『うたう警官(笑う警官)』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.138
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.138
『うたう警官』 佐々木譲
* 文庫化の際に「笑う警官」に改題
「このミス」2006年版 : 10位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2008.12.2 ~ 読終:2008.12.11
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <2007年5月>
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この作品は、No.151「警察庁から来た男」、No.152「警官の紋章」へと続く(2009年1月時点)、「道警シリーズ」の記念すべき第1作に当たります。
それでこのタイトルなのですが、最初にハードカバーで発売された時のタイトルは「うたう警官」で、「このミス」にランクインした時もこちらのタイトルでした。
しかし、この「うたう警官」というタイトルは意味がわかりにくいと言われていたそうで、さらに映画化が決まった際に角川春樹顧問から改題を提案されたことから、文庫版では「笑う警官」と改題されたわけなのです。
「笑う警官」というタイトルは、海外作品のマルティン・ベック・シリーズにも同じものがあるのだそうですが、元々はこのシリーズのオマージュ的な感じで書かれたので、あえて同じ「笑う警官」としたとのことです。
ただ、「うたう警官」というタイトルはやはりわかりにくいけれど、実際に読んでみれば“なるほどな”と思ったのに対し、「笑う警官」というタイトルは読み終わった後でもあまりピンと来なかったので、自分的には「うたう警官」の方が良かったな~って思っちゃいますけどね。
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それで内容の方ですが、警察官である主人公が、かつて共に死線を潜り抜けてきた同僚が命を狙われていることを知り、なんとか救い出そうと奮闘する話です。
しかしその同僚の命を狙う相手というのが、実は主人公たちが所属する北海道警で、しかもそれは公然とした職務の一環として行われているのです。
となると、同僚に手助けすることは警察官としては反逆的なことなので、大っぴらには助けたり事件の謎を捜査したりは出来ないわけですが、そこで主人公がとった作戦とは......。
この作戦が明らかにされる場面というのが、これがまるでスーパーヒーローもののような盛り上がりで、このカッコ良さには参っちゃいましたねェ。表層的には警察官として職務に反することを行おうとしているのだけれど、その奥には正義の心が溢れている.....、ってとこもヒーローものっぽいですしね。
そしてタイムリミットが迫る中、大きすぎる敵や謎に対して悪戦苦闘しながらも迫っていくのですが、手に汗握るクライマックスに至るまでのこのサスペンス風味溢れる展開にはハラハラドキドキしっぱなしでした。
ただ、そんなハラハラドキドキするような場面も、シリーズ続編の「警察庁から来た男」「警官の紋章」のちょっとした説明を先に読んでしまうだけでも台無しになってしまうので、まずはなるべく情報を仕入れない状態でこの作品を読んでみて下さい。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 読み終り爽快度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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