『十八の夏』 光原百合 > 「このミス」完全読破 No143
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.143
『十八の夏』 光原百合
「このミス」2003年版 : 6位
受賞(候補) : 「日本推理作家協会賞(短編部門)」
受賞作 『十八の夏』 収録
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 11位
読始:2008.11.27 ~ 読終:2008.12.21
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <2002年8月>
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日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作「十八の夏」を含む、4編が収録された短編集です。
その内容は、青春小説&恋愛小説といった感じでしょうかね。
とても初々しかったり純情だったりする恋の話が、爽やかで軽やかな文章で語られています。
ただその中にも、ちょっぴり切なかったりとか哀しいような部分もあるのですが、それがまた良いスパイスとなって、この作品の特徴である“爽やかさ”や“軽ろやかさ”をより強調するので、読み終わった後には自分の心の中にまで爽やかな風が吹き抜けているようでしたからね。
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そんな感じで青春&恋愛小説として充分楽しみながら、物語もクライマックスへと辿り着くと、そこにミステリ的な驚きが待ち受けているのですねェ。
このミステリ的要素が、「このミス」にランクインしただけあって大変鮮やかなものなのですが、ただこの部分が主軸ではなく、あくまで青春&恋愛小説をミステリ的要素で上手く料理している、といった感じなのです。
それでも取って付けたようではなくて、このミステリ的要素が作品内に自然と溶け込んでいながらも、とても切れ味鋭いアクセントにもなっているので、まさしく作品上に吹く一筋の風のようでした。
ただ、ラストに収録されている「イノセント・デイズ」だけは他の作品と違って、少々重いテーマの話なのです。
自分的には重い作品よりも軽めの作品の方が好みであると思っていたのですが、今回は意外にもこの最後の作品が一番気に入りました。なんか読んでいて胸に突き刺して来るようであるのですが、その中から浮かび上がってくる希望というか前に進む力というか、そういったものが力強く感じられまして、とても心を動かされましたね。
まあ、4作品ともに個性的でありながら“良作”といった言葉がとても似合う作品揃いなので、爽やかで前向きな気分に浸りたい時なんかにオススメです。
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> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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