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2009年5月

2009年5月30日 (土)

Don’t say“lazy” / 桜高軽音部 (CD)

Don’t say“lazy”(初回限定盤)Don’t say“lazy”(初回限定盤)
桜高軽音部 大森祥子 小森茂生

ポニーキャニオン 2009-04-22
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 テレビアニメのオープニング曲やエンディング曲を本業の歌手やミュージシャンが歌うものをアニメソング(アニソン)と呼ぶのに対し、アニメの登場人物が役柄そのままに(つまりは声優が)歌ったものをキャラクターソング(キャラソン)と呼ぶようですね。

 CDのセールスが世を反映してか不況に陥っている中、やはりそんな時は固定ファンが多いほど影響を受けにくいためか、どちらのジャンルの歌もセールス好調で、オリコンのランキングなどでも毎週のように上位に登場しています。

 ただ、アニソンの方はもう10年以上も前からヒット曲の重要なタイアップ元であったわけで、それに対しキャラソンの方は、ここ数年で一気に大躍進した急成長株といった感じでしょうか。

 そんなヒット曲続出のキャラソンの中でも、オリコンデイリーチャートでOP&ED曲が1・2位となったのを始めとして、週間チャートでも2・4位という高順位に送り込み、さらには両曲ともに3週連続でトップ10に入るなど、とんでもない売れ方をしているのが、アニメ「けいおん!」のキャラソンです。


 自分は、“何でも聴く”と言いながらもさすがにキャラソンには抵抗があったのですが、ここまでの盛り上がりようだと無関心でいられるわけもなく、どんなものなのか試しに聴いてみました。

 そしたら、このEDテーマの方の「Don’t say“lazy”」が、とてつもないカッコ良さだったので驚いてしまいました。

 キャラソンに対する抵抗感というのは、あの声優さん独特の歌い方が多くを占めていると思うのですが、この歌にはそういった部分がほとんど感じられませんからね。

 そして自分的にはロックであることが高ポイントだったのはもちろんですが、キャラソンとは思えないほどの音の激しさ&厚みが嬉しい限りだし、曲の始めからサビまでの怒涛の如く流れるような展開も、シンプルながらも思わず引き込まれてしまうほどの勢いがありますからね。Bメロからサビに入る流れも見事だし。

 OP曲や最近出た劇中歌は、キャラソン独特の歌い方が出ているようでイマイチ乗れないですが、このED曲に関しては“キャラソンにしては”といった次元を超えるくらいに気に入ってしまいました。

「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想

 2009年も4月が終わった時点で、「このミステリーがすごい!2010年版」の対象期間が早くも半分が過ぎたということなので、ここで上半期終了時点でのランキング予想をしてみたいと思います。

 ただ、この時点で順位まで予想してしまうのはさすがに無茶なので、今回は、自分がこれまで読み終えることが出来た作品から、「ベスト10入りが確実と予想される作品」「ベスト20入りする可能性が高いのではと予想される作品」などの項目ごとに該当する作品を入れてみたいと思います。

 なお、対象となる上半期(08年11月~09年4月)に発売された作品の中ですでに読み終えた作品は、以下の通りです(この対象作品は、読み終えるごとに追加していく予定です)。

 * このリストのみ、タイトル部分のリンク先は当ブログの感想記事となっています


> 「儚い羊たちの祝宴」 米澤穂信     > 「踊るジョーカー」 北山猛邦
> 「チェーン・ポイズン」 本多孝好  > 「ファミリーポートレイト」 桜庭一樹
> 「オリンピックの身代金」 奥田英朗     > 「警官の紋章」 佐々木譲
> 「豪華客船エリス号の大冒険」 山口芳宏    > 「悼む人」 天童荒太
> 「殺人鬼フジコの衝動」 真梨幸子        > 「まいなす」 太田忠司

> 「無貌伝 ~双児の子ら~」 望月守宮     > 「仮想儀礼」 篠田節子
> 「ブラザー・サン シスター・ムーン」 恩田陸    > 「煙 霞」 黒川博行
> 「笑うヤシュ・クック・モ」 沢村凛           > 「少 女」 湊かなえ
> 「神君幻法帖」 山田正紀             > 「鬼の跫音」 道尾秀介
> 「残される者たちへ」 小路幸也            > 「虎と月」 柳広司

> 「土井徹先生の診療事件簿」 五十嵐貴久 > 「英雄の書」 宮部みゆき
> 「ジョニー・ザ・ラビット」 東山彰良     > 「黒と赤の潮流」 福田和代
> 「バギー・イン・ザ・ドールハウス」 齊藤慶    > 「暴雪圏」 佐々木譲
> 「たまさか人形堂物語」 津原泰水       > 「玻璃の家」 松本寛大
> 「レッド・マスカラの秋」 永井するみ      > 「エクステンド」 鏑木蓮

> 「パラドックス13」 東野圭吾               > 「誤 審」 麻野涼
> 「六つの手掛り」 乾くるみ          > 「風の時/狼の時」 天城一
> 「疑心 隠蔽捜査3」 今野敏        > 「プラ・バロック」 結城充考
> 「遠い旋律、草原の光」 倉阪鬼一郎        > 「エッジ」 鈴木光司
> 「トレジャー・キャッスル」 菊地秀行       > 「草 祭」 恒川光太郎

> 「ポルトガルの四月」 浅暮三文             > 「元職員」 吉田修一
> 「ロング・ドッグ・バイ」 霞流一


 なお、これはあくまで素人である自分が個人的に予想しているものです。

 なので、「ベスト10入り確実」と言った作品が実際には1票も入らなかったりとか、名前を挙げなかった作品が1位となるなどの可能性は大いに有り得ますので、その点をご了承の上で参考にしていただければと思います。

 ちなみに、初めて予想を行った昨年(2009年版)の予想実績は、「「このミス2009年版」ランキング(順位)予想 <反省会>」にてご確認ください。


 * 「ランク入り確率」は、(自分が予想する)ベスト20にランクインする可能性をパーセンテージで表したものです。つまり、100%に近いほど、ベスト20にランクインする可能性が高いと自分が予想している、ということです。なお、数字は適当なので、大体の目安程度に思ってください。

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです

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【 ベスト10入りが確実と予想される作品 】


  ここでは、ベスト10入りが確実で、下半期のラインナップ次第では1位も狙えるのでは?と自分が予想した作品を挙げてみました。

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   仮想儀礼 / 篠田節子 ・・・ランク入り確率 : 95%

 上下巻の大作ですが、新興宗教を舞台にした人間ドラマがとても迫力あるもので、しかもそれが中だるみしないどころか終盤に向かうにつれて怒涛の如く勢いを増していくほどなので、これはもう上位を狙える出来だと思うのですよね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
             >> No.159 『仮想儀礼』 篠田節子

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   オリンピックの身代金 / 奥田英朗 ・・・ランク入り確率 : 90%

 奥田英朗久々の「このミス」直球サスペンスですが、これまた重厚な人間ドラマが繰り広げられていて、かなり玄人好みな作品に仕上がっていると思うので、こちらも上位ランクインは堅そうです。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
       >> No.154 『オリンピックの身代金』 奥田英朗


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【 ベスト20入りするのではないかと予想される作品 】


  ここでは、ベスト20にランクインする可能性が高そうな作品を挙げてみました。

  ただ、例年11~20位と21~40位辺りの作品の票数というのはそれほど変わりはなくて、たった1人の投票者のさじ加減一つで大きく順位が変動してしまうほどの差しかないので、ここら辺になってくるとランクインするかどうかは運の要素も大きく関わってくるといってもよいでしょう。

  なので、この項目に挙げたのは、「40位以内には確実に入ってくると予想される作品」といった認識で参考にしてもらう感じでちょうど良いのではないでしょうかね。

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   風の時/狼の時 / 天城一 ・・・ランク入り確率 : 80%

 天城一傑作集の4作目です。

 過去の3作が全てベスト20に入っていることや、前作から3年あいだがあいたこと、その間に作者が亡くなられたために今作は追悼出版であること、そしてこの“天城一傑作集”も今作が最終巻であることなどから考えても、ベスト20入りは堅いのでは。

 さらに、今年は本格ミステリの弾数が今のところかなり少なく、下半期でもその傾向が続くならば、上位にランクインも大いにありえそうですかね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
        >> No.187 『風の時/狼の時』 天城一

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   鬼の跫音 / 道尾秀介 ・・・ランク入り確率 : 60%

 道尾秀介初の連作短編集ですが、内容的にもこれまでの作風とは少し変えてきたところが、評価の方に繋がるような出来だったと思います。

 ただ、5月には長編の「龍神の雨」が出て、夏には短編集が刊行される予定ということなので、他作家の作品との比較以上に、この3作品内での比較がランク入りには大きく左右されそうですかね。

 いずれにせよ、「このミス」とは相性が良すぎの作家なだけに、チェックは必要不可欠でしょう。

 [追記] 当初は「ランク入り確率:45%」にしていましたが、いくつもの賞に候補として名前が挙がっていることから考えて、世間の評価は結構高そうだと思い、数字を上げてみました。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
              >> No.169 『鬼の跫音』 道尾秀介

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   たまさか人形堂物語 / 津原泰水 ・・・ランク入り確率 : 55%

 「このミス」では、専門職や趣味を題材にした作品が毎年のようにランクインしますが、今年のその枠でのランクインが有力なのではないかと思われるのが、“人形堂”を舞台にしたこの作品です。

 地味ながらもかなりの濃密さで、ミステリ的要素も読み応えあるものなので、票を結構集めそうに思うのですけどね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
        >> No.180 『たまさか人形堂物語』 津原泰水

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   疑心-隠蔽捜査3 / 今野敏 ・・・ランク入り確率 : 50%

 過去の2作がいずれもランクインしている「隠蔽捜査」シリーズの最新作ですが、期待を裏切らないどころか期待以上の作品となっていたのはさすがでした。

 ただ、竜崎というキャラクターが初披露された第1作&ミステリ的な要素が組み込まれていた第2作と比べると、今作は「このミス」的な強調材料という点では見劣るようにも思われるので、「このミス」選者がその点をどう評価するか次第で、上位ランクインも大いにありえればランク外も大いにありえそう。

 なので、予想をする上ではかなり順位が読めなくてやっかいな作品となりそうです。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
               >> No.188 『疑心 隠蔽捜査3』 今野敏

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   少 女 / 湊かなえ ・・・ランク入り確率 : 50%

 昨年発売されたデビュー作のNo.127「告白」がロングセラー中で、しかも「本屋大賞」を受賞したことでまた一段と知名度がアップした湊かなえの第2作目ですが、前作がフロックではないことを証明するような、それでいて前作とはまた違った魅力を携えた作品であったと思います。

 ただ、インパクトあった前作との比較により評価が低くなる可能性もありそうなので、ランクイン確実とは言えないですね。6月には3作目の「贖罪」も出るようですし、そちらとの兼ね合いも影響しそうだし。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
               >> No.165 『少 女』 湊かなえ

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   ジョニー・ザ・ラビット / 東山彰良 ・・・ランク入り確率 : 50%

 かなり硬派でイカしたハードボイルド作品なので、「このミス」大賞出身作家として初のランクインに期待が高まります。

 うさぎの探偵が主人公という奇抜さなんかも「このミス」受けしそうですしね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
        >> No.176 『ジョニー・ザ・ラビット』 東山彰良

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   暴雪圏 / 佐々木譲 ・・・ランク入り確率 : 45%

 2007年版2位のNo.48「制服捜査」に続く駐在警官・川久保篤シリーズの第2弾ですが、そのシリーズ第1作とは違ったアプローチで書かれているため、面白さの種類も違うので、票が読みにくいのですよね。

 ただ、No.152「警官の紋章」との票割れを考慮しても、結構いい所まで行くと思うのですけどね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.175 『暴雪圏』 佐々木譲

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   儚い羊たちの祝宴 / 米澤穂信 ・・・ランク入り確率 : 40%

 米澤穂信の暗黒おとぎ話風連作短編集です。「このミス」と好相性作家ということもあり、候補からは外せないでしょう。

 ただ、「秋季限定栗きんとん事件」を始め、今回は対象期間内にまだ何冊も発表する予定とのことなので、そうなると票割れしてランクインの可能性も下がってしまいそうですかね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
         >> No.140 『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信

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   遠い旋律、草原の光 / 倉阪鬼一郎 ・・・ランク入り確率 : 40%

 芸術恋愛ミステリ作品ですが、芸術を根底とした恋愛物語が中心となっています。

 ただ、ミステリ要素によりこの恋愛物語がとても哀しく美しく彩られるので、この鮮やかな仕掛けに対して票が集まるのではないかと思うのですけどね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
       >> No.192 『遠い旋律、草原の光』 倉阪鬼一郎


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【 ベスト20入りする可能性もあるかもと予想される作品 】


  ここでは、ベスト20入りの可能性はそんなに高くなさそうだけど、入らないとは強く言えないような、穴馬的な作品を挙げてみました。

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   六つの手掛り / 乾くるみ ・・・ランク入り確率 : 35%

 昨年のNo.168「カラット探偵事務所の事件簿(1)」と似たタイプの連作ミステリですが、ミステリ的なトリックも、ラストの小気味良い仕掛けも、前作よりも通受けしそうな感じです。

 その前作が13点届かずの35位だったので、今作はそれより票を稼ぐとするならば、ランクインの可能性は高くなるのではないでしょうか。

 [追記] 後ほど冷静に考えてみましたら、トリックにしてもラストの仕掛けにしても「ランク入り確率:50%」にするほど強力なものでもなかったかな~と思いまして、大幅に数字を下げてみました。

 ただ、個人的な好みではベスト5級なのですけどね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
          >> No.185 『六つの手掛り』 乾くるみ

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   虎と月 / 柳広司 ・・・ランク入り確率 : 35%

 昨年発表されたNo.162「ジョーカー・ゲーム」が2位にランクインした柳広司の新作ですが、学生向けの「ミステリーYA!」から出たということもあって前作とは全く色合いの違った作品となっています。

 それでも、ミステリ的な部分では共通するようなものも感じられますし、“「山月記」を元にここまでのミステリ作品に仕上げてしまうとは!”といった評価も加わるならば、前作ほどは無理とはいえ結構票を稼げるのではないでしょうか。

 [追記] 当初は「ランク入り確率:45%」にしていましたが、下半期にどうやら「ジョーカー・ゲーム」の続編が発売されるそうなので、となるとそちらに票が集まりそうだな~と思い、数字を下げてみました。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
               >> No.172 『虎と月』 柳広司

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   パラドックス13 / 東野圭吾 ・・・ランク入り確率 : 30%

 SFパニックという新たなジャンルに挑戦するも、期待を裏切らない平均点以上のもを書いてしまうということで、さすが東野圭吾といったところです。

 ただ、東野圭吾の作品ならば、平均点を超えるくらいのレベルではランクイン出来ないような高いハードルがあるような感じもするので、ランクインしそうな出来ではあるものの、ここは思い切ってこの項目に名前を挙げてしまいました。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
          >> No.184 『パラドックス13』 東野圭吾

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   警官の紋章 / 佐々木譲 ・・・ランク入り確率 : 25%

 人気シリーズの第3弾ですが、前2作との比較や、No.159 『暴雪圏』との票割れなどを考慮すると、ランクインするまではいかないのではないかと予想。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.152 『警官の紋章』 佐々木譲

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   チェーン・ポイズン / 本多孝好 ・・・ランク入り確率 : 25%

 ストーリー的にも構成的にもミステリ要素的にも申し分ないとは思うのですが、ランクインするにはもうひと押しが必要なのではないかな~と感じるのですよねェ。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
          >> No.148 『チェーン・ポイズン』 本多孝好

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   黒と赤の潮流 / 福田和代 ・・・ランク入り確率 : 25%

 2009年版17位に入った前作「TOKYO BLACKOUT」、そして2008年版で26位と惜しいところまでいったデビュー作「ヴィズ・ゼロ」をまだ読んでいないため、これらとの比較が出来ないことで予想が難しくなってしまうのですが、とりあえずここら辺に予想してみました。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
              >> No.177 『黒と赤の潮流』 福田和代

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   無貌伝 ~双児の子ら~ / 望月守宮 ・・・ランク入り確率 : 20%

 メフィスト賞受賞作です。異色風ながら結構直球な本格ミステリですし、キャラクターも魅力的なので、その点の評価次第でランクインも?


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
         >> No.160 『無貌伝 ~双児の子ら~』 望月守宮

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   殺人鬼フジコの衝動 / 真梨幸子 ・・・ランク入り確率 : 20%

 イヤミスと称される作品ですが、ミステリ的な仕掛けもあるし、昨年のNo.127「告白」湊かなえ的な評価を受けるならばランクインも?


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
               >> No.158 『殺人鬼フジコの衝動』 真梨幸子

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   悼む人 / 天童荒太 ・・・ランク入り確率 : 10%

 直木賞受賞作ですが、テーマ的に「このミス」的ではないのでランクインは難しいのではないかと思うも、それでも「このミス」1位実績作家ということもあって完全無視は出来ないですよね。


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                    >> No.155 『悼む人』 天童荒太

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   ファミリーポートレイト / 桜庭一樹 ・・・ランク入り確率 : 10%

 こちらもあまり「このミス」的な作品ではないですが、でも「このミス」実績ある作家なので、ランクインしないとは言い切れないですねェ。


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       >> No.150 『ファミリーポートレイト』 桜庭一樹

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   プラ・バロック / 結城充考 ・・・ランク入り確率 : 5%

 今風な感じのする警察サスペンス作品でなかなか面白かったですが、新人ながらもランクインするほどまではいかなかったかな~って感じですかね?


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                  >> No.189 『プラ・バロック』 結城充考

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   玻璃の家 / 松本寛大 ・・・ランク入り確率 : 5%

 なかなか濃厚な本格ミステリなのですが、書評などを読んでみると、必ずと言っていいほど良い点と共に苦言も書かれている感じなので、ランクインするまではいかなそうですかね?


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                  >> No.179 『玻璃の家』 松本寛大

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   神君幻法帖 / 山田正紀 ・・・ランク入り確率 : 5%

 内容的にはランクインするほどではないかな~と思うも、この作品の作者も、そしてオマージュ元の作家も、いずれも「このミス」実績があるので、可能性はあるかも。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                  >> No.166 『神君幻法帖』 山田正紀

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   残される者たちへ / 小路幸也 ・・・ランク入り確率 : 5%

 ほとんど話題にはなっていない感じですが、「このミス」とは相性の良い恩田陸作品的な面白さだったので、もしかしたらもしかするかも?


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
                >> No.170 『残される者たちへ』 小路幸也


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【 未読のランクイン確率が高そうな作品 】


  ここでは、まだ読んでいない作品の中で、過去の実績や評判などからランクインする可能性のありそうな作品を挙げてみました。

  なお、ここに挙げた作品は、読み終えた後には削除し、ランクインしそうだと思ったら上のいずれかの項目に追加する予定です。

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   約束の地 / 樋口明雄

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   神器-軍艦「橿原」殺人事件 / 奥泉光

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   密室の如き籠るもの / 三津田信三

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   秋期限定栗きんとん事件 / 米澤穂信

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   鷺と雪 / 北村薫

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   乱反射 / 貫井徳郎

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   ハーモニー / 伊藤計劃

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   幻影城の時代 完全版 / 本多正一・編

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年5月25日 (月)

『たまさか人形堂物語』 津原泰水 > 「このミス」完全読破 No.180

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.180

 『たまさか人形堂物語』 津原泰水

   「このミス」2010年版 : 73位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.5.12 ~ 読終:2009.5.13

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年1月>

たまさか人形堂物語 (文春文庫)たまさか人形堂物語 (文春文庫)
津原 泰水

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 「このミス」では、“落語ミステリ”や“ジャズミステリ”など、職業や趣味を題材とした“○○ミステリ”と称される作品が毎年のようにランクインするのですが、この作品もその流れをくんだ“人形堂ミステリ”です。

 “人形ミステリ”ではなくて“人形堂ミステリ”なのは、主に人形の修繕を取り扱う店を舞台にしているからなのです。

 そして、この舞台設定からもわかるように、収録作のほとんどが“日常の謎系”の連作短編集となっています。

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 この人形堂に持ち込まれる人形やその持ち主、または主人公を含む従業員の人形との関わりを元にして、そこに謎が生まれ、鮮やかにその謎が解明されていきます。

 人形に関するうんちく話もなかなか興味深く、従業員の間で起こる日常的なドラマも面白いのですが、やはりなんといってもミステリ的な部分が魅力的ですね。

 各話に登場する謎というのが、日常的なものなんだけど、題材にしても謎自体にしてもかなり凝った作りで、その真相も捻りが効きながらもすっきりするものなのです。

 200ページほどとハードカバー本にしては薄めで、表紙も可愛らしいものの、そんな外見とは裏腹に、中身はボリューム満点に感じられるほどの濃密さなので、かなり読み応えのある作品でしたね。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★         主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “津原泰水”関連記事 】

  > No.736 「読み解かれるD クロニクル・アラウンド・ザ・クロックIII」
  > No.642 「廻旋する夏空 クロニクル・アラウンド・ザ・クロックII」
  > No.640 「爛漫たる爛漫 クロニクル・アラウンド・ザ・クロック」
  > No.602 「11 eleven」

  > No.574 「猫ノ眼時計」
  > No.568 「ピカルディの薔薇」
  > No.565 「蘆屋家の崩壊」
  > No.376 「瑠璃玉の耳輪」
  > No.180 「たまさか人形堂物語」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「エクステンド」 鏑木蓮

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年5月24日 (日)

『玻璃の家』 松本寛大 > 「このミス」完全読破 No.179

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.179

 『玻璃の家』 松本寛大

   「このミス」2010年版 : 51位

   受賞(候補) : 「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 20位
               「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:2009.5.1 ~ 読終:2009.5.11

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年3月>

玻璃の家玻璃の家
松本 寛大

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 「第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を、選考委員である島田荘司の大絶賛と共に受賞した作品です。

 舞台はアメリカで、登場人物もほぼアメリカ人なので、海外ミステリを読んでいるかのような雰囲気が漂っているのですが、ただ主人公は日本人留学生で、その日本人的な視点が核心部分を照らしたりもするのが面白いところですね。

 内容の方は本格ミステリでして、殺人事件の犯人を少年が間近で目撃するものの、この少年にはある障害があるために、事件解決に向けての重要な手掛かりであるにもかかわらず役に立たない状況となってしまいます。

 この少年の目撃証言をいかにして事件の重要証拠として成立させるのか、そしてこの事件の犯人は一体誰なのか、この二本柱を中心にストーリーが進んでいきます。

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 この少年の障害というのがこの作品の肝となってくるのですが、どちらかというと二本柱のうちのこちらの方に力が入っているような感じで、専門用を使ったうんちくを交えながらじっくりと語られていきます。

 なので、事件自体の展開というのはとても緩やかで、それほど盛り上がりもなく進んでいくので、人によってはこの序盤から中盤にかけて退屈してしまうかも。

 しかし、それまでの遅れを取り戻すかのように、クライマックスに入ると怒涛の展開で事件の全貌が明らかにされるのですが、これがもう迫力満点で圧倒されてしまうのです。

 しかもその内容というのがかなりのややこしさで、さらに登場人物が外国人の名前ということもあって余計にややこしさに拍車がかかるので、もう難解でしょうがなかったです。

 でもそこがこの作品の楽しみどころでもあると思うので、硬派な本格ミステリ好きの人向けかもしれませんね。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★         人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「たまさか人形堂物語」 津原泰水

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年5月23日 (土)

>>MDB的コンピCD-17<< 「応援ソング」

>> MDB的コンピCD << とは?

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 「応援ソング」

  * 曲名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです


      01 : 愛は勝つ / KAN  (1990年)

  02 : TOMORROW / 岡本真夜  (1995年)

  03 : ガッツだぜ!! / ウルフルズ  (1996年)

  04 : Story / AI  (2005年)

  05 : マイペース / SunSet Swish  (2006年)

  06 : Baby Don't Cry / 安室奈美恵  (2007年)

      07 : 田 園 / 玉置浩二  (1996年)

      08 : 負けないで / ZARD  (1993年)

  09 : 世界に一つだけの花 / SMAP  (2003年)

   10 : realize / melody.  (2005年)

  11 : スーパーヒーロー / エイジアエンジニア  (2005年)

  12 : ゲンキダシテ / 大黒摩季  (1997年)

      13 : それが大事 / 大事MANブラザーズバンド  (1991年)

  14 : 何度でも / ドリームズ・カム・トゥルー  (2005年)


  15 : 終わりなき旅 / Mr.Children  (1998年)

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 ゴールデンウィークも終わって五月病の季節となったので、ここで応援ソングを集めたコンピCDを作ってみましょう。

 ただ、鬱傾向の方に“頑張れ!”という言葉は禁句なように、あまり直接的な応援はかえってマイナスになってしまうのですが、そこらへんはあまり深く考えずに、大ヒットした歌を中心にわかりやすい歌詞の定番的ソングを集めてみました。

 普段は何気なく聴いている歌でも、落ち込んでいたり元気ない時に聴くと不思議と勇気づけられますからね。音楽の力というのも侮れないものなのです。

『バギー・イン・ザ・ドールハウス さかしまの世界』 齊藤慶(t.o.L) > 「このミス」完全読破 No.178

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.178

 『バギー・イン・ザ・ドールハウス さかしまの世界』 齊藤慶(t.o.L)

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.4.23 ~ 読終:2009.4.30

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本(上・下) <2009年2月>

バギー・イン・ザ・ドールハウス さかしまの世界〈上〉バギー・イン・ザ・ドールハウス さかしまの世界〈上〉
齊藤慶(t.o.L)

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 「このミス」では、No.47「独白するユニバーサル横メルカトル」平山夢明(2007年版 1位)やNo.145「バッド・チューニング」飯野文彦(2008年版 13位)など、一般受けはしないもののマニア的な評価をされているような作品が度々ランクインするのですが、今年のその枠の候補になったりしないかな~と思いつつ読んでみたのがこの作品です。

 作者の齊藤慶は、M.kunoと共にt.o.Lとして主に映像や音楽の分野で活動している人で、原作・監督・脚本・音楽・アートディレクションを務めた劇場アニメ映画「TAMALA2010」ではカナダファンタジア映画祭で賞を貰うなどの活躍ぶりです。

 そんな人がミステリ小説の世界に参入してきたということで注目してしまうのですが、やはりそういった経歴を考慮した上で想像できる作品世界の雰囲気を裏切らないような作品でしたね。

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 CMや音楽PVなどを手掛ける日本の新進気鋭の映像クリエイターが映画界に進出すると、その多くは“見た目は派手で迫力があるけれど、中身が軽く薄っぺらい感じがする”といった評判の作品となるように思うのですが、この作品も、全体的な設定や個々のエピソードなど刺激的な空気を放っているものの、全体的には軽い雰囲気が漂っていて、圧倒されるほどの迫力や重み・厚みといったものは感じられません。

 ただ、これが逆にこの作品の中では絶妙な効果を演出していて、薄気味悪い世界観や事件などがより薄気味悪く思え、得体の知れない不気味さが漂っていて大変良い感じでした。

 そして演出面やストーリー面でも、とんでも系な方向に飛んでいきそうになりながらも、踏ん張りつつ基本レールに留まって走り続けたので、悪い意味でのキワモノ的な作品にはなってなくてちょっと安心しました。

 まあこの部分は、結構ぶっ飛んだものも期待していたので物足りなくも思ったのですが、でも終盤以降にはそういったところでも充分楽むことができる展開になりましたからね。

 全体的な雰囲気としては山口雅也の外国舞台物、そして探偵役を務める主人公がいつのまにか自分探しの物語に巻き込まれているような感じがNo.119「ディスコ探偵水曜日」舞城王太郎に似た感じがあったことからも、この作品が自分好みだったことがわかります(どちらも比較対象よりは薄味ですが)。

 ただ、この作品以上に次作に期待が高まってしまいますねェ。またこのような小説を書く予定があるのかわかりませんが。もし発表されるのであれば、今作よりさらに遠慮なくぶっ飛んだ作品を読みたいですね。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★    気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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2009年5月20日 (水)

JUNK ZERO バナナマンのバナナムーン Podcast

 iPodを使い始めて4年近くになるのですが、Podcastを聴き始めたのはつい最近なのです。

 このPodcast(ポッドキャスト)というのは、まあまだ人様に説明できるほど詳しくはないのですが、ネット上で配信されているラジオのようなもので、これをiPodなどの音楽プレイヤーに取り込んで聴くことのできるもののようです。iPodが語源の一つとはいえ、音楽プレイヤーは別にiPodに限ったわけではなく、かつて携帯型音楽プレーヤーがウォークマンと称されていたように、この形態のものはPodcastが通称となっているようですね。

 それでまあiPodの場合はiTunes Storeの方から無料で取り込むことが出来るのですが、聴くことのできる番組の種類は多岐に渡っていて、その中でもやはり最初に気になったのが、お笑い芸人のラジオのPodcast版でしたね。

 このタイプのPodcastというのは、元々のラジオ番組があって、それを本編だとすると、収まりきれなかった話や裏話などが語られたり、またはPodcast用にコーナーを作っていたりするようです。

 そしてそのPodcastに登場するメンバーというのが、爆笑問題・伊集院光・雨上がり決死隊・おぎやはぎ・アンタッチャブルなどなどそうそうたるメンバーが揃っていまして、どれから聴けば良いのか悩んでしまうほどだったのですが、そんな中でもまず最初に聴いてみて、そしていくつか聴いた上で一番面白いと思ったのが、この「JUNK ZERO バナナマンのバナナムーン Podcast」だったのです。

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 これは、TBSラジオの深夜枠に「JUNK ZERO」「JUNK」という主にお笑い芸人が曜日ごとにレギュラーを務める帯がありまして、その月曜深夜の「JUNK ZERO」で放送されているバナナマンの番組、そのPodcastです。

 まあ元々バナナマンは好きな方だったのですが、やはりラジオで聴いても面白いのですよねェ。あまりガッツク感じではないので、こっちも気を抜いて聴くことができるし、その内容も、結構単純な話なんだけど所々に捻くれた目線が入って鋭いし、しょっちゅう出てくる下ネタもあけっぴろげなのであんまり下品な感じがなくて、それでいて基本的に小学生のノリで、そして何と言っても型にハマっていなくて何でもありな感じなので、ただただ単純に笑えますからね。

 それからお笑い芸人のラジオといえば、普段テレビでは聴けないような会話を聴くことができ、自分も打ち上げの席や飲み会に参加しているように楽しめるところも面白いところなのですが、バナナマンの場合はこの部分もかなりのぶっちゃけぶりなので、リアルなバナナマンの面白さ、素のバナナマンの面白さというのも堪能することができるのです。

 ただそれだけではなくて、そんな打ち上げの席や飲み会などでも聴くことが出来ないような、裏の裏といった感じの、かなり込み入った、親しい身内の間だけでしかなされないような濃いトークまで披露したりするのだから驚きです。

 そしてそんな時は、ただ笑えるというだけの面白さを超えて、なんか凄いものを聴いてしまった!!というような、身も心も揺さぶられるような面白さを感じることが出来るのです。

 そんな感じでもうすっかりバナナマンの、そして「バナナムーン Podcast」の虜になってしまって、過去にさかのぼって聴きまくっていました。

 ホントはこのPodcastを聴き始めたきっかけというのは、聴きながらウトウトと寝ようと思っていたのですが、これがもう聴き始めるとあまりの面白さに目がばっちり覚めてしまって、しかも1つの回が終わるとまた次を聴きたくなってしまい、結局夜更かししてしまうという事態になってしまうほどですからね。

 それほど聴きまくっていたせいか、テレビでバナナマンを観ると、なんか身内を観ているような感覚に陥ってしまって、自分ごとのように応援するようになってしまいました。

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 そんな「JUNK ZERO バナナマンのバナナムーン Podcast」ですが、面白い回揃いの中でも特にこれだ!という回が3つほどありますので、ちょっとご紹介してみます(ちなみにこれは、2009年5月時点でのものです)。

 * 日付部分のリンク先は、iTunes Storeのバナナムーン該当放送回


 ★ 「日村勇紀はなぜ嫌われるのか?」から始まって、「どうすれば嫌われなくなるのか?」、さらには「今後どう生きていけばいいのか?」という人生論的な内容までも2人で熱く超真剣に語り合う、2007年10月01日の回。この時はPodcastとしては異例の1時間を超える放送となりました(30分でも長いほうなのに)。

  これは、日村勇紀が世間一般の人に嫌われていることが発覚した2007年09月10日の回を事前に聴いておくと、より楽しめるかも。

  さらには、この「2007年10月01日」の回を経て日村勇紀の新たな芸を探っていく、翌週放送の2007年10月08日の回も必聴ですね。


 ★ アンジャッシュ・児嶋一哉をゲストに迎え「バナナマン日村とアンジャ児嶋のどちらがダメ人間か対決」を行った本編の総括的な内容だったのに、話が進むにつれてアンジャ児嶋に対してのかなり熱い芸人人生相談的な内容へと変わっていった、2008年04月14日の回。

  これは、アンジャッシュ児嶋のダメ人間エピソードがいくつも披露された、1週前の2008年04年07日の回を事前に聴いておくと、より楽しめるかも。

  さらにその前に、このPodcastでアンジャッシュ児嶋のダメ人間エピソードが初披露された(であろう)2007年09月24日の回を事前に聴けば、さらに楽しめるかも。


 ★ 今ではすっかり毒舌マシーンとして絶好調な有吉弘行が、こともあろうか得意分野である“言葉”で成すすべなく翻弄されまくるという貴重な姿を味わうことのできる、2008年08月04日の回。

  もちろん翻弄する側の人間というのは設楽統なのですが、この回なんかを聴いていても、なぜこの人が「とんねるずのみなさんのおかげでした」の「トークダービー」の最弱王になってしまうのかがホントに不思議になってしまうのですよねェ。まあそれはそれで面白いのですが。

 有吉関係でいくと、この放送の約1年前、プチブレイク直前にゲスト出演した2007年09月17日の回も、2008年のゲストの回とはまた一味違った面白さで良いですね。

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 自分はまだこの「バナナムーン」の本編、つまりはTBSラジオで放送されている方を聴いたことがないのですが、Podcastの過去の放送分を全て聴いてしまったは今は、本編も聴きたくて仕方なくなってしまいました。ただラジオだとどうも面倒くさいのですよねェ。

 まあそんなわけで、自分的にはかなりのオススメなので、iPodをお持ちの方はぜひとも聴いてみてください。

 そして、この「バナナムーン」を元に誕生したバナナマン本「バナナマンのさいしょの本」と、ラジオとは一味違った2人のトークを楽しむことができる、TOKYO MXとtvkでレギュラー放送中の「バナナ炎(ファイア)」も同様にオススメです。


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2009年5月18日 (月)

週刊少年ジャンプ新連載! 「AKABOSHI -異聞水滸伝-」 天野洋一

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 2009年5月に投入された新連載第2弾が、この「AKABOSHI -異聞水滸伝-」です。

 作者の天野洋一は、2005年に野球漫画「ウサギとカメとストライク」で第2回金未来杯のグランプリを受賞し、翌年に中身もタイトルも大幅に改編した「OVER TIME」で連載デビューを果たしました。

 そして今作はその「OVER TIME」以来となる連載2作目なのですが、前作は金未来杯グランプリを受けての連載だったにも関わらず早期打ち切りとなってしまったので、今作はその時のリベンジでもあるわけですね。


 内容の方は、タイトルからもわかるように、中国の古典である「水滸伝」が元になっています。

 ジャンプの歴史物といいますと、近い所ではちょっと前まで連載されていた「アスクレピオス」(内水融)、その前だと2007年の「サムライうさぎ」(福島鉄平)と「ベルモンド Le VisiteuR」(石岡ショウエイ)、さらにさかのぼると2005年の「カイン」(内水融)と「切法師」(中島諭宇樹)、2004年の「少年守護神」(東直輝)と、年に1・2作ペースで連載されています。

 しかし、この顔ぶれを見てみても、早期打ち切りとなってしまった作品がほとんどなので、近年ではジャンプで歴史物というのはなかなか難しいジャンルのようですねェ。

 とはいえ、同じ中国の古典物でいえば、「封神演義」(藤崎竜)というアニメ化までされた人気作の存在もあるわけなので、「水滸伝」というバックグラウンドを上手く利用できれば大ヒットも夢ではないのではないでしょうか。


 ただ、この第1話のストーリーが、これまでの歴史物の第1話と比べて真新しいところがないばかりか、そっくりそのままだったのはちょっと残念でした。

 だいたい歴史物の第1話って、主人公が訪れた村では悪徳支配者に苦しめられていて、それに一人立ち上がったヒロインがピンチに陥り、そこを主人公が圧倒的な力で持って救う、といった展開が1つのパターンとして出来上がっているのですが、この作品はそれを忠実になぞっているようだったので.....。

 でもそれは第1話に限ったことで、2話以降にどのような方向に話が進んでいくのかはわかりませんからね。原作では主人公も含めて108人の仲間ができるそうなのですが、最初は出し惜しみせずにある程度はドドドンと登場させて、作品に勢いをつけてほしいところです。

 あと絵的にも、前作「OVER TIME」と同じ作者だとは思えないくらいに上手くなっていて(ちょっとゴチャゴチャしているようにも見えますが)、この題材にも合っていると思うので、そちらの面でも期待したいですね。

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 【「天野洋一」関連記事】

  > 「ANIMORED!!」 天野洋一 > ジャンプX(クロス) (16.12.19)

  > 「ステルス交境曲」 成田良悟 天野洋一 > 週刊少年ジャンプ新連載! (14.2.3)
  > 「ステルス交境曲」(ジャンプVS -バーサス-) (13.3.22)

  > 「アナノムジナ」 天野洋一 > 週刊少年ジャンプ読切! (13.8.9)

  > 「アルベリーとアワレな悪魔憑き」 天野洋一 > 週刊少年ジャンプ読切! (13.1.18)

  > 「あそびもの」(ジャンプNEXT! 2010SPRING) (10.5.1)

  > 「AKABOSHI -異聞水滸伝-」 天野洋一 <JC1巻買い>  (09.10.14)
  > 「AKABOSHI -異聞水滸伝-」 天野洋一 > 週刊少年ジャンプ新連載! (09.5.18)


 >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2009年5月11日 (月)

週刊少年ジャンプ新連載! 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら

めだかボックス 1 (ジャンプコミックス)めだかボックス 1 (ジャンプコミックス)
西尾 維新

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 2009年5月に投入された新連載第1弾が、この「めだかボックス」です。

 この作品は、ジャンプではすっかりお馴染みとなった、原作者と漫画家の分業システムによるものです。

 これでこの形式の作品は、現連載陣だけでも「アイシールド21」(原作:稲垣理一郎、漫画:村田雄介)、「TO LOVEる-とらぶる-」(原作:長谷見沙貴、漫画:矢吹健太郎)、「バクマン。」(原作:大場つぐみ、漫画:小畑健)に次いで4作目で、実に全連載作品の1/5を占めているのですからね(休載中の「HUNTER HUNTER」「D.Gray-man」を除く&来週から連載開始される「AKABOSHI-異聞水滸伝-」を含む)。


 まずは作画の方は、2年前に「神力契約者M&Y」で連載デビューを飾った暁月あきらです。その「M&Y」の時は原作は付いていなかったのですが、結果はあえなく突き抜け(10週での打ち切り)となってしまったので、今度は原作付きでリベンジを、といったところでしょうか。

 そしてそのコンビを組む原作者というのがちょっと驚きで、なんとあの、ライトノベル小説などで人気を博している西尾維新なのですからね。

 週刊少年ジャンプというのは、だいたい漫画家にしても原作者にしても自前で育ててきた人がほとんどで、他の雑誌から移ってきたパターンでも一般的に名を知られていないような人ばかりです(少なくともここ数年は)。

 なので、すでに名前が知れ渡っている西尾維新がジャンプの原作を務めると知った時にはホントに驚いてしまいました。

 ただ、西尾維新とジャンプとの関係は過去にもあって、2006年には「DEATH NOTE(デスノート)」のオリジナルノベライズ小説である「DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件」を発表、2008年にはその「デスノート」の作画担当の小畑健とコンビを組み週刊少年ジャンプに読切作品「うろおぼえウロボロス!」を掲載、そして今年にはこの「めだかボックス」の読切版を同じく週刊少年ジャンプに掲載していました。

 しかし、これまでジャンプに載ったのはあくまで読切作品。これが連載となると、人気作家ということもあってさすがに週刊漫画雑誌では難しいだろうな~と思っていたので、余計にこの連載化にはビックリしてしまいましたねェ。


 そして内容の方ですが、美人で金持ちのお嬢様で成績優秀でスポーツ万能で傲慢で巨乳な女生徒会長と、それに振りまわされる幼馴染の男子高校生が主役の学園物(今のところは)です。

 やはりラノベに近いノリのようで、他誌に掲載した方が合っているのではないかといったような、あまり週刊少年ジャンプらしくないジャンルの作品なのですが、ただ後半なんかにジャンプらしさが感じられたりもしましたね。

 そしてやはりなんといっても注目すべきは作画の方で、前作「M&Y」の時は一目見ただけで「これはちょっと厳しいな.....」と思うくらいに、かなり見にくかったりジャンプ的じゃなかったり魅力があまり感じられなかったりしたのですが、今回の作品では、ジャンプ的かどうかはわからないけれど、先に挙げた点などがかなり向上しているように見えました。

 だけど万人受けする絵になったというわけではないし、ジャンル的にも主人公のキャラクター的にもやはり万人受けタイプではないので、そこら辺を踏まえた上でこのジャンプという媒体でどのような人気となっていくのかが興味深いです。

 そしてまだ第1話の時点では今後の方向性もわからないので、その点でも興味深いのはもちろんです。ただ、せっかく西尾維新を起用したのだから、今までのジャンプになかったような革新的で面白い作品になってくれることを期待したいですね。

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 【「西尾維新」関連記事】

  > 「見え見えのオミット」 西尾維新 岩崎優次
     > ジャンプGIGA 2019 WINTER vol.2 (19.1.20)

  > 「少年法のコロ」 西尾維新 岩崎優次
     > ジャンプGIGA 2018 WINTER vol.2 (17.12.14)

  > 「パートスリーズ」 西尾維新 河下水希 > 週刊少年ジャンプ読切! (17.12.5)

  > 「僕らは雑には学ばない」 西尾維新 河下水希
     > 週刊少年ジャンプ読切! (14.12.15)

  > 「オフサイドを教えて」 西尾維新 中山敦支 > 週刊少年ジャンプ読切! (14.11.17)

  > 「娘入り箱」 西尾維新 暁月あきら > 週刊少年ジャンプ読切! (14.10.27)

  > 「返信願望!」 西尾維新×ミヨカワ将 > 週刊少年ジャンプ読切! (14.8.4)

  > 「ある朝起きたら」 西尾維新×河田悠冶 > 週刊少年ジャンプ読切! (14.8.4)

  > 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら > 週刊少年ジャンプ新連載! (09.5.11)
  > 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら <JC1巻買い> (09.10.7)


 【「暁月あきら」関連記事】

  > 「娘入り箱」 西尾維新 暁月あきら > 週刊少年ジャンプ読切! (14.10.27)

  > 「図書館救世主倶楽部」 暁月あきら > 少年ジャンプNEXT! 2014 WINTER (13.11.29)

  > 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら > 週刊少年ジャンプ新連載! (09.5.11)
  > 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら <JC1巻買い> (09.10.7)

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  >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2009年5月 7日 (木)

『黒と赤の潮流』 福田和代 > 「このミス」完全読破 No.177

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.177

 『黒と赤の潮流』 福田和代

   「このミス」2010年版 : 138位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.4.21 ~ 読終:2009.4.22

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年2月>

黒と赤の潮流 (ハヤカワ・ミステリワールド)黒と赤の潮流 (ハヤカワ・ミステリワールド)
福田 和代

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 裏表紙なんかに“骨太で熱い青春海洋冒険サスペンス”と書かれていたので、海を舞台にした冒険物なのかと思いながら読み始めました。

 そしたら、もちろん海上での熱いアクションシーンもあったものの、作品の全般が陸地を舞台にしていて、内容の方も冒険物というよりはかなり硬派なサスペンス物でしたね。

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 友人の謎の死について、主人公が真相を突き止めようと奮闘するうちに、背後にうごめくとても大きなものに巻き込まれていく話です。

 この主人公が辿る物語というのが、謎を巡るサスペンスだけでなく、激しいアクションシーンがこれでもかと散りばめられているので、全体的に熱気がムンムン漂っていて、読んでいるこちらまで熱く高ぶってくるようでした。

 なので、あんまり女性作家の作品って感じはしませんでしたね。ストーリーも演出も骨太で、男達が暴れまくる作品って感じで。

 でもそんな中でも、女性的な繊細さやなめらかさなども随所に感じられるので、そこのバランスがまた魅力的な仕上がりの要因となっているようでした。

 そんなふうにサスペンス&アクションが展開されていくのですが、謎の真相へと辿り着く過程において主人公の心の成長も描かれていまして、実はそちらの方がメインなのではないかと思うくらいに見事な演出となっていました。

 なので、サスペンスやアクションよりも、主人公の成長を記した“冒険物語”を読み終えたのような印象が特に強く残りましたね。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★         人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “福田和代”関連記事 】

  > No.629 「TOKYO BLACKOUT」

  > No.494 「タワーリング」
  > No.442 「迎撃せよ」
  > No.341 「プロメテウス・トラップ」
  > No.322 「オーディンの鴉」
  > No.177 「黒と赤の潮流」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「バギー・イン・ザ・ドールハウス」 齊藤慶

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年5月 2日 (土)

<JC1巻買い> 「ぼっけさん」 西義之

ぼっけさん  (1) (ジャンプコミックス)ぼっけさん  (1) (ジャンプコミックス)
西 義之

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 今月に発売されたJC(ジャンプコミックス)1巻は、「ぼっけさん」です。

 まあ、1巻といっても、表記としてはJCでは大変珍しい“上巻”なのですけどね。

 というのも、この本が出た4日前に発売されたジャンプ本誌で、早くも打ち切りとなってしまったからなのです.....。

 ただ、“1・2巻”ではなくて“上・下巻”の表記なので、もともと期間限定での連載だったのかな?とも考えられるのですが、でも終盤の駆け足っぷりからしても、やっぱり打ち切りなのでしょうねェ。

 それで何故に早くも打ち切られることになってしまったのか、というところを自分なりにちょっと考えてみました。

 この作品は、菩怪の存在や北区と南区の関係など謎めいた設定が多くて、そこが魅力でもあるのですが、この謎めいた部分を引っ張りすぎたために、話についていけなくなった人が多かったのではないでしょうかね。

 元々好き嫌いがはっきり別れそうな絵なので、もうちょっとシンプルで分かりやすい設定の方がこの作者には合っているのではないかな~なんて思いました。

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 単行本ならではの特典ですが、まず帯の表は、表紙と繋がった絵の上に「君ハ ぼっけさんヲ見た事ハ有るカ!?」と、一文字ずつ貼りつけたように書かれています。

 裏帯の方は、前作「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」の宣伝が全18巻の表紙と共に書かれています。

 カバーを外した部分は、カバー絵の下描きバージョンが。ただ、ヒノとサユの表情がカバー絵とは微妙に違って、セリフも加わっているので、カバー絵の1秒後の絵、といった感じでしょうか。

 ちなみに、カバーを外した背表紙の部分も、この下描きバージョンのヒノの絵となっています。


 中身の方ですが、ページの合間には、本編の裏話的な内容の1コマ漫画が、ラフな絵でコミカルに描かれています。これは、「ムヒョ」の時と同じですね(ただ「ムヒョ」に関しては1巻しか確認していませんが)。

 それから、6-7話の間には「赤マルジャンプ2009年WINTER」に掲載された番外編の3コマ漫画が、7-8話の間には作者&スタッフ(福田、平石、木村、掛川、栗山)それぞれの横長絵が(絵の内容は、自画像的なもの)。

 そして巻末には、「ぼっけさんスケッチショウ」というスケッチ集が掲載されています。

 ここでは各キャラの初期設定の絵を見ることも出来て、ヒノがメガネを掛けていたり、サユがショートカットだったり、メケが長身だったり、アベルの菩怪・氷髯がビワを弾いていたりしていますね。あと、髪を上げたサユの水着姿(バストショット)なんかもあったり。

 ちなみに、下巻は7月3日に発売予定とのことです。

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 【「西義之」関連記事】

  > 「魔物鑑定士バビロ」 西義之 > ジャンプNEXT!!新連載! (14.6.26)

  > 「HACHI」 西義之 > 週刊少年ジャンプ新連載! (13.9.9)

  > 「魔境旅行師グラム」 西義之 > 週刊少年ジャンプ読切! (10.6.14)

  > 「ぼっけさん」 西義之 > 週刊少年ジャンプ新連載! (08.12.16)
  > 「ぼっけさん」 西義之 <JC1巻買い> (09.5.2)


 【「2009年発売の“JC1巻買い”」関連記事】

  > 「鍵人-カギジン-」 田中靖規 (09.12.6)
  > 「あねどきっ」 河下水希 (09.12.5)

  > 「AKABOSHI -異聞水滸伝-」 天野洋一 (09.10.14)
  > 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら (09.10.7)

  > 「フープメン」 川口幸範 (09.7.10)
  > 「べるぜバブ」 田村隆平 (09.7.3)

  > 「ぼっけさん」 西義之 (09.5.2)
  > 「黒子のバスケ」 藤巻忠俊 (09.4.6)
  > 「マイスター」 加地君也 (09.4.3)

  > 「アスクレピオス」 内水融 (09.2.13)
  > 「チャゲチャ」 澤井啓夫  (09.2.11)

  > 「いぬまるだしっ」 大石浩二 (09.2.9)
  > 「バクマン。」 大場つぐみ 小畑健 (09.1.7)

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  >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2009年5月 1日 (金)

「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(09年5月)

 「2009年版」に引き続いて、「このミステリーがすごい!2010年版」でも“ランキング発表前に対象作品を読んでしまおう!”というのをやってみようと思います。

 それで、日頃から“どんな作品がランクインしそうかな?”って色々とチェックしているので、どうせならそれを発売された月別にまとめてしまおう!ということで始めたのがこの「月別ランクイン候補作品」です。

 ここでは、とりあえず「このミス」の対象になりそうな作品をピックアップして、“作者の過去実績”や“なんとなくの前評判”を元に、推測されるランクインの可能性ごとに3段階に分けて並べています。

 なお、これを書いている時点では作品をまだ読んでいない状況になると思うので、この3段階の分類は、作品を読んだ上で決めたものではありませんので、その点ご了承ください。 

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 >> 2009年5月発売の最有力候補っぽい作品 <<


 【 IN / 桐野 夏生 】

ININ
桐野 夏生

集英社 2009-05-26
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  > 彼は、小説に命を懸ける、と何度も言った。
  > 小説は悪魔ですか。
  > それとも、作家が悪魔ですか…。
  > 恋愛の「抹殺」を書く小説家の荒涼たる魂の遍路。
  > 『OUT』より12年目の衝撃、
  > 桐野夏生の最高傑作作。


 桐野夏生の新作は、その名も「IN」。

 1998年版で1位となった「OUT」と対を成すタイトルのようにも思えますが、直接的な続編というわけではなさそうです。

 とはいえ、あえてこのタイトルを付けたわけですから、これはかなりの期待ができるのではないでしょうかね。


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「OUT」  1998年版 1位
   > 「柔らかな頬」  2000年版 5位
   > 「グロテスク」  2004年版 5位

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 【 龍神の雨 / 道尾秀介 】

龍神の雨龍神の雨
道尾 秀介

新潮社 2009-05
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  > 人は、意図せず犯した罪に対し、
  > どこまで償いを負わねばならないのだろう。
  > 暗転する事件の果て、
  > 二組の子供達がたどり着いた、
  > 慟哭と贖罪の真実とは?


 昨年トップ10に2作を送り込んだ道尾秀介の今年2作目は、長編作品です。

 今年はすでに連作短編集No.169「鬼の跫音」が発表されていて、8月には短編集が発売されるわけですが、やはり「このミス」的にはなんといっても、大作感のある長編作品が一番高ランクインを期待できるのではないでしょうか。

 まあもちろん内容次第なのですけどね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
             >> No.186 『龍神の雨』 道尾秀介


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「向日葵の咲かない夏」  2007年版 17位
   > 「シャドウ」  2007年版 3位
   > 「片眼の猿」  2008年版 19位
   > 「ラットマン」  2009年版 10位
   > 「カラスの親指」  2009年版 6位

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 【 訪問者 / 恩田陸 】

訪問者訪問者
恩田 陸

祥伝社 2009-05-14
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  > 三年前の冬の朝、
  > 実業家朝霞千沙子が謎に包まれた死を遂げた湖。
  > 千沙子に育てられた映画監督・峠昌彦の親友・井上は、
  > カメラマンの長田とともに、
  > 湖を一望する古くて大きな家を訪ねた。
  > 嵐に閉ざされた屋敷、真相を追う昔語り、
  > そして新たな訪問者・・・。


 No.161「ブラザー・サン シスター・ムーン」に続く、恩田陸の今年2作目です。

 その前作は、「このミス」対象外的な内容の文学作品でしたが、今作は、謎や不思議な魅力に溢れているようなので、充分「このミス」の対象となりそうです。

 今月にはもう1冊発売される予定なので、ランクインにはそちらとの兼ね合いも関わってきますかね。


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「三月は深き紅の淵を」  1998年版 9位、20年ベスト 19位
   > 「象と耳鳴り」  2001年版 6位
   > 「月の裏側」  2001年版 11位
   > 「ドミノ」  2002年版 12位

   > 「黒と茶の幻想」  2003年版 14位
   > 「Q&A」  2005年版 15位
   > 「中庭の出来事」  2008年版 20位
   > 「きのうの世界」  2009年版 14位

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 >> 2009年5月発売の有力候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   厭な小説 / 京極夏彦 (10作)
   まっすぐ進め / 石持浅海 (4作)
   煉獄の使徒 / 馳星周 (4作)
   絶望ノート / 歌野晶午 (2作)
   トワイライト・ミュージアム / 初野晴 (1作)

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 >> 2009年5月発売の候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   夜来香海峡 / 船戸与一 (8作)
   続・垂里冴子のお見合いと推理 / 山口雅也 (8作)
   たまゆらの愛 / 藤田宜永 (5作)
   武士猿 / 今野敏 (3作)
   福家警部補の再訪 / 大倉崇裕 (3作)
   オチケン、ピンチ!! / 大倉崇裕 (3作)
   されど時は過ぎ行く / 北方謙三
   数学的帰納の殺人 / 草上仁
   神国崩壊 / 獅子宮敏彦
   雪 冤 / 大門剛明
   僕と『彼女』の首なし死体 / 白石かおる
   RANK / 真藤順丈
   家 族 / 小杉健治
   コズミック・ゼロ / 清涼院流水
   B/W 完全犯罪研究会 / 清涼院流水
   裁くのは僕たちだ / 水原秀策
   逆 さ / 松島健策
   枯れゆく孤島の殺意 / 神郷智也
   てのひらのメモ / 夏樹静子
   ミステリー通り商店街 / 室積光
   KUNIMORI / 五條瑛
   フェイク・ゲーム / 阿川大樹
   チャンネルファンタズモ / 加藤実秋
   これから自首します / 蒼井上鷹
   東京バッティングセンター / 木下半太
   地取り / 飯田裕久
   てのひらたけ / 高田侑
   全世界のデボラ / 平山瑞穂
   ネ ル / 遠藤徹
   かれん / 安達千夏
   キル・ゼム・オール―復讐請負人 / 柘植久慶

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  「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(09年4月) <<<

  >>> 「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(09年6月)


 「月別ランクイン候補作品」の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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