週刊少年ジャンプ新連載! 「AKABOSHI -異聞水滸伝-」 天野洋一
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2009年5月に投入された新連載第2弾が、この「AKABOSHI -異聞水滸伝-」です。
作者の天野洋一は、2005年に野球漫画「ウサギとカメとストライク」で第2回金未来杯のグランプリを受賞し、翌年に中身もタイトルも大幅に改編した「OVER TIME」で連載デビューを果たしました。
そして今作はその「OVER TIME」以来となる連載2作目なのですが、前作は金未来杯グランプリを受けての連載だったにも関わらず早期打ち切りとなってしまったので、今作はその時のリベンジでもあるわけですね。
内容の方は、タイトルからもわかるように、中国の古典である「水滸伝」が元になっています。
ジャンプの歴史物といいますと、近い所ではちょっと前まで連載されていた「アスクレピオス」(内水融)、その前だと2007年の「サムライうさぎ」(福島鉄平)と「ベルモンド Le VisiteuR」(石岡ショウエイ)、さらにさかのぼると2005年の「カイン」(内水融)と「切法師」(中島諭宇樹)、2004年の「少年守護神」(東直輝)と、年に1・2作ペースで連載されています。
しかし、この顔ぶれを見てみても、早期打ち切りとなってしまった作品がほとんどなので、近年ではジャンプで歴史物というのはなかなか難しいジャンルのようですねェ。
とはいえ、同じ中国の古典物でいえば、「封神演義」(藤崎竜)というアニメ化までされた人気作の存在もあるわけなので、「水滸伝」というバックグラウンドを上手く利用できれば大ヒットも夢ではないのではないでしょうか。
ただ、この第1話のストーリーが、これまでの歴史物の第1話と比べて真新しいところがないばかりか、そっくりそのままだったのはちょっと残念でした。
だいたい歴史物の第1話って、主人公が訪れた村では悪徳支配者に苦しめられていて、それに一人立ち上がったヒロインがピンチに陥り、そこを主人公が圧倒的な力で持って救う、といった展開が1つのパターンとして出来上がっているのですが、この作品はそれを忠実になぞっているようだったので.....。
でもそれは第1話に限ったことで、2話以降にどのような方向に話が進んでいくのかはわかりませんからね。原作では主人公も含めて108人の仲間ができるそうなのですが、最初は出し惜しみせずにある程度はドドドンと登場させて、作品に勢いをつけてほしいところです。
あと絵的にも、前作「OVER TIME」と同じ作者だとは思えないくらいに上手くなっていて(ちょっとゴチャゴチャしているようにも見えますが)、この題材にも合っていると思うので、そちらの面でも期待したいですね。
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