『龍神の雨』 道尾秀介 > 「このミス」完全読破 No.186
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.186
『龍神の雨』 道尾秀介
「このミス」2010年版 : 9位
受賞(候補) : 「大藪春彦賞」受賞
(「吉川英治文学新人賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 14位
読始:2009.6.1 ~ 読終:2009.6.2
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2009年5月>
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道尾秀介のNo.169「鬼の跫音」に続く2009年2作目が、この長編作品「龍神の雨」です。
ドンヨリとした空気が流れる中で不気味な何かが起きるような予感が漂う感じから、全体的な雰囲気はNo.49「シャドウ」やNo.121「ラットマン」に似た印象ですね。
ただこれまでの作品とは異なるところもあって、まあ個人的に感じたことなのですが、これまでの道尾作品は、作中で語られているよりも前の段階や冒頭付近に、まだ明らかにされていない不穏な出来事が起きていたりとか、読み手の意識を誤らせるような仕掛けが施されていたりとかを匂わせているので、後方からの攻撃を常に警戒しながら読み進めている感じでした。
一方でこの作品は、作中で語られるより前や冒頭付近の話にはあまり意識が行かず、これから読み進めていく先に何かすごいことが待ち受けているように思えて、常に前からの攻撃にのみ立ち向かうかの如く読み進めていく感じでしたね。
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しかし、クライマックスシーンになって真相が判明し、これまで読みながら頭に思い描いてきた絵が間違っていたことが判明し、一体何が起きたのかわからず頭の中が空白になってしまうという、“これぞ道尾作品!”といった要素は、今回も見事なまでに炸裂します。
とはいえ、昨年の「ラットマン」やNo.117「カラスの親指」ほどの大掛かりなトリックではなくて、結構シンプルな仕掛けでしたね。
今作は、そんな仕掛けの部分はもちろんですが、それ以外の要素にもかなりの力を入れているような印象で、そのためかこれまでの作品とはまた違った、新たな魅力を味わうことができました。
ただ、騙しの仕掛けの部分のみを楽しみたいという方なんかは、ちょっと物足りなく思ったりするかもしれませんねェ。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★★ おどろおどろ度 : ★★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.0340 「月の恋人~Moon Lovers~」
> No.0312 「蝦蟇倉市事件 1」
> No.0311 「光媒の花」
> No.0294 「球体の蛇」
> No.0233 「花と流れ星」
> No.0186 「龍神の雨」
> No.0169 「鬼の跫音」
> No.0121 「ラットマン」
> No.0117 「カラスの親指」
> No.0097 「ソロモンの犬」
> No.0058 「片眼の猿」
> No.0049 「シャドウ」
> No.0041 「向日葵の咲かない夏」
NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「風の時/狼の時」 天城一
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