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2009年3月17日 (火)

『ブラザー・サン シスター・ムーン』 恩田陸 > 「このミス」完全読破 No.161

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.161

 『ブラザー・サン シスター・ムーン』 恩田陸

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.2.24 ~ 読終:2009.2.24

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年1月>

ブラザー・サン シスター・ムーン (河出文庫)ブラザー・サン シスター・ムーン (河出文庫)
恩田 陸

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 2008-2009年版と、現在「このミス」に2年連続でランクイン中の恩田陸の新作です。

 ただ今回の作品は“スタンダードな青春小説”と銘打っているので、「このミス」の対象とはジャンル的にかけ離れているようでしたが、でも実際に読んでみないことにはわからないので、実際に読んでみました。

 そしたらこれがまたシンプルな創りの作品でした。

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 恩田陸の作品はこれまで3作読んでいるのですが、いずれの作品も、謎が多く不安定な場所からスタートし、進むべき道がモヤに掛かって見にくい中で、登ったり下ったり時には斜めになりながら魅力的な道を踏みしめていくと、そこには広々と開放的な空間があったり、感覚が失われるほどの暗闇に迷いこんだり、突如落とし穴に突き落とされたりと、紆余曲折ある道を辿るように楽しませてもらいました。

 ところがこの作品は、スタートの時点から遥か先の方まで障害物などなく見渡せて、「でも恩田陸だからな~」と注意深く歩んでいくも、結局そのまま真っ直ぐにゴールまで辿り着いてしまった、といった感じでしょうか。だからいつもとは別の意味で驚いてしまいました。

 それほどに、ストーリー的にも盛り上がり的にも仕掛け的にも何にもない作品でしたが、ただこの作品の場合、“「何にもない」がある”(by 「よつばと!」)のですねェ。

 この作品全体を漂う空気感といいますか、他人のごく平凡な人生の一部分を覗き見している感じといいますか、この何でもない話が、だからこそ面白く、というか、自然に心の中に染み入るようにこの作品を楽しむことができたのです。

 なので、「このミス」にはランクインどころか1票も入らないとは思いますが、それでも自分としては読んで大満足でしたね。


  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★         鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★         おどろおどろ度 : ★
   熱アクション度 : ★         主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★         気軽に読める度 : ★★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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