『暴雪圏』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.175
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.175
『暴雪圏』 佐々木譲
「このミス」2010年版 : 8位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 18位
読始:2009.4.14 ~ 読終:2009.4.16
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2009年2月>
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この作品はNo.48「制服捜査」に続く、「駐在警官川久保篤シリーズ」の第2弾です。
シリーズ2作目といっても、前作とは異なる部分がいくつかありまして、まずは前作が連作短編集だったのに対し、今作は長編作品となっています。
そして前作は、駐在所警官である主人公が、捜査権がないなど事件に対する権限が限られている中で、自分の出来る範囲のことを全力で行っていくという、等身大のヒーロー的な魅力が溢れている作品でした。
しかし、今作にもこれと同じような面白さを期待して読んでしまうと、少々ガッカリしてしまうかもしれません。
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というのもこの作品は、いくつかの無関係な出来事が同時進行して、話が進むにつれてそれらが徐々に絡みだしていく、といった構成なのですが、主人公である川久保巡査部長は、一応作品全体の主役的存在ではあるものの、あくまで並行して語られる話の中の一つの登場人物でしかないのです。
なので、この作品のあらすじなどを見ても、川久保巡査部長が話の中心となって大活躍をするような印象を持ち、前作のような魅力を期待してしまうのですが、実際には脇役的と思えるほどの活躍度なのですよね。
とはいえ、これは前作の魅力とは少し趣きが異なるというだけで、魅力が全くないというわけではもちろんありません。
いくつかの並行する話が見事に集約していくという構成は、No.151「警察庁から来た男」やNo.152「警官の紋章」などでもみられ、佐々木譲の近年の作品の特徴でもあるわけですが、それだけに“さすが真骨頂!”といった巧みさで読ませてくれるのです。
やはり個人的にも、川久保巡査部長の八面六臂の大活躍を期待していたので、その点で拍子抜けしてしまったのは確かですが、でも前作とは違った魅力で楽しませてもらえたこともまた事実なのですよね。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気楽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.685 「代官山コールドケース」
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> No.298 「北帰行」
> No.282 「巡査の休日」
> No.230 「廃墟に乞う」
> No.200 「警官の血」
> No.175 「暴雪圏」
> No.152 「警官の紋章」
> No.151 「警察庁から来た男」
> No.138 「うたう警官 (笑う警官)」
> No.048 「制服捜査」
> No.024 「ストックホルムの密使」
NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「ジョニー・ザ・ラビット」 東山彰良
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