『私が殺した少女』 原尞(りょう) > 「このミス」完全読破 No.135
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.135
『私が殺した少女』 原尞(りょう)
「このミス」1989年 : 1位
受賞(候補) : 「直木三十五賞」受賞
「ファルコン賞」受賞
(「日本推理作家協会賞」候補)
総合ランキング : 「「このミス」20年のベスト・オブ・ベスト」 3位
「「このミス」が選ぶ過去10年のベスト20」 4位
「キング・オブ・キングス(「このミス」30周年企画)」 6位
「二十世紀傑作ミステリーベスト10」 14位
「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 26位
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 2位
読始:2008.11.23 ~ 読終:2008.11.27
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <1996年4月>
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この作品は、「このミス」1989年の1位に輝いただけでなく、1998年版で行われた「「このミス」が選ぶ過去10年のベスト20」で4位、「もっとすごい!このミステリーがすごい!」で発表された「20年のベスト・オブ・ベスト」では3位ににランクインするなど、長きに渡って評価されている作品で、まさに「このミス」を語る上で避けることの出来ない名作なのです。
それは何もこの作品だけに言えることではなく、この探偵沢崎シリーズの第1作にして作者のデビュー作でもあるNo.11「そして夜は甦る」の1988年2位を始め、短編集も含めてシリーズ5作が全て5位以内にランクインしているので、まさに「このミス」を語る上で避けることの出来ない名シリーズなのです。
ちなみに、待望のシリーズ最新作は、ほぼ完成しているものの色々あって長引いているそうなので、発売される前に旧作を読んでしまいたいものです。
そんな人気シリーズの第1作「そして夜は甦る」は、感想を読んでいただければわかるように、読んでからわずか1週間ほどしか経ってない時点で、内容をほとんど憶えていなかったんですねェ。
まあ、これを読んだ頃は“「このミス」完全読破”を始めたばかりの頃で、当時はこういった玄人受けする作品の楽しみ方がわかるレベルにまでは達していなかったので、致し方ないのかもしれませんが。
それだけに、今現在の自分がこの“探偵沢崎シリーズ”を読んでどれだけ楽しむことが出来るのか、といったところも個人的に注目点でしたね。
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そして内容の方ですが、物語の冒頭で身に憶えのない誘拐事件に巻き込まれ、その後に探偵自らが誘拐事件に秘められた謎を追っていく、といったものです。
古風なまでに典型的なハードボイルド探偵ですし、誘拐劇やその後の謎に迫る展開がサスペンス的で、その中に謎解きミステリがふんだんに入っているので、ハードボイルド&サスペンス&ミステリと全ての要素が引き込まれるように面白く、これだけ「このミス」で評価されている所以が難なくわかりましたね。
それで「そして夜は甦る」でも書きましたが、連絡手段が携帯電話はおろか留守電さえもない時代なので、そこら辺でどうしても時代を感じてしまい、今の時代に読むとリアリティが薄れてしまいそうですが、その点を目をつぶれば、今読んでもそれほど古臭さを感じないだろうし、面白さは色褪せていないのではないでしょうか。
それに、冒頭の数ページを読みさえすれば、後は主人公と一緒になって謎多き事件へと巻き込まれ、解決するまで抜け出せなくなると思うので、作品の古さで読まず嫌いになっている方は、とりあえず数ページだけでも読み始めてみることをお薦めします。
ちなみに、前作「そして夜は甦る」を読まずにいきなり本作から入っても全然大丈夫です。前作の内容をすっかり忘れている自分が読んでも大丈夫でしたからね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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