<JC1巻買い> 「いぬまるだしっ」 大石浩二
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今月に発売されたJC(ジャンプコミックス)1巻の1冊目は、「いぬまるだしっ」です。
前作「メゾン・ド・ペンギン」が評判のあまりよろしくない作品だったり、「デスノート」の原作・作画コンビが復活した「バクマン。」と同時期連載開始だったりしたことで、多くの人はこの新連載作品にもほとんど期待はしてなかったと思います。
ところがどうして、連載開始から半年経つ現在でも、それほど打ち切りの心配をされていないくらいに好評を得ているようで、この前作からの良い意味での変わり身には驚かされました。
その前作との違いの大きな要因としては、やはり主要キャラクターにありますね。
実は前作も今作も、ギャグの特徴は「下ネタ」「エンタメ系時事ネタ」「パロディ」で基本的には変わりありません。
ただ、そのギャグを演じているのが、汚らしいおっさんや大人なのにバカな男や生々しい女性キャラか、あるいは幼稚園児やその先生か、この違いがあるだけで作品全体の印象がここまで変わるもんだとは思いませんでした。
そしてもう一つの要素としては、コメディ的な面白さが加わったことでしょう。
前作の場合、形態が4コマ漫画だったこともあり、作品のクオリティはギャグの威力のみで判断されなければなりませんでした。
ただ今回は、1話完結型(たまに2話に分かれたり3話だったりもしますが)になったので、ギャグだけでなく話の流れでも興味を引かせることが出来るようになり、その中で幼稚園児と先生との絡みなどでコメディ的な面白さが表現できるようになりましたからね。
そしてその副産物として、ギャグの質のみで作品の評価がなされた前作に比べて、ギャグ以外の魅力を加えた今作の方は、ギャグのレベルがそれほど高くなかったとしても他の要素でカバーできる、つまりはギャグのハードルが前作よりも低めに設定されることになったのではないかと思うのですが、これなんかも前作から大きく変わった要因ですよね。まあ、ギャグのレベル的にも前作より上がっているとは思いますけど。
それで第1話を読んだ時点での感想で「まずは突き抜け(1クールで打ち切り)にならないくらいのレベルでいいから面白くなりますように.....」と今から考えると大変失礼なことを書いていたのですが、こうなったならば、ぜひともアニメ化されるくらいにまでその面白さをパワーアップしてほしいですね。まあ、ネタ的にアニメ化は難しそうだけど.....。
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単行本ならではの特典ですが、まず帯の表は、表紙と繋がった絵の中に「ジャンプで話題のまるだし園児爆笑GAG☆」と書かれているだけで、結構シンプルですね。その分折り返し部分に、「バクマン。」に登場したセリフ「漫画は面白ければいいんだ 面白ければ連載する 当たり前だ」と共に本物のジャンプ編集長の似顔絵が描かれているというネタが仕込まれています。
裏帯の方は、いぬまるくんとたまこ先生の説明が描かれています。カバーを外した部分は、ギャグ系以外の漫画でも遊び心が加えられていることが多いところなのですが、意外にも普通にカバーと同じ絵でしたね。
ただその分中身の方は描き下ろしが豊富に収録されていて、まずは、この漫画を読む上での注意点などが書かれた「★ごあいさつ★」(文章のみ)。
その後は、いぬまるくん、たまこ先生、園長先生、りゅういちくん、ビューティー中野、ケンちゃん&モンちゃん、鳥居くん、みなみ先生、すみれ組のお友達(けんたくん、モッちゃん、ひろくん、ふとしくん、ゆきちゃん)、理事長先生のキャラクターファイルが、ほぼ1人1ページで掲載されています。この中では、初期設定ではいぬまるくんがビジュアル的に可愛くなかったりとか、たまこ先生がドSキャラだったことなどを知ることが出来ます(この2人だけは初期設定の絵も公開されています)。
そして、仲良し漫画家仲間である「OVER TIME」の天野洋一がいぬまるくんを、「どがしかでん!」の濱田浩輔がたまこ先生を描いた豪華なコラボ絵と、現アシスタントの平方昌宏(読切作品「クロガネ」「TEAM MADE」等)・及川友高(読切作品「シュガーヒーロー」「アポロのソラ」等)がそれぞれ描いたいぬまるくん等の絵が掲載されています。
あとは、最後のページというわけではないのですが、この漫画を描く上でのスタンスや、ファンレターに対する感謝の言葉などが書かれた「★あとがき★」(文章のみ)が。
ちなみに、「業界初のおしりカラー」と煽られていた第2話の一部分だけカラーだったところは、本誌と変わらぬまま(もちろんカラーではないけれど)で掲載されていて、“コミックスだと白黒だけど”というツッコミ文が加わっていました。
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