『螢』 麻耶雄嵩 > 「このミス」完全読破 No.146
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.146
『螢』 麻耶雄嵩
「このミス」2005年版 : 11位
受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)
総合ランキング : 「本格ミステリ・ベスト・オブ・ベスト10(1997-2016)」 10位
「1996-2005オールベスト「本格」ランキング」 13位
「本格ミステリ・オールタイムベストアンケート」 26位
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 3位
読始:2008.12.27 ~ 読終:2008.12.28
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <2007年10月>
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No.144「殺戮にいたる病」我孫子武丸の時の反省から、ネタバレを目にしてしまう可能性の高そうな作品を早めに読んでしまうことにしたのですが、それでまず手に取ったのがこの「螢」です。
この作品も、アッと驚くどんでん返し系の作品として必ず名前が挙がるほどに有名なのですが、まあ麻耶雄嵩ということもあって評価が賛否両論真っ二つになることから、とにかく話題になりがちなので、ネタバレの可能性もかなり高そうですからね。
内容の方は、大学のサークル一行が訪れた館(もちろんすぐに陸の孤島化)で殺人事件が起きるという、典型的な“館モノ”です。
そんな中でクライマックスではアッと驚くトリックが判明するのですが、やはり評判になるだけあって、切れ味鋭く巧みな技でした。
まあ、大筋としてはなんとなく予感出来てしまいそうなものなのですが、伏線の張り巡らせ方がなかなか周到で、思わず二度読みしたくなること間違いなしです。自分もNo.68「イニシエーション・ラブ」乾くるみ以来の二度読みをしてしまいましたから。
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ただ、このトリックだけでは、★5つの満点評価とはさすがになりません。
実はこれと並行する形でもう一つのトリックが仕掛けられているのですが、こちらがもうなんとも麻耶雄嵩らしい、とんでもないトリックなのです!!
これにはホントに驚きましたからね。ただ驚いただけではなくて、今でもその場面を思い出す度に「フフフ.....」とニヤケ笑いしてしまうほどに、なんともバカバカしくも感動的なトリックだったのですから、もうヤラレまくりでした。
だけどこのトリックは、こういったアッと驚くどんでん返し系の作品をある程度読んでいないと、その面白さ、斬新さ、バカバカしさが理解できないかもしれません。
つまりは、そういった作品を読み込んでいて、「絶対に騙されない自信がある!!」という人ほど、このトリックの狙い所がわかるのではないでしょうか。
とはいえ、やはり麻耶雄嵩作品ですから、理解できたとしても、その評価は大きく分かれるでしょうけどね。バカミスっぽい作品が好きな人ほど楽しむことができると思います。
というわけで、正統派のトリックも魔球のトリックも味わうことが出来る、とても衝撃的で楽しい作品でした。
そして「イニシエーション・ラブ」同様に凝りに凝った伏線があるので、読み終わった後にはこちらの考察サイト「黄金の羊毛亭」を見て「こんな仕掛けがあったのか!?」と驚いてみて下さい。エピローグの謎についての解説もありますよ。
(後日追記)
この記事を書いていた時は★5段階評価でしたが、その後に★10段階評価に変更しました。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ★★★★☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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