた、いわゆる”叙述ミステリ”作品なのですが、ここではそれだけでなく、衝撃的な真相に驚いたりするような作品なんかも含まれています。

 なお、ここで紹介するようなタイプの作品というのは、あらかじめ”驚く仕掛けがある”ということを知らずに読んだ方が楽しめるのはもちろんですが、逆に知ってから読むとなると、仕掛けのみが気になって物語に入り込めなかったり、途中で真相に気付きやすくなってしまったりなどの、デメリットも多くあります。

 なので、”驚くようなトリックが仕掛けられている”ということを事前に知っていてしまうと楽しんで読むことが出来ない!という方は、この記事には目を通さない方が良いでしょうね。

 ”驚くようなトリックが仕掛けられている”ことを事前に知っていても楽しむ自信がある!という方のみ、この記事を参考にしてみてください。

 ちなみに、200冊の中で対象となる作品を全て入れているので、個人的に評価の高かった作品を選び抜いたわけではありません。

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【 アッと驚くどんでん返し本の定番作品 】

 ここでは、アッと驚くどんでん返し系の中でも定番中の定番作品を紹介していきます。

 定番なだけあって、ネット上でのネタバレ率もかなりのものがあるので、なるべく早めに読んでおく方がよいでしょう。

* タイトル部分のリンク : Amazonの詳細サイト
*<<感想記事はこちら!>>部分のリンク : 当ブログの感想記事(ネタバレなし)

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   葉桜の季節に君を想うということ / 歌野晶午  <<感想記事はこちら!>>

 まずは、「このミス」2004年版の1位にも輝いたこの作品です。

 まさにこういったタイプの代名詞的な作品なので、“アッと驚くどんでん返し系の作品ってどんなのだろう?”って方なんかは、これを読めば”なるほどこういうことか!”となるのではないでしょうかね。

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   ハサミ男 / 殊能将之  <<感想記事はこちら!>>

 こちらもこのタイプの作品ではあまりにも有名で、ネタバレ率はNo.1かもしれません。なんせ、ちょっと前まではGoogleで「ハサミ男」と入れると“Google Suggestions”の所に思いっきりネタバレが表示されていたくらいなもんですから。

 ちょっとサイコ的な内容なので、苦手な方もいらっしゃるかとは思いますが、それでも最後まで読んで驚いてほしいですね。

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   イニシエーション・ラブ / 乾くるみ  <<感想記事はこちら!>>

 この作品は上の2つとはちょっとタイプが違うのですが、読後すぐに襲ってくる衝撃というのは一番なのではないでしょうか。

 そしてこの作品の場合は、人によっては真相に気づかずに、普通の何でもない恋愛小説だと思って読み終えてしまう可能性もあるし、実は驚くほどの伏線が張られていたりもするので、読み終えたならば、当ブログの感想記事にあるリンクから、この作品を余すところなく解説したサイトをぜひとも読んでみてください。

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【 道尾秀介作品 】

 ここでは、読者を騙すタイプの作品を続々と発表している作家・道尾秀介の作品を並べてみました。

 この人は「このミス」との相性もとても良く、現在3年連続でランクイン中なだけでなく、2007年版ではベスト20に2作ランクイン、そして昨年の2009年版ではベスト10に2作もランクインさせているのですからね。

 そして、発表順に読んでいくのもよいのですが、結構好き嫌いがはっきりと分かれるような作品もあるので、受け入れられやすそうな順番に載せてみました。

* タイトル部分のリンク : Amazonの詳細サイト
*<<感想記事はこちら!>>部分のリンク : 当ブログの感想記事(ネタバレなし)

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   カラスの親指 / 道尾秀介  <<感想記事はこちら!>>

 道尾作品としては珍しく軽いノリで書かれた作品なので、最も一般受けしそうな感じです。

 しかも、クライマックスで明かされる驚愕の真相にはホントにひっくり返ってしまうほどなので、まず最初に読む道尾作品としては最適でしょう。

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   ラットマン / 道尾秀介  <<感想記事はこちら!>>

 上の「カラスの親指」と同じ年に共にベスト10入りした作品ですが、どちらかといえばこちらの方が道尾作品らしさが出ていますからね。

 なので、”まず最初は道尾らしい作品を読みたい”という方なんかは、この作品から読んでみてはいかがでしょうか。

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   シャドウ / 道尾秀介  <<感想記事はこちら!>>

 これまでのところ、道尾作品の中で最高順位を誇る作品でして(2007年版2位)、道尾秀介の名を一躍有名にした作品でもあります。

 暗くどんよりとした雰囲気の中で話が進んでいくのですが、それがまた怪しさを醸し出していて、素晴らしい演出となっていたりします。

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   龍神の雨 / 道尾秀介  <<感想記事はこちら!>>

 今年(2009年)発売された新作なので、これを書いている時点ではランクインするかどうかもわからないのですが、「シャドウ」や「ラットマン」に近い作風の王道的な作品です。

 騙しの仕掛けも見事ですが、それ以外の部分でも新境地が伺える作品となっています。

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   向日葵の咲かない夏 / 道尾秀介  <<感想記事はこちら!>>

 今年に入って文庫本が売れまくっているので、もしかしたら道尾作品の中で一番読まれている作品かもしれませんね。

 ただ、驚くべき真相の内容に対して嫌悪感を抱いてしまう人も多くいるようなので、決して万人受けする作品というわけではありません。

 しかし、この作品を道尾作品の中で一番に推す人も数多くいるので、気に入った人ならとことんハマリ込んでしまうこと間違いなしです。

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   片眼の猿 / 道尾秀介  <<感想記事はこちら!>>

 どちらかといえば「カラスの親指」タイプの軽いノリな作品ですが、最後まで読んでしまえば、その印象は変わってしまうかも.....。

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【 職人作家の技を味わえる作品 】

 ここでは、こういった驚きの作品を産み出している職人的作家の作品を並べてみました。

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*<<感想記事はこちら!>>部分のリンク : 当ブログの感想記事(ネタバレなし)

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   造花の蜜 / 連城三紀彦  <<感想記事はこちら!>>

 発売時期の関係でランクインはなりませんでしたが、少しでも前や後ろにズレていたら1位になっていた可能性もあったのではないかというほどの傑作です。

 とにかく全編に渡ってどんでん返しが炸裂しっぱなしなので、この翻弄され具合というのはなかなか楽しいものですよ。

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   黒百合 / 多島斗志之  <<感想記事はこちら!>>

 あまりミステリ的でない展開が続くので、どちらかといえば「イニシエーション・ラブ」に近いのかもしれませんが、真相が明らかにされた時の衝撃も負けず劣らずのものがあるのではないでしょうか。

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   倒錯の死角 / 折原一  <<感想記事はこちら!>>

 ”叙述トリックの名手”とまで称される折原一のデビュー作ですが、このとんでもない真相を見抜くことができる人はそういないのではないですかね。

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   消失! / 中西智明  <<感想記事はこちら!>>

 結構軽いノリで書かれていますし、驚きのトリックもとにかくサービス満点なので、ちょっと古い作品ですが、気軽に楽しむことができると思います。

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   首無の如き祟るもの / 三津田信三  <<感想記事はこちら!>>

 ホラー風味な本格ミステリ作品なので、そこで好みが分かれそうではありますが、一つのピースをはめ込むだけで全ての謎を解いてしまう鮮やかさや、その後の怒濤の展開など、まさに驚愕のクライマックスでした。

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   鏡の中は日曜日 / 殊能将之  <<感想記事はこちら!>>

 さすが「ハサミ男」の作者といった感じの驚きが楽しめるのですが、「ハサミ男」のような単純明快な驚きではないので、どちらかといえば玄人好みの作品でしょうか。

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【 賛否両論の衝撃的&刺激的な作品 】

 ここでは、エログロ度がハンパなかったり、驚愕の真相がとんでもなかったりなど、あまり一般には受けなそうだけれどハマる人はとんでもなく好きになってしまうという、賛否両論的な作品を並べてみました。

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*<<感想記事はこちら!>>部分のリンク : 当ブログの感想記事(ネタバレなし)

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   殺戮にいたる病 / 我孫子武丸  <<感想記事はこちら!>>

 この作品は、本来ならば「定番作品」の所に載せていてもおかしくないくらいに傑作だし有名なので、ネタバレ率も高いです(実際に自分も読むより先にネタバレを目にしてしまいましたし.....)。

 ただ、全編に渡ってエログロ度が爆発しているし、ラストがまた強烈すぎなので、人をかなり選ぶ作品でもあるのですよねェ。

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    / 麻耶雄嵩  <<感想記事はこちら!>>

 ”賛否両論”という言葉がとっても似合う摩耶雄嵩ですが、これは二段構えの驚きのトリックが炸裂する代表作的な位置づけの作品です。

 その裏の方のトリックというのがもう思わずニヤリとしてしまうようなとんでもないものなのですが、それはある程度”アッと驚くどんでん返し本”を読んでいないとその衝撃は伝わらないと思うので、この記事の中で紹介した作品を何冊か読んだ後で手にした方がよいでしょう。

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   神様ゲーム / 麻耶雄嵩  <<感想記事はこちら!>>

 摩耶雄嵩作品が続きますが、この記事で紹介した作品の中で、衝撃度ではこの作品が一番なのではないでしょうか。

 子供向けの体裁をとっているのでとても読みやすいですし、かなりのオススメなのですが、だからといって子供に読ませるのはオススメできません.....(後日追記:ノベルス版では子供向けの体裁ではなくなりました)。

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   姑獲鳥の夏 / 京極夏彦  <<感想記事はこちら!>>

 今や小説家として以外でも大活躍を見せている京極夏彦の記念すべきデビュー作なのですが、これがまた衝撃的すぎるクライマックスとなっているのです。

 あと、これが京極作品初体験ならば、ハンパない蘊蓄の嵐にも驚くこと間違いないでしょう。

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   黒い仏 / 殊能将之  <<感想記事はこちら!>>

 「ハサミ男」の作者だと思って読んでみると、そのあまりにも方向性の違う破壊力に、ショックを受けてしまう人も多いのではないでしょうかね。

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   痙攣的 / 鳥飼否宇  <<感想記事はこちら!>>

 バカミス作家としても有名な鳥飼否宇ですが、この作品はそんな域をも軽く飛び越してしまうくらいにブッ飛びすぎていますからね。

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   死の泉 / 皆川博子  <<感想記事はこちら!>>

 かなり濃密で妖艶な西欧ミステリですが、最後の最後に明かされる真相には、魂を抜かれる思いをするのではないでしょうか。

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【 なるべく”驚きのトリックがある”と知らずに読みたい作品 】

 この記事で取り上げている作品というのは、なるべく事前に”驚きのトリックや真相が仕掛けられている”というのを知らずに読んだ方が楽しめる、というのは最初にも説明しました。

 ただ、これから紹介するのは、ここまでで紹介してきた作品以上に”驚くトリックがある”ということを知らずに読んだ方が良い作品なのです。

 それは、元々そういった仕掛けを売りにしていなかったり、そういった仕掛けがあることを知らない読者を想定して作られた作品だったりするからです。

 そして、そういった作品の場合、トリックの難易度がそれほど高くない場合が多いので、事前に”驚く仕掛けがある”と知りながら読むと、途中で仕掛けや真相が解ってしまう可能性が高くなってしまうのです。

 なので、この記事はこの項目で最後なので、”驚く仕掛けがあることをなるべく知らずに読みたい” ”知りながら読むと簡単に真相を見抜いてしまう”というような方は、この記事を読むのはここまでにした方がよいでしょう。
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*<<感想記事はこちら!>>部分のリンク : 当ブログの感想記事(ネタバレなし)

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   燃える地の果てに / 逢坂剛  <<感想記事はこちら!>>

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   GOTH リストカット事件(夜の章、僕の章) / 乙一  <<感想記事はこちら!>>

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   秘 密 / 東野圭吾  <<感想記事はこちら!>>

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   密室殺人ゲーム王手飛車取り / 歌野晶午  <<感想記事はこちら!>>

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   サクリファイス / 近藤史恵  <<感想記事はこちら!>>

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   アヒルと鴨のコインロッカー / 伊坂幸太郎  <<感想記事はこちら!>>

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   この闇と光 / 服部まゆみ  <<感想記事はこちら!>>

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   慟 哭 / 貫井徳郎  <<感想記事はこちら!>>

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   官能的 / 鳥飼否宇  <<感想記事はこちら!>>

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   チェーン・ポイズン / 本多孝好  <<感想記事はこちら!>>

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   殺人鬼フジコの衝動 / 真梨幸子  <<感想記事はこちら!>>

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   カラット探偵事務所の事件簿 1/ 乾くるみ  <<感想記事はこちら!>>

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  【 “アッと驚くどんでん返し本” 関連記事 】

  > 「アッと驚くどんでん返し本読破ガイド No.601-800補完版」
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  > 「どんでん返し!ベスト5(2009-2014年版)」
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  > 「アッと驚くどんでん返し本読破ガイド No.201-400補完版」
    > 400冊突破記念企画 (10.12.15)

  > 「驚いた!!セレクション」 > 300冊突破記念企画 (10.3.24)

  > 「アッと驚くどんでん返し本読破ガイド」 > 200冊突破記念企画 (09.9.20)

  > 「驚いた!!ベスト5」 > 100冊突破記念企画 (08.6.26)

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年9月19日 (土)

『警官の血』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.200

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.200

 『警官の血』 佐々木譲

   「このミス」2008年版 : 1位

   受賞(候補) : 「日本冒険小説協会大賞」受賞
            (「直木三十五賞」候補)

   総合ランキング : 「この警察小説がすごい! ALL THE BEST」 3位
               「「このミス」20年のベスト・オブ・ベスト」 30位

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 3位

   読始:2009.6.29 ~ 読終:2009.7.2

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本(上・下) <2007年9月>

警官の血〈上〉 (新潮文庫)警官の血〈上〉 (新潮文庫)

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 この作品を読み終えたことによって、”「このミス」完全読破”もとうとう200冊を突破することになりました。

 ミステリ小説の全くの初心者状態から始めまして、最初の100冊を読み終えるのに2年4ヶ月もかかったのに、続く100冊はほぼ1年しかかからなかったのです。

 これは、小説を読み慣れてきたことでそのスピードも上がった、ということもあるでしょうが、それよりも、ミステリ小説がホントに好きになってきたんだ、ってことなのかもしれませんねェ。

 それで、記念すべき200冊目ということで、それにふさわしい作品を読もうと少し前から考えていました。

 ただ、100冊目の時は、”20年のベスト・オブ・ベスト”の1位に選ばれたNo.100「火車」宮部みゆきという絶好の作品があったものの、今回は特にこれといって思い付かなかったのですよね。

 それでも、ふと”まだ読んでいない1位作品がいくつか残っているぞ”と思い出し、特に一昨年という比較的最近の1位作品であるこの「警官の血」なんかいいんじゃないかと考えたのと、図書館で予約なしに借りることが出来るようになり始めたのと、タイミングがちょうど合ったこともあり、この作品を記念すべき200冊目に選んだのです。

 なので、300冊目は「不夜城」、400冊目は「レディ・ジョーカー」、500冊目は「永遠の仔」.....、といった感じになるかもしれませんね。

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 そんなわけで、2008年版の1位となった作品ですが、警察官の親子3代を描いた、壮大なる警察大河小説です。

 この親子3代それぞれの話で区切りが付けられているので、連作集のようでもあるのですが、それぞれの話が、警察官という立場を軸としてそれぞれの時代をうまい具合に反映させているので、全体的にもとてもスケールを感じるのです。

 そしてそれぞれの話の主人公というのが、いずれも警察官なのだけれど、様々なポジションに身を置いているので、もう佐々木譲の過去の警察作品の様々な要素が全て詰め込まれているようで、まさに"集大成”といった内容となっているのです。

 個人的には、初代→2代目とすごい盛り上がりようで、これは初の★10も出るかも?と思ったほどだったのですが、3代目でちょっとトーンダウンしてしまったのが残念でしたね。

 でもそれは、女性の3代記を描いた同年2位のNo.73「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹も同様だったのですが、やはり昭和の初期~中期はまだ時代的にあらゆるものが今と比べるとシンプルで描きやすいのに対し、現代に近くなるにつれて、人の内側も外側もとても複雑になってくるため、シンプルな面白さを出しにくくなるので、初代&2代目に比べて3代目がいまいちと思ってしまうのは仕方がないのかも。

 というわけで、親子3代の各話それぞれでもかなりの面白さなのですが、3代に渡って共通した謎が存在していたりもするので、長編としても言うことなしの面白さなのです。特に各話の繋ぎの部分の引き付けられ度はかなりのものでしたからねェ。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★★   主キャラ魅力度 : ★★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気楽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “佐々木譲” 関連記事 】

  > No.840 「砂の街路図」

  > No.685 「代官山コールドケース」
  > No.615 「人質」
  > No.563 「回廊封鎖」
  > No.522 「地層捜査」
  > No.505 「密売人」

  > No.485 「警官の条件」
  > No.424 「婢伝五稜郭」
  > No.423 「五稜郭残党伝」
  > No.401 「エトロフ発緊急電」
  > No.344 「ベルリン飛行指令」

  > No.298 「北帰行」
  > No.282 「巡査の休日」
  > No.230 「廃墟に乞う」
  > No.200 「警官の血」
  > No.175 「暴雪圏」

  > No.152 「警官の紋章」
  > No.151 「警察庁から来た男」
  > No.138 「うたう警官 (笑う警官)」
  > No.048 「制服捜査」
  > No.024 「ストックホルムの密使」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「ふたり狂い」 真梨幸子

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年9月14日 (月)

週刊少年ジャンプ新連載! 「賢い犬リリエンタール」 葦原大介

賢い犬リリエンタール  1 (ジャンプコミックス)賢い犬リリエンタール 1 (ジャンプコミックス)

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 2009年9月に投入された新連載第2弾が、42号から始まった「賢い犬(かしこいけん)リリエンタール」です。

 作者の葦原大介(あしはら・だいすけ)は、手塚賞(2008年上半期)の準入選を「ROOM303」で受賞すると、同作にていきなりの本誌デビュー(2008年33号)となりました。

 その後も、「賢い犬リリエンタール」が2008年51号に掲載、そして「トリガーキーパー」が2009年8&9号に前後編に分けて2週連続で掲載されるなど、あまり間を開けずに読切作品の本誌掲載が続いたということで、連載未経験なのに2週連続の掲載なんかも含めて、この作者に物凄い期待が掛けられていることが解りやすいくらいに感じられます。

 そしてこれらの読切作品の中から、2番目に掲載された「賢い犬リリエンタール」が、作者初の連載作品として選ばれたのでした。


 内容の方ですが、人語を操り二足歩行する犬・リリエンタールが主人公の、ほのぼの系コメディ&アクション漫画です。

 ある兄妹の元に初対面の弟がやって来るということで、空港まで迎えに行ったのですが、やって来た弟というのがなんと犬。しかも人間の言葉をしゃべる奇妙な犬。

 そんなリリエンタールを狙う敵役の組織が襲ってきて、その窮地を脱しようと奮闘したりするのが、第1話の大まかな話です。


 まずなんといってもこの作品の一番の魅力は、主人公・リリエンタールのキャラクターですね。

 週刊少年ジャンプで主人公が動物だった連載作品は、2001年の「もののけ!にゃんタロー」(小栗かずまた)までさかのぼらなければなりません(まあ正確には“猫の妖怪”でしたが)。

 つまりは、マスコット的なキャラクターの動物系主人公というのが、ここ最近のジャンプでは全くの手薄となっていたわけです。主役ではないとはいえ、そのような役割を担っていたのは、「ONE PIECE」のチョッパーくらいなもんでしょうか。

 なので、その点だけでも他の連載作品との差別化が良い意味で図られるだろうし、上でも書いたように編集部の期待の高さが窺えるし、最近の新連載では「トリコ」「べるぜバブ」などあまり頭を使わず単純明快に楽しめる作品がウケているようなので、早いタイミングでの打ち切りはないのではないかと思うのですけどね。


 あと、読切版と比べると、コメディやギャグ要素が控え目になっていて、その分サスペンス風味が加えられていたように感じたのですが、2話以降でどのような方向に重きを置いていくのかも気になるところです。

 リリエンタールと兄妹たちとのやり取りで、ほのぼの系日常コメディにもなりそうだし、読切版に出てきた怪盗紳士みたいなキャラクターを使ってギャグ寄りにもなりそうだし、「ROOM303」のようなホラー&ミステリー&サスペンスっぽい展開も、「トリガーキーパー」のようなアクション的な展開も使えそうだし、引き出しはかなりありそうな感じです。

 なので個人的には、出し惜しみせずにこの作品に全ての要素をつぎ込むくらいの勢いで、回ごとに違った魅力が溢れているような作品になってほしいですけどね。リリエンタールというキャラクターがあれば、それでも作品の芯の部分は崩れないのではないかと思うので。


  

  投票受付期間:2009.9.14~9.28

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 【「葦原大介」関連記事】

  > 週刊少年ジャンプ新連載! 「ワールドトリガー」 葦原大介 (13.2.8)

  > 週刊少年ジャンプ読切! 「実力派エリート迅」 葦原大介 (11.10.7)

  > 週刊少年ジャンプ新連載! 「賢い犬リリエンタール」 葦原大介 (09.9.14)
  > <JC1巻買い> 「賢い犬リリエンタール」 葦原大介 (10.2.5)


 【「2009年の新連載」関連記事】

  > 「新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ」 麻生周一 (09.11.16)
  > 「ねこわっぱ!」 松本直也 (09.11.9)

  > 「賢い犬リリエンタール」 葦原大介 (09.9.14)
  > 「保健室の死神」 藍本松 (09.9.7)

  > 「わっしょい!わじマニア」 わじまさとし (09.7.18)
  > 「鍵人-カギジン-」 田中靖規 (09.7.14)
  > 「あねどきっ」 河下水希 (09.7.6)

  > 「AKABOSHI -異聞水滸伝-」 天野洋一 (09.5.18)
  > 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら (09.5.11)

  > 「フープメン」 川口幸範 (09.3.3)
  > 「べるぜバブ」 田村隆平 (09.2.23)

  > 「ぼっけさん」 西義之 (08.12.16)
  > 「黒子のバスケ」 藤巻忠俊 (08.12.9)
  > 「マイスター」 加地君也 (08.12.2)

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  >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2009年9月13日 (日)

『トワイライト・ミュージアム(トワイライト博物館)』 初野晴 > 「このミス」完全読破 No.199

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.199

 『トワイライト・ミュージアム』 初野晴

   * 文庫化の際に「トワイライト博物館」に改題して加筆修正

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.6.26 ~ 読終:2009.6.29

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : ノベルス <2009年6月>

トワイライト博物館 (講談社文庫)トワイライト博物館 (講談社文庫)
初野 晴

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 昨年(2008年)のNo.268「退出ゲーム」が、10月29日という「このミス」では締め切りギリギリとなる発売日だったのにもかかわらずランクインした初野晴の、2009年新作です。

 ただ今回の作品はタイムトラベルが大きなテーマとなっているので、ミステリ小説というよりもSFファンタジー小説に近い内容となっています。

 あまりSF作品を読んでいない自分にとっては、タイムトラベルものというと、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのような、過去へ未来へと飛びまくるドタバタコメディをどうしても思い浮かべてしまうのですが、この作品の場合は、物語の冒頭からずっと悲壮感が漂っているような雰囲気なのです。

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 そんな悲壮感溢れる作品なのですが、ただそれだけでなく、これがまたかなり泣ける内容となっているのですねェ。

 “悲壮感”&“泣ける”となると、悲劇的で読み進めるのが辛いような展開を想像してしまうと思うのですが、そういった感じではなくて、どちらかというと漫画「ONE PIECE」的な、ベタではあるんだけどどうしても涙腺を刺激されてしまうような、まさに感動と共に泣けるといったタイプなのです。

 そしてただ泣けるだけでなく、主人公たちと、タイムトラベルした先で敵対することになる人物たちとの絡みにおいて、本格ミステリ的なやり取りがなされることになるので、ミステリ小説としても文句なしに楽しむことができるでしょう。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “初野晴”関連記事 】

  > No.754 「カマラとアマラの丘(向こう側の遊園)」

  > No.550 「千年ジュリエット」
  > No.386 「空想オルガン」
  > No.269 「初恋ソムリエ」
  > No.268 「退出ゲーム」
  > No.199 「トワイライト・ミュージアム(トワイライト博物館)」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「警官の血」 佐々木譲

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年9月11日 (金)

みなさんのうた / 宇田川フリーコースターズ童謡集 (CD+DVD)

宇田川フリーコースターズ童謡集「みなさんのうた」(DVD付)宇田川フリーコースターズ童謡集「みなさんのうた」(DVD付)

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 この“宇田川フリーコースターズ”というのは、今から10年近く前にバナナマンとおぎやはぎが結成していたユニットです。

 そんな昔のユニットが、何故に今頃CDデビュー?といった感じなのですが、これが実は、Podcast(iTunes Storeを使って無料でダウンロードし、それをiPodに取り込んで聴くことのできる、ネット上で配信されているラジオ)で「JUNK ZERO バナナマンのバナナムーン」と「JUNK ZERO おぎやはぎのメガネびいき」を聴いていれば、そのCD発売までの流れをリアルタイムに近い形で知ることが出来ていたのです。

 なので、今からでもこの“宇田川フリーコースターズ”に関する放送回を聴けば、宇田川フリーコースターズについて、歌われている曲たちについて、そしてCD発売に至るきっかけについて、充分に理解するのが出来るのです。

 その内容は、ここで文章にして説明するよりも、実際に放送を聴いた方が楽しめるのは間違いないので、その放送回をお知らせしたいと思います。

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 まず基本説明をしますと、TBSラジオで毎週月曜24時に「バナナムーン」、火曜24時に「メガネびいき」が放送されていまして、その放送で語り足りなかったことなどを追加で収録したものが、Podcastにて配信されているのです。

 そして、Podcastに対して、TBSラジオでの放送の方を「本編」と読んだりしています。


 というわけで、2008年10月20-21日。

 この週の本編では、特別企画として、2夜連続でバナナマン&おぎやはぎの4人での放送となりました。

 そしてその週のPodcastは、本編の直後に収録されたのですが、やはりバナナマン&おぎやはぎの4人での放送で、「バナナムーン」枠で前編が、「メガネびいき」枠で後編が配信されたのです。


 まずはその前編ですが、これは「バナナムーン」の[2008年10月20日]の回をダウンロードすると聴くことができます。

 この前編では、宇田川フリーコースターズの基本情報や復活の可能性などについて語られています。


 続いて後編は、「メガネびいき」の[2008年10月21日]の回をダウンロードすれば聴くことができます。

 この後編では、今回のCDに収録されているいくつかの歌を聴けたり、その裏話的なものを聞くことができます。


 さらに、「メガネびいき」の[2008年10月28日]の回をダウンロードすれば、今回のCDデビューに至るきっかけとなった出来事について知ることができるのです。

 つまりは、「バナナムーン」の[2008年10月20日]&「メガネびいき」の[2008年10月21日] [2008年10月28日]の3つをダウンロードし、続けざまに聴けば、このCDを聴きたくなること間違いなしとなるでしょう。

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 ただ、Podcastを聴くことができる環境にない方も多くいると思うのですが、そんな方は、ウェブマガジンの記事「バナナマン&おぎやはぎ“宇田川フリーコースターズ”がCDデビュー!」(CDジャーナル)を見てもらえれば、大まかな流れを知ることが出来るのではないでしょうか。

 そして、このCDのオフィシャルページにも情報が載っていますし、収録曲の一部を視聴することも出来ます。

 さらには、DVDに収録されている「富士山」のPVが、youtubeでも公開されています。
  >>> http://www.youtube.com/watch?v=iJ02jVOQdB8

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 ちなみに自分は、この記事を書いていながら、まだCDを買っていないのです.....。

 ただ、Podcastを聴いた時に、真面目さと不真面目さのバランスがとても絶妙でかなり良かったし、どことなくSORRY MUSIC ENTERTAINMENT / 米米CLUBネガティブハート / マイナスターズ(さまぁ~ず)に近い魅力が感じられたので、ぜひともCD化してもらいたいと本気で思っていたので、実際にCD化されたのはホントに嬉しいのです。

 とはいえ、これはあくまでPodcastで4人の会話や笑いの中で聴いたから面白く感じたのであって、CDで聴いたら“あれれ?”となる可能性もあるので、そこら辺がどうなのかも楽しみですね。

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 その他の「バナナムーン」関連当ブログ記事は、こちらからどうぞ!
               ↓↓↓
 >>> 「バナナマンのバナナムーン」関連記事リスト <<<


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2009年9月10日 (木)

『ハーモニー』 伊藤計劃 > 「このミス」完全読破 No.198

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.198

 『ハーモニー』 伊藤計劃

   「このミス」2010年版 : 45位

   受賞(候補) : 「日本SF大賞」受賞

   総合ランキング : 「2014オールタイム・ベストSF(国内長編部門)」 1位
               「ゼロ年代SFベスト30」 11位

   年度ランキング : 「ベストSF2009」 1位
               「大学読書人大賞」 大賞(1位)
               「キノベス」 28位

   読始:2009.6.25 ~ 読終:2009.6.26

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年12月>

ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)
伊藤計劃 redjuice

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 デビュー作「虐殺器官」が純粋なSF作品ながら「このミス」でも2008年版の21位とランクインまで惜しい所まで行った伊藤計劃の、待望の長編第2作目です。

 今回も「虐殺器官」同様にSF作品で、世界観も似ていることから続編的にも捉えられているようなので、「このミス」的にも期待して読んでみました。

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 そしたらやはり、設定や描写や登場人物の名前など、いかにもSF小説といった世界観や雰囲気だったので、これまであまり純粋なSF作品を読んで来なかったこともあって、ちょっと慣れるまで時間がかかりましたね。

 でもそういった外枠的な部分に慣れてしまえば、中身はやはり「このミス」でも評価された作家の作品だけあって、他の「このミス」系作品と同様な感じで、自然にすんなりと物語の中に入り込むことができました。

 それでいて、文章にHTMLに似た言語が組み込まれているなどSF的な趣向が上手く使われていて、これがクライマックスに活きてくるなど、SFだからこその魅力も溢れていたように思います。

 そしてこの作品を語る上で避けては通れないことがありまして、実は作者の伊藤計劃は、この作品を発表してわずか3ヶ月後に、癌のために34歳という若さでお亡くなりになられたのです。

 つまり、この作品を書いていた時は、生命をかけた闘病生活中だったわけで、それを踏まえた上でこの作品から伝わるテーマを思うと、もう涙なしでは読めないのですよね.....。

 なので、こういったSF作品は馴染みのない人には好き嫌いが分かれてしまいそうではあるものの、そんなミステリ好きの方にもぜひとも読んでもらいたい作品です。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★      おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★        感涙ウルウル度 : ★★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “伊藤計劃”関連記事 】

  > No.579 「屍者の帝国」
  > No.198 「ハーモニー」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「トワイライト・ミュージアム」 初野晴

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年9月 9日 (水)

『ロング・ドッグ・バイ』 霞流一 > 「このミス」完全読破 No.197

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.197

 『ロング・ドッグ・バイ』 霞流一

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.6.24 ~ 読終:2009.6.25

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <209年4月>

ロング・ドッグ・バイ (PHP文芸文庫)ロング・ドッグ・バイ (PHP文芸文庫)
霞 流一

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 霞流一の2009年新作は、タイトルを見ただけで脱力してしまうという、“バカミス・キング”らしさ満点の作品です。

 これは現実世界における犬たちを中心としたお話でして、人間たちにとっては不気味ではあるものの興味本位にすぎない出来事なんだけれど、犬たちにとっては戦慄が走るくらいに大事な事件が起きて、この事件を主人公犬を中心とした犬たちが解決せんと奮闘する、ハードボイルドタッチの作品です。

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 この主人公犬をサポートする犬たちというのがこれまた凄くて、それぞれ違った特殊能力を持っているのですが、それらを適材適所に使い分けて難問を次々と解いていく様は、プロのスパイ集団のようでかなりカッコ良かったですね。

 そんなところからも、No.60「夕陽はかえる」にちょっと似た感じもあったのですが、学生向けの「ミステリーYA!」から発売された作品ということもあって、「夕陽にかえる」のような毒はなく、さらりと読めるような仕上がりとなっていました。

 ただ自分としては、この作品をもっと毒々しさ溢れる濃厚な作風で読みたかったですねェ。その点でちょっと物足りなくもありました。

 まあそれでも、本格ミステリにスパイアクションにハードボイルドにと盛りだくさんだし、何より犬たちが可愛いので、なかなか楽しめましたけどね。
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  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★    気楽に読める度 : ★★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “霞流一” 関連記事 】

  > No.671 「落日のコンドル」

  > No.393 「災転(サイコロ)」
  > No.197 「ロング・ドッグ・バイ」
  > No.107 「死写室」
  > No.060 「夕陽はかえる」
  > No.017 「スティームタイガーの死走」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「ハーモニー」 伊藤計劃

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年9月 7日 (月)

週刊少年ジャンプ新連載! 「保健室の死神」 藍本松

保健室の死神  1 (ジャンプコミックス)保健室の死神 1 (ジャンプコミックス)

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 2009年9月に投入された新連載第1弾が、41号から始まった「保健室の死神」です。

 作者の藍本松は、昨年(2008年)の「MUDDY(マディ)で初連載となりましたが、あえなく1クール(12週)で打ち切り(突き抜け)に.....。

 その後は、赤マルジャンプ2008SUMMERに「宇宙外交販売員シャルメロ」、赤マルジャンプ2009SPRINGに「保健室の死神」が掲載され、この「保健室の死神」の同名リニューアル版で2度目の連載となりました。


 内容の方ですが、常伏中学校に新任となった養護教諭(保健の先生)・派出須逸人、通称:ハデス先生(男)が主人公の、学園アクションコメディです。

 奇怪な容姿や不気味な言動から、赴任初日から全校生徒に気味悪がられてしまったのですが、実は心優しい生徒思いの先生なのです。

 そしてこの作品中では、人の体内に乗り移りその宿主を洗脳し支配する“病魔”という悪霊的なものが存在しているのですが、ハデス先生は病魔を喰らう力を持っていて、人間に悪影響を与える病魔を退治することができるのですねェ。

 というわけで、基本的にはこのハデス先生が学園を舞台に悪霊的なものを退治していく話だと思うのですが、過去のジャンプ作品では「地獄先生ぬ~べ~」(原作:真倉翔、漫画:岡野剛)に似たタイプの作品になるのではないでしょうか。

 その「ぬ~べ~」はアニメ化されるほどの大ヒットとなったので、そういった人気面でも似たような道を歩むことが出来れば良いのですが、ただ主人公である先生のキャラクターが正反対といってもいいくらいだったり、その主人公の能力における見た目のインパクトやわかりやすさでは劣ると思うので、やはり「ぬ~べ~」とは違った魅力で勝負することになるのでしょうかね。

 それに、この第1話は、これが“読切作品です”と言われても納得できてしまうような構成で作られていたし、ヒロインと呼べるようなキャラクターがまだ出てきていないなど、第1話を読んだだけでは今後の展開などまだまだわからないので、第2話以降でどのような方向に進んでいくのかも今後の楽しみとなりそうです。


  

  投票受付期間:2009.9.7~9.21

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 【「藍本松」関連記事】

  > 週刊少年ジャンプ読切! 「W.C.フレンズ」 藍本松 (13.4.12)

  > 週刊少年ジャンプ読切! 「レンゴク」 藍本松 (11.12.17)

  > 週刊少年ジャンプ新連載! 「保健室の死神」 藍本松 (09.9.7)
  > <JC1巻買い> 「保健室の死神」 藍本松 (10.2.4)

  > <JC1巻買い> 「MUDDY」 藍本松 (08.5.15)


 【「2009年の新連載」関連記事】

  > 「新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ」 麻生周一 (09.11.16)
  > 「ねこわっぱ!」 松本直也 (09.11.9)

  > 「賢い犬リリエンタール」 葦原大介 (09.9.14)
  > 「保健室の死神」 藍本松 (09.9.7)

  > 「わっしょい!わじマニア」 わじまさとし (09.7.18)
  > 「鍵人-カギジン-」 田中靖規 (09.7.14)
  > 「あねどきっ」 河下水希 (09.7.6)

  > 「AKABOSHI -異聞水滸伝-」 天野洋一 (09.5.18)
  > 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら (09.5.11)

  > 「フープメン」 川口幸範 (09.3.3)
  > 「べるぜバブ」 田村隆平 (09.2.23)

  > 「ぼっけさん」 西義之 (08.12.16)
  > 「黒子のバスケ」 藤巻忠俊 (08.12.9)
  > 「マイスター」 加地君也 (08.12.2)

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  >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(2009年9月)

 * 「このミステリーがすごい!2010年版」の予想に関しては、「このミス2010年版」ランキング(順位)予想をご覧ください。


 「2009年版」に引き続いて、「このミステリーがすごい!2010年版」でも“ランキング発表前に対象作品を読んでしまおう!”というのをやってみようと思います。

 それで、日頃から“どんな作品がランクインしそうかな?”って色々とチェックしているので、どうせならそれを発売された月別にまとめてしまおう!ということで始めたのがこの「月別ランクイン候補作品」です。

 ここでは、とりあえず「このミス」の対象になりそうな作品をピックアップして、“作者の過去実績”や“なんとなくの前評判”を元に、推測されるランクインの可能性ごとに3段階に分けて並べています。

 なお、これを書いている時点では作品をまだ読んでいない状況になると思うので、この3段階の分類は、作品を読んだ上で決めたものではありませんので、その点ご了承ください。

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 >> 2009年9月発売の最有力候補っぽい作品 <<


 【 新参者 / 東野圭吾 】

新参者新参者

講談社 2009-09-18
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  > 立ちはだかるのは、人情という名の九つの謎
  > 日本橋の片隅で発見された四十代女性の絞殺死体。
  > 「なぜ、あんなにいい人が」と周囲は声を重ねる。
  > 着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、未知の土地を歩き回る。


 東野圭吾のNo.184「パラドックス13」に次ぐ今年2作目の新作が、この「新参者」です。

 これまで、「どちらかが彼女を殺した」(1997年版 13位)・No.53「赤い指」(2007年版 9位)と2作が「このミス」にランクインしている人気の“加賀恭一郎シリーズ”ですし、「パラドックス13」以上にランクインが期待できるのではないでしょうか。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.236 『新参者』東野圭吾


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「魔 球」  1988年 18位
   > 「鳥人計画」  1989年 15位
   > 「名探偵の掟」  1997年版 3位
   > 「どちらかが彼女を殺した」  1997年版 13位
   > 「秘 密」  1999年版 9位
   > 「白夜行」  2000年版 2位、20年ベスト 10位
   > 「片想い」  2002年版 15位

   > 「超・殺人事件」  2002年版 5位
   > 「トキオ」  2003年版 18位
   > 「ゲームの名は誘拐」  2004年版 11位
   > 「殺人の門」  2004年版 18位
   > 「容疑者Xの献身」  2006年版 1位
   > 「赤い指」  2007年版 9位
   > 「聖女の救済」  2009年版 18位

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 【 凍土の密約 / 今野敏 】

凍土の密約凍土の密約

文藝春秋 2009-09-12
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  > 殺人事件の捜査に呼ばれた公安部の倉島警部補は、
  > 日本人ではありえないプロの殺し屋の存在を感じる。
  > やがて第二、第三の事件が…


 今野敏は、今年に入ってすでにNo.188「疑心 隠蔽捜査3」No.232「同期」という強力な2作の警察小説を発表しているわけですが、それでも手を緩めることなく3作目の警察小説を発表ということで、この勢いは凄いですね。

 他作家の警察小説との比較もそうですが、今野敏作品内での兼ね合いが、ランクインするかどうかに強く影響を及ぼしそうな感じです。


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「蓬 莱」  1995年版 18位
   > 「隠蔽捜査」  2006年版 20位
   > 「果断 隠蔽捜査2」  2008年版 4位

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 【 無 理 / 奥田英朗 】

無理無理

文藝春秋 2009-09-29
売り上げランキング : 1092

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  > 人口12万人の寂れた地方都市・ゆめの。
  > この地で鬱屈を抱えながら生きる
  > 5人の人間が陥った
  > 思いがけない事態を描く渾身の群像劇。


 「2010年版」対象作品では、No.154「オリンピックの身代金」というランクインの可能性の高い作品を発表している奥田英朗の新作です。

 これを書いている時点では、まだどんな内容の作品なのか詳しくはわからないのですが、「このミス」との相性が良さそうな内容ならば、2作同時にランクインなんてこともあるかもそれませんからね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                  >> No.249 『無 理』 奥田英朗


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「最 悪」  2000年版 7位
   > 「邪 魔」  2002年版 2位

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 >> 2009年9月発売の有力候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   殺気! / 雫井脩介 (1作)
   花窗玻璃 シャガールの黙示 / 深水黎一郎  <感想記事はこちら>

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 >> 2009年9月発売の候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   竜の道 飛翔篇 / 白川道 (3作)
   身代わり / 西澤保彦 (2作)  <感想記事はこちら>
   赫 眼 / 三津田信三 (2作)
   ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 / 辻村深月  <感想記事はこちら>
   電氣人閒の虞 / 詠坂雄二
   図地反転 / 曽根圭介  <感想記事はこちら>
   傷 痕 / 矢口敦子
   三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人 / 倉阪鬼一郎
   妖精島の殺人(上)  / 山口芳宏
   狩 眼 / 福田栄一
   探偵小説のためのインヴェンション 「金剋木」 / 古野まほろ
   ねずみ石 / 大崎梢
   猟 犬 / 深見真
   外事警察 / 麻生幾
   ハング / 誉田哲也
   捜査官 / 末浦広海
   霧の塔の殺人 / 大村友貴美
   海峡の南 / 伊藤たかみ
   メギド / 渡辺裕之
   闇の中の猫 / 麻生荘太郎

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  「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(2009年8月) <<<

  >>> 「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(2009年10月)


 「月別ランクイン候補作品」の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年9月 3日 (木)

「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想

 *「このミステリーがすごい!」では、1990年より翌年度表記に変更(つまり、満年齢から数え年に変更)しているので、この“2010年版”は、2009年(2008年11月~2009年10月)に発売された作品のランキングとなっています。

 なので、2010年の下半期(2010年5月~11月)に発売された作品を対象としたランクイン予想に関しては、「このミス2011年版」下半期のランクイン作品予想をご覧ください。


 * 最終的な予想を行った「このミス2010年版」ランキング(順位)予想をすでにアップしているので、そちらもぜひご覧ください。

 * 「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう!という企画を実施したので、そちらもぜひご覧ください。

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 2008年11月~2009年4月に発売された作品を対象とした「上半期終了時のランクイン作品予想」に続きまして、2009年5~10月に発売された作品を対象とした、「このミステリーがすごい!」2010年版・下半期のランキング予想をしてみたいと思います。

 ただ、これは「上半期~」の時と同様なのですが、まだ対象作品が全て出揃う前の時点(これを書いているのが9月の始め)で順位まで予想してしまうのはさすがに無茶なので、今回は、自分がこれまで読み終えることが出来た作品から、「ベスト10入りが確実と予想される作品」「ベスト20入りする可能性が高いのではと予想される作品」などの項目ごとに該当する作品を入れてみたいと思います。

 そして、11月の半ば頃に、「上半期~」「下半期~」を元に、最終的な“ランキング(順位)予想”の記事を書く予定です(後日追記:もうすでに書きました >>> 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想)。

 なお、対象となる下半期(09年5月~10月)に発売された作品の中ですでに読み終えた作品は、以下の通りです(この対象作品は、読み終えるごとに追加していく予定です)。

 * このリストのみ、タイトル部分のリンク先は当ブログの感想記事となっています。


> 「トワイライト・ミュージアム」 初野晴      > 「龍神の雨」 道尾秀介
> 「パラドックス実践」 門井慶喜             > 「I N」 桐野夏生
> 「訪問者」 恩田陸                   > 「1Q84」 村上春樹
> 「贖 罪」 湊かなえ                  > 「薄 暮」 篠田節子
> 「僕と『彼女』の首なし死体」 白石かおる     > 「螻 蛄」 黒川博行

> 「絶望ノート」 歌野晶午                > 「目 線」 天野節子
> 「密室殺人ゲーム2.0」 歌野晶午      > 「追想五断章」 米澤穂信
> 「廃墟に乞う」 佐々木譲                > 「逃亡者」 折原一
> 「花と流れ星」 道尾秀介                > 「同 期」 今野敏
> 「最も遠い銀河」 白川道             > 「図地反転」 曽根圭介

> 「福家警部補の再訪」 大倉崇裕         > 「新参者」 東野圭吾
> 「プリズン・トリック」 遠藤武文         > 「太陽を曳く馬」 高村薫
> 「少女たちの羅針盤」 水生大海          > 「粘膜蜥蜴」 飴村行
> 「ダブル・ジョーカー」 柳広司          > 「身代わり」 西澤保彦
> 「智天使の不思議」 二階堂黎人        > 「リバース」 北國浩二

> 「デパートへ行こう!」 真保裕一         > 「殺人者」 深谷忠記
> 「無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~」 望月守宮  > 「無 理」 奥田英朗
> 「さらば雑司ヶ谷」 樋口毅宏        > 「花窗玻璃」 深水黎一郎
> 「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」 辻村深月     > 「Another」 綾辻行人
> 「うまや怪談」 愛川晶              > 「身の上話」 佐藤正午


 なお、これはあくまで素人である自分が個人的に予想しているものです。

 なので、「ベスト10入り確実」と言った作品が実際には1票も入らなかったりとか、名前を挙げなかった作品が1位となるなどの可能性は大いに有り得ますので、その点をご了承の上で参考にしていただければと思います。

 ちなみに、初めて予想を行った昨年(2009年版)の予想実績は、「「このミス2009年版」ランキング(順位)予想 <反省会>」にてご確認ください。


 * 「ランク入り確率」は、(自分が予想する)ベスト20にランクインする可能性をパーセンテージで表したものです。つまり、100%に近いほど、ベスト20にランクインする可能性が高いと自分が予想している、ということです。なお、数字は適当なので、大体の目安程度に思ってください。

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです

 * 上半期(08年11~09年4月)に発売された作品に関しては、「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想をご覧ください。

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【 ベスト10入りが確実と予想される作品 】


  ここでは、ベスト10入りが確実で、1位も狙えるのでは?と自分が予想した作品を挙げてみました。

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  ダブル・ジョーカー / 柳広司 ・・・ランク入り確率 : 90%

 昨年2位にランクインしたNo.162「ジョーカー・ゲーム」の続編ですが、前作のレベルは充分に保っていたと思うので、2年連続で上位ランクインの可能性は高いでしょう。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
            >> No.243 『ダブル・ジョーカー』 柳広司

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  同 期 / 今野敏 ・・・ランク入り確率 : 80%

 「このミス」における今野敏といえば「隠蔽捜査シリーズ」ですが、本作はそれよりもミステリ的要素が遥かに盛り込まれていますし、「隠蔽捜査シリーズ」にも通ずるキャラクター的な魅力もあったので、上位ランクインは堅いのではないかと予想。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.232 『同期』今野敏

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   新参者 / 東野圭吾 ・・・ランク入り確率 : 80%

 泣ける人情作品ですが、ミステリとしての新たな試みが見事に大成功していますし、日本推理作家協会理事長就任に対するご祝儀的なものもあって、上位ランクインは確実でしょう。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.236 『新参者』 東野圭吾

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   Another / 綾辻行人 ・・・ランク入り確率 : 80%

 綾辻作品の魅力がこれでもかと炸裂していますし、作者の久々となるまさに待望の傑作となっているので、1位も狙えるのではないでしょうか。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.252 『Another』 綾辻行人


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【 ベスト20入りするのではないかと予想される作品 】


  ここでは、ベスト20にランクインする可能性が高そうな作品を挙げてみました。

  ただ、例年11~20位と21~40位辺りの作品の票数というのはそれほど変わりはなくて、たった1人の投票者のさじ加減一つで大きく順位が変動してしまうほどの差しかないので、ここら辺になってくるとランクインするかどうかは運の要素も大きく関わってくるといってもよいでしょう。

  なので、この項目に挙げたのは、「40位以内には確実に入ってくると予想される作品」といった認識で参考にしてもらう感じでちょうど良いのではないでしょうかね。

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   贖 罪 / 湊かなえ ・・・ランク入り確率 : 60%

 No.127「告白」で本屋大賞を受賞した直後という最高のタイミングで発売されたのが、2009年2作目の本作です。

 さすがに「告白」の時よりも衝撃やインパクトでは劣りますが、長編作品としての出来では「告白」よりも上だと思うので、昨年よりは順位は下がるだろうけどランクインの可能性は高いのでは。

 あと、同じ2010年版対象のNo.165「少女」との比較では、どちらかといえばこちらの方が「告白」タイプだと思うので、本作の方が「このミス」では上になるのではないでしょうかね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.211 『贖罪』 湊かなえ

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   粘膜蜥蜴 / 飴村行 ・・・ランク入り確率 : 60%

 今年の“賛否両論問題作”枠の最有力候補であろう作品ですが、一部の評論家が大絶賛していることもあって、上位入りも期待できそうですかね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.239 『粘膜蜥蜴』 飴村行

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   龍神の雨 / 道尾秀介 ・・・ランク入り確率 : 55%

 道尾秀介の長編作品というだけでもう、有力なランクイン候補となってしまいますね。

 ただ、同じ2010年版対象作品として、連作短編のNo.169「鬼の跫音」と、短編集のNo.233「花と流れ星」も出ていて、いつも以上に票割れしてしまいそうです。

 それに、昨年のNo.117「カラスの親指」(6位)とNo.121「ラットマン」(10位)と比べると、トリック面でのインパクトでは劣るので、ランクインしても上位まではいかないかな~なんて思っています。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
           >> No.186 『龍神の雨』 道尾秀介

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   密室殺人ゲーム2.0 / 歌野晶午 ・・・ランク入り確率 : 55%

 2008年版で12位にランクインした前作No.50「密室殺人ゲーム王手飛車取り」に比べるとインパクト面など劣ると思いますが、今年は本格ミステリの弾数自体が少なめなこともあり、前作に続いてのランクインの可能性も大いにあるでしょう。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
          >> No.226 『密室殺人ゲーム2.0』 歌野晶午

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   無 理 / 奥田英朗 ・・・ランク入り確率 : 45%


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                  >> No.249 『無 理』 奥田英朗

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   智天使の不思議 / 二階堂黎人 ・・・ランク入り確率 : 40%


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
       >> No.245 『智天使(ケルビム)の不思議』 二階堂黎人

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   追想五断章 / 米澤穂信 ・・・ランク入り確率 : 40%

 今年(2010年版対象期間)の米澤穂信は有力作品が3作もあるわけで、その中でも一番地味な印象もある本作ですが、でもその分渋みがいい具合に効いていますし、作者の新境地を開拓した作品でもあるので、意外とこの作品が一番上に入るのではないかと思っているのですよね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
          >> No.227 『追想五断章』 米澤穂信

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   最も遠い銀河 / 白川道 ・・・ランク入り確率 : 40%

 人間ドラマとしての壮大さが魅力の作品ですが、警察小説的な面白さもハードボイルド的な面白さも兼ね備えているので、ランクインの期待もありそうです。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
          >> No.235 『最も遠い銀河』 白川道

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   螻蛄 / 黒川博行 ・・・ランク入り確率 : 40%

 「疫病神」「国境」「暗礁」に続くシリーズ4作目ですが、「疫病神」が1998年版の13位にランクインしたのを始め、他の2作もランクインまではいかないまでも結構票を集めていて、「このミス」で評価されているシリーズなので、本作もランクインするかはともかく良いところまでいくのは確実でしょう。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.220 『螻蛄』 黒川 博行


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【 ベスト20入りする可能性もあるかもと予想される作品 】


  ここでは、ベスト20入りの可能性はそんなに高くなさそうだけど、入らないとは強く言えないような、穴馬的な作品を挙げてみました。

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   さらば雑司ヶ谷 / 樋口毅宏 ・・・ランク入り確率 : 35%


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
          >> No.248 『さらば雑司ヶ谷』 樋口毅宏

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   薄 暮 / 篠田節子 ・・・ランク入り確率 : 35%

 2010年版対象作品ではすでにNo.159「仮想儀礼」という上位ランクイン確実な作品を発表しているのですが、本作もタイプは違うとはいえ人間の狂気を描いた良作だとおもうので、ダブルランクインの可能性もあるのでは。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.213 『薄暮』 篠田節子

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   身代わり / 西澤保彦 ・・・ランク入り確率 : 35%


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.244 『身代わり』 西澤保彦

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   福家警部補の再訪 / 大倉崇裕 ・・・ランク入り確率 : 35%


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
         >> No.239 『福家警部補の再訪』 大倉崇裕

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   逃亡者 / 折原一 ・・・ランク入り確率 : 30%

 先が見えそうな題材ではあるものの、意外で驚くラストへと導かれていくので、ランクインの可能性もありそうですね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.231 『逃亡者』 折原一

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   デパートへ行こう! / 真保裕一 ・・・ランク入り確率 : 30%


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
          >> No.248 『デパートへ行こう!』 真保裕一

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   花窗玻璃 シャガールの黙示 / 深水黎一郎 ・・・ランク入り確率 : 25%


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
        >> No.251 『花窗玻璃 シャガールの黙示』 深水黎一郎

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   訪問者 / 恩田陸 ・・・ランク入り確率 : 25%

 「このミス」常連である恩田陸の本作は、「このミス」ドストライクな本格ミステリなのですが、あまりに恩田作品らしくない直球な作品だったこともあり、そこが吉と出るか凶と出るか?って感じでしょうか。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.202 『訪問者』 恩田陸

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   1Q84 / 村上春樹 ・・・ランク入り確率 : 25%

 “世界の村上春樹”の作品で、世間を巻き込むほどのブームにもなったので、まあ普通なら「このミス」ではスルーしそうなのですが、ただなんとも「このミス」で好まれそうな内容ですし、最近は昔と違ってすでに売れている作品であっても素直にランクインする傾向になっているので、ひょっとするかもしれません.....。

 そしてランクインするのだったら思いっきり上位に入ってくる可能性も高そうなので、予想する上ではなんともやっかいな作品となりそうですねェ。

 [追記] その後に、来年にも続編のBOOK3が発売されることが発表されたので、つまり今年の時点では未完となるわけなので、数字を元の35%から少し下げてみました。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
        >> No.210 『1Q84 BOOK 1・2』 村上春樹

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   リバース / 北國浩二 ・・・ランク入り確率 : 20%


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
               >> No.233 『リバース』 北國浩二

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   花と流れ星 / 道尾秀介 ・・・ランク入り確率 : 15%

 作品のほとんどが「このミス」にランクインしている道尾秀介ではありますが、今年発売された他の2作に比べると少々地味な印象だし、過去のこのシリーズ作品は1つもランクインしていないので、この作品もちょっと難しいかな、って感じでしょうか。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
          >> No.233 『花と流れ星』 道尾秀介

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   パラドックス実践 雄弁学園の教師たち / 門井慶喜 ・・・ランク入り確率 : 10%

 舞台となる学校の設定からしてユニークで、その内容もバラエティーに富んでいる連作短編なので、ランクインする可能性もありそうかも。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
           >> No.186 『パラドックス実践』 門井慶喜

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   廃墟に乞う / 佐々木譲 ・・・ランク入り確率 : 10%

 人気の佐々木譲作品ですが、期間内に他に3作も発表されているので、それらより上に行くには少々地味すぎかな~って感じですかね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
            >> No.230 『廃墟に乞う』 佐々木譲

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   絶望ノート / 歌野晶午 ・・・ランク入り確率 : 10%

 歌野作品らしい二転三転する展開がありましたが、それほど大きなインパクトではなかったので、ランクインするまではどうかな~といったところでしょうか。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.218 『絶望ノート』 歌野晶午


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【 未読のランクイン確率が高そうな作品 】


  ここでは、まだ読んでいない作品の中で、過去の実績や評判などからランクインする可能性のありそうな作品を挙げてみました。

  なお、ここに挙げた作品は、読み終えた後には削除し、ランクインしそうだと思ったら上のいずれかの項目に追加する予定です。

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   巡査の休日 / 佐々木譲

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   製鉄天使 / 桜庭一樹

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   厭な小説 / 京極夏彦

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   雪 冤 / 大門剛明

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 【「このミステリーがすごい!2010年版」関連記事】

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (09.12.13)
  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (09.12.23)
  > 「このミス2010年版」対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会> (09.12.29)

  > 「このミステリーがすごい!2010年版」 (09.12.9)

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 (09.11.18)
  > 「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう! (09.11.16)
  > 「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6 (09.11.28)

  > 「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想 (09.7.23)
  > 「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想 (09.9.3)


 【“「このミス」予想”関連記事】

  > 「このミス2012年版」上半期のランクイン候補作品 (10.12.1)


  > 「このミス2011年版」上半期のランクイン作品仮予想 (10.1.17)
  > 「このミス2011年版」下半期のランクイン作品仮予想 (10.6.14)

  > 「このミステリーがすごい!2011年版」ランキング(順位)予想 (10.11.3)
  > 「このミス2011年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (10.11.1)

  > 「このミス2011年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (10.12.10)
  > 「このミス2011年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (10.12.22)


  > 「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想 (09.7.23)
  > 「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想 (09.9.3)

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 (09.11.18)
  > 「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう! (09.11.16)

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (09.12.13)
  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (09.12.23)


  > 「このミス2009年版」ランキング(順位)予想 (08.11.13)
  > 「このミス2009年版」ランキング(順位)予想 <反省会> (08.12.8)

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年9月 2日 (水)

「第5回 金未来杯」エントリー作品の中で一番面白かった作品を決める投票を実施中です

 * 投票の受け付けは、9月30日をもって終了いたしました


 7月末から5週(合併号があったので期間的には6週?)に渡って行われた「第5回 金未来杯(ゴールドフューチャーカップ)」(新人漫画家の読み切り作品を毎週1作ずつ掲載し、読者アンケートにより優勝者を決めるという、この時期恒例の企画)も、とうとう最後のエントリー作品が掲載も終わり、全5作品が出揃いました。

 そこで、エントリー5作品の中で一番面白かった作品を決める投票をぜひとも実施しようと思い、各作品の当ブログ記事それぞれに、5作品中1作品のみに票を入れることができる投票を付け加えました。

 ただ、トップを飾った作品なんかは掲載されたのが1か月以上も前で、どうしても掲載されて間もない作品の方が有利になってしまうので、効果があるかどうかわからないけれど、こうして新たに投票専用の記事を書いてみたのです。

 なお、各作品の内容や、漫画家(原作者)の情報に関しては、それぞれの記事をご覧ください。

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05dengi 「明治百機八匣譚DENGI」 芝田優作

  > 週刊少年ジャンプ読切! 「明治百機八匣譚DENGI」 芝田優作


05crown  「CROWN!」 稲吉慶 小林ツトム

  > 週刊少年ジャンプ読切! 「CROWN!」 稲吉慶 小林ツトム


05north 「north island」 安藤英

  > 週刊少年ジャンプ読切! 「north island」 安藤英


05  「世直し伝説!!世奈押郎」 根田啓史

  > 週刊少年ジャンプ読切! 「世直し伝説!!世奈押郎」 根田啓史


05_2 「メタリカメタルカ」 水野輝昭

  > 週刊少年ジャンプ読切! 「メタリカメタルカ」 水野輝昭

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 05dengi VS 05crown VS 05north VS 05 VS 05_2

 

  投票受付期間:2009.8.31~9.30

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 【「第5回 金未来杯」関連記事】

  > 「明治百機八匣譚DENGI」 芝田優作 (09.7.27)
  > 「CROWN!」 稲吉慶 小林ツトム (09.8.3)
  > 「north island」 安藤英 (09.8.10)
  > 「世直し伝説!!世奈押郎」 根田啓史 (09.8.24)
  > 「メタリカメタルカ」 水野輝昭 (09.8.31)
  > 「第5回 金未来杯」エントリー作品の中で
           一番面白かった作品を決める投票を実施中です (09.9.2)


 【「2009年の読切」関連記事】

  > 「SWOT」 杉田尚 (09.11.21)

 < 第5回 金未来杯 >
  > 「明治百機八匣譚DENGI」 芝田優作 (09.7.27)
  > 「CROWN!」 稲吉慶 小林ツトム (09.8.3)
  > 「north island」 安藤英 (09.8.10)
  > 「世直し伝説!!世奈押郎」 根田啓史 (09.8.24)
  > 「メタリカメタルカ」 水野輝昭 (09.8.31)
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           一番面白かった作品を決める投票を実施中です (09.9.2)

 < JG1読切祭 >
  > 「ねこわっぱ!」 松本直也 (09.6.1)
  > 「詭弁学派、四ッ谷先生の怪談」 古舘春一 (09.6.8)
  > 「黒蜜様 参る!」 岩本直輝 (09.6.15)
  > 「ULTIMATE CHASER」 春日真 (09.6.22)
  > 「LOCK ON!」 土田健太 (09.6.29)

  > 「BLUST!」 村田雄介 (09.4.29)

  > 「血風学級怪」 三代川将 (09.4.20)

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  >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

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