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2009年7月14日 (火)

週刊少年ジャンプ新連載! 「鍵人-カギジン-」 田中靖規

鍵人-カギジン 上 (ジャンプコミックス)鍵人-カギジン 上 (ジャンプコミックス)

集英社 2009-12-04
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 2009年7月に投入された新連載第2弾が、33号から始まった「鍵人-カギジン-」です。

 作者の田中靖規は、2007年の「瞳のカトブレパス」以来となる約2年ぶり2度目の連載です。

 その「瞳のカトブレパス」は、残念ながら15週という短期での打ち切りとなってしまったので、果たして2度目のチャレンジでリベンジを果たせますでしょうか。


 それでこの作品は、赤マルジャンプ2009WINTERに掲載された同名の読切作品「鍵人-カギジン-」を元に、設定など少々リニューアルして連載化となりました。

 舞台は荒廃した近未来で、体内に発現した鍵穴に鍵を差し込むことにより、その鍵の真の能力(第1話での主人公の場合は刀)を引き出すことのできる「鍵人」達が活躍する“新世界ファンタジー”です。

 前作「瞳のカトブレパス」の時は、絵的にも演出的にも、師匠である荒木飛呂彦(「ジョジョの奇妙な冒険」)の影響がわかりやすいくらいに表れていましたが、今作では所々でその匂いが感じられる程度でしたね。

 そして絵の方では、舞台設定の違いもあってか、前作と同一人物の作品だとは一見してわからないくらいに、とても見やすくさっぱりした感じに大きく変わっていました。

 そしてここ最近の新連載では、とりあえず物語の大まかな設定紹介や主人公等のキャラクター紹介などを中心とした、いわゆるプロローグ的な内容の第1話で、本格始動は第2話から、といった作品がほとんどだったと思います。

 ところがこの作品の場合は、それほど大きな見せ場もなく、まだ謎の部分が多いままで終わってしまったので、“第1話を読み終えた!!”っていうすっきりとした読後感というよりは、“あれ、もう終わり!?”といったあっけない読後感に近かったです。

 ただそれゆえに、続き(特に、敵対するであろうもう一人の鍵人との出会い)が気になって、早く第2話を読みたくなってしまったりもしたのですけどね。

 このいくらかスローペースなスタートは、果たしてこの作品にとって吉と出るのか凶と出るのかも興味深いです。

 第3話までのアンケートにより打ち切りが決まってしまうこともあるジャンプでは厳しいようにも思われますが、元々こういったファンタジー作品はジャンプではなかなか根付きにくいジャンルだし、主人公のキャラクターや“鍵”を使った能力など全体的に地味な印象なので、あまり派手な演出で盛り上げて空回るよりも、この第1話のようにじっくりと物語世界を描いていく方が、この作品の魅力を活かすには合っているようにも思うのですけどね。


  

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